珍右翼・高世仁に突っ込む(2022年3/2日分)(副題:ロシアのウクライナ侵攻)

ロシアの侵略、国連の本質そして「北方領土」 - 高世仁の「諸悪莫作」日記

「目的地を特に定めることなく自転車で散歩するようにゆったり走る」ことをポタリングというそうだ。私のやっている「自転車による街歩き」のことだな。これから「ポタリング」ということにします。

 ちなみにポタリング - Wikipediaによれば「和製英語」だそうです。
 「ポタリング」でググったら

神奈川県警の林本部長が着任会見で抱負 「力を発揮できる組織運営へ」:東京新聞 TOKYO Web2022.1.15
 散歩のように近場を自転車で散策する「ポタリング」を赴任先で楽しんでいるといい、「神奈川でもできる範囲で楽しみたい」と語った。

伊豆の国まるごとポタリング 市とスルガ銀が共同プロジェクト:中日新聞しずおかWeb2022.2.28
 伊豆の国市スルガ銀行(本店・沼津市)は、自転車を使った伊豆の国市内の観光周遊の魅力を知ってもらおうと、共同プロジェクト「伊豆の国まるごとポタリング」を始めた。

がヒットしたので「小生は無知なので知りませんでした」が割と普及してる言葉なのでしょう。
 しかし高世も最近の記事は「ポタリング」に「家庭菜園」。「会社倒産後は完全にジャーナリスト廃業だな」と大笑いしました。

 27日(日)のTBS「サンデーモーニング」で印象的なコメントがあった。
 寺島実郎*1が、国連の精神をロシアとの領土交渉、さらには今後の日本外交の方向性につなげるラディカルな議論を展開した。北方領土に関しては、ロシアには4島ではなく千島列島すべての返還を主張すべきだということになる。
 全面的に賛成できる、まさに正論なのだが、テレビでこれをはっきり主張するのを観るのは初めてで新鮮だった。

 千島全島返還論は

赤旗
千島問題をどう考える?2002.3.3
全千島返還要求こそ 日ロ首脳の共同声明2013.4.30
週刊ポスト2016年10月14・21日号共産党だけが北方4島ではなく全千島列島返還を主張中|NEWSポストセブン
共産・志位和夫委員長「ロシアに全千島列島の返還を要求せよ」 菅義偉官房長官に要請 - 産経ニュース2016.10.18
【共産党・小池晃書記局長インタビュー(5完)】「千島全島返還が筋」「安倍首相の新しいアプローチは非常に危険だ」「党綱領は…」(1/5ページ) - 産経ニュース2016.11.4

ということで既に日本共産党が主張しているので新しい議論ではありません(なお、産経など一部ウヨにいたっては南樺太返還まで主張している)。
 小生から言わせれば『無理やろ』ですね。共産支持の小生ですが、この件については支持していません。
 というか「四島返還」「二島返還」も含めて返還論自体が無理だと思っていますが。
 なぜ無理か。
 まず第一に「自国の領土」を自主的に相手に渡したケースなんてどれほどあるのか。
 第二に「竹島尖閣」のような無人島ならいい。北方領土にせよ千島にせよ有人島です。
 何度も書いていますが「島に住むロシア人」をどうするのか。
 ロシア本土に移住してもらうのか、それとも「ロシア系日本人」として受け入れるのか。
 それをはっきりさせない限り、不安に思う現地住民は「日本への返還」に反対するでしょうし、その反対を押し切ってロシアも日本に「返還しない」でしょう。

 ユナイテド・ネイションズ(United Nations)、国連てことなんですけど、忘れちゃならないのは、少しでも英語のできる人だったら、これを「国際連合」と訳すことの不思議さに気づくはずなんです。
 ユナイテド・ネイションズは、そのまま訳せば、「連合国」なんです。中国では今でも国連なんて呼び方はしない。連合国と呼んでるんですよ。国連というのは、本質は、第二次世界大戦戦勝国連合なんですよ。

 確かに「元々はそうです」。だからこそ「常任理事国の(米英仏中露)の拒否権」があるし、「死文化してる」とはいえ「敵国条項」もある。
 但しそれ言って何か意味があるのか。当然ながら国連加盟国のうち「1950,1960年代に独立したアジア、アフリカの国々」は「連合国」ではない。

 戦勝国だったアメリカでさえ沖縄を領土にはしなかった*2

 勿論「戦後、アジア、アフリカの植民地が独立する中」、公然と沖縄を植民地化できなかったという面はあります。
 但し、一方で「自国化すると差別が難しくなる」という面もあるわけです。それを言うならソ連だって東欧を「保護国化」しても領土にはしませんでした。

*1:三井物産戦略研究所所長、日本総合研究所理事長、多摩大学学長など歴任。著書『国家の論理と企業の論理』(1998年、中公新書)、『われら戦後世代の「坂の上の雲」』(2006年、PHP新書)、『世界を知る力』(2009年、PHP新書)、『何のために働くのか』(2013年、文春新書)、『若き日本の肖像』(2014年、新潮文庫)、『二十世紀と格闘した先人たち』(2015年、新潮文庫)、『シルバー・デモクラシー』(2017年、岩波新書)、『ジェロントロジー宣言』(2018年、NHK出版新書)など

*2:建前では領土ではなく「信託統治」だったかと思います。