今日の産経ニュース(7/25分)(追記・修正あり)

週刊新潮『オウム時代の「女性信者殺害」を隠蔽! 「上祐史浩」に教祖の資格はあるか?』
https://www.dailyshincho.jp/article/2018/07250557/?all=1

「『ひかりの輪』は、公安審査委員会から、これまで5回連続で観察処分を更新されてきました。上祐はこの取り消しを求め、昨秋、何と東京地裁で勝訴してしまったのです。国はこれに控訴し、1月には6回連続で観察処分を更新した。この激しいバトルの最中、殺人事件の隠蔽がバレてしまった。ダメージを最小化するためには、必死で理屈をこねるしかないのです」
 しかし、事ここに至ると、処分を違法とした裁判長の不明は明らかなのだ。

 まあ週刊新潮らしいあほ記事ですね。
 上祐が仮に「殺害現場にいた」にもかかわらず、保身のため、それを隠し続けていたのなら、(犯行に加担してないという条件付きで、ですが)「多少は同情しますが」、今は「単なる一私人」ではなく「ひかりの輪」代表である以上、もちろん道義的責任は免れません(なお殺人に加担したわけではなく「殺人現場にいただけ」なら殺人についての刑事責任は生じません。犯行を告白する義務もないので告白しなくても別に犯人隠匿罪にもなりません)。
 しかし裁判で問題になっている「観察処分の是非」は「上祐の人間としての道義的責任」が問われてるわけではない。
 「ひかりの輪に観察処分をする必要があるか」どうかという話に過ぎません。そして、まあ、観察処分をする必要性はぶっちゃけないでしょうね。テロなどの危険性はどこにもないでしょう。
 もちろん「統一教会幸福の科学」のような詐欺性はあるかもしれませんが、それは「統一教会幸福の科学」が観察処分を受けてないことでもわかるように別の話です。
 かつ裁判では「行政側が提出した証拠のみ」によって判断がされるわけです。「殺人の隠蔽」云々なんてことは証拠提出されてない。単に「上祐の道義的責任のみ」を問う記事ならまともだったのに、「公安調査庁万歳」ですべてを台無しにするあたりさすが「非常識ウヨ雑誌」週刊新潮です。もちろん褒めていません。


【ここから産経です】
菅義偉官房長官金融庁で何らかの対応する」 野田*1総務相の情報公開請求把握問題で
https://www.sankei.com/politics/news/180725/plt1807250028-n1.html
 その内容上、野田が更迭されてもおかしくない不祥事ですが、果たして安倍がどう動くかというところですね。「セクハラ問題」でかばった麻生ほどの思い入れがないし、「野田の総裁選出馬の可能性を潰すため」にもあっさりと切るのか。
 そして野党やマスコミとしては
1)真相の解明(なぜそうした事態に至ったのか、また、野田以外にそうした便宜供与を受けた大臣はいないのか)
2)野田の更迭
をとりあえずは求めることになるでしょう。


■外国人受け入れ、来年4月目指し制度整備 安倍晋三首相が指示
https://www.sankei.com/politics/news/180725/plt1807250012-n1.html
 「人手不足だから」なんてことで安易に受け入れれば今の日本では排外主義を助長するだけではないかと危惧しますね。そのあたりの覚悟が政府与党や財界にあるとは思えない点がなんともかんとも。


■【野党ウオッチ】「一人も閣僚のクビ取れず…」今国会、野党の戦果ゼロ? 立憲民主と国民民主は対立激化
https://www.sankei.com/premium/news/180725/prm1807250005-n1.html
 まあ与党が多数議席を占めてるので世論の大多数が麻生*2財務相辞任論(セクハラ問題での酷い対応)でないとなかなか辞任に追い込むのも難しいでしょう。野党が力不足とかそういうことではない。
 麻生辞任論が世論の多数でないことが俺には理解できませんが。まあ日本人がセクハラに甘いって事なんでしょうね。
 一方で小渕経産相、甘利*3経済財政担当相(役職は当時)らが金銭疑惑などでやめたときはできる限り扱いを小さくするわけですからまあ、産経もいつもながらでたらめです。
 「立民と国民民主の対立激化」といったところで共産、社民、自由は立民と一緒に国民民主批判し、ほとんどの野党支持者も国民民主に批判的ですからねえ。支持率も調査によっては「立民どころか共産、社民、自由も下回り」最下位の国民民主など、立民にとって「問題外、相手にしてない」というところでしょう。
 まあ、あえて言えば「国会を会期延長に追い込み」また「改憲関係の法案提出は阻止した」こと、国民民主の裏切りはあったものの、ほぼ「高度プロ反対、カジノ法反対」で野党共闘が維持されたことは「過大評価はできない」ものの戦果とは言っていいのではないか。


■【ニュースの深層パンドラの箱を開けた? 「心は女子」学生受け入れ決めたお茶の水女子大 「女子大の存在意義」議論の呼び水に
https://www.sankei.com/premium/news/180725/prm1807250004-n1.html

・「検討に時間はかかったが、お茶の水女子大で学びたい人を温かく迎え入れたい」。
 室伏きみ子学長は7月10日の記者会見で、平成28年度から2年間にわたり在学生らへの説明会を複数回重ねるなどして、今回の決定に至った経緯を説明した。
お茶の水女子大の決定は他大学の動向にも影響しそうだ。「まだ正式に決まっていないが、前向きに検討している」と話すのは国立の奈良女子大(奈良市)の担当者。29年9月に大学理事などで構成するワーキンググループを立ち上げ、問題の洗い出しを行っている。公立では群馬県立女子大(群馬県玉村町)がお茶の水女子大の決定を受け、学内委員会で検討を開始。福岡女子大(福岡市)は「1年生全員が寮生活をするため保護者の理解などを含めクリアすべき課題は多い」(担当者)。状況把握のため他大学の情報収集に乗り出している。
 女子教育を大学の理念に明確に掲げる私立でも検討は進んでおり、津田塾大(東京都小平市)、日本女子大(同文京区)、東京女子大(同杉並区)などで29年から議論している。
・ピーク時には100近くあった女子大だが、定員割れに伴う学生募集強化や統廃合などを背景に共学化が相次いだ。29年度の(ボーガス注:文部科学省の)学校基本調査では、女子大数は国立2校、公立2校を含め計76校。780ある大学の約1割にとどまる。
 お茶の水女子大の記者会見では女子大の存在意義に関する質問も相次いだが、室伏学長は「共学化の議論はなかった」とし、「女性が社会で男性と同等に暮らせる状況にはなっていない。女子大の存在意義はまだまだある」と強調した。

 一応コメント抜きで紹介だけしておきます。


教科書検定基準に新規定 高校「歴史」偏向防止へ 文科省
https://www.sankei.com/life/news/180725/lif1807250008-n1.html

 教科書検定をめぐっては、26年1月改正の高校地理歴史科の検定基準で(1)未確定事象を断定的に記述しないこと(2)通説的な見解がない近現代の歴史的事象にはその趣旨を明示(3)政府見解や最高裁判例などの反映−を示している。

 まあ唖然としますね。こうした基準の是非と言うより「こうした基準で偏向歴史教科書とやらが防止できる」という産経の詭弁についてです。
 「政府見解や最高裁判例などの反映」というのは例えば「自衛隊の扱い」なら「政府=合憲論」「最高裁=判断回避」という意味で「政府的に意味がある」でしょう(そういう基準を支持するわけではありません)。
 しかし慰安婦だの南京事件だのは「政府や最高裁判決が否定してるか」といったら否定なんかしてない。政府が公然と否定したらそれこそ外交問題になります。
 真偽不明の未確定事項とも、通説的見解がないともとてもいえないわけです。つまりは「公平そうな、まともそうな基準を作った上で南京事件慰安婦について書かせないようにする」なんてどだい無理な話です。結局、公言するかどうかはともかく産経の主張は「日本の恥をかくな、隠せ」つう話にしかならない。

 日露戦争の位置づけは大陸進出の本格化*4という一面的な議論になりかねないが、検定基準の拡大で、アジア諸民族の独立や近代化運動を促した視点も加わる可能性*5があり、多面的な議論が期待される。

 「産経では予想の範囲内」ですが、呆れて二の句が継げませんね。中韓(プラス、ロシア?)との外交関係をそんなに破壊したいのか。何でそんなに日露戦争なんか美化したいのか。
 「アジア諸民族の独立」云々つうならむしろ「毛沢東」「金日成」「ホーチミン」に影響を与えたロシア革命じゃないのか。しかし、まあ産経はロシア革命なんかについては否定的議論しかしないわけです。

*1:小渕内閣郵政相、福田、麻生内閣消費者問題等担当相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て第四次安倍内閣総務相

*2:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相。現在、第二〜四次安倍内閣副総理・財務相

*3:小渕内閣労働相、第一次安倍、福田内閣経産相麻生内閣規制改革担当相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第二次、第三次安倍内閣経済財政担当相を歴任

*4:というよりは「朝鮮植民地支配の本格化」でしょう。

*5:そんなあほなこと書くのは例のつくる会教科書だけでしょう。