「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年4/30分:高世仁の巻ほか)

裏目に出た安倍首相の「抱きつき外交」 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
 「裏目に出た抱きつき外交」とはてっきり「私安倍とプーチン大統領の間には強い信頼関係がある」「その信頼を基に日露平和条約を締結したい」「二島先行返還を目指す」などと安倍政権が放言し「プーチン*1に必死にしがみついていた」日露外交のことかと思ったら日米外交だそうです。
 まあ日米外交も「トランプにすり寄っても結局報復関税発動される」など、ろくな成果はないと思いますが、「裏目に出た抱きつき外交」「外交失敗」が一番ぴったり来るのは「日露平和条約を締結したい」「二島先行返還を目指す」と放言していたのに「島を返してほしいなら米軍基地を置くなと確約しろ」とプーチン大統領やラブロフ*2外相にいわれて、何らまともに対応できず、今や「日露外交のことはなかったことにして一帯一路の日中外交などでごまかそう」としている日露外交かと思います。
 つうか、プーチン、ラブロフなどロシア政府高官が島を返すなんて「非公式はともかく」少なくとも公式には一言もいってないのに、なんであんな無茶苦茶な放言が出来るのかと呆れます。それでもろくに「安倍の対ロシア外交」を批判しないマスコミやそれでも安倍を支持する気らしい支持者にも呆れますが。
 何もロシア外交失敗の問題は「ロシア外交限定、あるいは外交限定の問題」じゃない。北方領土問題で「二島先行返還」「平和条約締結」とあんな無責任な放言するような人間・安倍に「外交に限らず国内政治だって」まともな政治能力や責任感があるわけないでしょう。良くあんな人間に政治を任せようと支持者は思えるもんです。
 一方「成功した(?)抱きつき外交」といえば「昨年5月に訪日した李克強*3首相の北海道行きに同行」して李首相に抱きつき、大歓迎した日中外交でしょう。最近も二階幹事長、石井国交相、河野外相、世耕経産相、吉川農水相など政府、与党幹部が訪中しましたが。
 まあ、歴代政権同様、最初から好意的態度なら抱きつく必要もなかったのですが、当初は反中国、敵対的態度であったが故に李首相に抱きつく羽目になるわけです。そういう意味では「マイナスをなんとかプラスにした」様な話で「いつまでも敵対していい」とは言いませんが、中国側に「我が国(中国)相手に抱きつき外交を今頃始めるとは、安倍はどうしようもないバカだな。それなら最初からけんかを売らなければいいのに」と完全に足下見られてるんじゃないか。


法(憲法)の支配、法(憲法)に支配された国政が自由民主主義国の原則である | 新・大森勝久評論集

・2018年10月26日北京を訪問して独裁侵略者*4習近平*5と日中首脳会談を行った安倍氏は、安全保障分野や経済分野等での「日中協調の新時代」を表明して、習近平と一致したのである。安倍氏は中国の世界戦略の「一帯一路」への協力参加(第3国での日中企業によるインフラ整備など)や、10倍規模での「通貨交換協定再開」でも合意した。また安倍氏は独裁侵略者*6プーチンを「ウラジミール」とファーストネームで呼び「互いに友情と信頼関係がある」と繰り返し述べている。安倍氏は昨年11月4日のシンガポールでの日ロ首脳会談では、プーチンが提案してきた1956年の「日ソ共同宣言」に基づいて平和条約締結交渉を行うことを受け入れた。
 2月7日「北方領土の日」、東京都千代田区国立劇場内閣府と元島民の団体などでつくる実行委員会の主催で、「北方領土返還要求全国大会」が開かれた。安倍首相が出席して政府方針について、「領土問題を解決して平和条約を締結する」と述べたのであった。昨年までは首相は「北方領土の帰属問題を解決して平和条約を締結する」と述べていた。違いは明白だ。会場の横断幕にも昨年まであった「4島返還」の文字はなかった。北海道根室市でも元島民約800人が参加して集会が開かれたが、昨年までなされていた「島を返せ!」のシュプレヒコールが叫ばれることはなかった(2月8日付読売新聞)。
 これは政府を批判できず、従順に政府に従ってしまう日本国民の無残な姿を示したものである。10月26日の日中首脳会談についても、安倍首相を批判する国民の声は無いに等しい状況であった。本来であれば、反日売国奴の安倍首相を非難する国民の大きな抗議行動が展開されて当然なのだ。
 わが国の深刻すぎる問題は、最高権力者の内閣総理大臣安倍氏が親中・親露の反日思想の持ち主であることと、しかしながら保守派をはじめとする国民が、そのような安倍氏を全くと言ってよいほど批判・糾弾できないことである。
・保守派の大部分は安倍首相(反日左翼なのに!)に完全に骨抜きにされてしまい、「安倍応援団・安倍翼賛会」に堕してしまっている。彼らにとっては安倍首相批判はタブーである。
プーチンは2008年に当時のグルジア(現ジョージア)を軍事侵略し、2014年3月にはウクライナを軍事侵略してクリミア半島を強奪した独裁侵略者である。プーチンは日本の固有領土の「北方4島」について、「ロシア(ソ連)が戦争によって獲得した島々であり、ロシアの領土だ」と国際法を否定する主張を堂々と述べる侵略者だ。プーチン習近平と共同して2018年9月に、対北海道侵略占領*7の合同軍事演習「ボストーク2018」(ロシア軍30万人、中国軍3200人参加)を実施した。このようなプーチンを「ウラジミール」と呼び、「互いに友情と信頼関係がある」と公言する安倍氏は、ロシアのグルジアウクライナへの侵略を容認し、ロシアの北海道侵略を誘致*8しようとしている「反日売国奴」であるのは明白ではないか。

 「安倍は中国とロシアの犬だ、反日左翼だ」つう大森氏は「当人は主観的には真面目であっても」完全に陰謀論、デマです。
 しかし「反中国、反ロシア」の立場のウヨにとって「安倍のロシアや中国への接近」は大森氏同様「安倍首相は何を考えてるんだ!」と非難しなければ筋は通りません。「反中国、反ロシア」の立場に立つなら「大森氏の陰謀論は認められない」ものの、「大森氏の安倍批判」それ自体は正論になるはずです(もちろん「領土問題が解決しないままやらずぼったくりになるリスクがあるロシア外交」「安倍の当初の発言(平和条約締結、二島先行返還)が明らかに食言であったことが露呈しつつあるロシア外交」はともかく「反中国の立場に立たないなら」、安倍の中国外交を批判する理由はないですが)。
 ところが「反中国、反ロシア」の立場のはずのウヨ(島田洋一櫻井よしこなど)が安倍を容認するのだから全くデタラメです。「反中国、反ロシアの立場に立つ」右翼・大森氏が「日本ウヨのほとんどは安倍自民の奴隷か!」「民主党政権が同じ事をやったら非難するんじゃないのか!」と憤激するのもある意味当然でしょう。

 安倍氏は「憲法学者自衛隊を合憲だと言い切る者は2割しかいないから、自衛隊憲法9条に書き込むことによって、自衛隊違憲論争に終止符を打つ」と述べてきた。

 もちろんこうした安倍の主張は虚言です。安倍がやりたいことは「集団的自衛権の合憲化」でありそれは「自衛隊の合憲化」とは全く違います。
 それはともかく、安倍に対し「芦田*9元首相が主張したいわゆる芦田修正論に立てば現行憲法でも集団的自衛権行使を合憲と言える。芦田修正論を採用しなかったことが間違っていた。芦田修正論を採用すれば改憲の必要などない。国内外の反日左翼(国内は立憲民主党、国民民主党共産党社民党公明党*10など、国外は中国、韓国など)の反発をおそれて、そう言わない安倍は腰抜けだ。安倍のそうした言動を許す櫻井よしこ島田洋一らも腰抜けだ」と言い出す大森氏です(芦田修正論の解釈はややこしく俺も良く理解してないので説明は省略します)。
 まあ確かに芦田修正論の立場に立てばそうでしょう。しかし歴代自民党政権はそんな立場には立ってない。むしろ芦田修正論を否定してきたわけです。
 そこで「今まで芦田修正論を自民党は否定してきましたが、アレはなしにします。芦田修正論が実は正しい。だから改憲しなくても集団的自衛権行使は出来るのです」なんて無茶苦茶なちゃぶ台返しは安倍ですら出来るわけがないでしょう。
 そんなことをやれという大森氏がおかしい。

・菅長官は3月19日の記者会見で次のように述べたのだ。「天皇陛下は『譲位』ということを言ってこられましたが、『退位礼正殿の儀』での『お言葉』では皇室典範特例法の規定によって皇位を退く旨を述べられて、皇位を譲る『譲位』の文言はお避けにならなければなりません」と。
・読売新聞は安倍・菅両氏が言うがままに、次のように書いていた。「儀式の概要で特徴的なのは、『退位礼正殿の儀』(4月30日午後5時から)と『剣璽等承継の儀』(5月1日午前10時半から)を明確に分離した点だ。二つの儀式を一体化した場合、陛下が剣璽などを新天皇となる皇太子さまに直接譲るように映り、天皇の政治的権能を禁じた憲法〔4条1項〕に抵触する恐れがあった」(1月18日付)。

 うかつにも気づきませんでしたが、なるほど言われてみれば、そうかもしれません。
 なお、共産党は「剣璽等承継の儀」は神道色があることを理由に「政教分離原則に抵触する」としてそもそも行うべきでないとしています(例えば(再掲載)天皇の「代替わり」にともなう儀式に関する申し入れ│天皇制│日本共産党の政策│日本共産党中央委員会参照)
 さて共産党の主張「剣璽等承継の儀政教分離原則に反するから行うべきでない」にせよ、安倍政権の主張「二つの儀式を一体化した場合、憲法4条に反するから分離する」にせよ主張の是非はともかく、天皇制廃止を主張しているわけではありません(安倍自民が天皇制廃止の立場でないことは言うまでもないでしょう。また、共産党が、共和制支持、身分制度反対の立場から天皇制廃止を主張していることは「剣璽等承継の儀・実施反対論」とは全く別の話です)。
 しかし「剣璽等承継の儀は当然実施すべきだし、退位礼正殿の儀と分離すべきでもない。そうすることは伝統廃止であり、結果的に天皇制否定につながる」「いや結果的に天皇制廃止につながるどころか、共産党の儀式実施反対論、安倍自民の儀式分離論は天皇制廃止を狙った主張だ」と言い出す大森氏です。
 まあ、共産党も安倍自民も「はあ?」でしょうね。 

参考

即位日の休日は賛成だが違憲の儀式の日の休日は反対/笠井政策委員長が表明
 日本共産党笠井亮政策委員長は30日、国会内の記者会見で、来年5月1日の新天皇即位の日と「即位礼正殿の儀」が行われる10月22日を休日とする法案に日本共産党は反対したと述べ、その理由は「天皇が退位し、新天皇が即位する。その日を休日にするのは賛成だが、違憲の儀式の日を休日にすることには反対ということだ」と説明しました。
 笠井氏は、「即位の礼」として来年5月1日に「剣璽(けんじ)等承継の儀」と「即位後朝見の儀」を、10月22日に「即位礼正殿の儀」などを行って「これらの儀式を国事行為である国の儀式にすることに反対だということだ」と説明しました。
 「これらの儀式は戦前の登極令を参考にしたものだと政府は答弁しているが、登極令は明治憲法下の天皇主権、国家神道の下での代替わりの儀式を定めたもので現行憲法が制定された時に廃止された。その登極令を踏襲したのは、日本国憲法に照らして重大な問題だ」と強調しました。
 笠井氏は、「現行憲法天皇主権を否定して国民主権の原則を確立し、天皇の地位を主権の存する国民の総意に基づくと規定した。登極令を踏襲した儀式が日本国憲法国民主権政教分離の原則に相いれないのは明らかで、このような儀式を行う日を休日とするのには同意できない」と語りました。

法案への党の態度表明/衆院内閣委で塩川議員/天皇即位休日法案を可決
 日本共産党塩川鉄也議員は30日、衆院内閣委員会で、天皇の「代替わり」にともなう儀式が行われる日を来年に限り休日とする法案について、天皇の即位する日を休日にすることには反対しないが、日本国憲法国民主権政教分離に反する一連の儀式を行う日を休日とすることには反対だと表明しました。

*1:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相などを経て大統領

*2:外務次官、国連大使などを経て外相

*3:共産主義青年団中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*4:独裁はともかく「侵略」とは何のことなのか。「チベット侵略」とでも言うんでしょうか?。

*5:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*6:侵略とはクリミア併合のことでしょう。

*7:もちろん「ボストーク2018」をどう評価するにせよそれは北海道侵略が目的でないことは明らかです。

*8:北海道侵略云々は論外にしても「友人関係をアピールするとはクリミア併合を容認するのか」という安倍批判はあって当然の批判かと思います。

*9:幣原内閣厚生相、片山内閣副総理・外相などを経て首相

*10:公明党ですらそんな解釈は支持しないでしょう。