「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年12/18日分:荒木和博の巻)

◆「荒木ツイート&ブログ」に突っ込む

戦争研究の勧め(12月19日のショートメッセージ): 荒木和博BLOG
・令和2年12月19日土曜日のショートメッセージ(Vol.261)。戦争というのはものすごい教訓の宝庫であるというお話しです。単に悲惨だとか悪いこととして蓋をしてしまうのではなく、学べることは学ぶべきではないかと思います。
・12月25日(金)は14:00から川口駅前で(ボーガス注:特定失踪者)藤田進さんの弟、藤田隆司さんをゲストに川口の失踪についてライブでお話しする予定です。どちらもお時間ありましたらご参加下さい。

 7分40秒の動画です。「戦争はものすごい教訓の宝庫」って「そんなことと拉致被害者の帰国と何の関係があるんだ?」と言う話ですね。
 そして荒木がこんなことを言うまでも無く「日本国内」でも「日本国外」でも戦争史研究はされてるわけです。
 「戦争史」「戦史」でググれば」

【発行年順(発行年が同じ場合は著者名順)】
加藤陽子*1『戦争の日本近現代史』(2002年、講談社現代新書)
◆吉田裕*2『日本人の戦争観』(2005年、岩波現代文庫)
◆吉田裕『アジア・太平洋戦争』(2007年、岩波新書)
山中恒*3アジア・太平洋戦争史』(2015年、岩波現代文庫)
◆吉田裕『日本軍兵士:アジア・太平洋戦争の現実』(2017年、中公新書)
◆広中一成*4『傀儡政権:日中戦争、対日協力政権史』(2019年、角川新書)
◆江口圭一*5十五年戦争小史』(2020年、ちくま学芸文庫)
成田龍一*6『増補・「戦争経験」の戦後史』(2020年、岩波現代文庫
三上智恵『証言 沖縄スパイ戦史』(2020年、集英社新書)
◆吉田裕『兵士たちの戦後史』(2020年、岩波現代文庫)

などの本がヒットします。荒木等ウヨ連中が敵視する「笠原十九司*7南京事件研究(笠原『南京事件』(1997年、岩波新書)、『南京事件と日本人』(2002年、柏書房)、『南京難民区の百日:虐殺を見た外国人』(2005年、岩波現代文庫)、『「百人斬り競争」と南京事件』(2008年、大月書店)、『増補・南京事件論争史』(2018年、平凡社ライブラリー)など」「林博史*8沖縄戦研究や慰安婦研究(林『沖縄戦と民衆』(2001年、大月書店)、『沖縄戦・ 強制された「集団自決」』(2009年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『沖縄戦が問うもの』(2010年、大月書店)、『日本軍「慰安婦」問題の核心』(2015年、花伝社)など)」「吉見義明氏*9慰安婦研究(吉見『従軍慰安婦』(1995年、岩波新書)、『日本軍「慰安婦」制度とは何か』(2010年、岩波ブックレット)、『買春する帝国:日本軍「慰安婦」問題の基底』(2019年、岩波書店)など)」も戦史研究の一種です。
 もしかしたら荒木のいう「戦史研究」とは「朝鮮戦争研究を意味する」のかもしれませんが、これにしたって「朝鮮戦争」でググれば

【発行年順(発行年が同じ場合は著者名順)】
神谷不二*10朝鮮戦争』(1990年、中公文庫)
◆和田春樹*11朝鮮戦争全史』(2002年、岩波書店
◆朱建栄*12毛沢東朝鮮戦争』(2004年、岩波現代文庫)

などの本がヒットします。
 それにしても「特定失踪者」なんて与太をいつまで放言してれば気が済むのかと心底呆れます。

https://twitter.com/ARAKI_Kazuhiro/status/1339750075770159106
 令和2年12月18日金曜日のショートメッセージ(Vol.260)。北朝鮮への帰還(北送)事業と韓国についてお話ししました。

北朝鮮への帰還事業と韓国(12月18日のショートメッセージ): 荒木和博BLOG
 令和2年12月18日金曜日のショートメッセージ(Vol.260)。北朝鮮への帰還(北送)事業と韓国についてお話ししました。(ボーガス注:右の自民から左の共産まで賛成し、吉永小百合の主演映画『キューポラのある街』で帰国事業が好意的に描かれたことなどで分かるように)「当時日本中で帰還事業には好意的でした。その中で反対し阻止しようとした(ボーガス注:反共右翼団体である民団の)動きは少数派、というより否定的に見られていたと思います。しかしそれが成功していれば北朝鮮に行って収容所に送られたり殺されたりする人は減らすことができたでしょう。そういうことについてのお話しです。

 8分程度の動画です。
 説明文だけでも「はあ?」ですね。荒木ら救う会の目的は「日本人拉致被害者の帰国」ではないのか。拉致被害者の帰国に「北朝鮮のいわゆる帰国事業」など何一つ関係ないわけです。
 まあそれでも荒木ら救う会が「帰国事業の後始末(?)」として「帰国した日本人妻やその家族の日本帰国」を進めようというならともかくそうじゃないですからね。「拉致問題が最優先」と言う口実で「帰国した日本人妻やその家族の日本帰国」をネグるのだから呆れます。
 さて荒木曰く「韓国への帰国事業は当時、なかった」。
 そうらしいですね。当時の韓国政府には「在日の帰国」を引き受ける考えはなかったわけです。
 一方、北朝鮮は「朝鮮半島南部出身者でも引き受ける」といった。日本の在日差別も酷かった。そう言う中で「帰国事業へ応じる人間が多かった」のも「ある意味やむを得ない」でしょう。
 「北朝鮮が悪い」「帰国事業は間違っていた」で済む話でもない。
 「当時の韓国政府が帰国を引き受けていれば」「当時の日本で在日差別がなければ」という話でもありますが、まあ、そう言う話はもちろん荒木はしません。
 北朝鮮と帰国事業(あるいは帰国事業を当時、支持した日本人)に悪口するだけです。
 さて荒木は「当時、民団の反対運動があった」と言って「当時の民団を美化しよう」としますが反対運動は何ら人道目的じゃないですからね。「在日を引き受ける北朝鮮の評判が良くなるのが嫌だ」とか「帰国した在日によって北朝鮮が発展するのが嫌だ」というくだらない話です。だから「韓国で引き受ける」という話には勿論ならない。
 しかも「人道目的でない」から新潟日赤センター爆破未遂事件 - Wikipediaなんてテロ行為まで平気でやる(もちろん荒木は卑怯にもそうしたテロ行為の事実にはふれません)。そんな民団の反対運動が美化できるわけがないでしょう。
 それにしても荒木が「当時、帰国事業は多くの人が支持した。しかし結果として間違っていたのではないか。だから少数派か多数派かと、正しいか間違いかは関係ないと思う」と言い出したのにはびっくりですね。
 まあ一般論としてはその通りです。別に「帰国事業」に限らない。
 まあ「太平洋戦争開戦(当時はほとんどの日本人が支持)」でも「ベトナム戦争開戦(当時はほとんどの米国人が支持)」でも何でもいいですが「賛成派が多いかどうかと、正しいかどうか」は直結しない。「人間は神様じゃない」ので当たり前の話です。
 が「救う会、家族会」について「俺たちを国民の多数が支持してる!。だから俺たちは正しいんだ!」が荒木ら救う会の物言いではなかったのか。
 おそらく荒木も「拉致の風化(国民が拉致に無関心)」「救う会の政治力の衰退」を実感し「たとえ国民が拉致に無関心になっても俺たちが正しいんだ!」と言いたいんでしょうねえ(ただしそうはっきり言えない辺りは荒木もせこいですが)。そういう「追い込まれた境地」に恐らく荒木はいる。
 また、「旧民社」荒木的には「たとえ、旧民社が国民的支持を得られず、消滅しても、たとえ、旧民社の流れをくむ国民民主党が、最大与党・自民や最大野党・立民どころか、「反共右翼」である俺の大嫌いな共産党すら下回る低支持率にあえいでも、旧民社が正しいんだ!」と言いたいのかもしれません。

*1:東京大学教授

*2:一橋大学名誉教授。東京大空襲・戦災資料センター館長。著書『昭和天皇終戦史』(1992年、岩波新書)、『日本人の歴史認識東京裁判』(2019年、岩波ブックレット)など

*3:著書『暮らしの中の太平洋戦争』(1989年、岩波新書)、『「靖国神社」問答』(2015年、小学館文庫)など

*4:愛知大学非常勤講師。著書『通州事件日中戦争泥沼化への道』(2016年、星海社新書)、『牟田口廉也』(2018年、星海社新書)など

*5:1932~2003年。愛知大学名誉教授。著書『日中アヘン戦争』(1988年、岩波新書)、『盧溝橋事件』(1988年、岩波ブックレット)、『1941年12月8日:アジア太平洋戦争はなぜ起こったか』(1991年、岩波ジュニア新書)、『日本の侵略と日本人の戦争観』(1995年、岩波ブックレット)、『日本帝国主義史研究』(1998年、青木書店)、『十五年戦争研究史論』(2001年、校倉書房)、『まぐれの日本近現代史研究』(2003年、校倉書房)など

*6:日本女子大学教授。著書『「大菩薩峠」論』(2006年、青土社)、『大正デモクラシー』(2007年、岩波新書)、『戦後思想家としての司馬遼太郎』(2009年、筑摩書房)、『増補・〈歴史〉はいかに語られるか:1930年代「国民の物語」批判』(2010年、ちくま学芸文庫)、『近現代日本史と歴史学』(2012年、中公新書)、『戦後史入門』(2015年、河出文庫)、『加藤周一を記憶する』(2015年、講談社現代新書)、『「戦後」はいかに語られるか』(2016年、河出ブックス)など

*7:都留文科大学名誉教授

*8:関東学院大学教授。個人サイトWelcome to Hayashi Hirofumi'

*9:中央大学名誉教授

*10:1927~2009年。慶応義塾大学名誉教授

*11:東京大学名誉教授。著書『歴史としての社会主義』(1992年、岩波新書)、『金日成満州抗日戦争』(1992年、平凡社)、『歴史としての野坂参三』(1996年、平凡社)、『北朝鮮:遊撃隊国家の現在』(1998年、岩波書店)、『朝鮮戦争全史』(2002年、岩波書店)、『テロルと改革:アレクサンドル二世暗殺前後』(2005年、山川出版社)、『ある戦後精神の形成:1938〜1965』(2006年、岩波書店)、『日露戦争 起源と開戦(上)(下)』(2010年、岩波書店)、『これだけは知っておきたい日本と朝鮮の一〇〇年史』(2010年、平凡社新書)、『北朝鮮現代史』(2012年、岩波新書)、『領土問題をどう解決するか』(2012年、平凡社新書)、『「平和国家」の誕生:戦後日本の原点と変容』(2015年、岩波書店)、『慰安婦問題の解決のために』(2015年、平凡社新書)、『アジア女性基金慰安婦問題:回想と検証』(2016年、明石書店)、『米朝戦争をふせぐ:平和国家日本の責任』(2017年、 青灯社)、『レーニン:二十世紀共産主義運動の父』(2017年、山川出版社世界史リブレット人)、『ロシア革命』、『スターリン批判・1953〜56年:一人の独裁者の死が、いかに20世紀世界を揺り動かしたか』(以上、2018年、作品社)、『安倍首相は拉致問題を解決できない』(2018年、青灯社)、『韓国併合110年後の真実:条約による併合という欺瞞』(2019年、岩波ブックレット)など

*12:東洋学園大学教授。著書『江沢民の中国』(1994年、中公新書)、『朱鎔基の中国改革』(1998年、PHP新書)、『毛沢東ベトナム戦争』(2001年、東京大学出版会)、『中国 第三の革命:ポスト江沢民時代の読み方』(2002年、中公新書)、『中国外交 苦難と超克の100年』(2012年、PHP研究所)など