今日の産経ニュース(2/24分)(追記・修正あり)

■【東京マラソン】母国・エチオピアに抗議のリレサ「東京五輪に出られるなら…」
http://www.sankei.com/sports/news/180224/spo1802240027-n1.html

 2016年リオデジャネイロ五輪銀メダリストのフェイサ・リレサが2年ぶりに東京マラソンに出場する。このエチオピア人ランナーは同五輪でフィニッシュの際、頭上で両腕を交差させ、自国政府に抗議したことで知られる。
(中略)
 エチオピアでは、オロモ人の多いオロミア州などへの行政区画拡張計画をきっかけに、15年から反政府デモが活発化。当局の治安行動により多数の死傷者が出た。リレサが両手を交差させるポーズを取ったのは抑圧への抗議を示すためだった。
 これに対し、スポーツの政治利用ではないかとの批判もある。だが、リレサは「日の当たらない所で苦しんでいる人たちがいる。身内が苦しんでいる。私が声を上げずに、誰が声を上げてくれるのか」と主張する。
 リオ五輪後は身の危険を感じ、米アリゾナ州フラッグスタッフに渡った。

 北朝鮮の平昌五輪参加を散々「スポーツの政治利用」とか抜かしてて産経はこれです。
 「リレサの政治利用はきれいな政治利用」なんでしょう。たぶん中国の選手あたりが五輪においてチベット問題で政府批判*1でもしたら「よくやった」と涙流して喜ぶのが産経でしょう。
 まあ、エチオピア政府は「スポーツの政治利用」とリレサを非難するんでしょうし、たぶん産経が「エチオピアの御用マスコミ」だったらエチオピア政府と全く同じこと言ってるでしょう。
 つうか日本の選手が「安倍政権で苦しんでる人(例:基地問題での沖縄県民)がいる!。私は彼らの思いに連帯したい!」としてリレサのような形で安倍に抗議したらほぼ2万パーセント確実に「安倍自民御用マスコミ」産経は「スポーツの政治利用」といってるでしょう(苦笑)。

 20年東京五輪については「今はエチオピアから代表として出られない。出られるなら金メダルを狙いたい」と話した。

 リレサの行為の是非はともかく、これが五輪の問題点でしょう。まともな国ならともかく独裁的な国でリレサのような政府批判をすると「亡命して亡命先で帰化しない限り」五輪に出場できなくなるわけです。


■【卓球】日本女子、北朝鮮破り決勝進出 W杯団体戦
http://www.sankei.com/sports/news/180224/spo1802240029-n1.html
 五輪と同時期というのが注目度としては「バッドタイミング」でしょうねえ。中国を破って優勝すれば大金星で大注目でしょうが、実際問題難しいでしょう。


■【平昌五輪】安倍晋三首相「歴史的な快挙」 高木菜那*2の金メダルを祝福
http://www.sankei.com/pyeongchang2018/news/180224/pye1802240064-n1.html
 まあその通りですが、政治利用しようというゲスさが丸わかりなのでいつもながらうんざりします。


■希望・民進合流は「落ち目の三度がさになりかねない」 社民・又市征治幹事長が疑問視
http://www.sankei.com/politics/news/180224/plt1802240010-n1.html
 まあ希望、民進は、立民どころか、共産、公明の支持率すら下回っていますからね。


■新設必修「歴史総合」 偏向是正規定も 高校授業は変わるか
http://www.sankei.com/premium/news/180224/prm1802240008-n1.html

「日本の戦勝は私を熱狂させ、毎日、新聞が来るのを待ち焦がれた。インドを、アジアを、ヨーロッパの隷属から救い出そうと思い、私自身が剣を取ってインドのために戦う英雄的行為を夢見た」
 後にインドの初代首相となるジャワハルラール・ネルー(1889〜1964年)は自伝で、世界最大の陸軍国ロシアに非西洋国の日本が勝利した日露戦争の戦況への興奮を、臨場感たっぷりに記した。

 産経らしい詐欺行為ですね。ネルーの自伝はその後で「しかし日本は我々アジアの期待を裏切った」と書いてることは有名な話です。
 そしてネルーは第二次大戦では、「日本と野合したチャンドラ・ボース*3」とは違い、ガンジー*4と共に英国支援をしたわけです。
 大体こういうときに「バカの一つ覚えのように」毎回毎回ネルーを出すこと自体、産経のインチキがモロバレです。要するにネルー以外に使えそうなネタが無いわけです。わかりやすい例を挙げれば、例えばホーチミン*5なんぞは産経はこの種の例としてあげられないわけです。
 それと

非西洋国の日本が勝利した日露戦争

てえのもねえ。
 以前本多勝一氏が「植民地独立戦争はもちろん全部非西洋国(アジア、アフリカ)が西洋(米国、英国、フランス、オランダなど)に勝利してるし、そっちの方が『日本という帝国主義国家が一つ増えただけの日露戦争よりずっとマシ』」と冗談半分で書いていましたが、まあ俺も同感ですね。


■【浜名湖連続殺人公判】裁判員「黙秘の数制限できないか」「少しでも良心あるのなら遺族に本当のことを」
http://www.sankei.com/affairs/news/180224/afr1802240006-n1.html
 「制限できないか」てのは「制限できません」で終わる話です。
 まあ無実を訴えるのなら、積極的に何か言ってほしかった(もちろん黙秘の権利を否定してるわけではない)、つうのは解りますが。


■【編集者のおすすめ】米国人歴史学者改憲論 『日本国憲法は日本人の恥である』ジェイソン・モーガン
http://www.sankei.com/life/news/180224/lif1802240010-n1.html
 米国人歴史学者といったところで、右翼宗教モラロジー系列で「古森義久」「西岡力」「八木秀次」などといった右翼活動家を教員(客員含む)にしてる麗澤大の「右翼教員のワンオブゼム」ですからねえ(苦笑)。
 『日本国憲法は日本人の恥である』(2018年、悟空出版)以外の著書も

・『アメリカはなぜ日本を見下すのか?:間違いだらけの「対日歴史観」を正す』(2016年、ワニブックスPLUS新書)
・『リベラルに支配されたアメリカの末路:日本人愛国者への警告』(2018年、ワニブックスPLUS新書)

というんだからこのモーガン、どう見てもまともではありません。
 しかも「外国語学助教」て(苦笑)。せめて憲法研究が専門である「文学部歴史学科」か「法学部」あたりから持ってきたらどうなのか。どうみてもまともな憲法研究をしてるようには見えません。


■国立なのに成育医療センターがドクターカー導入で「寄付」頼ったワケ
http://www.sankei.com/premium/news/180224/prm1802240006-n1.html
 率直にいって国立であるならば、そしてドクターカーが本当に必要ならば税金で措置すべき話です。「寄付を募る」なんて全く馬鹿馬鹿しい。
 もちろん俺が批判してるのは「やむなく寄付を募ってる現場」ではなく「寄付を募らざるを得ないような予算状況にしてる政府、与党」ですが。


■自民県議 代表質問で(ボーガス注:戦時中の強制動員で死亡した)朝鮮人追悼碑裁判に「控訴強く要望」 群馬 
http://www.sankei.com/affairs/news/180224/afr1802240017-n1.html
 実にふざけていますね。そうやって日本の負の歴史を隠蔽しようとしたところで被害者の方は忘れたりはしません。「日本人は無反省で傲慢だ」という反発が高まるばかりです。


■【産経抄】韓国ともいつか仲良くなれるのではとつい夢を見たくなるが… 2月24日
http://www.sankei.com/column/news/180224/clm1802240003-n1.html
 河野談話否定派の産経が仲良くなれることはないでしょうね。
 しかし河野談話を否定しない人間からすれば、産経のような嫌韓国をする理由はどこにもありません。

 日米韓の連携が何より大切な時に、平気でそれを壊すようなまねをして悪びれない。

 それはむしろ河野談話アジア女性基金で「100点満点ではないにせよそれなりの解決をした」慰安婦問題を「河野談話は間違ってる」などと放言し、蒸し返そうとする産経や安倍ら日本の歴史修正主義右翼に韓国側が言いたいことでしょう。

 平昌五輪における日韓両選手の温かな交流をみると、韓国ともいつか仲良くなれるのではとつい夢を見たくなるが、そうはいくまい。

 少なくともそうした日本人選手は産経のような嫌韓国ではないでしょう。

 韓国が初代の李承晩(イ・スンマン)大統領以来続く反日教育をやめ、対日観を改めない限り、真の友好が根付くとは思えない。

 おいおいです。李承晩とはまたずいぶんと昔の名前です。産経的には朴チョンヒや全斗煥反日なんでしょうか?
 まあ、朴チョンヒはともかく、全斗煥について言えば「韓国併合正当化発言」を問題視し、藤尾正行*6文相の更迭を中曽根*7首相に要求してますので「今の産経基準」では立派に反日でしょうが。ただし藤尾発言当時は産経は藤尾更迭を「やむを得ない」として肯定しています。

参考

http://scopedog.hatenablog.com/entry/20140915/1410800099
■誰かの妄想・はてなブログ版『藤尾妄言(1986年10月)とサンケイ新聞
 9月6日に在日韓国公使が抗議の意向を表明、9月8日に韓国外相が「極めて遺憾」と正式に抗議しています。
 9月7日には、朝日新聞が「藤尾発言は見過ごせない」と、読売新聞が「閣僚の資質が問われる藤尾発言」と、日経新聞が「外交センスのない政治は国を滅ぼす」と痛烈に批判しています。
 慰安婦問題で朝日叩きに興じる現在のメディアの体たらくと比べると隔世の感がありますね。
 しかし、一番面白いのは、この時の産経新聞の社説です。
サンケイ新聞「主張」(1986年9月9日)
 藤尾文相が罷免された翌日です。今の産経新聞なら、間違いなく植民地支配正当化論を擁護し、藤尾文相を“サヨク”の犠牲者扱いしたでしょうが、この時は全く違います。

 遅れて近代化した日本は“侵略”戦争の責任について、米英を非難する『三分の理』が少なくともある。しかし、韓国などアジアに対しては一厘たりともない。藤尾発言にはその分別がついていない。(略)
 藤尾発言の基調は中曽根首相の持論と隔たっていない。
(略)
 そうした藤尾氏の心情を十分知りぬいたうえでなおかつ、文相に登用した首相の政治責任も同時に不問に付すわけにはいかない。

 藤尾文相が罷免されてもなお、中曽根首相の任命責任を追及するという、今の安倍政権と癒着した産経新聞からは考えられない論調です。
 産経新聞はいつから宗旨替えして、韓国を差別的に侮辱することを社是にするに至ったのでしょうか。
 時期的に類推すると、韓国の民主化が大きな契機になっているのでしょうね。
 産経新聞は、軍事政権の韓国を好み、民主韓国を嫌悪するという、性質を持っているのでしょう。1986年9月9日の主張から引用した部分は真っ当な政治批判ですが、この批判精神を産経新聞は、韓国が民主化した途端に失ったということでしょうね。
(中略)
 藤尾文相の罷免に対しては、亀井静香*8が座長を務める国家基本問題同志会という自民党タカ派集団が「韓国の内政干渉に屈した」などと反発しています。


羽生結弦*9、日の丸に「ありがとう」 国旗を丁寧に扱う姿に称賛、感動の声相次ぐ
http://www.sankei.com/west/news/180224/wst1802240002-n1.html
 「羽生を日の丸万歳に政治利用」とは産経らしくて吹き出しました。ただし羽生は産経が期待するほど極右ではないでしょうし、産経もそのことは解ってるでしょう。

*1:あくまで仮定の話に過ぎませんが。

*2:平昌五輪女子スピードスケートパシュート金メダル、スピードスケートマススタート金メダル

*3:自由インド仮政府国家主席インド国民軍最高司令官兼務)

*4:インドの独立運動家。2007年6月の国連総会では、ガンジーの生誕日6/2を国際非暴力デーとすることが決議された(ウィキペディアマハトマ・ガンジー」参照)。

*5:ベトナム民主共和国北ベトナム)主席、ベトナム労働党主席

*6:鈴木内閣労働相、自民党政調会長(中曽根総裁時代)、中曽根内閣文相を歴任

*7:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官を経て首相

*8:村山内閣運輸相、橋本内閣建設相、自民党政調会長(小渕、森総裁時代)、国民新党代表、鳩山、管内閣金融担当相など歴任

*9:ソチ、平昌五輪男子フィギュアスケート金メダル