■【自民党総裁選】岸田文雄氏*1、石破氏批判鮮明に 9条2項削除の改憲論「違和感」 安倍*2首相3選サポートへ全国行脚で汗「宏池会政権への道」とも
http://www.sankei.com/politics/news/180824/plt1808240032-n1.html
・宏池会の命名者はウィキペ「宏池会」によれば、大物右翼・安岡正篤だそうなので、宏池会は「リベラル保守」とはいっても、やはり左派とは違います。
そもそも派閥創始者の池田も岸*3から禅譲で首相になってます。「禅譲で首相になったから池田は岸とは変わらない」なんてバカは言いませんが、池田のライバルとしては石井光次郎*4、大野伴睦*5、河野一郎*6などがいました。
その中から岸が池田を指名したことはやはり軽視できないと思います。確かに官僚出身という点で池田と岸には共通性はありますが、それだけではない気もします。
・それはともかく、
池田勇人*7、大平正芳*8、鈴木善幸*9、宮沢喜一*10という四人の首相
・4首相プラス河野洋平氏*11、谷垣禎一氏*12の6人の総裁
を生み出した名門・宏池会も最近は「総裁になった谷垣氏を除き」
といった幹部政治家はいても首相や総裁の座から遠のいて大分時間がたちます(麻生は河野洋平派所属ですが、その極右性や安倍との近さから宏池会扱いされてないので除外しました。麻生本人も宏池会扱いされたくないようですし)。
竹下*15政権以降は、「ワンポイントリリーフ、傍流の宇野*16、海部*17内閣」、「宏池会・宮沢内閣を除き」、橋本、小渕内閣と旧竹下派内閣でした。
森*18内閣以降は、「麻生内閣を除き」小泉*19、第一次安倍、福田、第二次安倍と清和会内閣です。
「国益という観点から首相は今代えるべきではない」
岸田氏は24日、福岡市で開いた岸田派所属の古賀篤*20衆院議員の集会でこう語り、首相への支持を強く訴えた。
国益という観点を考えたらモリカケ総理など今すぐかえるべきでしょう。「ウォーターゲートのニクソン」「チェスンシル疑惑の朴クネ」など容認できないのと同じことです。
「外相、政調会長で登用してくれたように、今後も安倍政権での重用→できれば安倍からの総裁禅譲狙い」という私利私欲で安倍支持してるくせに岸田も良くもいったもんです。
大体「岸田出馬や石破との連携のの可能性を探り、細田*21派、麻生*22派、二階派とは違いすぐには岸田は安倍支持表明しなかった」くせに何を言ってるのか?
一方俺が最近「少なくともあの時点では変わるべきではなかった、拉致問題で一定の区切りがついてから変わるべきだった」と今でも残念なのは「在任中の拉致解決を目指していた」といわれる福田*23総理辞任です。
首相は12日の長州「正論」懇話会で、9条2項を維持した自衛隊明記案を含む党の改憲案を秋の臨時国会に提出する意向を表明。2項削除論の石破氏が「あり得ない」と反発した。
「ハト派」と呼ばれる宏池会は伝統的に憲法改正には消極的で、岸田氏もこれまで積極的な発言は控えてきた。しかし、この日の講演では、首相の提案を「理解できる」と支持した一方、石破氏の9条2項削除論については「違和感を覚える」と否定し、スタンスの違いを鮮明にした。
確かに石破は9条改憲派ですが、安倍も護憲派な訳ではない。「9条2項削除」を安倍が言わないのは「自民支持層にも存在する護憲派の反発が強すぎて削除なんて現実的に無理と判断してるから」「別に削除しなくても、別の方法で2項は骨抜きにできると思ってるから」であって「可能であれば削除したい」のは安倍も石破と同じです(この点、削除を公言する石破は本気か、ウヨへのこびか知りませんが全く非常識な男です)。
改憲派・安倍支持を公言する御仁が石破を「護憲を旗印にする宏池会として改憲派・石破氏に違和感がある」とは笑えない冗談です。
石破氏が非核三原則の見直しを求めていることに対しても「被爆地(広島)出身の議員として非核三原則はしっかり維持する立場だ」と述べ、容認できないとの姿勢を強調した。
この点にしても「非核三原則見直し、日本の核武装」が安倍の本音であって、安倍は非核、反核な訳では全くありません。「安倍を支持する」岸田の石破批判には全く正当性がありません。
岸田自らが出馬し、護憲、反核の立場から安倍と石破をともに「あんな人たちに政治を任せておけない」と舌鋒鋭く一刀両断すれば、筋は通るのですが、この御仁にはそうした能力も覚悟もないわけです。
それはともかく、護憲派、核廃絶派の俺として、こうした石破は到底手放しでは評価できませんが、さすがに「モリカケの腐敗政治家」「日本会議とズブズブ」の安倍よりはマシです。
石破のこうした極右性を無視して石破を過剰に持ち上げることは適切ではありません。しかし一方でこうした極右性を理由に石破と安倍を同一視し、「安倍三選でも石破でも全く変わらない」とみなすことも適切ではありません(残念ながら現状では安倍の三選の可能性が高いでしょうが)。何度も言いますが石破の方がまだましでしょう。石破はおそらく首相になっても「安倍と違って」靖国参拝しないでしょうし「ニッキョーソ」のような下劣なヤジも飛ばさないでしょう。
「多くの議員が自民党から出て行く中、歯を食いしばってがんばった思い出がある」と述べ、離党経験のある石破氏を牽制
それいったら二階*24幹事長とて、元々は小沢一郎氏*25の子分として、自民を一時、離党し、新生党、新進党に参加しています。非自民・細川内閣では二階氏は運輸政務次官に就任しました。
野田聖子*26総務相も郵政離党で一時離党していますし、自民を離党し新自由クラブを結党したが後に総裁や外相を歴任した河野洋平氏などは岸田にとってどうなるんでしょうか?
「離党した」なんて今の自民において特に批判する材料にはならないでしょう。
二階氏や野田のように「新進党や新党さきがけから復党した議員」や「郵政離党→復党議員」が山ほどいるからです。
それはともかく、なんでそういう石破や二階氏の「自民離党と自民復党」が支持者の反発もなく成立するかと言えば自民党議員の支持層の多くは「議員先生個人を支持してるのであって政党を支持してないから」「議員先生からの利益誘導や世襲議員*27で親の代からの付き合いがあるなど、政策と関係ない部分で支持してるのであって政策で支持してないから」です。だから自民党には「強力な議員後援会」はあっても党員数が少ない。
田中角栄*28元首相などロッキード事件で自民離党に追い込まれながらも「日本最強」といわれた個人後援会・越山会で楽々当選しています(この点、落選した田中真紀子氏*29はそうした越山会遺産を使い果たしてしまったのでしょう)。
この点は「政策で政党を支持してる」共産党支持層などとの大きな違いです。
だからこそ、共産を離党した志賀義雄、筆坂秀世などは共産党時代は国会議員でも、離党後は支持層を失い、政治家を続けること(選挙で当選すること)ができませんでした(志賀は極端なソ連びいき、筆坂はセクハラ問題という問題がありますが)。あげく筆坂に至っては河野談話を公然と否定するウヨ商売を始めるまでに転落しています。
■【夏の甲子園】共産党が金足農の活躍を我田引水…「校歌の作詞者は党員」
http://www.sankei.com/politics/news/180824/plt1808240008-n1.html
「校歌作詞者も生きていれば今回の活躍を喜んでるだろう」レベルの記事の何が我田引水かさっぱりわかりません。つうか産経らしい実にくだらない因縁付けです。
とりあえず金足農業高校校歌の作者を産経が教えてくれたことには感謝しておきます(皮肉のつもり)。
なお、産経がくだらない因縁つけてる赤旗コラムはhttps://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-08-23/2018082301_06_0.htmlで読めます。
■【産経抄】8月24日
http://www.sankei.com/column/news/180824/clm1808240001-n1.html
障害者雇用促進法は、民間企業や公的機関に、一定割合の障害者の雇用を義務づけている。模範となるべき国や自治体の場合、現在の法定雇用率は企業より高い2・5%に設定されている。昨年6月1日時点では、国の33行政機関は、計6900人の障害者を雇用し、平均雇用率は2・49%だった。
▼ところがこれが偽りの数字である事実が発覚した。障害者手帳が交付されていない軽度の人も合算していた。多くの省庁で、実際の雇用率は1%を下回る。悪習は40年以上も続いていたという。その後各自治体でも、雇用水増しの実態が次々に明らかになっている。
「モリカケ(土地の不当廉売、情実による学部設置認可)発覚の後」では「数字の水増し*30でごまかせるのならそうするんじゃねえの?。だってモリカケすら実行できる国だから。モリカケに比べたら大して罪悪感ないだろ」としか思いません。
安倍自民が関与してない「らしい」疑惑(官僚や民間企業、野党議員の疑惑など)の時だけは「こんな不正は許せない」と勇ましい産経です。
しかしこうなると「企業でも同様の不正があるのではないか」となるのは当然の話でしょう。
■【関西の議論】兵庫県で初代知事の伊藤博文*31像の再建が進まぬ理由 背景に歴史問題も
http://www.sankei.com/west/news/180824/wst1808240003-n1.html
今年6月の兵庫県議会本会議で伊藤博文像に関するやり取りが繰り広げられた。質問に立った高橋充広県議(維新の会)は「県政150周年*32を迎え、神戸市に初代県庁が復元される。これに合わせて伊藤博文の銅像を再建してはどうか」と提案した。
しかし、井戸敏三*33知事は「どこに、どのような銅像を建てるかは、地域の提案や具体的な動きがあることが前提になる」と答弁。再建を否定しなかったものの積極的でもなかった。
「再建」つうのはいったんつくった銅像をあの戦争の時に金属供出で提供したからです。
そりゃ初代韓国統監で「韓国の民族英雄」安重根に暗殺された人間ですからね。中国、韓国からの観光に悪影響の恐れがある。立てたがらないのも無理はないでしょう。
■【自民党総裁選】公開討論会や街頭演説を大幅減へ 安倍首相の外遊日程に配慮、石破*34元幹事長は反発
http://www.sankei.com/politics/news/180824/plt1808240001-n1.html
もちろん本当は「安倍が小心者なので石破と論戦したくない」「周囲もそんな安倍に公開討論しろと言えない(実際、安倍が恐れるように石破に論破される醜態をさらしかねない)」だけでしょう。正直、そんな人間にまともな外交ができるとはとても思えない、つうか実際できてないでしょうが。
*1:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相を経て自民党政調会長
*3:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相
*4:吉田内閣運輸相、岸内閣行政管理庁長官、池田内閣通産相、佐藤内閣法相、衆院議長など歴任
*5:衆院議長、吉田内閣北海道開発庁長官、自民党副総裁(鳩山、池田総裁時代)など歴任
*6:鳩山内閣農林相、岸内閣経済企画庁長官、自民党総務会長(岸総裁時代)、池田内閣農林相、建設相など歴任
*7:吉田内閣蔵相、通産相、石橋内閣蔵相、岸内閣蔵相、通産相などを経て首相
*8:池田内閣官房長官、外相、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相
*9:池田内閣郵政相、官房長官、佐藤内閣厚生相、福田内閣農林相、自民党総務会長(大平総裁時代)などを経て首相
*10:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相。
*11:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長など歴任
*12:小泉内閣国家公安委員長、財務相、自民党政調会長(福田総裁時代)、福田内閣国交相、第二次安倍内閣法相、自民党幹事長(第二次安倍総裁時代)など歴任
*13:中曽根内閣防衛庁長官、宮沢内閣官房長官、自民党政調会長(河野総裁時代)、幹事長(橋本総裁時代)を歴任
*15:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)を経て首相
*16:田中内閣防衛庁長官、自民党国対委員長(三木総裁時代)、福田内閣科学技術庁長官、大平内閣行政管理庁長官、中曽根内閣通産相、竹下内閣外相を経て首相
*17:福田、中曽根内閣文相を経て首相
*18:中曽根内閣文相、自民党政調会長(宮沢総裁時代)、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)などを経て首相
*19:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相
*21:小泉内閣官房長官、自民党幹事長(麻生総裁時代)、総務会長(第二次安倍総裁時代)を歴任
*22:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相。現在、第二〜第四次安倍内閣副総理・財務相
*24:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て幹事長
*25:中曽根内閣自治相・国家公安委員長、自民党幹事長(海部総裁時代)、新生党代表幹事、新進党党首、民主党幹事長などを経て自由党代表
*26:小渕内閣郵政相、福田、麻生内閣消費者問題等担当相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)などを経て第四次安倍内閣総務相
*28:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相などを経て首相
*29:村山内閣科学技術庁長官、小泉内閣外相、野田内閣文科相を歴任
*30:とはいえ目標2.5%で平均雇用率2.49%ですから1)2.5%達成できてないと真面目に回答してる省庁もあった、2)水増しパターンもさすがに2.6%、2.7%などであって5%達成とか大盛りはしてなかった(まあかえって目立って不正がばれますからね)らしいことがうかがえます。
*31:首相、貴族院議長、枢密院議長、韓国統監など要職を歴任。元老の一人。
*32:もちろん「県政150周年=明治維新150周年=安倍の明治維新150周年記念行事(おじ佐藤栄作首相の明治維新100年記念行事の二番煎じ)」のわけです。
*34:小泉内閣防衛庁長官、福田内閣防衛相、麻生内閣農水相、自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任