今日の産経ニュース(2020年1月23日分)

阪神の守屋投手が暴行否定 妻がモラハラと主張 - 産経ニュース
 野球選手に誰も聖人君主であることを求めはしませんが今の時代、「DV夫でも投手として能力があればOKです」という時代ではありません。
 最低限
1)妻の主張が虚偽であることを証明するか
2)妻の主張が事実であることを認めた上で和解して問題を解決し「二度とこうしたトラブルは起こさない」ということを球団に納得してもらうか
どちらかでない限り、「いかに有能な投手でも」戦力外通告は不可避でしょう。ましてや「投手として能力が今ひとつ」ならなおさらです(彼の投手として能力を俺は知りませんが)。


河井夫妻疑惑めぐり与野党攻防 閣僚経験者「1億5000万円なんてどうやって使い切るのか」(1/2ページ) - 産経ニュース
 1億5千万円云々とは週刊文春の報道だそうです。河井が法相をやめたのも文春報道がきっかけですし、文春は河井疑惑追及ではかなり頑張っていると言えるでしょう。


【正論】国際社会における日本の宣伝下手 精神科医、国際医療福祉大学教授・和田秀樹 - 産経ニュース

 慰安婦問題にしても、海外の人への宣伝が足りない。朝日新聞が、慰安婦を強制連行したという吉田清治証言などの誤りを認め、関連記事を取り消しても、それをほとんど海外に知らせる努力をしてこなかった。
 だから、それ以降も慰安婦を「性奴隷」などとする嘘が正されず、慰安婦像が海外で建てられるようなことが続いている。
 米サンフランシスコ市のような海外の都市で慰安婦像が設置され、「慰安婦の日」まで制定されたのは、韓国や反日連携する中国側*1プロパガンダ活動が成功しているからだ。

 呆れて二の句が継げませんね。慰安婦が性奴隷だからこそ河野談話が出たわけです。宣伝下手という話ではなく嘘は世間に通用しないというだけの話です。
 吉田証言にしても「彼の証言が信用されていたとき」ですら、その証言は彼が「慰安婦を調達したという韓国済州島限定」で使用されていました。台湾、フィリピンやインドネシアなどの慰安婦はそもそも最初から彼の証言なんか使っていない。そもそも「慰安婦本人の証言」「吉田以外の軍関係者の証言」「日本政府の公文書」など「慰安婦が違法である証拠」は山ほどあるわけです。
 彼の証言が虚偽であることを理由に「慰安婦は違法ではない」というのは

安明進が金目当てに嘘証言をしたことがあると自白したことを理由に「北朝鮮拉致」を全否定する
・免田事件、足利事件など過去に冤罪事件があることを理由に、ろくな根拠もないのに『だから俺も無罪だ、警察や検察のでっち上げだ』と某被告人が強弁する

レベルの詭弁です。
 大体、河野談話を出した河野洋平*2慰安婦研究者である吉見義明*3中央大学名誉教授、林博史*4関東学院大学教授はもちろんこんな「慰安婦違法性否定論」の立場ではないわけです。
 そして安倍も未だに公然とは河野談話の撤回など出来ない。それは繰り返しますが「嘘は世間に通用しないから」です。
 この和田春樹*5・東大名誉教授に名前の似た御仁・和田秀樹*6が「和田春樹氏とは真逆のレベルの低い馬鹿ウヨだ」ということはよくわかりました。

 満州国では、甘粕正彦が理事長についた満州映画協会が娯楽性にも優れた映画を作り、李香蘭をスターにして、満州の人たちを親日的にしていった。

 ばかばかしくて話にならないですね。満州では抗日運動がなかったとでも言うのか。実際には甘粕は将来を悲観して青酸カリ自殺するわけで、本当にそんなに「満州の人間が親日的」なら甘粕が自殺することもなかったでしょう。


【阿比留瑠比の極言御免】長期政権といえば共産党でしょう - 産経ニュース
 有料記事なので途中までしか読めませんが。

「『疑惑国会』開幕」
 現在、憲法改正*7社会保障改革、緊迫する中東情勢、米国と中国の貿易戦争にいつ暴発するか分からない北朝鮮*8‥と内外で国民の生命と財産に直結する課題*9が山積している。にもかかわらず、専ら安倍晋三*10政権の醜聞追及に紙面を費やすという意思表明だろうか。

 「桜を見る会疑惑」は産経の建前では「安倍の醜聞」ではないはずなのですが。
 「問うに落ちず語るに落ちる」というべきでしょうか。いずれにせよこんな文を書く阿比留が今年も「くだらない醜聞追及などするな」と安倍擁護することは間違いないでしょう。これが「細川*11首相の佐川疑惑」「鳩山*12首相の故人献金疑惑」「小沢*13民主党幹事長(当時)の西松建設疑惑」と「非自民政権の疑惑の時は騒ぎまくっていた新聞」の言うことですから心底呆れます。

 「長期政権のゆがみ」といった長期政権の弊害を強調するキーワードは、このところの朝日のお気に入りの表現のよう

 安倍信者・阿比留らしい駄記事です。個人的には安倍が無茶苦茶なのは「長期政権だから」ではなく「安倍がクズだから」「そのクズさを支持者が容認するから」と思うし、「池田勇人*14佐藤栄作*15は長期政権でもおそらくここまで酷くない」ので「長期政権のゆがみ」という物言いには違和感があるのですが、それはさておき。
 ここで阿比留が言う「共産党の長期政権」というのが「日本共産党の志位委員長体制」のことか、「旧ソ連のブレジネフ体制など旧共産国」のことかわかりませんが、いずれにせよ第一に朝日が問題にしてるのは「安倍政治のゆがみ」です。「安倍政権が長期政権であること」ではない。
 第二に仮に「志位体制やブレジネフ体制などにゆがみがある」があるとしても、それは「安倍政権がゆがんでいていい」と言う話ではない。

*1:そもそも「オランダの植民地」インドネシアではオランダ人(白人)の慰安婦もいたので「慰安婦中韓」という認識自体が間違っています。

*2:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長を歴任

*3:著書『草の根のファシズム』(1987年、東京大学出版会)、『従軍慰安婦』(1995年、岩波新書)、『毒ガス戦と日本軍』(2004年、岩波書店)、『日本軍「慰安婦」制度とは何か』(2010年、岩波ブックレット)、『焼跡からのデモクラシー:草の根の占領期体験(上)(下)』(2014年、岩波現代全書)、『買春する帝国:日本軍「慰安婦」問題の基底』(2019年、岩波書店)など

*4:著書『沖縄戦と民衆』(2002年、大月書店)、『BC級戦犯裁判』(2005年、岩波新書)、『シンガポール華僑粛清』(2007年、高文研)、『戦後平和主義を問い直す』(2008年、かもがわ出版)、『戦犯裁判の研究』(2009年、勉誠出版)、『沖縄戦 強制された「集団自決」』(2009年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『沖縄戦が問うもの』(2010年、大月書店)、『米軍基地の歴史』(2011年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『裁かれた戦争犯罪:イギリスの対日戦犯裁判』(2014年、岩波人文書セレクション)、『暴力と差別としての米軍基地』(2014年、かもがわ出版)、『日本軍「慰安婦」問題の核心』(2015年、花伝社)、『沖縄からの本土爆撃:米軍出撃基地の誕生』(2018年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)など。個人サイトWelcome to Hayashi Hirofumi'

*5:著書『歴史としての社会主義』(1992年、岩波新書)、『金日成満州抗日戦争』(1992年、平凡社)、『歴史としての野坂参三』(1996年、平凡社)、『北朝鮮:遊撃隊国家の現在』(1998年、岩波書店)、『朝鮮戦争全史』(2002年、岩波書店)、『朝鮮有事を望むのか:不審船・拉致疑惑・有事立法を考える』(2002年、彩流社)、『同時代批評(2002年9月〜2005年1月):日朝関係と拉致問題』(2005年、彩流社)、『テロルと改革:アレクサンドル二世暗殺前後』(2005年、山川出版社)、『ある戦後精神の形成:1938〜1965』(2006年、岩波書店)、『日露戦争 起源と開戦(上)(下)』(2010年、岩波書店)、『これだけは知っておきたい日本と朝鮮の一〇〇年史』(2010年、平凡社新書)、『北朝鮮現代史』(2012年、岩波新書)、『領土問題をどう解決するか』(2012年、平凡社新書)、『「平和国家」の誕生:戦後日本の原点と変容』(2015年、岩波書店)、『慰安婦問題の解決のために』(2015年、平凡社新書)、『アジア女性基金慰安婦問題:回想と検証』(2016年、明石書店)、『米朝戦争をふせぐ:平和国家日本の責任』(2017年、 青灯社)、『レーニン:二十世紀共産主義運動の父』(2017年、山川出版社世界史リブレット人)、『ロシア革命』、『スターリン批判・1953〜56年:一人の独裁者の死が、いかに20世紀世界を揺り動かしたか』(以上、2018年、作品社)、『安倍首相は拉致問題を解決できない』(2018年、青灯社)、『韓国併合110年後の真実:条約による併合という欺瞞』(2019年、岩波ブックレット)など

*6:著書『75歳現役社会論』(1997年、NHKブックス)、『多重人格』(1998年、講談社現代新書)、『〈自己愛〉の構造』(1999年、講談社選書メチエ)、『わがまま老後のすすめ』(1999年、ちくま新書)、『「ゆとり教育」から子どもをどう守るか』(2002年、講談社+α文庫)、『大人のための勉強法』(2000年、PHP新書)、『<自己愛>と<依存>の精神分析コフート心理学入門』、『壊れた心をどう治すか:コフート心理学入門〈2〉』(以上、2002年、PHP新書)、『難関大学も恐くない 受験は要領』(2002年、PHP文庫)、『「英語脳」のつくり方』(2003年、中公新書ラクレ)、『わが子を東大に導く勉強法』(2003年、PHP文庫)、『公立小中高から東大に入る本』(2004年、幻冬舎文庫)、『頭をよくするちょっとした「習慣術」』(2004年、祥伝社黄金文庫)、『<疑う力>の習慣術』(2004年、PHP新書)、『試験に受かる人落ちる人』(2005年、幻冬舎文庫)、『能力を高める 受験勉強の技術』(2005年、講談社現代新書)、『人づきあいが楽になるちょっとした「習慣術」』(2005年、祥伝社黄金文庫)、『大人のための試験に合格する法』(2005年、日経ビジネス人文庫)、『大人のための健康法』(2006年、角川oneテーマ21)、『人は「感情」から老化する』(2006年、祥伝社新書)、『「新中流」の誕生』(2006年、中公新書ラクレ)、『受験勉強は役に立つ』(2007年、朝日新書)、『痛快! 心理学 入門編』、『痛快! 心理学 実践編』(以上、2007年、集英社文庫)、『「か弱き、純真な子ども」という神話』(2007年、中公新書ラクレ)、『「現役年齢」をのばす技術』(2007年、PHP新書)、『感情暴走社会』、『精神科医は信用できるか』(以上、2008年、祥伝社新書)、『子どもは公立に預けるな! 』(2008年、ソフトバンク新書)、『医療のからくり』(2008年、文春文庫)、『人生の軌道修正』(2009年、新潮新書)、『困った老人と上手につきあう方法』(2009年、宝島SUGOI文庫)、『まじめの崩壊』(2009年、ちくま新書)、『新学歴社会と日本』(2009年、中公新書ラクレ)、『1分間をムダにしない技術』(2009年、PHP新書)、『中学受験は親で勝つ』(2009年、扶桑社文庫)、『40代からの節制は寿命を縮める』(2010年、朝日新書)、『テレビの大罪』(2010年、新潮新書)、『「がまん」するから老化する』(2010年、PHP新書)、『男も更年期で老化する』(2011年、小学館101新書)、『「思考の老化」をどう防ぐか』(2011年、PHP新書)、『震災トラウマ』(2011年、ベスト新書)、『経営者の大罪:なぜ日本経済が活性化しないのか』(2012年、祥伝社新書)、『人生を狂わせずに親の「老い」とつき合う』(2012年、講談社+α新書)、『東大秋入学の落とし穴』(2012年、小学館101新書)、『定年後の勉強法』(2012年、ちくま新書)、『老人性うつ』(2012年、PHP新書)、『東大の大罪』(2013年、朝日新書)、『「依存症」社会』(2013年、祥伝社新書)、『大人のための文章法』、『ビジネスマンのための心理学入門』(以上、2014年、角川oneテーマ21)、『「うつ」だと感じたら他人に甘えなさい』(2014年、PHP新書)、『だから医者は薬を飲まない』、『人と比べない生き方 劣等感を力に変える処方箋』(以上、2015年、SB新書)、『大人のための読書法』(2015年、角川oneテーマ21)、『この国の冷たさの正体』(2016年、朝日新書)、『自分を「平気で盛る」人の正体』(2016年、SB新書)、『「おめでたい人」の思考は現実化する』(2016年、小学館新書)、『学者は平気でウソをつく』(2016年、新潮新書)、『「いい人」をやめる9つの習慣』(2016年、だいわ文庫)、『この国の息苦しさの正体』(2017年、朝日新書)、『受験学力』(2017年、集英社新書)、『「損」を恐れるから失敗する』(2017年、PHP新書)、『私の保守宣言』(2017年、ワック文庫)、『病院のやめどき』(2018年、朝日新書)、『感情バカ』(2018年、幻冬舎新書)、『年代別 医学的に正しい生き方 人生の未来予測図』(2018年、講談社現代新書)、『「いまどきの男の子」の心を強くする育て方』(2018年、だいわ文庫)、『困った老人のトリセツ』(2018年、宝島社新書)など

*7:そんなものは安倍や産経のような改憲派はともかく、それ以外にとっては何ら課題ではありません。

*8:まあ現状において北朝鮮が暴発する理由はありませんし、本心では阿比留もそんなことがあるとは思ってないでしょう。

*9:安倍が「少子化克服が重要課題」と最近演説したのに、少子化問題を明確な形では挙げない(社会保障改革に入ってるのかもしれませんが)阿比留って本心では「安倍信心なんかしてねえんじゃねえか」感を感じます。教祖・安倍様があれほど「少子化問題は重要課題」といったら阿比留が信者ならそれをアピールするでしょうに。

*10:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*11:熊本県知事、日本新党代表を経て首相

*12:細川内閣官房副長官新党さきがけ代表幹事、民主党幹事長などを経て首相

*13:中曽根内閣自治相・国家公安委員長自民党幹事長(海部総裁時代)、新生党代表幹事、新進党党首、民主党幹事長、自由党党首など歴任

*14:大蔵次官から政界入り。自由党政調会長(吉田総裁時代)、吉田内閣蔵相、通産相、石橋内閣蔵相、岸内閣蔵相、通産相などを経て首相

*15:運輸次官から政界入り。自由党幹事長(吉田総裁時代)、吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、自民党総務会長(岸総裁時代)、池田内閣通産相科学技術庁長官などを経て首相