「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年7/15分:高世仁の巻)

VOTE OUR PLANET 私たちの地球のために投票しよう―パタゴニア - 高世仁の「諸悪莫作」日記

 おや、と思う人が共産党の応援をしている。
 憲法学者小林節氏(慶応大学名誉教授)だ。憲法9条改正論者でかつては保守の論客だったはずだが、7日には激戦区の神奈川選挙区で共産党応援のマイクを握った。

 もちろん「小林氏」が共産党の応援をしてるというのも驚きですが、それを共産党側が受け入れているというのも驚きです。
 それはともかく小林氏には「自民、公明」への批判もあるでしょうが、「希望の党騒動」での「旧民主党系(立民や国民民主)」への小林氏の失望もあるのでしょう。
 正直「希望の党騒動」なんてことがなければ保守の小林氏が共産党の応援に踏み切ったかどうか。
 さて、このあたりは人それぞれの価値観でしょうが、小生自身は「小林氏は右派でもそれなりにまともな人間だと思う」ということもあって共産党の対応を問題だとは別に思いません。
 なお、俺が共産支持者であることは以前からお断りしていますが、そういうこととは関係なく「ある程度、まともな保守なら今の安倍自民は支持できないだろう(つまり安倍を支持するのはまともな保守ではない)」「場合によっては小林氏のように共産支持すら決意するだろう」、と思いますね。

山形県の友人から、公式プロフィールにウソを書く候補は許せないとのメルマガが届いた。
 《2013年の参議院選挙で山形選挙区から自民党公認で立候補して初当選し、今回の選挙で再選をめざす大沼瑞穂(みずほ)議員は、公式サイトのプロフィールの1行目に「昭和54年生まれ。山形市七日町在住」とある。後段は真っ赤なウソである。
 本人は「住民票は山形市に移した。マンションもある」と反論するのかもしれない。が、私が問いたいのは「住民票がどこにあるか」ではない。2013年に参議院議員に当選して以来、夫と子どもはずっと東京にいる、本人もほとんどの時間を東京で過ごしている、という事実である。
 山形市の中心部に購入、もしくは借りているマンションで過ごすのは、山形に来た時だけだ。ホテル代わり、というのが実態であり、「山形市在住」とは言えない。こういうウソを平然と公式サイトのプロフィールに記す感覚が許しがたい。》
 大沼瑞穂氏は慶応大学の大学院(修士課程)を修了した後、NHKの記者になり、外務省の専門調査員(香港駐在)、東京財団の研究員、内閣府の上席政策調査員を経て、政界に転じたという。経歴はすごいが平然とウソをついてはいけない。さらに、
 《選挙区の支持者の集まりで、彼女は「山形に引っ越してきて、こちらで暮らしては」と水を向けられた際、やんわりと断り、次のように言ったという。「山形で子育てをするのはちょっと・・・」。もっとはっきり「山形は子育てをする環境にはない」と述べた、との証言もある。信頼できる自民党の政治家や党員から聞いた話なので、間違いない。》
http://www.bunanomori.org/NucleusCMS_3.41Release/?itemid=775
 こんな(ひどい)ところでは、子育てできないし、暮らせない、と言い放つ人が地域の代表として国会に送られていいのか。
 彼女の父親、大沼保昭氏は、いわゆる慰安婦問題など日本の戦争・戦後責任を追及*1した著名な国際法学者(東大名誉教授、昨年没*2)で、私も著作*3を何冊か読んだことがある。その娘さんとは知らなかった。

 まあ一寸呆れる話ですね。何でそんな人間が山形選挙区から出馬するのか。
 せめて「ベテラン山形県議」「山形の地場企業の社長」とか地元の自民党関係者を擁立したらどうなのか。
 なお、大沼氏(元アジア女性基金理事、東大名誉教授)については
秦・大沼歴史修正コンビによる性暴力被害者侮辱会見での8項目の指摘に対する反論1 - 誰かの妄想・はてなブログ版
秦・大沼歴史修正コンビによる性暴力被害者侮辱会見での8項目の指摘に対する反論2 - 誰かの妄想・はてなブログ版
秦・大沼歴史修正コンビによる性暴力被害者侮辱会見での8項目の指摘に対する反論3 - 誰かの妄想・はてなブログ版
秦・大沼歴史修正コンビによる性暴力被害者侮辱会見での8項目の指摘に対する反論4(追記2015/3/22) - 誰かの妄想・はてなブログ版
秦・大沼歴史修正コンビによる性暴力被害者侮辱会見での8項目の指摘に対する反論5 - 誰かの妄想・はてなブログ版
秦・大沼歴史修正コンビによる性暴力被害者侮辱会見での8項目の指摘に対する反論6 - 誰かの妄想・はてなブログ版
秦・大沼歴史修正コンビによる性暴力被害者侮辱会見での8項目の指摘に対する反論7 - 誰かの妄想・はてなブログ版
秦・大沼歴史修正コンビによる性暴力被害者侮辱会見での8項目の指摘に対する反論8 - 誰かの妄想・はてなブログ版
ブラックパンサー党に対する批判をする際にKKKとの共同記者会見で行えばどう受け取られるかくらい考えられないものかね - 誰かの妄想・はてなブログ版*4
が批判するように晩年は慰安婦問題に対する態度が明らかに劣化したと俺は認識しています。何せ「河野談話否定で、正論大賞西岡力と共同受賞した歴史修正主義者」秦郁彦*5と共同会見で「会見場には植村氏を捏造記者呼ばわりして名誉毀損の訴訟を起こされている櫻井よしこも同席」ですからね。
 id:scopedog氏や俺でなくても『河野談話の考えに基づいて設立された「アジア女性基金」の元理事(大沼氏)が河野談話アジア女性基金の意義を完全否定する右翼(秦や桜井)と同席して恥じないとはどういうことなのか?。理事時代の言動はすべて間違っていたと大沼氏は認めるのか?』と呆れるでしょう。
 昔はともかく「晩年の彼」を「和田春樹氏*6(元アジア女性基金理事)や吉見義明氏*7慰安婦研究の第一人者)」などと同様に理解したら大間違いでしょう。
 和田氏や吉見氏をどう評価するにせよ彼らは「晩年の大沼氏」ほど酷くはありません。 
 つうか「この父(『秦や桜井の同類』の歴史修正主義者)にしてこの娘(山形県差別者)あり」と悪口を言われても文句の言えないレベルに「晩年の大沼氏」は劣化していたと思います。

*1:「後述しますが」『昔は追及していた』ですね。晩年は秦郁彦などと一緒に「その逆の行為」をしていました。

*2:正直、小生も「実は非常に不勉強な人間」なので「へえ?、大沼氏て亡くなってたんだ?(そういえばそんな新聞記事読んだ気もする)」ですね。まあ「プンツォク・ワンギャルを知らない」といったMukkeと違って「慰安婦問題に詳しい」とか自称してないので問題ない(?)でしょう。まあ、大沼氏が「劣化したまま、批判を受けたまま、死んだこと」は「自業自得」とはいえ哀れだとは思います。

*3:大沼氏の著書としては『戦争責任論序説』(1975年、東京大学出版会)、『サハリン棄民』(1992年、中公新書)、『在日韓国・朝鮮人の国籍と人権』(2004年、東信堂)、『東京裁判、戦争責任、戦後責任』(2007年、東信堂)、『「慰安婦」問題とは何だったのか』(2007年、中公新書)、『「歴史認識」とは何か』(2015年、中公新書)、 『国際法』(2018年、ちくま新書)など

*4:もちろん「KKK」とは「大沼氏に同席した秦郁彦桜井よしこ」の比喩です。

*5:秦の慰安婦関係の著書としては『慰安婦と戦場の性』(1999年、新潮選書)、『歪められる日本現代史』(2006年、PHP研究所)、『現代史の虚実:沖縄大江裁判・靖国慰安婦・南京・フェミニズム』(2008年、文藝春秋)、『慰安婦問題の決算』(2016年、PHP研究所)など。

*6:東京大学名誉教授。著書『歴史としての社会主義』(1992年、岩波新書)、『金日成満州抗日戦争』(1992年、平凡社)、『歴史としての野坂参三』(1996年、平凡社)、『北朝鮮:遊撃隊国家の現在』(1998年、岩波書店)、『朝鮮戦争全史』(2002年、岩波書店)、『朝鮮有事を望むのか:不審船・拉致疑惑・有事立法を考える』(2002年、彩流社)、『同時代批評(2002年9月〜2005年1月):日朝関係と拉致問題』(2005年、彩流社)、『テロルと改革:アレクサンドル二世暗殺前後』(2005年、山川出版社)、『ある戦後精神の形成:1938〜1965』(2006年、岩波書店)、『これだけは知っておきたい日本と朝鮮の一〇〇年史』(2010年、平凡社新書)、『北朝鮮現代史』(2012年、岩波新書)、『領土問題をどう解決するか』(2012年、平凡社新書)、『「平和国家」の誕生:戦後日本の原点と変容』(2015年、岩波書店)、『慰安婦問題の解決のために』(2015年、平凡社新書)、『アジア女性基金慰安婦問題:回想と検証』(2016年、明石書店)、『米朝戦争をふせぐ:平和国家日本の責任』(2017年、 青灯社)、『レーニン:二十世紀共産主義運動の父』(2017年、山川出版社世界史リブレット人)、『ロシア革命』、『スターリン批判・1953〜56年:一人の独裁者の死が、いかに20世紀世界を揺り動かしたか』(以上、2018年、作品社)、『安倍首相は拉致問題を解決できない』(2018年、青灯社)など

*7:中央大学名誉教授。著書『草の根のファシズム』(1987年、東京大学出版会)、『従軍慰安婦』(1995年、岩波新書)、『毒ガス戦と日本軍』(2004年、岩波書店)、『日本軍「慰安婦」制度とは何か』(2010年、岩波ブックレット)、『焼跡からのデモクラシー:草の根の占領期体験(上)(下)』(2014年、岩波現代全書)、『買春する帝国:日本軍「慰安婦」問題の基底』(2019年、岩波書店)など