今日の産経ニュース(2021年1月2日分)(追記あり)

自民、連続比例復活議員の差し替えを検討 衆院選前に「勝てる候補」優先 - 産経ニュース
 「言うは易し行うは難し」でしょう。ある程度の得票が出来なければ「比例復活すら不可能」なわけで「現職を差し替えて、小選挙区で勝てる候補」なんてもんが簡単に擁立できるとも思えません。


創価大が往路初優勝 箱根駅伝、東洋大2位 - 産経ニュース
箱根駅伝「3強」は明暗 駒大3位で逆転へ「少しづつ詰める」 東海大5位、青学大はまさかの12位 - 産経ニュース
 往路のみの結果とは言え、3強が首位をとれず、創価大学が首位(初優勝)というのは意外な結果と言えるでしょう。特に上位常連の青学が「往路12位」と「復路」で巻き返さないとシード権も失いかねない苦境というのは意外です(青学の場合シード権を失っても予選を突破し出場できる可能性は高いでしょうが)。
 復路の結果を見ないとなんとも言えませんが
1)復路で青学が巻き返し(さすがに優勝はないでしょうが)上位に食い込む。来年以降も「王者として」青学優位時代が続く
2)創価大学が復路も制し、創価大学王者時代の幕開け
3)(創価大学が優勝するにせよ、どこが優勝にするにせよ)もはや「圧倒的な力を持つチームが存在しない箱根駅伝戦国時代(もはや青学優位とは言えない)」幕開け
なのか興味深いところです。
【追記】
 総合1位駒沢、総合2位創価(往路優勝)、総合3位東洋、総合4位青学(復路優勝)ということで「復路優勝」青学や「総合優勝」駒沢が「新規組・創価(往路優勝)」に対し復路で「上位常連校の意地を見せた」というところですね。創価は「10区の途中まで1位」で初優勝かと思われましたが、10句の途中で駒沢に敗れたのはやはり「地力の差(駒沢の方が優勝回数も上位入賞回数も多い)」ということでしょう。とはいえ、箱根駅伝出場回数が青学、駒沢、東洋など上位常連校に比べれば非常に少なく、往路優勝するまでは「優勝候補」と見なされていなかった創価が「往路優勝、総合2位」とは「大健闘」といえるでしょう。来年の創価の成績が興味深いところです。


【正論2月号】先人に倣う 「自由主義」貫いた河合栄治郎 国家基本問題研究所主任研究員 湯浅博(1/3ページ) - 産経ニュース
 主任研究員などと名乗ったところで国家基本問題研究所は「なんちゃって研究所(シンクタンク)」にすぎませんがそれはさておき。
 何が呆れるって「河合は権力を厳しく批判した」などと河合を持ち上げる産経が「学術会議問題」「歴史教科書問題」では「任命拒否された学者たち」「笠原十九司*1南京事件研究など)、林博史*2沖縄戦研究や慰安婦研究など)、吉見義明氏*3慰安婦研究など)」などを「反日偏向」などと言って悪口雑言することですね。
 自分たちが笠原氏などに対してやってることが「戦前の軍部や民間右翼の河合(あるいは滝川、津田、美濃部)攻撃」と同レベルの行為だという自覚がないのが酷すぎる。
 「河合の精神」云々言うならそれを現在実行しているのが笠原氏などでしょうに。
 結局、産経が河合を褒めてるのは「旧民社(産経のウヨ仲間、河合の弟子たちがイデオローグを務めた*4)が河合を絶賛してるから」にすぎないからこうなるわけです。
 だからこそ産経は「滝川事件の滝川幸辰」「著書が発禁処分を食らった津田左右吉*5」「天皇機関説事件の美濃部達吉*6」などはこういう場合に取り上げない(ただし滝川らも「旧民社に持ち上げられる河合」のような右翼ではないとはいえ、左派では無く保守派ですが)。
 極論すれば産経の河合持ち上げは「日本共産党野呂栄太郎小林多喜二(いずれも党員)持ち上げ」などと大して変わりませんが、ただし共産党の場合、「河合を持ち上げながら自民党や民間右翼とともに学者攻撃する」産経のようなデタラメは俺の知る限りないですし、まあ、「野呂(経済学者)や小林(作家)」は「党外においてもそれなりに評価」されてますからね。

*1:都留文科大学名誉教授。著書『アジアの中の日本軍』(1994年、大月書店)、『南京事件』(1997年、岩波新書)、『日中全面戦争と海軍:パナイ号事件の真相』(1997年、青木書店)、『南京事件三光作戦』(1999年、大月書店)、『南京事件と日本人』(2002年、柏書房)、『南京難民区の百日:虐殺を見た外国人』(2005年、岩波現代文庫)、『南京事件論争史』(2007年、平凡社新書→増補版、2018年、平凡社ライブラリー)、『「百人斬り競争」と南京事件』(2008年、大月書店)、『日本軍の治安戦』(2010年、岩波書店)、『第一次世界大戦期の中国民族運動』(2014年、汲古書院)、『海軍の日中戦争』(2015年、平凡社)、『日中戦争全史(上)(下)』(2017年、高文研)、『憲法九条と幣原喜重郎日本国憲法の原点の解明』(2020年、大月書店)など

*2:関東学院大学教授。著書『沖縄戦と民衆』(2001年、大月書店)、『BC級戦犯裁判』(2005年、岩波新書)、『シンガポール華僑粛清』(2007年、高文研)、『戦後平和主義を問い直す』(2008年、かもがわ出版)、『戦犯裁判の研究』(2009年、勉誠出版)、『沖縄戦 強制された「集団自決」』(2009年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『沖縄戦が問うもの』(2010年、大月書店)、『米軍基地の歴史』(2011年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『裁かれた戦争犯罪:イギリスの対日戦犯裁判』(2014年、岩波人文書セレクション)、『暴力と差別としての米軍基地』(2014年、かもがわ出版)、『日本軍「慰安婦」問題の核心』(2015年、花伝社)、『沖縄からの本土爆撃:米軍出撃基地の誕生』(2018年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)など。個人サイトWelcome to Hayashi Hirofumi'

*3:中央大学名誉教授。著書『草の根のファシズム』(1987年、東京大学出版会)、『従軍慰安婦』(1995年、岩波新書)、『日本軍「慰安婦」制度とは何か』(2010年、岩波ブックレット)、『毒ガス戦と日本軍』(2004年、岩波書店)、『焼跡からのデモクラシー:草の根の占領期体験(上)(下)』(2014年、岩波現代全書)、『買春する帝国:日本軍「慰安婦」問題の基底』(2019年、岩波書店)など

*4:河合自身は旧民社結党時には既に死亡しており、直接には関係ありません。

*5:1873~1961年。著書『文学に現はれたる我が国民思想の研究(全8冊)』(2004年、岩波文庫)、『日本の皇室』(2019年、中公クラシックス)など

*6:1873~1948年。著書『憲法講話』(岩波文庫)など