■毎日新聞『日中平和友好条約40年/下 研究者、中国に活路 予算10年で倍増、世界一の米国に迫る』
https://mainichi.jp/articles/20181017/ddm/007/010/058000c
「日本とは比較にならないほど恵まれている」。
中国の理系トップ校、清華大で宇宙論を研究する博士研究員の島袋隼士さん(30)は目を輝かせる。日本政府は2004年の国立大学法人化から年1%ずつ運営費交付金を削減し、研究者の多くは外部資金を得るための事務作業に追われるようになった。
中国は対照的だ。「科学技術強国」を目指して研究費を10年で倍増させ、日本の2倍以上、世界一の米国にも迫る。島袋さんは清華大に赴任後、上司の言葉に感激したという。
「うちにはお金があるから、どんどん活用して、ステップアップしたらいい」
「日中友好とか日中平和友好条約40年とか、中国政府の科学振興と何も関係ないヤン」と思いますがそれはさておき。
以前も別記事(http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20180907/1265542156)で、「NHKの同様の報道(https://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2018_0913.html)」を紹介しましたが、「科学技術にバンバン予算をつける中国」です。それに危機感を覚え、NHKや毎日新聞などがこういう報道をしても現政権は科学予算を増やしたりはしないのでしょう。でその結果、NHK記事に登場した『復旦大学の服部素之教授(36)』や今回の毎日新聞記事に登場した『清華大で宇宙論を研究する博士研究員の島袋隼士さん(30)』のような中国への頭脳流出も起きると。
それにしても阿部治平*1はいつになったら
id:Bill_McCrearyさんの記事
■基本的に、理数系の学問振興と政治体制・民主主義の程度は関係ないと思う
https://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/22346c83316572e990e53822bba215d4
のような事実を公式に認めるのか?。
いつになったら阿部は
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-3531.html
権力維持のために言論統制を強化すれば、密告の土壌は深まり拡大する。だが大学や研究所で、講義や研究さらには人格問題などで密告が行われれば、教育・研究の創造的発展はない。社会科学だけではない。科学・技術の分野でもこれでは定説を越えた新学説が生れにくい。伝統的芸術の革新もできない。実に中国にとって不幸な時代がやってきたといわなければならない。
という「事実に反する主張」を公式に撤回するのか。まあ、何があろうと撤回しないのでしょうが。
id:Mukkeの「ノルウェーに霞を食えとは言えない」と同じで「本当は自分の間違いに気づいてるが、無駄にメンツを気にしてひっこみがつかない」のでしょうが。
よくもそんな輩が偉そうに中国共産党批判なんぞするもんです。「いろいろ限界があるとは言え」、文革という「自らの失敗」に「一定の反省を公に表明してる」だけ中国共産党は少なくとも「事実に反する主張を未だに改めない」阿部よりはましでしょう(まあ天安門事件については未だに中国政府は公式には全面自己正当化ではありますが)。冗談抜きでそう思いますが、まあそう言ったら阿部は「中国よりも俺が劣ってるとはふざけんな!」と怒り出すんでしょうねえ。
それはともかく阿部の精神構造はMukkeに似てると思います。
もちろんそういうことをすればするほどMukke同様、「何があろうと阿部万歳の連中(例:リベラル21)」をのぞき、阿部の社会的信用は落ちていきますが。俺は「俺のコメント掲載を不当にも拒否する」阿部が大嫌いなので大変いいことです(皮肉のつもり)。阿部とつきあえるリベラル21の連中の気が知れません。本当に「お前らはリベラルを名乗るな」といいたい。
■毎日新聞『日中平和条約発効40年、「第5の政治文書」作成の動きも』
https://mainichi.jp/articles/20181023/k00/00m/010/121000c
日本政府内では、来年6月を想定する習近平国家主席の来日をにらみ、新たな日中関係を規定する「第5の政治文書」の作成に向けた動きも出始めている。
第1が田中*2内閣の日中共同声明。第2が福田赳夫*3内閣の日中友好平和条約。第3が江沢民*4国家主席訪日時の共同宣言(小渕*5内閣)。第4が胡錦濤*6国家主席訪日時の共同宣言(福田康夫*7内閣)だそうです。
果たして「第5の文書」とやらはつくられるのか、つくられるとしてどんなものになるのか、いつつくられるのか、気になるところです。何があろうとウヨが安倍*8批判しないことだけは今からわかりますが。
■琉球新報『<社説>明治150年式典 礼賛よりも反省すべきだ』
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-823185.html
政府が「明治150年記念式典」を開催した。近代化を成し遂げた先人の偉業を振り返り現代に生かす狙いという。侵略、戦争で国内外に甚大な被害を与えたことを反省して、現在と未来に生かすのでないなら、式典を開く意味はない。
安倍晋三首相は式辞で、今を「国難の時代」とし「明治の人々が、勇気と英断、たゆまぬ努力、奮闘によって、世界に向けて大きく胸を開き、新しい時代の扉を開けたことに思いをはせながら、私たちは、この難局に真正面から立ち向かい、乗り越えていかなければならない」と述べた。
そして若い世代に向け「この機会に、わが国の近代化に向けて生じた出来事、人々の息遣いに触れ、光と影、さまざまな側面を貴重な経験として学び取ってほしい」と呼び掛けたが「影」の部分について具体的に説明しなかった。
政府主催式典というと2013年4月28日の「主権回復」を祝う式典を思い起こす。1952年にサンフランシスコ講和条約発効で日本が独立を回復した一方で、沖縄や奄美は分離され米統治下に置かれた。この日を「屈辱の日」としてきた沖縄では、式典に強い反発が起きた。
沖縄から見ると、明治150年の前半はアジア太平洋戦争と沖縄戦で終わった。そして後半の始まりが「屈辱の日」である。日本に復帰して46年を経た今も米軍専用施設面積の約70%を押し付けられ、民意を踏みにじられ続け、事実上の植民地支配、差別を受けている。式典会場近くで批判する集会が開かれたのは当然である。
安倍首相は、幕末に松下村塾で維新の志士たちを育てたという吉田松陰を尊敬し、演説でしばしば引用してきた。その松陰は「幽囚録」で次のように説いた。
「今、急いで軍備をなし、軍艦や大砲が備われば、蝦夷(北海道)を開墾して諸侯に統治させ、間に乗じてカムチャツカ、オホーツクを奪い、琉球を説得して諸侯と同じようにさせ、朝鮮を責めて古代のように従わせ、北は満州(中国東北部)を分割し、南は台湾、ルソン(フィリピン)を収め、次第に進取の勢いを示すべきである」
まさにこの通りに、近代日本は膨張政策を推し進めた。1879年の「琉球処分」(琉球併合)と、アイヌ民族の土地を奪って進められた北海道開拓が、日本の膨張政策の始まりだったことを忘れてはならない。そしてその結末が、アジア太平洋戦争の惨禍と連合国による占領だった。
安倍首相は「日本を取り戻す」というスローガンを掲げ、特定秘密保護法、安全保障関連法、共謀罪などを国民の根強い反対を無視して成立させてきた。戦前の強権国家の再来を懸念する。なすべきは明治150年を礼賛するのではなく、歴史に学び、植民地支配や戦争を二度と繰り返さないと誓うことである。
全く同感なので紹介しておきます。
■琉球新報『沖縄にとって明治以降の150年は何だったのか 政府の明治150年記念式典に合わせ考える』
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-822686.html
明治改元150年を記念した政府主催の式典が23日に東京で開かれる。内閣官房「明治150年」関連施策推進室は、式典や関連行事について「明治期において多岐にわたる近代化への取り組みを行い、国の基本的な形を築き上げた」などと意義を説明している。しかし沖縄の研究者らは、明治以降の日本の近代国民国家形成が、琉球併合(「琉球処分」)や沖縄戦など沖縄の苦難の原点となったことを指摘している。
憲法に詳しい高良鉄美*9琉球大学法科大学院教授は「明治憲法は明治維新後の富国強兵、帝国主義の考えが盛り込まれている。その中で『琉球処分』があり、沖縄戦にもつながった」と指摘する。政府に対し「負の部分が多い歴史を見ていない。政府が(2013年4月28日に)『主権回復の日』式典を開いた時と同様に独善的な部分がある。明治国家を考える時には、アジアなど外国からどう見られているのかも考えないといけない」と強調した。
県歴史教育者協議会事務局長を務める山口剛史琉球大准教授は「安倍政権が明治を再評価する意図を丁寧に考えないといけない。もしも日本が誇るべき記念の側面しかないならば、都合の良い歴史解釈だけを取り上げた評価にならざるを得ない」と疑問視する。沖縄の立場から「『琉球処分』以降の歴史をどのように政府が総括し、意義付けているかを見抜くことが求められている」と強調した。
「政府は式典の前に沖縄に謝罪すべきだ」と語るのは琉球民族独立総合研究学会の親川志奈子共同代表。「米国政府はハワイを併合したことを謝罪した。植民地主義を検証し、先住民族の権利を保護するのは世界の流れだが、日本政府は過ちに向き合っていない」と指摘する。「歴史の裏側に沖縄の犠牲があったことに向き合わなければ、負の側面を含めて正確に歴史を理解することはできない。日本人にとっても不幸なことだ」と批判した。
■識者談話:沖縄押さえ付けた150年/西里喜行さん*10(琉球大名誉教授)
江戸幕府には琉球を日清両属、最終的には清の属国だとする見方すらあった。しかし明治政府は国内の一地域という見方で強引に内国化しようとした。吉田松陰が唱えた膨張路線に沿って明治政府は朝鮮や旧満州、中国、台湾、ルソンなどへ領域を拡大したプロセスの中に琉球を位置づけたことが、その後の歴史の方向を規定する要因となった。
政府は1879年の廃琉置県(「琉球処分」)で琉球を併合した翌年、琉球分割を清国に提案している。日清修好条規を改定し、欧米諸国並みの中国内地通商権を得る代わりに、宮古・八重山を中国に割譲する内容だった。琉球の人々の決死の請願により阻止されたが、政府は国益のために琉球を利用しようとした。
沖縄戦の後、サンフランシスコ講和条約によって日本の独立と引き換えに琉球を分断し、米軍支配下に置いた。さらに1972年の復帰時、日米は繊維製品を巡る貿易摩擦のさなかにあった。ここでも日米両政府は繊維交渉を解決する手段として沖縄を利用した。復帰は「糸と縄(沖縄)を取引した」と言われた。国家権力に利用される地位からの脱却を掲げた屋良朝苗主席(当時)の「復帰措置に関する建議書」は政府に届かなかった。
現在、政府は名護市辺野古に新基地を押しつけようとしている。政府にとって沖縄を押さえつけ、取り込んでいく150年だった。沖縄にとっては自己決定権を要求し続ける闘いの150年だ。政府の政策に対し「愚直」にも「不条理は不条理」と主張し続けた。そういった視点からも150年間を見直していくことが必要だ。
概ね異論ないので紹介しておきます。
■明治150年記念式典 安倍内閣総理大臣式辞
http://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2018/_00034.html
憲法の制定*11、議会の設置*12、内閣制度*13の導入など、立憲政治・議会政治の基礎が築かれました。工業化の進展、鉄道の開通、郵便や金融制度の整備。産業も大きく発展しました。義務教育が導入され、女子師範学校が開設されるなど、教育が充実したのもこの時代です。
安倍が「日清、日露戦争」「台湾、韓国植民地化」といった都合の悪いものから完全に逃げてることが注目できます。さすがの安倍も「日本は台湾、韓国、南樺太を領土化し経済を活性化させました」など韓国や中国、台湾、ロシアを憤激させかねないことはさすがに言えないわけです。
「鉄道の開通、郵便や金融制度の整備」など、もっぱら「近代化万歳」という話だけに逃げ込む安倍です。
■朝日(社説)明治150年 議論重んじた先人たち
https://www.asahi.com/articles/DA3S13733183.html
明治維新150年を祝う式典が、あさって*14東京で開かれる。
明治の精神に学び、更に飛躍する国へ――。政府がかかげるキャッチフレーズだ。
いま「明治」に学ぶべきは何か。それは、しっかり議論すること。互いに尊重しあい、異見にも耳を傾け、考えを深める姿勢ではないだろうか。
自由民権運動のメンツはともかく、伊藤博文だの山縣有朋だのは議論重んじてないと思いますが。少なくとも政府批判派に耳を傾けたりはしないでしょうよ。
たぶん、安倍は「伊藤や山縣に学んでいる」のでしょう。
■毎日新聞『余録:明治改元の詔が発されたのは』
https://mainichi.jp/articles/20181023/ddm/001/070/096000c
きょう政府の「明治150年記念式典」がある▲こう聞けば、高齢の世代なら50年前の佐藤栄作(さとう・えいさく)政権下の明治100年行事を思い出す方もいよう。
だって明治150年て、完全に佐藤・明治100年の丸パクリ、バッタもん、二番煎ですから。
しかし日経には何一つ期待してませんが、毎日ももっとはっきりと安倍批判したらどうなのか。下で紹介した地方紙の記事くらいのことは書いてほしい。
これに限らずなんか「地方紙の方が全国紙よりまともに安倍批判してる」気がします。これは安倍ではないですが「1980年代(だったと思います)」に本多勝一氏もリベラル色の強い信濃毎日新聞や北海道新聞を例に「全国紙は地方の問題は批判できるが中央の問題は批判できない傾向がある、地方紙はその逆だ」なんて書いてた記憶があります。
■日経『歴史ふり返り新時代ひらく時』
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO36791520S8A021C1EA1000/
慶応から明治に改元したのが1868年の10月23日。ちょうど150年前のことである。政府がきょう、明治150年の記念式典を開くのはそのためだ。
「明治改元の日が10/23」だから式典ですか(ただし、10/23からではなく、新暦の1月1日に遡って明治とされた)。しかし別に明治150年なんて、日経のように『歴史ふり返り新時代ひらく時』なんて脳天気に手放しで祝う話でもないでしょう。
■佐賀新聞『明治改元150年:民主化挫折の歴史胸に刻め』
https://www.saga-s.co.jp/articles/-/292242
明治改元から23日で150年となる。政府は同日午後、安倍晋三首相が出席して東京都の憲政記念館で記念式典を行う。
安倍首相は年初来、明治維新について日本を近代化させ欧米列強の帝国主義から日本の独立を守ったと称賛、当時の人々に学ぼうと呼び掛けてきた。確かに経済発展、軍事力強大化のスピードは目覚ましいものがあった。
一方、政治体制の民主化には長い時間と多くの努力が必要だった。さらに政党政治の挫折が、無謀な戦争を引き起こし、国家を存亡の機に立たせる敗戦と他国による占領を招いた。これをきっかけに教訓をこそ胸に刻まなければならない。
近代化によって植民地化を防ぎ、現代日本の基礎を築いたと位置づけるこの150年を顧みることは、国家を危機に至らしめた太平洋戦争までの経緯を振り返ることでもある。栄光とともに影にも目を向けなければならない。
概ね異論ないので紹介しておきます。そもそも「明治日本の近代化すげえ」といって民主主義や人権を無視するなら「朴チョンヒ韓国」や「トウ小平改革開放以降の中国」も「近代化がすげえ」わけです。
まあウヨ連中は朴チョンヒ韓国はともかく「トウ小平改革開放以降の中国」は全然褒めませんが。
■西日本新聞『三四郎が見た明治』
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/reading_oblique/article/459138/
漱石の名作「三四郎」は、九州出身の小川三四郎が東大に入学するため、上京する場面から始まる。
三四郎は汽車の中で四十ぐらいの男と同席する。日露戦争勝利を巡る会話の中で、三四郎が「しかしこれからは日本も段々発展するでしょう」と言うと、男はすました顔で答える。
「亡(ほろ)びるね」
三四郎は驚く。
「熊本でこんなことを口に出せば、すぐ擲(な)ぐられる。わるくすると国賊取扱(とりあつかい)にされる」
この男は三四郎が後に深く関わる英語教師の広田先生で、漱石自身を投影しているように思える。
「三四郎」に続く長編「それから」でも、漱石は主人公の代助に、借金を重ねて一等国の仲間入りをしようとしている明治政府を厳しく批判するせりふを吐かせている。
「牛と競争をする蛙(かえる)と同じ事で、もう君、腹が裂けるよ」
ロシアに勝って日本全体がイケイケになっている時にこう書くのだから、さすが漱石先生である。
元外務省国際情報局長で外交評論家の孫崎享*15(うける)氏は、著作「日米開戦の正体」(祥伝社)で、漱石のこの2作品に触れた。「それから」の代助の言葉を引きながら、日露戦争以降の日本の国家予算における国債費(国の借金)と軍事費が増大した経緯をデータを示して分析している。
孫崎氏は「日露戦争後、インフレ上昇、増税などで社会不安が増大し、それが軍部独裁の道につながった」などを理由に「真珠湾攻撃(日米開戦)への道は日露戦争の『勝利』から始まった」と指摘する。
明治に現実の国力以上の自信をつけた日本が、昭和になって無謀な戦争を始め、ついには「国が亡ぶ」に等しい敗戦を招く。漱石の懸念は現実化した。
今年は明治150年に当たる。安倍晋三政権は盛り上げに余念がない。「明治の精神に学び日本の強みを再認識する」として数々の行事を催し、今月23日に政府主催の記念式典を開く。
確かに明治は日本が短期間で近代化に成功した誇るべき時期だ。西洋文明を大胆に取り入れ、立憲政治を確立し、新たな社会システムをつくり上げた。日本史上屈指の成功体験である。
しかし、それは同時に「昭和の大失敗」の起点でもあった。そこに目をつぶり、ただ「素晴らしい明治」と祝うのは、少しばかりおめでたすぎはしませんか
「盛り上げに余念がない」つうほど安倍が盛り上げをしてるとは思いません。むしろ「改憲アピールの方が盛り上げに余念がない」かと思いますが、それ以外は概ね異論ないので紹介しておきます。
■奈良新聞10/2朝刊コラム『「明治の精神」願い下げに:女性活躍でなく女性閉め出し』(女性史研究者・江刺昭子*16)
https://www.nara-np.co.jp/news/20181002065330.html
政府の「明治150年」サイトには「明治の精神に学び、日本の強みを再認識する」「能力本位の人材登用の下、若者や女性が、外国人から学んだ知識を活かし、新たな道を切り拓き」といった文言が並んでいるが、「明治の精神」とは何だろう。能力本位の人材として生かされた女がどれだけいただろう。
首相が今年の年頭所感で女性活躍の例に挙げた津田梅子は、1871年に米国への官費留学生として満6歳で渡航した。しかし、11年後に帰国したときには正式な働き場所もなかった。いったい何のために勉強したのかと、米国で寄宿したアデリン・ランマンに縷縷(るる)書き送っている(大庭みな子*17著『津田梅子』)。男子留学生たちはそれ相応の地位を与えられ、海外の新知識を役立てるような職務についていたのに。
日本の女子教育が良妻賢母主義に傾いているのを案じた津田は1889年、私費で再びアメリカに学んだ。帰国後は女子英学塾(現・津田塾大)を創立して専門教育による自立した女性の養成に力を注ぐのである。
ちなみに幕末から明治時代、多くの官費留学生が欧米に送り出されたが、『幕末明治海外渡航者総覧』によると、男656人に対して女はわずかに13人、2%に満たない。しかも能力を生かす受け皿は女子教育分野だけで、政治、司法、官途、いずれの道も固く閉ざされていた。
津田が再渡米した翌1890年には、自由民権運動が要求してきた国会が開設されたが、選挙制度が理不尽きわまりない。国会議員の選挙人も被選挙人も国税15円以上を納めている男性に限られ、女性には参政権がなかった。そればかりか日本最初の議会が開かれる直前に公布された「集会及政社法」は、女性は政党に入ってはいけない、政治集会を催してはいけない、聴いてもいけないと、徹底して女性を政治から閉めだした。
女を人として扱わない、そんな「明治の精神」は願い下げにしたいものである。
市川房枝*18、平塚らいてう*19ら新婦人協会のねばり強い運動によって、1922年に政治集会を主催したり傍聴する権利だけは回復したが、参政権も結社の権利も敗戦後までお預けだった。
第4次安倍改造内閣の女性閣僚はたった1人*20。女性参政権が実現して72年もたつのに、明治維新を唱導した山口県は女性国会議員を1人しか選出していない。薩長同盟が生きているわけではないだろうが、鹿児島県はゼロである。
安倍政権は女性活躍を重点政策に掲げている。「明治の精神」として、「道を切り拓」いた女性を称揚する。ならば、この組閣はどうしたことか。
特に異論ないので紹介しておきます。なお、ウィキペディア『津田梅子』によれば彼女と一緒に留学し、帰国後も親交があった人間としては
■山川捨松(のちの大山捨松)
第1次伊藤*21、黒田*22、第1次山縣*23、第1次松方*24、第2次伊藤、第2次松方内閣陸軍大臣、陸軍参謀総長、内大臣、元老を歴任した大山巌の妻。九州帝国大学(九州大学の前身)初代総長、京都帝国大学(京都大学の前身)総長を歴任した山川健次郎の姉。
■永井繁子(のちの瓜生繁子)
第4戦隊司令官、佐世保鎮守府長官、横須賀鎮守府長官を歴任した海軍大将・瓜生外吉の妻。三井物産初代社長を務めた益田孝の妹。
がいるそうです。「津田塾創始者」津田以外は「著名人の妻(あるいは著名人のきょうだい)」という形でしか名を残せなかったことは「当時の女性の地位」を示していると思います。
ちなみに安倍の演説は以下の通りです。
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2018/0101nentou.html
「高い志と熱意を持ち、より多くの人たちの心を動かすことができれば、どんなに弱い立場にある者でも、成し遂げることができる。」
明治初期、わずか6歳で岩倉使節団に加わった津田梅子の言葉です。性別に関係なく個人の能力が活かされる米国社会に学び、帰国後、女子高等教育機関を立ち上げました。そして、その生涯を、日本人女性の可能性を開花させることに捧げました。
津田塾と安倍が「モリカケ並みに癒着してる」のか、単に安倍が知ってる明治女性が津田梅子ぐらいしかいないのかは不明です。
もしかして自民党女性議員(それも安倍好みのウヨ議員)に津田塾OGが?、と思ってウィキペ「津田塾」を見ましたがどうもそうでもないらしい。それとも理事長(ウィキペディア「津田塾」などによれば島田精一・元日本ユニシス社長)や学長とのつながりなのか?
■毎日新聞『明治150年記念式典縮小 首相こだわり/反発に配慮』
https://mainichi.jp/articles/20181024/ddm/002/010/157000c
明治改元から150年の節目を迎えた23日、政府は憲政記念館(東京都千代田区)で「明治150年記念式典」を開いた。50年前の100年式典は約1万人が出席して大々的に開かれたが、戦前の歴史も踏まえて明治維新の「全面称賛」には批判も根強く、今回の出席者は約300人に縮小。皇族の出席も見送られた。
憲政記念館では1万人も入らないですからね(苦笑)。
開催時間も明治100年が約50分で、今回が約20分だそうです。安倍も「批判が強いわりに評判がよくないこと」にやる気を失ったと言うことですかね。あるいは10月末の訪中に悪影響を与えることを安倍が恐れたか。ただしそれでも中止にはしない(いずれにせよ小規模にとどめた理由を安倍は説明しないでしょうし、ウヨ連中も問いたださないでしょう)。テレビも全然報じませんしね。
いずれにせよこの「前回より小規模にする」という方針がいつ決まったのか気になるところです。
当然ながら「急なお願いで申し訳ありませんが、明日やりますので出席お願いします(前日に言われても行けるか、バカ!)」なんてことはありえないわけで、遅くとも1ヶ月前くらい(9月中旬頃)には出席要請が関係各位に来てるんじゃないか。
【ここから産経&赤旗です】
■産経『安倍晋三首相、10月24日に中国の習近平*25国家主席と会談で調整』
https://www.sankei.com/politics/news/180927/plt1809270002-n1.html
安倍晋三首相が10月24日に中国の習近平国家主席と会談する方向で最終調整していることが26日、分かった。23日は日中平和友好条約の発効から40周年の節目にあたり、友好ムードが盛り上がる時期に訪中を実現させ、日中両国の関係改善に弾みをつけたい考えだ。
ということで単なる偶然に過ぎませんが「10/23は明治改元の日(そして安倍が明治150年式典開催)&日中友好条約発効の日」だそうです。
こんな日に明治150年式典とは「そんなものより条約発効の祝賀行事でも大々的にやれ!」「明治150年万歳!、てけんか売ってるのか、手前!。日清戦争から始まる中国侵略を美化する気か!」と中国側に認識され不快感をもたれても仕方ないでしょうが、そういう配慮は安倍にはないでしょう。
なお、最近の報道によれば訪中は24日ではなくて25日からだそうです(27日に帰国)。
■産経『菅義偉官房長官「明治期の全て称賛するものではない」 明治150年記念式典欠席の共産党に反論』
https://www.sankei.com/politics/news/181023/plt1810230027-n1.html
ならば明治の何を評価し、何を批判するのか、共産党の主張についてどこに賛同し、どこに賛同しないのかと言うことです。どうせまともに説明できないでしょうが。いずれにせよ菅ですら「明治に問題点などない」とは居直れないわけです。舌先三寸ですら「100パー正しいとまでは言ってない」と言い訳する。
■産経『共産、明治150年式典欠席へ 「前半は負の歴史」』
https://www.sankei.com/politics/news/181022/plt1810220033-n1.html
■しんぶん赤旗『「明治150年式典」出席せず、小池氏 「趣旨に同意できない」』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-10-23/2018102302_03_1.html
https://www.sankei.com/politics/news/181022/plt1810220033-n1.html
「150年の前半は、侵略戦争と植民地支配に向かった負の歴史がある。明治以降を丸ごと祝い、肯定するような行事に参加できない」
あまり話題になってない気がしますが、明日23日にあるそうです。なお、小生はこの記事を読むまでそんな式典のことは知りませんでした。
ググったら
■産経『10月23日に政府主催「明治150年記念式典」開催へ』
https://www.sankei.com/politics/news/180810/plt1808100017-n1.html
で過去に報道あったんですね。気づきませんでした。ただ言い訳させてもらえば「10月に式典やります」としか書いておらずどんな式典かさっぱりわかりません。これでは見落とすのも無理はないかと。
なお、佐藤栄作*26・明治100年の時は「どでかい日本武道館」が会場でしたが、今回の会場は「憲政記念館」だそうです。武道館ほどには大きくないでしょうから、「佐藤の時よりはちゃっちいもの」になるかと思います。
話題になってない理由の一つは「宣伝や報道が少ないから」でしょう。むしろ安倍がらみでは「安倍の改憲アピール」や「10月予定の安倍訪中」の方が話題ではないか。そのため赤旗など安倍批判派も「批判材料が少なすぎて」この式典を批判しづらいのか、批判記事は、なかったような気がします。
安倍も明治150年をぶち上げた当初はともかく、今や明治150年はあの男にとって「改憲や10月訪中に比べたらどうでもいい」のかもしれません。
いくら「明治をたたえる」とはいっても公然と韓国侵略を美化するなんてとても無理だし、「明治の近代化評価」それ自体なら左派だってやってることです。別に目新しくもない(ただし、左派は安倍ら戦前礼賛極右と違い「侵略戦争や植民地支配」「大逆事件のようなでっち上げえん罪」「足尾銅山鉱毒事件」などといった明治のマイナス部分はもちろん批判しますが)。
欠席は「佐藤栄作・明治100年式典も欠席した」共産の立場では当然の話です。最近、野党共闘重視で保守層に妥協し「ソフト化してる」ので少し不安でしたがほっと一安心です。やはり「だめなものはだめ(土井たか子)」「ならぬことはならぬもの(大河ドラマ)」でしょう。必要以上に妥協する必要はない。こんなもんに出たら党の汚点になる。
問題は他野党がどう動くかでしょう。正直、国民民主にはあまり期待していませんが、立民、社民、自由(特に保守政党の立民や自由)がどう動くか。正直、こんなもんに出る政党が「立憲」だの「社民」だの抜かすのは勘弁してほしいですね。つまり共産に歩調を合わせて欠席してほしい。まあ欠席しなければそれはそれで俺にとって「共産を支持する理由がまた一つ増える」わけですが。
■赤旗『背景に戦争する国づくり、「明治150年式典」 市民が反対集会』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-10-24/2018102402_06_1.html
■産経『「『明治150年礼賛式典』徹底批判!緊急集会」に、立憲民主党の杉尾秀哉参院議員ら5人が参加』
https://www.sankei.com/politics/news/181023/plt1810230032-n1.html
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-10-24/2018102402_06_1.html
・安倍政権が23日に開催した「明治150年記念式典」に反対する「『明治150年礼賛式典』徹底批判!緊急集会」(村山首相談話を継承し発展させる会主催)が同日、国会内で行われ、日本共産党、立憲民主党、自由党、社民党、参院会派「沖縄の風」の4野党1会派が参加しました。
・立憲民主党の杉尾秀哉参院議員は「明治の負の歴史に向き合わず、うそとごまかしを続ける安倍政権には我慢できない。市民と野党が一丸となって来年の選挙で安倍政権を倒そう」と訴え。沖縄の風の糸数慶子*27代表・参院議員は「明治改元は琉球処分がなされた沖縄にとって苦難の原点だ。現在の米軍基地の押しつけをやめるべきだ」と批判しました。
自由党の森ゆうこ参院議員は「明治維新の中で失われた命に目を向けるなど、政治家は歴史を直視すべきだ」と強調。
https://www.sankei.com/politics/news/181023/plt1810230032-n1.html
・「『明治150年礼賛式典』徹底批判!緊急集会」(村山談話を継承し発展させる会主催)が23日、国会内で開かれ、立憲民主党の杉尾秀哉、自由党の森裕子*28両氏ら5人の参院議員が参加した。
・杉尾氏は明治150年について「半分は戦争の歴史であり、植民地支配の歴史だった。安倍晋三首相は負の歴史に真正面から向き合わず、不都合な真実に目を背け、嘘とごまかしで乗り切る」と主張した。
・森氏は新潟県出身であることを紹介し、「私どもは奥羽越列藩同盟だ。明治150年、とんでもない」などと述べ、政府の式典を批判した。社民党の福島瑞穂*29参院議員は「右翼と保守の間にくさびをしっかり打って、安倍内閣を一刻も早く終わらせたい」と語った。
・立憲民主党の福山哲郎*30幹事長は式典に出席した。
ということで俺的に幸いなことに共産以外の党として立民、社民、自由にも式典批判議員、不参加議員がいたようです(国民民主や岡田*31・無所属の会はわかりません。)。
思惑が何であれひとまず森氏と杉尾氏、福島氏らを評価したいと思います。もちろんナンバー2の幹事長・福山氏が式典に参加した以上、「杉尾氏のような個々の立民所属議員はともかく立民党という政党を俺がこの件で評価すること」はありえません。衆院選で立民ではなく共産に投票してよかったと改めて思いました。
ちなみに比例が共産で、小選挙区では悩みながらも「当選可能性から」共産ではなく「ただの口先三寸とは言え護憲を表明していた」希望の候補に投票しました。俺の投票時点では希望の沈没はほぼ確実で1人くらい当選しても大勢に影響はないので安心(?)して投票しました*32。まあ希望の候補は落選しましたが。浮気しないで共産に投票すればよかったと少しだけ後悔しました。まあ以前から「代表の枝野は鳩山内閣行政刷新担当相、菅*33内閣官房長官、野田*34内閣経産相、民主党幹事長(海江田、岡田代表時代)で民主党政権&民主党の中心人物じゃん。前原*35や細野*36よりはましだろうがろくなもんじゃねえだろ」と思ってましたので福山の行為は「予想の範囲内」ですが。
しかし、福山氏も全く政治センスがないですね。いずれ「民進党を解党した前原や細野のように立民党を道連れにして政治的に沈没」させそうです。彼のような輩は前原や細野と大して体質は変わらないでしょう。やはり俺的には「共産党、この道しかない(自民のアベノミクス宣伝ポスター風に)」ですね。
それにしても杉尾氏も「福山氏は参加しましたが。彼も嘘とごまかしですか?」「共産党と違ってあなたの党って本当にただの党利党略の野合集団なんですね。単に最大野党だから人が集まってるだけでしょ?。また支持率が下がったら解党するんですか?」と聞かれたらしどろもどろなんでしょうねえ(失笑&呆)。もう俺も「立民みたいなふざけた詐欺師政党」には毒舌ですから(苦笑)。
そういうふざけたことがない「誠実な共産党」支持で本当によかったと改めて思います。
【追記】
コメ欄で アンドリュー・バルトフェルドさんが、立民の相乗りを批判していますが、五十嵐仁氏*37(法政大学名誉教授、全国革新懇代表世話人)によれば
https://igajin.blog.so-net.ne.jp/2018-10-24
京都の大山崎町長選では、共産党だけに支援された新人候補が、自公の与党だけでなく立憲民主や国民民主に支援された現職町長を破るという「奇跡」が起きています。
だそうです。自民と相乗りとは、全く立民もどうしようもないインチキ政党です。
野党共闘に配慮して五十嵐氏は立民を罵倒したりはしませんが彼が言いたいことは要するに「立民批判」でしょう。
まあ、立民支持者の多くは五十嵐氏が「全国革新懇代表世話人」であることを「全国革新懇*38代表世話人なんて共産支持者だ。そんな奴の立民批判なんか無視する」と居直り、あげつらうだけでしょうが。
この大山崎町長選勝利については以下の記事も紹介しておきます。「元」とはいえ、そして「『推薦』より格が落ちる『支持』*39とは言え」共産の支持が比較的堅い京都で「自民出身者」を支援するとは意外です。いずれにせよ共産支持者としてまずは素直に勝利を喜びたい。
共産支持者としてひいき目があることは否定しません。しかし「地元・大山崎町選挙民はともかく」全国的には「同日の那覇市長選での現職・城間市長勝利に埋没した」とはいえ「共産の大きな成果」ではないかと思います。
そして、自民と相乗りした「立民と国民民主」には「今回の敗戦で少しは恥を知れ」といいたい。
https://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20181023000015
■京都新聞『大山崎町長選、支持の新人当選で共産は「成果」、自民は警戒』
・21日に投開票された京都府大山崎町長選は、共産党が支持した前町議の新人前川光氏が、自民党などの国政与野党4党*40が「相乗り」で推薦した現職山本圭一氏を僅差で破った。共産は4月の府知事選で後方支援に回って善戦。今回は「知事選方式」で成果を上げたともいえる。来春の統一地方選にも影響を与える可能性があり、自民などは警戒を強める。
「正直、勝てると思わなかった。市民の勝利だ」。
大山崎町長選の投開票から一夜明けた22日、共産府委の幹部は本音を漏らした。
・共産は4月の知事選で、脱原発運動などに草の根で取り組む市民団体を中心とする支持母体に加わる戦略をとり、保守府政に転換した1978年以降では最高の得票率に達した。町長選ではこの流れを引き継ぎ、元自民党員で「市民派」を掲げる前川氏を支持した。大きな争点となった公立保育所の民営化に反対する市民団体とも連携し、後方からの押し上げに回った。
・この結果、町長選の勝利だけではなく、同日選となった町議選(定数12)でも擁立した4人全員が当選。合計得票数は4年前の前回選と比べ3割近く上積みした。共産府委関係者は「『市民共闘』のスローガンが共産の支持を高める副次的な効果をもたらした」と胸を張る。すでに来年の京都市議選の東山区選挙区で公認候補の擁立を見送り、無所属新人を支援する方針を決めた。統一地方選でも「市民共闘」を掲げる戦略を描く。
一方、山本氏の選挙運動を中心的に支えた自民は、まさかの敗北にショックを隠さない。同日投開票された那覇市長選*41も自民と公明などが推薦した新人が大差で敗れた。自民は先月30日の沖縄県知事選*42、今年1月の岐阜市長選*43、昨年7月の仙台市長選*44と、大型地方選で黒星が目立つ。
「このままでは、府内の統一地方選に悪影響が出る」。
府連幹部は気を引き締める。
首長選における政党相乗りの是非も改めて議論になりそうだ。大山崎町長選告示日の直前に開かれた山本氏の決起集会には、野田聖子前総務相をはじめ4党の幹部が勢ぞろいした。
「『これだけの人が支えているから大丈夫やろ』と支持者によく言われた。上滑りの選挙戦だった」。
選対関係者の一人はため息をついた。
https://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20180409000017
■京都新聞『立民支持層6割福山氏に 京都府知事選出口調査』
京都府知事選で、京都新聞社は8日、府内各地の投票所前で出口調査を実施した。政党支持別の投票先では、初当選した西脇隆俊氏を自民党などとの相乗りで推薦した立憲民主党支持層の6割近くは、共産党推薦の福山和人氏に投票していた。
知事選で「共産系候補(?)を支持した立民支持層」が大山崎町長選でも共産系候補(?)を支持したと言うことでしょう。知事選の教訓を無視した立民に痛いしっぺ返しが来たと言っていいのではないか。
https://www.sankei.com/west/news/181022/wst1810220009-n1.html
■産経新聞『最後の1議席くじ引きで決定 京都の町議選、落選候補「運だから仕方がない」』
21日に投開票が行われた京都府大山崎町議選(定数12)で、最後の1議席をめぐって2候補の得票が同数となり22日未明、当選者がくじ引きで決まった。
同数となったのは、共産の現職、朝子直美氏(50)と無所属の現職、小泉満氏(70)で、いずれも12番目の409票を獲得。無効票を再度確認したが結果は変わらず、公職選挙法の規定に基づき選挙長(町選管委員長)の判断で両氏が2本のくじを引くことになった。
先に引いた朝子氏が当選を示す1番を引き当て、最後の議席に滑り込んだ。朝子氏は「もっと票がとれていたら良かったと思うが、当選できてほっとしている」と安堵の表情。一方、落選した小泉氏は「努力が足らなかったのかもしれない。くじは運だから仕方がない」と肩を落とした。
もちろん、どんな理由であれ、共産の議席数が増えることは支持者としてうれしいですし「得票同数ならくじ引き」は公選法上当然のルールですが朝子氏同様、複雑な気持ちではあります。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/240093
■日刊ゲンダイ『自民党に相乗り…前原&福山氏が民意を読み違えて“赤っ恥”』
任期満了に伴う京都府大山崎町長選が21日投開票され、共産が支持する無所属新人の前町議前川光氏(62)が、無所属現職の山本圭一氏(45)=自民、公明、立憲、国民推薦=に競り勝った。
山本氏の選挙チラシには自公議員の隣に「前原誠司」や「福山哲郎」の名前がある。国政では対立している自公と相乗りした揚げ句、地元で敗北し、大恥をかいた形だ。
選挙の争点は現職の山本氏が進めていた公立保育園の民営化に対する是非。これに反対する前川氏が地元の支持を得た。
「大山崎は子育てがしやすい町として有名で、山本町長が一方的に民営化計画を進めているというので、町民からひんしゅくを買っていました」(地元関係者)
そんな与党の推薦候補に前原誠司氏と福山哲郎氏が“相乗り”した理由は、旧民主党時代の“共産嫌い”が根強く残っているからだ。
福山氏は昨年12月の京都新聞で「京都では参院議員として共産党と戦い、山田啓二*45知事を支えてきた。京都の首長選で共産と共闘することはない」と語っている。
政治評論家の山口朝雄氏はこう言う。
「地元の事情はあるでしょうが、なぜ、(ボーガス注:立民や国民民主は)与党と相乗りしてしまったのか。しかも、民意を読み間違えている。常に与党に対抗して政権交代の意欲を見せるのが野党の責任のはずです」
https://news.nifty.com/article/domestic/jcast/12144-111166/
■立憲・枝野代表、ツイッターでイライラ 京都での「4党相乗り」失敗が響く?
立憲民主党の枝野幸男代表が、福山哲郎幹事長に対して執拗に寄せられる批判に対して、ツイッター(https://twitter.com/edanoyukio0531)でお冠だ。
国政選挙と地方選挙とでは与野党の対決構図が異なることは少なくないが、福山氏のおひざ元の京都・大山崎町長選では、自公に加えて立憲や国民が相乗りした現職候補が、共産党が支援する新人候補に敗北するという珍しい結果が出た。福山氏が自公の議員と並んで応援し、国政選挙では共闘するはずの共産党と事実上対決したことへの批判も多く、その中には事実に基づかない批判があったことで見逃せなくなったようだ。
異例の展開となったのは2018年10月21日、任期満了に伴って投開票された京都府の大山崎町長選。無所属現職の山本圭一氏(45)が自民、立憲民主、国民民主、公明の国政与野党4党の推薦を受けて再選を目指したが、無所属新人で共産の支援を受ける前町議の前川光氏(62)に僅差で敗れたのだ。
10月6日に行われた山本氏の決起集会では、西脇隆俊*46府知事、野田聖子*47前総務相(自民)、大道義知京都市議(公明)、福山哲郎参院議員(立憲)、前原誠司衆院議員(国民)、泉健太*48衆院議員(国民)、木村弥生衆院議員(自民)らが出席。共産党以外は勢ぞろいした形で、山本氏にとって盤石にも見えたが、実際の得票数は前川氏3855に対して山本氏3718だった。
この結果に反発する人も少なからずいたようだ。例えば、福山氏が自民・公明議員と並んで山本氏陣営のビラに収まっていたことには
「野党が力を合わせて安倍政権を打倒しないといけないという危機感が、どうしても福山さんには足りない気がします」
というツイッターの声。
枝野氏は
「地方選も含め、選挙の公認や推薦は党本部で決めています。その判断に対する責任者は幹事長でなく代表たる私です」
と福山氏をかばった。
■相次ぐ非難に「だからー、幹事長はそんなこと言っていないって」(ボーガス注:と反論)
さらに、福山氏を名指しして
「新潟、沖縄の知事選前に『共産党が前に出なければ勝てる』などとメディアの前で発言したり」
と批判するツイートには
「福山幹事長はそのような発言をしていません」
と反論した。
沖縄県知事選の構図が固まったことを伝える朝日新聞の8月22日の記事では、
「立憲民主党幹部は『共産党が前面に出てこなければ勝てる』と語り、保革対決の構図となることを避けたい考えだ」
とある。記事では発言者は特定されていないが、福山氏の発言だとして拡散された可能性もある。
10月23日になっても、福山氏がしたとする発言を
(ボーガス注:)■立憲民主党応援アカウント@fqV28HhrZC9bEla
今回や前回の相乗りもそうですし、新潟沖縄で「共産党は前に出ない方が勝てる」と発言したりと、福山さんはっきり言って酷いですよ。あなたが立憲民主党の幹事長に居座り続けたら今後の野党共闘に支障が出ます。幹事長を辞任してください。などと(以上、注終わり)非難する声が続き、枝野氏は
「だからー、幹事長はそんなこと言っていないって」
と業を煮やしていた。
すでに「枝野は何が言いたい?。福山じゃなくても、朝日の記事には、立民幹部がそういったて書いてあるんだ。反共の福山以外に誰がそんなこと言う?。誰なのか名前言ってみろよ」「誰であろうと幹部が言っていい発言か?。共産に失礼だろ」「それとも朝日の捏造てのかよ。なら早く朝日に抗議しろ」つう当然すぎるほどの突っ込みがネット上で入っています。
ちなみに枝野は「地方と国は違う*49」「大山崎町長選での福山幹事長の判断が間違ってるとは思わない」(要約)と完全にツイッターで居直っています。本当に野党共闘する気があるのか?。どうしようもないバカです。
なお、
https://igajin.blog.so-net.ne.jp/2018-10-24
今度の日曜日(28日)は新潟市長選の投票日ですが、ここでも野党支持の小柳候補が猛烈に追い上げています。沖縄の勢いを受け継いで、何としても勝利していただきたいものです。
という五十嵐氏の主張には全く同感です。「追い上げてる」ということでわかるように劣勢にはあるわけですがなんとか勝利してほしい。
■枝野立民批判ツイートを気づいた限り集めてみる(大山崎町長選関係を中心に)。
■立憲民主党応援アカウント
・私は立憲民主党の支持者です、支持してるからこそ、駄目なものは駄目と批判するんです。
・だから何度も言ってるけど立憲民主党には与党になって今掲げてる政策を実現してほしいんだよ。与党になる為の過程の一つである野党共闘を福山さんが蔑ろにしているから辞任を要求しているわけ。
・仮に政権交代をするとしてそれを実現させるのは今の枝野、福山体制では無いと思っています。
・今回や前回の相乗りもそうですし、新潟沖縄で「共産党は前に出ない方が勝てる」と発言したりと、福山さんはっきり言って酷いですよ。あなたが立憲民主党の幹事長に居座り続けたら今後の野党共闘に支障が出ます。幹事長を辞任してください。
・支持が増えるかどうかの話ではありません、福山幹事長自身が今後野党共闘を進めるうえでの不安要素となっています。
・何度も何度もかきますが今回のことだけなら、私だってここまで言いません。福山さんは何回も反省せずに今回のような事を繰り返してきました、もはや彼がやり方を変えるとは思えないので、ストレートに「辞任しろ」と書いたまでです。
・「相乗り反対脳」なんてツイートに枝野代表は「いいね」付けてるからね。代表は支持者に対して「ぞんざいに扱う」を通りこして「批判するな、黙れ」と言っているんです。どう考えても擁護のしようがありません。
・「相乗り反対脳」とかいうツイートに「いいね」したりしてるし、代表が批判的な人を支持者として見ていないのは事実だよ、取り巻きにキャーキャー言われてればいいと思ってるのかな。
・枝野は相乗りを指摘されると「地方の事情」といつも同じことを答えるだけで、具体的にどんな事情なのか語ろうとしない。質問にちゃんと答えず、はぐらかす。まさに安倍論法、枝野さんは安倍さんのこと言えないよ。非難していることを自分が支持者に向けてやってるんだから。
・立憲民主党は共産党から票を貰う立場なんだから敬意を払うのが道理なんだよ。今の執行部はそれが出来てないんだよ
■Masayuki Kusakabe
枝野のグズグズ感を叩いていることを「内輪で足引っ張るな」みたいに言ってる人を見かけたけど、グズグズなんだからケツ叩くに決まってますよ。
■HRW
福山さん個人がどうとかいう問題ではない。この相乗りをどう総括しているのか聞きたい。
■TOKYO DEMOCRACY CREW
・立憲民主党は、いつまでも地方選挙では自公と相乗りし、特に京都では、反共を剥き出しにしているとさえ見える振る舞いを続ける。そして共産党を加えた連合政権構想をいつまでも示さない。つまりいつまでも連合の顔色をうかがっている。左を見ずに右ばかり見ている。民主党と同じになっていく。そりゃ支持率も下がりますよ。
・別に共産党シンパというわけではない(むしろ逆の印象)日刊ゲンダイにこんなこと(■日刊ゲンダイ『自民党に相乗り…前原&福山氏が民意を読み違えて“赤っ恥”』(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/240093))を書かれたら、厳しいですよ。相当マズいことをやらかしていると自覚してください。そろそろ脱皮しないと、次はないですよ。
■りんころ
・立民党の、市民連合や共産党に対する不誠実な姿勢が、ここにきて露わになってきている。今の立民の姿勢は共産に一方的に票を貢がせているだけで、公党の態度としてあまりにも不誠実です。
■風に立つライオン
もう立憲支持辞めようかな?。枝野さん、福山さん、あんたらもうダメだよ。
福岡市長選、自公vs共産の一騎討ちなのに、立憲は「自主投票」だって?。は?。なに?。何なの?。正気か?。京都(ボーガス注:府知事選や大山崎町長選で)であれだけ批判されて、まだ分からないの?。これが枝野さんの言ってた「まっとうな政治」ですか?。共産党さんには、本当にお世話になったのに、恩を仇で返す立憲民主党執行部。共産党さんに申し訳ない気持ちでいっぱいです。未だに残る謎の「共産党アレルギー」が元凶でしょうか。いつまで60年代のイメージを持ちつづけてるんだか。
■kazu
次回の選挙では比例で立憲民主党と書くのはやめます。
■FM横須賀
立憲これじゃダメですね。どんどん支持を下げるでしょう。
■ナオリン(脱原発に1票)
共産党アレルギーの元凶は連合ですよ。連合の固定票に媚びる立憲民主党。
■徳邑(tokumura)
・どうみても(ボーガス注:大山崎町長選問題で)執行部を批判している意見の方がまとも。「なに文句言ってんの?」という支持者はもうどうしようもない、安倍氏を擁護する人らと思考は同じ。とにかく枝野なら何でもいい。安倍教、枝野教、共に政策なんてどうでもいい。カルト宗教の出家信者並みの信仰、ただの政治家を神と崇める。
・政治は信じる、信じないというものではない、いくら支持している政党であっても政治家であってもズレてきたら戒めるのが有権者の役目。当初の路線から外れるような政策をするならばまずはきちんとどうしてそうなったのか説明をすべき、後は有権者がどう判断するか。そうでなければ自公と変わらない。
■まっぴー(戦争法廃止へ野党は共同してね)
・立憲・枝野代表、ツイッターでイライラ 京都での「4党相乗り」失敗が響く?
https://www.j-cast.com/2018/10/24341963.html
枝野さんはこういう曖昧な態度を取ると立憲民主はなくなりますよ。あなた本気で安倍政権を倒そうと思ってないでしょ?
■淡雪@流川市民
・この件は福山氏が共産党に内々に謝罪しないかぎり,共産党支持者は納得しないところまできている。福山氏をかばいたいならどうぞ。その瞬間立憲は衆院選挙,東京ではおしまいだよ。党首辞任ものだね。そもそも中野区では区立保育園の民営化反対で共産と共闘して区長当選させて大山崎町ではその真逆なのは全国の支持者にどう説明つけるの?。誰からも納得いく説明もらってないけど。今、日本中どこでも公営保育園の民営化って大きな問題でしょ。立憲はそれに対して賛成なの反対なの?。こんなことすら国民にしめせないで政権とかちゃんちゃらおかしい。「いえ,反共なんで共産党に反対するのが第一」とか国民や支持者を馬鹿するのもいいかげんにしろ。党のために国民があるんじゃない。
・(ボーガス注:京都府)知事選でも支持者の半分以上が対立候補に投票し,今回敗北したのも住民の意識との乖離があるといわざるをえない。
・議論になってない。たとえば「この相乗りはよくない」に対し一般論で「相乗りは悪くない」とはおかしい。よい相乗りであったならなぜ選挙で負けたのか。公約を見比べてもなぜ立憲が現職に相乗りしたのか分からない。そういう事実を踏まえた意見を出さずにただ悪くないと言われてもね。
■bittercocoa
大山崎町の住民です。私達は草の根活動で町政最大の1万1千筆の署名や、先月も1ヶ月で3千筆の署名を集め町民の声をあげ続けてきましたが、立憲民主党の方から事情を聞かれたことはありません。その声を無視してきた、現町長を推薦なさった理由を教えてほしい。
■naoki@大福
枝野代表、なんかガキみたいですね。もう少しこう、一政党の代表としての品位はないんでしょうか。
■ROCKiN REVOLUTION
・私は率直に枝野さんに聞きたいです。何故そこまでして共産党主導の候補者には相乗りできないのか。それが安倍政権に利すると、わかっていても。どんな理由があるのでしょうか?
・たまたまNHKニュースみてたら、福山哲郎が野党連携を主導したいと。京都・大山崎町長選の後だけに、この発言に驚いた。まず大山崎町長選について何か説明すべきでしょ。でないと野党連携を主導したいと言われても、説得力ゼロでしょ。立憲民主党は一体何を考えているんでしょうか?。まずは立憲民主党の考える「野党連携を主導する」をしっかり説明してください。
■higedump
枝野は「地方政治と中央は別」と言ってますが、そういう政党が支持されてると思っているなら考え直したほうがいいな。早くしないとまた解党だな。こんなんだから信用されないんだよ。情けない。
■hope (ほぺ)
選挙結果見ていて立憲民主党支持者の票は割れているようなので、どうして国政では対峙している自公が推す候補を応援するに至ったのか、支持者が納得のいく説明が出来ていなかったのではないかと推測します。私は京都に住んでいる訳ではないので、どう立憲民主党が発信していたのかは未知数ですが
■tombo
「そもそも国民に主権があることがおかしい」とぬかした西田昌司と一緒にポスターにおさまり「全力応援」する福山哲郎。地方選なら許されるのか?。それこそ地方を馬鹿にしているだろう。立憲民主を心底支持できないのはこういうところ。一応立憲民主を支持はするが、警戒心が欠かせない。
■福山和人*50
東京で安倍政権打倒と言いながら、京都で握手する欺瞞をいつまで続けるのか?
■高木一優
私の知り合いに大山崎在住の人が二人いる。いずれも熱心な立憲民主党の支持者なのだが、「今回は共産党*51に入れたってん」と堂々と言っている。つまりは、そういうことなのだよ、立憲民主党の諸君!
■Lady in Satin
何が驚くって、立憲民主党が「自民党、国民民主党、公明党」と同じ候補を推して、共産党候補と戦っていたと言う事。だから枝野は信じられない。3時間も国会で安倍批判で演説ぶったら、反自民に徹しろ!!!。立憲民主のうさんくささに辟易。
■xr7zk2001
今回の京都での自公との相乗りについて、「どこに大義があったのか」を党として明らかにしてください。
■は、た、こ
(ボーガス注:枝野氏は大山崎町での相乗りに問題はなかったと言いたいようですが)じゃあ、大山崎町に、どんな地域事情があったんですか?。当選した候補より、現職がふさわしいと判断した根拠は、なんだったんでしょうか?
■わにっこ
どこに一致点があって自民党と手を結ぶのか、そこが不明瞭だから不信感が湧くんですよ。国政と地方政治が違うと連呼するだけではなく、きちんとどの点で政策的な協力関係が自民とあるのか提示してほしいです。
大山崎町長選で自らの下劣さ、アホさを暴露する枝野、福山コンビです。なるほど立民の支持率が「登場時が最高点で、その後、低下傾向」なのもこうした枝野、福山のアホさによる「支持者の失望」によるところが大きいのではないか。もちろん彼らのアホを容認する菅氏(最高顧問)、辻元氏*52(国対委員長)ら他の連中の責任も重いでしょう。
■赤旗・主張『「明治150年」:近代日本の歩み検証する視点』
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-10-23/2018102301_05_1.html
・きょう政府は都内で「明治150年記念式典」を開催します。1868年10月23日に明治改元があったことを記念し「明治以降の我が国の歩みを振り返り、これからの未来を切り開く契機とする」(菅義偉官房長官)との触れ込みです。安倍晋三政権は2年前から「明治150年」キャンペーンを展開してきました。
・明治維新によって身分制が改められるなど、政治変革の激動のもとで急速な近代化が進んだのは事実です。しかし、明治政府がおこなったのは「富国強兵」「殖産興業」の名のもとに、資本主義化を推進し、労働者や農民から搾取と収奪をすすめることでした。
それと並行して、欧米列強に対抗するために徴兵令(1873年)を公布し、台湾出兵(74年)や江華島事件(75年)などアジアへの侵略の歩みを進めました。また、蝦夷地(えぞち)を「開拓」してアイヌ民族を差別し、琉球処分を強行して沖縄を一方的に支配下に組み込みました。国民の政治参加を求めた自由民権運動は抑え込まれました。
明治政府がうちたてたのは、大日本帝国憲法(1889年)のもとで、国を統治する全権限を天皇が握る専制政治でした。そのうえ教育勅語(90年)を制定し、「一旦緩急あれば義勇公に奉じ以て天壌無窮の皇運を扶翼すべし」―つまり“国家危急の時は天皇のために命をささげよ”と国民に強要しました。
戦前の日本共産党幹部で1934年に獄死した野呂栄太郎は、著書『日本資本主義発達史』(30年刊行)で、明治維新を「資本家と資本家的地主とを支配者たる地位につかしむるための強力的社会変革」と指摘し、それによって生まれた政治権力を「絶対的専制政治」と明快に特徴づけています。
明治政府は、日清・日露戦争を経て台湾や朝鮮半島を植民地化しました。昭和に入り1931年から中国への侵略戦争を開始、45年の敗戦までにアジア2000万人以上、日本国民310万人以上の犠牲をもたらしたのです。
■根本に侵略戦争の肯定が
「明治150年」キャンペーンは、安倍政権が「日本会議」など過去の侵略戦争を肯定・美化し、歴史を偽造する勢力によって構成され、支えられていることと深く結びついています。過去の戦争の反省に根ざした日本国憲法の精神にたち、近代日本の歩みを検証することが強く求められています。
概ね異論ないので紹介しておきます。なお「キャンペーンを展開してきた」とはいえ「右翼的な意味でなく、観光的な意味ですら」果たしてどれほどの成果があったのか非常に疑わしいでしょう。
■朝日『政府が明治維新150年を祝う式典 天皇陛下は出席せず』
https://www.asahi.com/articles/ASLBR35NBLBRULFA002.html
■『憲法を守ろうと闘う天皇』http://d.hatena.ne.jp/takase22/20181021などと放言する「天皇崇拝者」高世や竹本が「安倍の復古主義と闘う天皇」といいだし、天皇ブラボーしそうな話ですが意外です。まあ、この程度で天皇をブラボーするほど俺も天皇信者ではありません。
この程度で天皇ブラボーならば、共産党はもっとブラボーでしょう。
もちろん欠席理由がどうであれ、天皇は出なくてよかったとは思いますが。
佐藤栄作内閣のもとで開かれた明治100年式典の際は、昭和天皇と香淳皇后が出席したが、今回天皇、皇后両陛下は出席しなかった。宮内庁は「政府からお声がけがなかった」(西村泰彦*53次長)としている。共産党は「明治150年の前半は侵略戦争と植民地支配に向かった負の歴史。丸ごと祝い、肯定するような行事には参加できない」(小池晃書記局長)として欠席した。
「へえ?」ですね。お声がけがあれば参加したのか?。そしてなぜ安倍はお声がけしなかったのか。天皇を敵視してるのか?。実際のところ「声がけがあったのに天皇が断った」のか、どうかわかりませんが。
■志位氏ほか共産関係者のツイート
小池晃*54
・本当によかった!
■NHKニュース『シリアで拘束とみられる安田純平さん 解放の情報 政府確認急ぐ』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181023/k10011683181000.html
全く同感です。一応「この件」では安倍を評価しておきます。モリカケなど他の件ではもちろん批判しますが。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181023/k10011683181000.html
安田純平さんが解放され、トルコ政府の保護下にあるという情報があり、政府は確認を急いでいます。
先日のサウジの殺人暴露といい「トルコの諜報能力や交渉能力は侮れない」つうところでしょうか。
もちろんトルコの行為は単なる善意ではないでしょう。「日本から何かお土産を引っ張りたい」んでしょう。
志位和夫
「『こうも簡単に見捨てるのか』 政府与党、劣勢で配慮一転 那覇市長選敗北」
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/333026
自分たちの仲間をも、劣勢となれば平然と切り捨てる。安倍政権の冷酷、堕落、破たんを象徴する出来事だ。
これについてはid:Bill_McCrearyさん記事『要らなくなったらポイの典型(那覇市長選挙)』
https://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/b3cf1a3795dcff8ec801ff8835913b5e
も紹介しておきます。
志位和夫*55
「明治150年」を礼賛一色で祝うわけにはいかない。150年の前半は、日清・日露戦争と朝鮮半島の植民地化に始まり、中国侵略戦争、アジア・太平洋戦争、敗戦に至る、「50年戦争」というべき侵略と抑圧の歴史がある。治安維持法で反戦平和の声は禁圧された。日本の近現代史の冷静な検証が必要だ。
井上哲士*56
安倍内閣が「明治150年記念式典」を開いた今日、議員会館での式典批判「緊急集会」で挨拶。私は、式典が戦前・戦後の違いを無視して礼賛するものであり、九条を改憲し戦争する国作りに向かう総理の意向にそったものだと批判。「間違った過去を美化すれば、未来も間違うことになる」と強調しました。
志位氏、井上氏に全く同感です。なお「50年戦争」というのは日清戦争(1894年)からのカウントでしょう。
ちなみに「50年戦争」でググったら
・本多勝一*57『大東亜戦争と50年戦争』(1998年、朝日新聞社)
・一ノ瀬俊也*58『旅順と南京:日中五十年戦争の起源』(2007年、文春新書)
がヒットしました。
*1:著書『もうひとつのチベット現代史:プンツォク=ワンギェルの夢と革命の生涯』(2006年、明石書店)、『チベット高原の片隅で』(2012年、連合出版)
*2:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)などを経て首相
*3:岸内閣農林相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣蔵相、外相、田中内閣蔵相、三木内閣副総理・経済企画庁長官を経て首相
*4:電子工業大臣、上海市長・党委員会書記などを経て党総書記、国家主席、党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席
*5:竹下内閣官房長官、自民党副総裁(河野総裁時代)、橋本内閣外相を経て首相
*6:中国共産主義青年団中央書記処第一書記、貴州省党委員会書記、チベット自治区党委員会書記などを経て党総書記、国家主席、党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席
*8:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相
*10:著書『清末中琉日関係史の研究』(2005年、京都大学学術出版会)、『近代沖縄の寄留商人』(2018年、おきなわ文庫)など
*11:もちろん統帥権、貴族院、枢密院、元老などといった反民主的な代物の存在を考えれば明治憲法は手放しでは評価できません。
*12:当初、明治新政府が議会設置に消極的だったことや当初の選挙が普通選挙ではないことは当然安倍は無視します。
*13:戦前の内閣制度は「議院内閣制」ではないので「立憲政治・議会政治の基礎」とは言えません。
*14:この社説は10/21の社説です。
*15:ウズベキスタン大使、外務省国際情報局長、イラン大使など歴任。著書『日本外交 現場からの証言』(1993年、中公新書)、『日米同盟の正体』(2009年、講談社現代新書)、『日本人のための戦略的思考入門』(2010年、祥伝社新書)、『日本の国境問題』(2011年、ちくま新書)、『不愉快な現実:中国の大国化、米国の戦略転換』(2012年、講談社現代新書)、『日本の「情報と外交」』(2013年、PHP新書)、『これから世界はどうなるか:米国衰退と日本』(2013年、ちくま新書)など
*16:著書『樺美智子 聖少女伝説』(2010年、文藝春秋)『「ミセス」の時代:おしゃれと〈教養〉と今井田勲』(2014年、現代書館)など
*17:作家。津田塾OG(津田塾大学学芸学部英文学科卒)。1968年に『三匹の蟹』(現在は講談社文芸文庫)で、群像新人文学賞、芥川賞を、1991年に評伝『津田梅子』(現在は朝日文芸文庫)で読売文学賞(評論・伝記部門)を受賞。
*19:戦後、世界平和アピール七人委員会委員、日本婦人団体連合会会長など歴任
*21:首相、貴族院議長、枢密院議長、韓国統監など歴任。元老の一人。韓国の民族活動家・安重根によって暗殺される。
*22:第1次伊藤内閣農商務相、第2次伊藤内閣逓信相、首相、枢密院議長など歴任。元老の一人。
*23:陸軍卿、第1次伊藤、黒田内閣内務相、第2次伊藤内閣司法相、首相、枢密院議長、陸軍参謀総長など歴任。元老の一人。
*24:第1次伊藤、黒田、第1次山縣、第2次伊藤、第2次山縣内閣蔵相、首相、内大臣など歴任。元老の一人。
*25:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席、党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席
*26:吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、池田内閣通産相、科学技術庁長官などを経て首相
*28:野田内閣文科副大臣、国民の生活が第一幹事長代行、日本未来の党副代表、生活の党代表代行などを経て自由党参院会長
*29:社民党幹事長、党首、鳩山内閣少子化等担当相などを経て副党首
*30:鳩山内閣外務副大臣、菅内閣官房副長官、民主党政調会長(海江田代表時代)などを経て立憲民主党幹事長
*31:鳩山、菅内閣外相、民主党幹事長(菅代表時代)、野田内閣副総理・行革相、民主党代表代行(海江田代表時代)を経て代表
*32:立民の候補は最初からいません。
*33:社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣副総理・財務相を経て首相
*34:鳩山内閣財務副大臣、菅内閣財務相、首相、民進党幹事長(蓮舫代表時代)を歴任
*35:鳩山内閣国交相、菅内閣外相、民主党政調会長(野田代表時代)、野田内閣国家戦略担当相、民進党代表など歴任
*36:野田内閣環境相、民主党幹事長(海江田代表時代)、政調会長(岡田代表時代)、民進党代表代行(蓮舫代表時代)を歴任
*37:著書『徹底検証 政治改革神話』(1997年、労働旬報社)、『政党政治と労働組合運動』(1998年、御茶の水書房)、『戦後政治の実像:舞台裏で何が決められたのか』(2003年、小学館)、『この目で見てきた世界のレイバー・アーカイヴス』(2005年、法律文化社)、『労働政策』(2008年、日本経済評論社)、『労働再規制』(2008年、ちくま新書)、『対決安倍政権:暴走阻止のために』(2015年、学習の友社)、『活路は共闘にあり:社会運動の力と「勝利の方程式」』(2017年、学習の友社)、『打倒安倍政権:9条改憲阻止のために』(2018年、学習の友社)など
*38:志位和夫・共産党委員長、小池晃・共産党書記局長、笠井貴美代氏(笠井亮・共産党参院議員の妻。新日本婦人の会会長、日本婦人団体連合会副会長)、矢野裕・元狛江市長(共産党員)が代表世話人を務めており、日本共産党とは友好関係にある(ウィキペディア「平和・民主・革新の日本をめざす全国の会」など参照)。
*39:「元自民なんか支援したくない。せめて推薦ではなく支持にとどめてくれ」つう党員、後援会員の声に配慮したか、『私の支持層の保守派に配慮して、推薦ではなく支持にとどめてほしい』という元自民・前川氏の意向に配慮したか、あるいは両方かは不明です。
*40:自民、公明、立憲民主、国民民主のこと
*42:野党共闘候補で自由党幹事長兼国対委員長、衆院議員だった玉城デニー氏が当選。
*43:元民主党衆院議員の柴橋正直氏が当選。ただしウィキペディア「柴橋正直」によれば河野談話否定、夫婦別姓反対の極右で当然ながら野党共闘候補ではない。
*44:野党共闘候補の郡和子・元民進党衆院議員(野田内閣で復興大臣政務官)が当選
*45:元総務官僚。京都府総務部長、副知事を経て知事。知事退任後は京都産業大学教授
*46:国交省大臣官房長、復興庁事務次官などを経て京都府知事
*47:小渕内閣郵政相、福田、麻生内閣消費者問題等担当相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)、第四次安倍内閣総務相など歴任
*49:もちろん「陸前高田市や堺市、大阪市での自民、共産共闘のようなケース(大阪や堺の場合は社民や民主もストップ維新で自民と共闘していますが)」なら俺も容認しますが立民の場合はそうではないでしょう。
*51:新町長が元自民で、共産は支持止まりという「翁長、玉城デニー」パターンなので「共産党」と呼べるかは疑問ですが。
*52:社民党政策審議会長、国対委員長、鳩山内閣国交副大臣、民主党幹事長代理、役員室長、民進党幹事長代行、立憲民主党政調会長など歴任
*53:沖縄県警本部長、警察庁警備局警備課長、警察庁警備局長、警視総監などを経て宮内庁次長
*54:党政策委員長などを経て書記局長
*55:書記局長を経て党委員長
*57:著書『アメリカ合州国』、『アラビア遊牧民』、『カナダ=エスキモー』、『戦場の村』、『中国の旅』、『ニューギニア高地人』(1981年、朝日文庫)、『殺される側の論理』(1982年、朝日文庫)、『そして我が祖国・日本』、『ルポルタージュの方法』(1983年、朝日文庫)、『殺す側の論理』、『事実とは何か』、『職業としてのジャーナリスト』(1984年、朝日文庫)、『憧憬のヒマラヤ』、『冒険と日本人』(1986年、朝日文庫)、『検証・カンボジア大虐殺』(1989年、朝日文庫)、『子供たちの復讐』(編著、1989年、朝日文庫)、『南京への道』(1990年、朝日文庫)、『日本環境報告』、『マゼランが来た』(1992年、朝日文庫)、『新版・山を考える』、『先住民族アイヌの現在』(1993年、朝日文庫)、『釧路湿原』(編著、1993年、朝日文庫)、『滅びゆくジャーナリズム』(1996年、朝日文庫)、『リーダーは何をしていたか』(1997年、朝日文庫)、『きたぐにの動物たち』(1998年、朝日文庫)、『マスコミかジャーナリズムか』(1999年、朝日文庫)、『50歳から再開した山歩き』(2000年、朝日文庫)、『アイヌ民族』(2001年、朝日文庫)、『新・アメリカ合州国』(2003年、朝日文芸文庫)、など
*58:著書『近代日本の徴兵制と社会』(2004年、吉川弘文館)、『明治・大正・昭和軍隊マニュアル』(2004年、光文社新書)、『銃後の社会史』(2005年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『戦場に舞ったビラ:伝単で読み直す太平洋戦争』(2007年、講談社選書メチエ)、『宣伝謀略ビラで読む、日中・太平洋戦争』(2008年、柏書房)、『皇軍兵士の日常生活』(2009年、講談社現代新書)、『故郷はなぜ兵士を殺したか』(2010年、角川選書)、『日本軍と日本兵:米軍報告書は語る』(2014年、講談社現代新書)、『米軍が恐れた「卑怯な日本軍」:帝国陸軍戦法マニュアルのすべて』(2015年、文春文庫)、『戦艦大和講義』(2015年、人文書院)、『戦艦武蔵』(2016年、中公新書)、『飛行機の戦争 1914-1945 総力戦体制への道』(2017年、講談社現代新書)など