今日の産経ニュース(2019年7月2日分)

東京でシャンソンの祭典「第57回パリ祭」 6日から - 産経ニュース
 パリ祭についてはウィキペディアの記述を紹介しておきます。

■パリ祭(ウィキペディア参照)
・1789年7月14日に発生しフランス革命の発端となったバスチーユ監獄襲撃および、この事件の一周年を記念して翌1790年におこなわれた全国連盟祭が起源となっている。
・7月14日には、フランス各地で一日中花火が打ちあげられる。また慣例として午前中にはパリで軍事パレードが開催される。その後、フランス大統領の演説がおこなわれる。パレード終了後にはエリゼ宮殿において茶会が催される。パリ祭当日にはツール・ド・フランスも開催されている。
・なお、「パリ祭」は日本だけの呼び名である。これは、ルネ・クレール監督の映画 『Quatorze Juillet 』(1933年)が邦題『巴里祭』として公開されヒットしたためで、邦題を考案したのは、この映画を輸入し配給した東和商事社長川喜多長政である。読み方について、今日では「パリさい」が一般的だが、長政の妻・かしこは「名付けた者の気持ちとしてはパリまつりでした」と語っている。


自民府蓮の渡嘉敷会長、堺市議団に謝罪 - 産経ニュース
 これだけではなんとも言えませんが、「堺市長選の善戦」「渡嘉敷氏の力不足」もあり、当初安倍がもくろんでいた「維新全面プッシュ」はやはり難しくなったとみるべきでしょうか(アンチ維新の俺の願望込みですが)。


細野、長島両氏が衆院自民会派入り - 産経ニュース
 以前から自民入りしたがっていた連中なので驚きはないですが全く恥知らずですね。特に「民主党幹事長(海江田代表時代)、政調会長岡田代表時代)を務めたことも一応ある元幹部の細野」には「改めて」心底呆れます。まあ、それだけ細野らにはプライドもないし、能力もないということなんでしょうが。自らの能力を過信したあげく自滅して、そこまで追い込まれたわけです。
 もちろん今更細野らが自民入りしても上がり目はないでしょうが、「落選して政界引退に追い込まれるよりはマシ」「与党の一角ならいくらかでも甘い汁が吸えるかも」「もはや大臣だの幹部になることなんか諦めた」という心境なんでしょう。


「全く問題ない」安倍首相の大阪城発言で菅氏 - 産経ニュース
 「悪意などなかったがバリアフリーに対する認識が足りなかったのはまずかったと思う」で済む話で何で居直りますかね。


安倍首相、自身の大阪城エレベーター発言「遺憾だ」 - 産経ニュース
 この程度の事ですら素直に「軽率な発言で申し訳ない」とわびられず「遺憾」などと他人事のような発言とは、この男は「わびたくない」という居直り根性が骨の髄まで染みついてるのでしょう。正直「安倍晋太郎*1(父親)の子育ても酷かったんじゃないか」つう気がしています。 
 なお、「謝罪できない男」安倍が「すみません」「申し訳ない」などという代わりに「遺憾」といってることでわかるように遺憾とは「プーチン大統領の態度が遺憾(島の返還に全く冷淡で残念)」「トランプ大統領の移民に対する態度が遺憾(移民差別助長で残念)」「英国がEU離脱を決めて遺憾」などという時にも使う言葉(つまり残念とか悲しいとかいう語感)なので謝罪や反省の言葉では全くありません。


【正論8月号】野党のでたらめ皇位安定継承策 産経新聞論説委員・政治部編集委員 阿比留瑠比(1/3ページ) - 産経ニュース
 もちろん野党各党の提案は「女帝容認」です。
 まあ、ウヨ支持層を抱える国民民主が「女系天皇*2否定」なのに対し、そうではない立民や共産、社民は「女系天皇も認める」つう微妙な違いはありますが。勿論俺は女系云々なんて区別は馬鹿げてると思うので女帝を容認するなら女系天皇も容認します。
 なお、小泉政権時代の「皇室典範に関する有識者会議」も「女帝容認(そして女系天皇も容認)」を答申してるし、世論調査で一番支持が多い*3のも「女帝容認(そして女系天皇も容認)」だから野党の態度は「ある意味当然」です。反対する阿比留らウヨの方がおかしい。

 (ボーガス注:女帝容認論者は、愛子さんが天皇になることによって)自分たちが正統な皇位継承資格者である皇嗣秋篠宮さまとその次を継がれる地位にある悠仁さまから、皇位を簒奪し、事実上、廃嫡*4しようとしているのだということが、分からないのか。これがどんなに不遜で危険な発想かに、どうして考えが及ばないのか。歴史の重みとは、そんなに軽視していいものなのか。

 まあ「愛子さんの代から始めます」つうならそうなるでしょうね。でそれを「問題だー」つうのは「どうしても秋篠宮悠仁君に天皇になってほしい人間」か、「愛子さんに絶対に天皇になってほしくない人間」か、「とにかく女帝に反対の人間」(いずれにしろ極右でしょうが)しかいないでしょう。
 これを「どんなに不遜で危険な発想か」なんていうのは産経のような極右だけです。
 つうかそれなら「女帝は、愛子さんの代では始めず、悠仁君の子ども以降の代で始めます」なら産経らウヨが納得するかといえば納得しないでしょうね。
 ちなみに「話が脱線しますが」、「単なる好奇心」ですが「廃嫡された人物ってどんなのがいるのか?」と思ってググってみたら割と有名どころでは、以下のような人がいますね(ウィキペディア『廃嫡された人物』参照)。

早良親王(750~785年)
 桓武天皇の弟ですが、当時は「天皇の息子が当然に天皇になる」などというルールはなく、彼が桓武の跡継ぎとされます。しかし、藤原種継暗殺に関与したとして廃嫡(皇太子位剥奪)されます。まあ実際の所、どうなのかはわかりません。その後、天皇になるのが平城天皇桓武天皇の長男)です。
武田義信(1538~1567年)
 武田信玄の長男ですが信玄暗殺を企てたとして、廃嫡され、弟の勝頼が後を継ぐことになります。
西園寺公一(1906~1993年)
 ゾルゲ事件での逮捕有罪が理由ですね。正直、彼は尾崎のスパイ行為については全く知らなかったのでどう見てもでっち上げ有罪ですが。

 で話を産経記事に戻します。

 天皇、皇后両陛下の長女である愛子さまをいったん天皇とすれば、やはりそのお子さまを次の天皇にという声が国内外からわき起こることは目に見えている。

 まあそりゃそうでしょう。そこで「ウヨ支持層に配慮した国民民主の案」は「愛子さんの子どもは天皇にはしない(いわゆる女系天皇の否定)」のだそうですが、まあそれは阿比留がいうように「不自然」でしょう。
 しかしそこで「女系でもええヤン」とならないのがもちろん阿比留らウヨです。なお、繰り返しますが、「そんなウヨ支持層への配慮が必要ない」立民、共産、社民は女系天皇も容認しています。

 しかし、そのお子さまは女系であり、皇室の伝統上、継承権は持たない立場にある。いわゆる「万世一系」から外れるのである。そうなると、愛子さまの系統と悠仁さまの系統のどちらが正統かをめぐって論争が巻き起こり、「南北朝」問題が起きかねない。
 実際に平成18年2月に宮内庁秋篠宮紀子さまのご懐妊の兆候を発表した際には、女性・女系天皇を認める皇室典範改正に熱心な小泉純一郎首相と、慎重派の安倍晋三官房長官との間で、こんなやりとりがあった。
 安倍長官「誠におめでたいことですが、これで皇室典範改正はよくよく慎重にしなければならなくなりました」
 小泉首相「なぜだ」
 安倍長官「生まれてくるお子さまが男子でしたら、皇室典範改正は正統な皇位継承者であるこのお子さまから継承権を奪ってしまうことになります。(皇子同士が皇位継承で争った)壬申の乱になりかねません」

 吹き出しました。一寸常人には思いつかない考えですね。

 この点については、女性・女系天皇容認を表明した共産党に近く、皇室と民主主義は両立しないと主張していた憲法学者の故奥平康弘氏も、むしろ女系天皇誕生への期待を込めてこう記している。
天皇制のそもそもの正当性根拠であるところの『萬世一系』イデオロギーを内において浸食する因子を含んでいる」(月刊「世界」平成16年8月号)

 奥平氏の見解について知るには、奥平『「萬世一系」の研究(上)(下)』(2017年、岩波現代文庫)を読めば良いかと思います。しかし阿比留が奥平主張の紹介に「比較的、入手が容易な岩波現代文庫」ではなく「入手が困難な、10年以上前の岩波世界」を持ち出すのはやはり「自分の詭弁がばれないようにするセコイ工作」でしょうか。
 それはともかく、前も書きましたが日本共産党や奥平氏天皇制廃止論を持論だとしていることは事実です。
 しかしそこから「だから女帝容認論天皇制廃止の陰謀なのだ」つうのは与太でしかありません。天皇制廃止を最優先に考えれば「女帝に反対した方がいい」でしょう。大体本気で「天皇制廃止のためには女帝容認だ。なんとかしてウヨ連中をだまして女帝を容認させよう」と思うのなら落語の「まんじゅう怖い」ではないですが「女帝容認が怖い」といった方がいいでしょう(いや実際「天皇制が維持しやすくなる」という意味では廃止派にとって「怖い(?)」のですが)。そうすれば「そうか、女帝容認が怖いのか」と思ってウヨが「女帝を容認してくれるかもしれない」。
 冗談はともかく、ここで奥平氏がいってることは「女帝容認を万世一系イデオロギーの否定につなげることが出来れば望ましい」つうだけの話です。
 そしてここで奥平氏が言う「万世一系イデオロギーの否定」とは「天皇制の否定」ではない。「天皇制の否定」ではないからこそ「万世一系イデオロギーの否定」と書くわけです。後で述べますが奥平氏自体は「万世一系イデオロギーを全否定したら天皇制は成り立たない」つう価値観のようですがそれは奥平氏個人の価値観に過ぎません。
 「万世一系イデオロギーの否定」とは「女性天皇は認めない」だの「神武が初代天皇万世一系。神武陵もモノホンです」「宮内庁天皇陵認定は正しいから見直す必要はない。天皇陵は原則、発掘調査を認めない」だのという「天皇制に現在、存在する不合理、非科学的な部分」の否定です。
 まあ、奥平氏
1)「どんなに頑張ってみたところで天皇制からそんな不合理(万世一系イデオロギー)を完全に除去することは出来ない、そして不合理は社会に悪影響を与えてる→天皇制は廃止するしかない」
2)「それでも不合理は少なければ少ないほどいい。『不合理がゼロでない限り100でも50でも変わりない、とにかく天皇制廃止以外は無意味だ』つう考えは適切ではない。そもそも一気に廃止なんかできない。不合理(例えば女帝否定)の除去なら天皇制支持者の一部の賛同も期待できる」
 まあ拉致被害者の帰国が少しでもあるならその方がいい、「全員帰国でないなら無意味(救う会や家族会)なんてのはおかしい」的な考え(田中均氏、蓮池透氏、和田春樹氏など)ですね。
 あるいは「日米安保廃止以外は主張として無意味だつうのはおかしい。安保容認の翁長氏などともできる限り共闘して、日米安保の現状(沖縄基地問題など)を改善していく」つう共産党的な考えですね。
3)「たとえ皇位継承者の増加で天皇制が維持しやすくなろうとも、女帝否定などという不合理な万世一系イデオロギー女性差別的考え)はやめるべきだ」
つう価値観*5なんでしょう。そう考えれば「女帝容認と天皇制廃止論」は何ら矛盾しない。
 とはいえ、阿比留らウヨにとってはなぜか「女帝否定という万世一系イデオロギーこそが天皇制の重要部分」なので女帝に反対するわけです。

*1:三木内閣農林相、福田内閣官房長官自民党政調会長(大平総裁時代)、鈴木内閣通産相、中曽根内閣外相、自民党幹事長(竹下総裁時代)など歴任

*2:女性天皇の子孫が天皇になること、過去の日本では女帝は全て未婚なので前例がない

*3:つまりは自民支持層ですら女帝反対は少数派です。

*4:皇位継承権がなくなることを「廃嫡」と表現するんですかね?

*5:ただしフェミニストもいろいろです。小生の理解では「女性がお世継ぎを生むことが義務づけられる天皇制は、女帝を容認しようが何をどうしようが女性差別」であり「だから女帝導入しても男女平等の観点で意味がない(積極的に女帝に反対はしないが、賛成もしない)」つう論者もいます。つまり、人によっては「お世継ぎ出産の義務づけ=万世一系イデオロギー」と見るわけです。そう考えれば「万世一系イデオロギーの否定(お世継ぎを生まない自由の容認)=天皇制否定」にはなるでしょう。そしてそう考えれば「女帝容認」は「万世一系イデオロギーの強化(お世継ぎを生む義務を容認)」とすら見なせるでしょう。まあそれでも俺は女帝容認の方がましだと思いますけどね。「子どもを産む義務」の方が「男子を産む義務」よりまだマシでしょう。