常岡浩介、黒井文太郎などに突っ込む(2019年1月31日分)

朝日『北方領土引き渡し、93%反対 ロシア人島民の世論調査』
 「日本に島が帰属すればむしろ生活が楽になる、日系ロシア人迫害だの差別だのない」つう保証でもない限りそりゃこうなるでしょうね。


共同通信『日本「サハリン、北方領土急襲も」、元ロ軍高官主張、主要メディア一斉に報道』

 元ロシア軍高官で軍事専門家のアナトリー・ザイツェフ氏が軍事ニュース週刊紙軍事産業クーリエ」に、日本は領土的野心を捨てておらず日ロの紛争時にはサハリンと北方領土を急襲する可能性があるとする論文を掲載したところ、イズベスチヤ紙(電子版)、国営テレビのニュース番組「ベスチ」(同)、レグヌム通信などの主要メディアが相次いで転載、波紋を呼んでいる。

1)ザイツェフ氏が本気で言ってるのか、「実は本気ではなく」軍事予算増加などの思惑でいってるだけなのか
2)こうした論調がロシアにおいてどの程度共感されてるのか
が気になるところです。なお、安倍「ですら」さすがにそんなことしないでしょうが反共反ロシアの日本ウヨ連中の中には「さすがに数が少ないとは言え」、そういう「北方領土の武力奪還」を主張するキチガイも一応います。


■読売『北方領土の日、「島を返せ」たすきの使用中止』

 北海道根室市は2月7日*1に開催する「『北方領土の日根室管内住民大会」で、例年、参加者が着用している「島を返せ」と書いたたすきの使用を取りやめることを決めた。はちまきも「返せ!北方領土」から「平和条約の早期締結を」などに変更する。

 俺は元島民でも北海道民でもなく、当事者ではないので正直どうでもいいんですが、安倍に忖度しすぎじゃないか。これで島がかえってくるのか。それとももはや根室市にとって大事なことは本音では「島の返還」ではなく「日露経済交流による根室市の好景気」なのか。


■常岡らのツイートに突っ込む

常岡浩介*2リツイート
・黒井文太郎*3
 かつてソ連共産党国際部で長年「対日工作」を取り仕切った元日本兵収容所洗脳工作責任者のイワン・コワレンコと会った時、爺さん自信たっぷりに断言してた。
 「日本人なんて脅せば言うことを聞く」
  日露交渉、ロシア側の意識はたぶん今でもそんな感じ

 吹き出しました。コワレンコ(元ソ連共産党日本課長)とプーチンとの間に何の関係があるのか。
 日本の自衛隊を否定的に語るにおいて「元航空幕僚長」田母神ならまだしも「旧日本軍の牟田口*4インパール作戦で悪名高い)だの辻政信ノモンハン事件で悪名高い)だの」を持ち出すくらい馬鹿げてるでしょう。少なくとも「旧日本軍と自衛隊との間に密接なつながりがあること」を証明しない限り、そんなことをしても、馬鹿馬鹿しいのと同様、コワレンコとプーチンとの間に「密接なつながりがあること」を証明しない限り、黒井ツイートは全く無意味な与太に過ぎません。
 なお、コワレンコが本当に黒井にこう言ったか知りませんが言ったとして「コワレンコってバカだなあ」ですね。シベリア抑留なんて「煮て食うも焼いて食うも旧ソ連の気まま」なんて「条件」では別に日本人でなくても「大抵の人間は言うことを聞く」でしょう。
 ちなみに「志賀義雄・日本のこえ」を支援して日本共産党攪乱工作を仕掛けた「ソ連共産党対日担当者」の一人がこのコワレンコですが、そうした攪乱工作は、共産党に無視されて見事なまでに失敗したわけです。日本人であっても「脅しがきかない立場(日本共産党宮本顕治氏ら)」なら「ソ連が何言おうと無視します。従ったら、かえって日本での評判が落ちるから」で無視されるわけです。

*1:北方領土の日」をいつにするかについては、ソ連択捉島への侵攻を開始した8月28日などいくつかの候補があったが、最終的に、1855年安政元年)に江戸幕府とロシア(当時は帝政ロシア)との間で最初に国境の取り決めが行われた日露和親条約が結ばれた2月7日に決まった(ウィキペディア北方領土の日」参照)。

*2:著書『ロシア 語られない戦争:チェチェンゲリラ従軍記』(2012年、アスキー新書)、『イスラム国とは何か』(2015年、旬報社)など

*3:著書『世界のテロリスト』(2002年、講談社プラスアルファ文庫)、『北朝鮮に備える軍事学』(2006年、講談社プラスアルファ新書)、『日本の情報機関』(2007年、講談社プラスアルファ新書)、『イスラム国の正体』(2014年、ベスト新書)、『イスラム国「世界同時テロ」』(2016年、ベスト新書) など

*4:第4軍(満州)参謀長、第15軍(ビルマ)司令官など歴任