今日の中国ニュース(2019年4月20日分)

日本国際貿易促進協会の訪中

「中日関係さらに前進」胡副首相、河野元衆院議長と会談 :日本経済新聞
 中国の胡春華*1副首相は18日、北京の人民大会堂で、河野洋平*2衆院議長が会長を務める日本国際貿易促進協会の訪中団と会談した。胡氏は日中首脳の相互往来に道筋がついたと指摘したうえで「中日関係をさらに前進させていきたい」と述べた。河野氏は「中国の建国70周年の節目の年に日中関係が正しい軌道に乗って動き始めた」と応じた。
 河野氏は6月に大阪で開く20カ国・地域(G20)首脳会議で日中首脳が自由貿易の推進を打ち出していくべきだと語った。

中国副首相「トランプ氏が不確実だから」米中貿易協議に - 産経ニュース
・中国の胡春華副首相は18日、北京の人民大会堂で、日本国際貿易促進協会の会長として訪中した河野洋平衆院議長らと会談した。
・会談には、玉城デニー沖縄県知事も同席。習近平*3国家主席が6月に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて訪日する予定であることを踏まえ、玉城氏は「ぜひ沖縄にもいらしてほしい」と呼びかけたという。

 一応紹介だけしておきます。


南シナ海「海上の長城」に対峙する台湾を、守るアメリカ、逃げる日本 | 楊海英 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

 蔡政権は日本との間で公式な安全保障対話を呼び掛けているが、「日中友好」に幻想を抱く日本政府に積極的な姿勢は見られない。日本は近いうちに複数の閣僚を北京に派遣して経済対話に参加する予定だが、こうした動きは同盟国アメリカの神経を逆なでしている。

 記事の執筆が「先日、石井国交相、河野外相、世耕経産相、吉川農水相らが訪中して行われた日中ハイレベル経済対話」の開催前なので「予定」と書かれていますが既に「4/14(日曜)に実施済み」ですね。ただしこの記事の掲載は「現在発売中の4月23日号」なので苦笑せざるを得ませんが。
 まあ「日中友好」は幻想じゃありません。「先日の日中ハイレベル経済対話」でも中国の日本産牛肉輸入に一応のめどがついたと言われています。台湾と付き合うより、中国と付き合った方が金になるわけです。アンチ中国の楊はその事実を認めたくないでしょうが。

 安倍晋三首相が4月末に訪米するのを控え、「シンゾーは本当にトランプ米大統領の友人か」と、米首都ワシントンのシンクタンクにいる筆者の友人たちが尋ねてきた。「最近の日中接近に米政府も疑心暗鬼だ。尖閣諸島を米軍が守っている*4のを日本政府は忘れたのか」という言葉に米側の不信がうかがえる。

 「シンクタンクの名前」など、具体名は何一つ出てきませんし、楊のデマカセでしょう。今のところ「先日の日中ハイレベル経済対話」について米国からの不満表明など公式には何もないはずです。


「 ドゥテルテ比大統領が示す中国への怒り 国際社会で共に対処する発想こそ重要だ 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

 中国はどのように介入してきたのか、ロレンザーナ氏が昨年11月に語っている。
「フィリピン駐在中国大使がパグアサ島の港の整備計画中止を要求してきました」
 フィリピン政府が自国領の島を整備するのに、中国が口を挟むべき理由などない。

 いつもながらよしこのデタラメさには口あんぐりです。「中国がパグアサ島*5を自国領だと言っても言いがかりだから、無視してフィリピンが開発しても問題ない」というならロシアや韓国が「北方領土竹島」を「日本の言いかがりなんか無視する、自国領を開発して何が悪い」といって開発しても一向に問題ないことになるでしょうに。こういう場合、まともな人間なら「中国orフィリピンと日本の関係が悪くなる」上に「ロシアや韓国による北方領土竹島の開発」を助長しかねないので「中国、フィリピン」いずれにも肩入れなんかせず中立的立場をとるものですが、さすが反中国よしこです。

・2017年8月、フィリピン漁民が同島の砂州に休憩用の小屋を建てたとき、中国側は小艦隊を派遣して島を取り囲んだ。100隻近い漁船も押し寄せた。
・漁民の中には軍人も当然交じっている。彼らはいざという時には立ち上がって中国軍と一緒に島を奪う。彼らの常套手段だ。

 何を根拠に「漁民の中に軍人ガー」というかといえば何の根拠もないでしょう。よしこらウヨのいつものデマカセです。


台湾総統選表明の鴻海・郭会長 親中姿勢と強い個性に懸念も - 産経ニュース

 世新大学の世論調査センターが郭氏出馬表明の翌18日に公表した緊急調査によると、郭氏は民進党の総統選候補が蔡英文総統(62)の場合、支持率は50.2%対27.1%、頼清徳(らい・せいとく)前行政院長(59)なら42.6%対33.6%で、いずれも大きくリードした。

 鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘(かく・たいめい)会長が「中国に経済進出」している経済人であること、そして「中台関係の改善」をアピールしていることが産経的に気にくわないようですがそれはさておき。
 この世論調査結果からは以下のことが分かると思います。
1)既成政治家、特に現総統・蔡英文への不満
2)中台経済関係の重視
 産経的には「親中国をアピールする郭氏」が気にくわないわけですが、おそらく台湾住民の多数派的には「中国に媚びろとは言わんが落としどころも考えずに蔡英文みたいに対立をエスカレートさせても経済的な意味で困るやろ。誰もそんな中台対立を希望して、総統選で蔡に投票したわけじゃない。馬の国民党に不満があっただけや。蔡が勘違いしてるようなら正す必要があるな」のわけです。


鴻海会長、親中傾斜なら米中摩擦に影響も - 産経ニュース

 鴻海は中国に工場を次々と設けて、安い人件費で価格競争力のある電子部品などを製造。IT産業の基盤を支える半導体製造業でも強みがある台湾だけに、中国側が、郭氏に中国への投資や技術協力を強く促してくる可能性は十分にある。台湾が中国との関係を深めた場合、対中強硬姿勢をとるトランプ政権の不興を買うおそれもある。

 とにかく産経が郭氏の親中国姿勢に不満を感じてることが分かりますが、「郭氏の出馬表明」をどう評価するかにかかわらず、産経流の反中国なんかしたら台湾経済が崩壊するだけでしょう。

*1:共青団共産主義青年団)中央書記処第一書記、河北省長、内モンゴル自治区党委員会書記、広東省党委員会書記などを経て副首相

*2:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長を歴任

*3:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*4:まあ建前はともかく本音は違いますね。尖閣領有権は台湾も主張してますし、米国としては「尖閣は棚上げ」がベストでしょう。

*5:まあ、「クリル諸島北方領土のロシア的呼び方)」「独島(竹島の韓国的呼び方)」のように中国は別の呼び方をしてるのでしょうが。