今日の産経ニュース(7/13分)(追記・修正あり)

内閣不信任決議案の採決、首相代理でも可能 政府答弁書
https://www.sankei.com/politics/news/180713/plt1807130027-n1.html

 立憲民主党は、11日からの安倍晋三首相の外遊に合わせ、10日にも不信任案を提出する方向で検討していたが、西日本豪雨を受けて見送った。

 まあ否決される可能性が高いし、今の豪雨で出せば自民、公明が「被災者のことを考えてない」などと悪口するでしょうからね。まあ、見送りはある意味自然でしょう。


立憲民主党、着々と労組支持を獲得…一方で「先鋭化」に拒否感も
https://www.sankei.com/politics/news/180713/plt1807130025-n1.html

 実際、自治労日教組などの旧総評系有力産別を中心に、立憲民主党から組織内候補を擁立する動きは相次いでいる。
 ただ、国会での「徹底抗戦」路線への懸念も顕在化し始めているようだ。

 というのはまあ普通に考えていわゆる旧総評系(旧社会党系)ではないでしょうね。連合執行部に巣くう旧同盟・民社党系(典型的にはUAゼンセン)の主張でしょう。旧同盟系連中は国民民主に露骨に肩入れし、共産、社民を敵視してるわけです。安倍をアシストしてる「困った連中」、それが旧民社党連中です。
 今の立民程度で「先鋭的」とは冗談も大概にしてほしいもんです。つうか、高度プロが安倍政権によって法制化されたことへの怒りや悲しみはないのか。もはや旧同盟系連中は労組と呼べるかどうかすら疑問符がつきます。 
 まあそういう意味では今連合は完全な分裂状態にあるわけです。全く困ったもんです。


自民党世襲制限の提言を策定
https://www.sankei.com/politics/news/180713/plt1807130010-n1.html
 といったところで首相・安倍*1岸信介*2の孫、安倍晋太郎*3の息子)だの、財務相・麻生*4吉田茂元首相の孫)だの、中曽根弘文*5中曽根康弘*6元首相の孫)だの世襲政治家がゴロゴロいる自民党では全く信頼に値しません。
 そもそも

 自民党の党・政治制度改革実行本部(塩崎恭久本部長)は13日午前の会合で党所属国会議員の世襲を制限する党改革提言をまとめた。

という塩崎*7本部長自体が塩崎潤*8代議士の息子ですからねえ。


■強盗殺人の逆転無罪を破棄…最高裁、高裁に差し戻し
https://www.sankei.com/west/news/180713/wst1807130062-n1.html
 「まーた『権力の走狗』的行為を最高裁がやらかしてしまったのではないか」という不安を感じずにはいられませんね。


■【主張】「心は女性」入学へ 男女の否定につなげるな
https://www.sankei.com/column/news/180713/clm1807130001-n1.html
・「心は女性」というと大林宣彦『転校生』(原作・山中恒おれがあいつであいつがおれで』)や藤子・F・不二雄のSF短編『換身』を連想するのは小生がおっさんだからでしょう。

【参考】

■換身(ウィキペディア参照)
 藤子・F・不二雄(発表時は藤子不二雄名義)の読み切り漫画作品。1972年(昭和47年)に早川書房SFマガジン』9月臨時増刊号に掲載された。のち『藤子・F・不二雄 SF短編PERFECT』第1集(小学館)に収録。体が入れ替わる話は藤子・F・不二雄の作品に何度か取り上げられている。
■あらすじ
 主人公の海野五郎は、マッドサイエンティスト魔土災炎が作った薬の力で、無理矢理に暴力団組長と体を入れ替えられてしまう。主人公はなんとか体を取り戻そうとするのだが、取り戻すどころか、災炎の薬によって、婚約者である森山みどりと体が入れ替わってしまった。一方で五郎と入れ替わった組長は自らが奪った五郎としての平穏な生活を守るために、五郎の魂の入った、かつての自らの体を始末しようと画策する。

http://www.fujiko-f-fujio.com/fan/sf/sakuhin/kansin.html
 ラストの五郎とみどりが再会して、体を取り替えようと塀から落ちるが体は元に戻らないといういきさつは単行本化の際に加えられたエピソードで、初出時は組長が死んだことで体は元に戻す手段がないことを自覚し、「それでもいいんじゃないかな」と続く。

https://koma1991.info/sakuhin/fujikoffujio/5093/
 五郎とみどりは再会して五郎はもとに戻ろうとしたが、できなかった。実質、結婚のようなものと受け止めた五郎は新しい人生を2人で歩むことにした。

・「お茶の水女子大がトランスジェンダーの入学方針を決定、後に続く大学も出る見込み」つうニュースで産経がどんな暴言かましてくれるかなと思ったら予想通りです。
 「いや誰も男女の否定なんかしてねえし」で終わる話です。
 そもそも「女子大」という存在自体が「男女を区別している」わけです。

受け入れに当たって課題は少なくない。

 まあいろいろ課題はあるでしょう。しかし、そうした課題の存在は「トランスジェンダーなんか受け入れるべきでない」つう話には全くならない。
 つうかこういうときに「そもそも女子大って必要なんかいねえ?(共学化しないの?)」つう話にならないあたりも実に産経らしい。

 医学的知見からの性同一性障害については、平成16年に特例法が施行され、複数の医師の診断など一定の条件で戸籍上の性別を変更することなどを認めている。
 お茶大は、それより広い概念のトランスジェンダーを受け入れるようだ。診断書がない場合でも対応を考えたいというが、具体的な確認方法は今後検討する。あいまいではかえって混乱しないか。

 まあ、とりあえずは「診断書のあるケースで対応し、ないケースでも対応できないか検討する」つう話でしょうね。産経が因縁つけるような話ではないでしょう。

 男女共学の大学でもトランスジェンダーの学生らに配慮し、誰でも使えるトイレなどの設置を進めている。

 つうのは要するに「男性用小便器(いわゆる、あさがお)」をなくし、「大便器オンリーにする」つうだけの話です。
 そんなに難しい話でもない。
 ちなみに産経のいうトイレの話についてはぐぐって見つけた以下の記事を紹介しておきます。

【参考:トランスジェンダーとトイレ】

https://mainichi.jp/articles/20151215/k00/00e/040/181000c
毎日新聞『ICU:LGBT配慮の学生寮 性別不問のフロア初設置』
 国際基督教大学(ICU・東京都三鷹市)は、性同一性障害などの性的少数者(LGBT)に配慮した学生寮を新築する。男女区別なく入居でき、共同浴場のほかに個室のシャワーブースを備える。今月着工し、2017年4月にオープン予定だ。
 同大は03年度にトランスジェンダー性同一性障害を含む体と心の性が一致しない人)の学生に学籍簿上の名前と性別の変更を初めて認めるなど、LGBTへの対応をいち早く進めてきた。04年度には学内にジェンダー研究センターを設置し、対応を強化。定期健康診断を個別に受診できるようにするなどしている。設備面では、男女の別がない多目的トイレを設置し、個別に利用できる更衣室を常設にした。

https://mainichi.jp/articles/20170902/ddf/041/040/012000c
毎日新聞トランスジェンダー:トイレ悩まず使って 「多目的」に掲示 阪大が独自マーク』
 自分の性別に違和感を持つ人に多目的トイレを気兼ねなく利用してもらおうと、大阪大が性別を問わず利用できることを示す独自のマークを考案した。10月から、学内に新設する多目的トイレに順次掲げる。心と体の性が一致しないトランスジェンダーの人などは、トイレの利用で悩むケースも多く、当事者の訴えが大学を動かした。【池田知広】
 大阪大は今年7月、性的少数者への差別の解消を進める基本方針を定めており、今回の取り組みもその一環

https://mainichi.jp/articles/20171017/k00/00e/040/201000c
毎日新聞『名古屋大:多様な性、配慮のトイレ…ジェンダー研究施設に』
 LGBTなど性的少数者に配慮したオールジェンダー(全ての性)トイレが、11月1日にオープンする名古屋大の研究施設「ジェンダー・リサーチ・ライブラリ」(名古屋市千種区不老町)に登場する。同施設はジェンダー問題に関する研究や情報発信の充実を図る狙いがあり、トイレの在り方にも工夫を凝らした。一般の人も利用可能で、大学発の新たな取り組みとして注目を集めそうだ。
 施設は2階建て(延べ床面積約840平方メートル)で、図書館と研究スペースで構成。施設内のトイレは全て個室で、各階に3室ずつ計6室ある。うち4室が性別を問わない「オールジェンダー」向けで、2室を「女性優先」にする。
 トイレ前の壁面には人をかたどったレリーフが並ぶ。よく見ると、ひげをはやしたスカート姿の人もいて、性の多様性を表現しているのが特徴だ。トイレのドアも同趣旨の模様を施した。施設は篤志家の寄付などで整備され、オープン時にはジェンダー関連で約2万冊の蔵書をそろえたい考え。一般にも開放する。
(中略)
 大阪大も性別を問わずに利用できることを示す独自マークを考案し、11月以降、学内に新設する多目的トイレに掲示する予定。国際基督教大(東京都三鷹市)は今年4月、学内にある学生寮で性別を問わないフロアを設置した。
 性の多様性を意識する大学が増えつつあり、名古屋大は今後、防犯面なども考慮しつつ、学内の他の施設でもオールジェンダートイレを設けるかを検討する。

http://www.news24.jp/articles/2017/05/16/07361645.html
■日テレ『「オールジェンダートイレ」設置のナゼ』
・先週末、東京・渋谷に新しい店舗をオープンしたドン・キホーテ。そのトイレには、男性と女性のマークに挟まれた特徴的なマークと共に「オールジェンダー」という案内。実は、性同一性障害の人に配慮されたトイレだ。なぜ今、このようなトイレを設置したのか。
・「オールジェンダー」(全ての性別)トイレは、性別を問わず利用できる。心と体の性が一致しない性同一性障害の人も利用しやすいようにという配慮があるという。
・このトイレは、性同一性障害の人専用というわけではなくて、子ども連れの人や体の不自由な人など誰でも利用できるという。
ドン・キホーテの他にも、こんな動きがある。大阪市では、市内24区のうち半分以上の13区で区役所の多目的トイレの入り口に“虹”をあしらった案内板を取り付けている。“虹”は性の多様性を象徴している*9
 学校での取り組みも行われている。佐賀県鳥栖市では今年度から来年度にかけ、市内の小中学校10校について、男子トイレを女子トイレと同じように全て洋式の個室にするという。
 男子の間で「トイレの個室に入るとからかわれる」といった声があるのに加え、性同一性障害の児童や生徒への配慮も理由の1つだという。
 アメリカでは「ジェンダーニュートラル」(性別を問わない)と表示されたものや、日本のドン・キホーテと同じマークも使われている。
 ドン・キホーテが今回、新しいトイレを設置した東京・渋谷区は2015年、同性のパートナーを「結婚に相当する関係」と認める公的な書類を交付するなど、性的少数者にも優しい環境を作っている。
 だからこそ、ドン・キホーテも渋谷区で取り組みをスタートさせたということで、動きがさらに加速していくことが期待される。
・たとえ、「オールジェンダー」のトイレを整備しても、周囲からの視線が気になって性同一性障害の人たちが利用しづらいものになったら本末転倒だ。
 環境の整備と共に、社会もしっかりと理解を深めることで、みんなが利用しやすいものにしていきたい。

【参考終わり】

 岩波書店広辞苑第7版で「LGBT」を「多数派とは異なる性的指向をもつ人々」としたことに、トランスジェンダー(T)は「性自認に関する言葉」などの指摘があり、訂正する問題も起きた。

 「はあ?」ですね。お茶の水の話と何の関係があるのか。たぶん「『中国』の説明は改めないくせに!」とでも「岩波に悪口が言いたかった」つうくだらない話でしょうが。

【参考:広辞苑と台湾】

https://mainichi.jp/articles/20171223/k00/00m/040/103000c
毎日新聞広辞苑:岩波「誤りとは考えない」 第7版でも「台湾省」』
台北・福岡静哉】
・国語辞典「広辞苑」の中国に関する項目で台湾が中国の一部と紹介され、台湾が修正を要求している問題で、発行元の岩波書店は22日、「誤りであるとは考えていない」との見解を発表した。「『中華人民共和国』の項目に付した地図であり、同国が示している行政区分を記載した」ことを理由としている。
台北駐日経済文化代表処は22日、毎日新聞の取材に「断じて中華人民共和国の一部ではない」と改めて強調した。

【参考終わり】

 誤ったジェンダーフリー(性差否定)教育につながることも心配だ。

 そもそもジェンダーフリー教育とは「その是非はともかく」、性差否定教育ではない。
 そもそも「性差を完全に否定すること」などできるわけがないでしょう。産経らウヨがデマで誹謗してるだけです。
 つうか結局なんだかんだ言って産経は「トランスジェンダーなんか受け入れるな」といいたいわけです。
 最後に産経とは対極にある朝日の社説を紹介しておきます(太字強調は俺がしました)。

https://www.asahi.com/articles/DA3S13579410.html
■朝日(社説)心の性 多様さを認める社会に
 戸籍上は男性だが、自ら認識する性(心の性)が女性であるトランスジェンダーの学生を、再来年度から受け入れるとお茶の水女子大学が表明した。
 日本女子大など他の大学も検討を進めている。多様な性のあり方を認め、学びの場を保障する動きが広がるのは意義深い。
 文部科学省は15年、性的少数者の児童・生徒への「きめ細かな対応」を求める通知を全国の小中高校に出した。この問題は教科書でも取りあげられるようになり、千葉県柏市の市立中が性別に関係なく着用できる制服に切りかえるなど、目に見える変化が出始めている。
 自らを女性と認識する人が、女性として教育を受けたいと願うのは当然だ。女子大が門戸を開くのも時代の流れに沿うものといえる。むろん入学を許可して終わりではない。講義や日常生活、スポーツ、就職活動など様々な場面でサポートが必要になる。当事者の声に耳を傾け、準備を整えてほしい。
 日本学術会議の分科会が昨年まとめた提言「性的マイノリティの権利保障をめざして」でも、教育機関に対し、通称名の使用やトイレ、体育・健康診断での配慮、カウンセリング体制の充実などを要請している。
 進路指導をする高校の側も、正しい知識が求められる。文科省など関係機関は連携を密にして、切れ目のない支援体制を築いていかなければならない。
 性的少数者が自分らしく生きられる社会づくりは、まだ緒に就いたばかりだ。
 文科省の通知と同じ年、東京都渋谷区は同性カップルに、結婚に準じた関係を認める「同性パートナーシップ制度」をつくった。福岡市、大阪市などが続き、さらに準備している自治体もある。だが諸外国では法律で同性婚を認めるなど、より強い形で権利を保護している。主要7カ国*10でそうした法整備をしていないのは日本だけだ。
 この国会では、40年ぶりに相続制度を大きく見直す改正民法が成立した。長年連れ添った配偶者や介護に貢献した人に、これまでよりも多くの財産が残されることになったが、事実婚や同性のパートナーはその対象ではない。政府・国会には大きな宿題が残された。
 性の認識や家族の姿に「正解」はない。多様な考えや生き方が現にあり、それを認め合うことが、人権が守られ、誰もが生きやすい社会につながる。
 既存の制度や慣行はその妨げになってはいないか。常に意識を持って点検し、着実に見直していくことが大切だ。

*1:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*2:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相。戦後、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*3:三木内閣農林相、福田内閣官房長官自民党政調会長(大平総裁時代)、鈴木内閣通産相、中曽根内閣外相、自民党幹事長(竹下総裁時代)など歴任

*4:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相

*5:小渕、森内閣文相(科技庁長官兼務)、麻生内閣外相、自民党参院議員会長など歴任

*6:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官を経て首相

*7:第一次安倍内閣官房長官、第三次安倍内閣厚労相など歴任

*8:中曽根内閣経済企画庁長官、海部内閣総務庁長官など歴任

*9:「虹は性の多様性を象徴」についてはウィキペディア『レインボーフラッグ (LGBT)』参照

*10:いわゆるG7(米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、日本)のこと