今日の産経ニュース(6/14分)(追記・訂正あり)

■【テロ等準備罪】与党、14日中採決の構え 4野党は松野博一文科相不信任決議案で対抗、内閣不信任案も視野
http://www.sankei.com/politics/news/170614/plt1706140029-n1.html

 自民党は14日午後、「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案について、委員会採決を省略できる「中間報告」を経て、参院本会議で同日中に採決する考えを民進党に伝えた。

 強行採決どころか採決省略だそうです。委員会採決を省略する正当な理由がどこにあるのか。
 無茶苦茶としか言いようがないですね。どこまで民主主義を蹂躙すれば気が済むのか。
 これでもマスコミはまともに政権批判しないのだろうか、日本人多数派は安倍に怒りや嘆きを持たないのだろうかと思うと日本人であることに絶望的な思いがしてきます。こうした非道は是非阻止して欲しいですが不幸にして強行され法が可決されてもあきらめずに「法廃止」や「裁判闘争」といった戦いを続けようと強く訴えたいですね。戦争法が未だ「自衛隊集団的自衛権行使」というかたちで発動されてない、「危惧された南スーダンでの戦闘」も「自衛隊撤退」でひとまず無事に終わったように「法の制定」は勿論どうでもいいわけではありませんが、「法制定→即、発動で大ダメージ」という話では必ずしもありません*1
 例えば小生は「教員免許更新制度」を支持はしませんが少なくともそれは当初危惧されたような「思想差別的な代物」にはさすがの安倍もできませんでした。破防法は今もありますが、それは「当初危惧されたほどの脅威はならなかった」とはいえるでしょう。
 いずれにせよこうした暴挙の画策は「こうした暴挙をしても国民もマスコミもろくに批判しない」という思い上がりではあるでしょうが、一方で会期延長による「森友・加計疑惑追及」「共謀罪批判」の盛り上がりや「(会議延長できず)審議未了→継続審議」をおそれたという側面もあるわけで、「過大評価は禁物ですが」ある意味「安倍政権の弱さ」「野党の奮闘の成果」ともいえるでしょう。
 しかし自民党内には「あまりにも無茶苦茶なコトをやれば将来に禍根を残す、いつまでも自民が与党だと思うなら思い上がりだ」「こんなことをすればかえって野党共闘を強めてしまう」などという良識派はもはやいないようです。
 「過大評価はしませんが」昔の自民はもう少しまともだったと思うんですけどね。


■【加計学園文部科学省、15日に文書の再調査結果発表 自民・下村博文幹事長代行が認識
http://www.sankei.com/politics/news/170614/plt1706140053-n1.html
 なるほど「15日に発表する」からこそ「14日に強行採決したい」のでしょう。まったくインチキ調査だと自白してるようなモンです。


■【加計学園問題】「政策判断と決定プロセスはすべて正当」 国家戦略特区諮問会議民間議員が会見
http://www.sankei.com/politics/news/170613/plt1706130038-n1.html
 そもそも安倍が選んだ議員が「証拠も出さずに」「偽証罪が適用される証人喚問でもない」のに口先三寸でこんなことを言っても何の説得力もないのですが、そんな事も分からないほどバカか、分かった上で居直るほど面の皮が厚いのでしょう。
 さすが安倍の選ぶ議員だけのことはあります。


■【矢板明夫の中国点描】不当拘束日本人の釈放を 習近平政権「スパイ事件」でっち上げで日本たたき
http://www.sankei.com/premium/news/170614/prm1706140005-n1.html

 菅義偉官房長官は記者会見などで「わが国政府はいかなる国に対しても、スパイ活動には従事していない」と繰り返し強調している。おそらく本当であろう。

 誰が考えてもウソですよねえ。菅と言い産経と言い酷い嘘つきです。お断りしておきますが、もちろんこれは「身柄拘束された人間がスパイ」と言う意味ではありません。


■【世界を読む】中国によるトランプ政権への“忖度”疑惑浮上…「イバンカ・トランプ」工場の潜入調査員を拘束
http://www.sankei.com/west/news/170614/wst1706140002-n1.html
 「低賃金を理由に海外で物作りなどとんでもない」「中国にはがつんと物をいう」と言っていた男トランプの娘が「低賃金の魅力を理由に中国で物作り」というのだから無茶苦茶な話です。


■【京都「正論」懇話会】ロシアには世界を席巻する野望 斎藤勉*2産経新聞専務取締役大阪代表
http://www.sankei.com/west/news/170614/wst1706140075-n1.html
 産経がロシアを敵視するのはよく分かりますがまあバカバカしいですね。
 プーチン政権をどう評価するにせよ、彼は「世界を席巻する気」などないでしょう。彼の考えてることはあくまでも「彼の考えるロシアの国益の最大化」でしかないわけです。

中国、ロシアが軍事的に結託した場合には大きな脅威になる

「脅威とは何なのか」「結託とは何なのか」と聞きたくなりますが、まあ産経上がりの斎藤にはまともに答えることなどできないでしょう。単に反ロシア、反中国で放言してるだけでしょうから。


■【野党ウオッチ】なりふり構わぬ蓮舫民進党 「国連」ケナタッチ氏の書簡を御旗に“共謀罪”阻止の正当性を主張
http://www.sankei.com/premium/news/170614/prm1706140004-n1.html
 タイトルだけで大笑いですね。国連の特別報告者というのはそれなりの権威者でしょう。その権威者の批判を利用することの何が「なりふり構わず」なのか。むしろ産経の方こそ「国連は常に正義なのか」となりふり構わない暴論に走っています。


■【産経抄】日本を貶める日本人の了見 6月14日
http://www.sankei.com/column/news/170614/clm1706140003-n1.html
 産経の理屈だと歴代ノーベル平和賞受賞者、たとえば

旧ソ連を批判したサハロフ(1975年)
・連帯のワレサ*3(1983年)
アパルトヘイトを批判したツツ(1984年)やマンデラ*4(1993年)
ミャンマー軍政を批判したアウンサンスーチー*5(1991年)
・中国政府に批判的な劉暁波(2010年)

などは「(ノーベル平和賞選考委員会など)外国人の力を借りて祖国を貶める連中」となるでしょう。
 また「メキシコに亡命してスターリン批判をしていたトロツキー*6」「韓国に亡命して北朝鮮批判を始めたファンジャンヨプ」「日本メディアなど相手に弟に悪口していた金正男」「日本に亡命して朴チョンヒ批判をしていた金大中*7」なども「外国人の力を借りて祖国を貶める連中」となるでしょうが、まあ産経もそうはいわないでしょう。いや金大中だとそう言うのかな?。政府批判をする事は「内容の是非」はともかくそれ自体は、別に「祖国をおとしめること」ではないし、場合によっては「祖国の状況を変えるために国際社会の批判を利用すること」というのも普通に行われてるわけです。

*1:コメ欄で指摘があるようにだからこそ「国民が無関心」という側面も一方ではありますが。

*2:著書『日露外交』(2002年、角川書店)、『スターリン秘録』(2009年、扶桑社文庫)など

*3:後にポーランド大統領

*4:後に南アフリカ大統領

*5:後にミャンマー外相・国家顧問

*6:ソ連外相、国防相など歴任。亡命先のメキシコでKGB要員によって暗殺される。

*7:後に韓国大統領