今日の産経ニュースほか(2019年7月15日分)

■先週とほとんど変わらない選挙予想にげんなり
 小生の家は日経ですが、今日の一面トップが「自民、改選議席過半数の予想」「改憲勢力2/3も(場合によってはありうる)*1」で先週予想とほとんど変わらないですね。見出しだけでげんなりしたので熟読はしていませんが。たぶん日経サイトには同じ記事があるでしょうが、ヘタレな人間なので、探してきてリンクをはる気にもなりません。
 「ある程度は覚悟していた」とはいえ、やはりげんなりしますが
1)野党各党は最善を尽くして最後まで諦めずに頑張り
2)そして「自民、改選議席過半数(あるいは改憲勢力2/3)」という嘆かわしい結果になったとしてもさらに諦めずに戦うほかはないのでしょう。
 まあ、「安倍を恐れてテレビ局がまともに選挙報道しない」という争点隠しをうまく野党陣営が追及し切れてないという面も大きいのでしょう。そういう意味では「マスコミの協力」と言う要素が大きく、安倍政権も「絶対的支持があるわけでもない」わけですが。
 なお、争点は政策的な意味では「消費税増税反対」「改憲阻止」などといったところでしょうが、正直、俺的には「安倍の政治姿勢」が一番の「争点」ですね。
 嘘はつく(統計捏造疑惑、『韓国への行為は嫌がらせではないと強弁』など)、身内への利益誘導(モリカケ)はやる、恫喝はやる(NHK国谷キャスターの降板など)、そんな無茶苦茶な奴を野放しにしていいのか、いいわけがないだろう、つうのが「俺にとっての争点」であって正直、「政策以前の問題」で安倍は最悪でしょう。
 とにかく「安倍が首相辞任しさえすればいい」「別に政権交代しなくても石破元幹事長や石原元幹事長、岸田政調会長でも安倍よりマシ」つうのが今の俺の考えです。


安田純平氏のツイート

安田純平
 「どうせ変わらないから」と投票に行かない人たちがいるそうですが、安倍政権は消費税上げるとか改憲するとかで「変える」とはっきり言っているわけですよね。本当に「変わらない」のかよく考えたほうがよいです。

 全く同感なので紹介しておきます。こういうツイートだけしてれば小生も彼を批判しないのですが。とはいえ「どうせ変わらない」的イメージを作ってしまった元凶の一つは民主党政権でしょう。
 民主党政権に何の成果もなかったとは俺もいいません。例えば「高校無償化(朝鮮学校無償化除外の問題はありますが)」「子ども手当」「菅談話」「菅政権時の脱原発方針」などは評価に値するでしょう。
 しかし、少なくとも「沖縄基地問題(公約:県外移設→政権獲得後:県内移設のまま。反対する福島・鳩山内閣少子化等担当相(社民党党首)を更迭し、反発した社民党が政権から離脱。これを機会に共産党も明らかに政権批判の調子を強める)」「消費税問題(公約:増税しない→政権獲得後:自公民三党合意で増税)」「八ッ場ダム問題(公約:建設を中止する→政権獲得後:そのまま継続)」では「自民党の方針を変える」とした選挙公約を全て反故にしたわけです。それらについては何も変わらなかった。
 そしてその反故にした連中(枝野・菅内閣官房長官、岡田民主党幹事長(菅代表時代)など)が未だに野党の幹部(枝野・立民党代表、岡田無所属の会代表)をやっている。これで「旧民進党の流れにある我々を信用してくれ」といっても「アンチ安倍自民」の俺ですら「安倍打倒のためには仕方がない」と思う一方で、相当きついもんがあると思いますよ。
 まあそれでも「極右で嘘つきでモリカケ」の「安倍よりはマシ」とはさすがに思いますが。ただ正直「安倍以外の自民党幹部(石破、石原、岸田など)」と比べたら「手放しで旧民進党系の連中を支持」は俺には出来ないですね。野党共闘にしても「安倍が酷すぎるから」成り立ってる面が明らかにある。


【世界のかたち、日本のかたち】大阪大教授・坂元一哉 日本ができる米国防衛 - 産経ニュース
 「日本ができる米国防衛」てのは、マジレスすると馬鹿馬鹿しい話です。
 「米国への軍事攻撃とは何を意味するのか」を具体的に考えれば「馬鹿馬鹿しさ」がわかるでしょう。
 「軍事大国」米国国土へ軍事攻撃をしかける国があるのか。まあないでしょう。国力的には一応「G7諸国(英仏独イタリア、カナダ、日本)」「ロシア」「中国」当たりは一応可能かもしれませんがやる動機がない。米国相手に戦争なんか仕掛けたら、どこの国も無傷ですむわけもない。米国の反撃で確実に自分が大けがするわけです。
 過去において、米国国土への攻撃なんて戦前日本の真珠湾攻撃くらいしかないわけです(911のようなテロは軍事攻撃と見なすべきじゃないでしょう。まああの種のテロだって頻繁にあるわけじゃないですが)。ならば海外の米軍基地はどうかといえば、「アフガン、イラク」といった治安の悪い場所ならまだしも「日本や西欧諸国」といったそれなりに治安のいい場所で米軍基地に軍事攻撃なんてまずないでしょう。
 そうなると「米国が攻撃されるケース」つうのは現実的には「アフガン、イラクといった治安の悪い場所の米軍基地」しかありえないわけです。過去においてそういうもんしかないし、未来においても「遠い未来はともかく」近い未来はそれしかないでしょう。
 で「そういうところで日本の自衛隊が米軍を守る」。「何のためにそこに自衛隊がいるのか」「それは米軍防衛というより、日米共同軍事作戦という専守防衛を逸脱した行為ではないのか」つう話です。
 大体そうなると「米軍を守ってる」というより「米軍だけだと被害がでかくなるので日本が肩代わりして活動してる」と言う話であって全然「米軍防衛じゃない」でしょう。


この呼びかけは、どうしたら聞いて欲しい人に届くのだろう。 | ちきゅう座(澤藤統一郎)

 本日の東京新聞こちら特報部」《民、侮るなかれ 参院選2019》。
 いつにもまして、語りかけのボルテージが高く熱い。誰に語りかけているのか。現状維持でよいとする「無関心の有権者」にである。本当にそれでよいのか、「現状維持」とはどういうことなのか、無関心が何をもたらすのか。熱い語りかけなのだが、一面虚しくもある。が、虚しくはあっても、語り続けなければならない。

 まあそういうことですね。東京新聞や澤藤氏の「むなしさを感じるがやるしかない」と言う思いには同感です。

本文に、こんな記載がある。

 「日本すごい」どころか、「日本ダメ」が世界的に定着しつつあるのが現実なのだ。それなのに、なぜ現状維持を望むのか。
 駒沢大の山崎望*2教授(現代政治理論)が、老後資金2千万円不足問題について、学生たちに感想を尋ねたところ、「日本沈没」「終わった」と思考停止に陥るタイプと、「文句を言ってもしかたない」「個人で頑張る」といった自己完結するタイプに分かれたという。
 山崎氏は、「雇用も外交も問題は山積していて、暮らしにくさもあるのだが、ならば選挙で政治を変えようという発想には結び付かない。漠然とした将来の不安はあっても目をつぶり、むしろ不安ゆえ、現状が変わる方を恐れる」と心理を読み解く。

 そういうことなんですかね(もちろん「就職で世話になった」であれなんであれ自民を積極支持する人間も中にはいるのでしょうが)。「現状への絶望」が「個人で頑張るしかない」となるのは方向性として間違ってると思いますがなんともかんとも。
 ただし、こうした状況にはやはり「民主党政権時代の公約破り*3」「希望の党騒動」という「旧民進党(最大野党)のていたらく」がやはりあるでしょうね。
 そこで「旧民進党以外の野党(例:共産党)を支持しよう」「新たな政党を作ろう」とかならないのにも困ったもんですが。


【産経抄】7月15日 - 産経ニュース

 きょうは「海の日」。平成7年に制定され、途中から3連休にするため7月の第3月曜日になった。そのためか、この日の由来を忘れてしまった不心得者も論説委員室にいる。
▼明治9年に東北巡幸を終えた明治天皇明治丸で横浜港に帰った「7月20日」、「海の記念日」にちなむのは心ある読者*4のみなさまなら知っての通り。
▼小欄も、明治天皇が乗船した明治丸の歴史や功績を知らなかったから同僚のことは笑えない。東京海洋大学越中島キャンパス(東京都江東区)に国の重要文化財として残されているのを知り、公開日に見学した。

 「ええ?」ですね。
 産経が堂々と「いやー、最近まで海の日の由来を知らなかったんだよね」といってることに驚きですね。
 「明治天皇万歳」の産経がそういうことを堂々と言うのか。
 なお、いわゆるハッピーマンデーの三連休の対象には

天皇誕生日
建国記念の日(2/11、昔の紀元節
・昭和の日(4/29、昔の「天皇誕生日昭和天皇時代)」)
文化の日(11/3、昔の明治節明治天皇の誕生日)。産経らウヨが「明治の日に変更せよ」と主張)

といった「天皇関係の祝日」は入ってないのですが「海の日が戦後に出来たからか」、海の日は「明治天皇関係」でありながらハッピーマンデー対象です。

▼明治8年に小笠原諸島の領有問題が生じた際には、政府が調査団を明治丸で急派した。後を追った英国艦より早く到達し、日本帰属を確固たるものにした。領土、領海を守る明治政府の取り組みなど、知っておきたい歴史である。

 「はあ?」ですね。安倍自民に何をどうしてほしいのか。
 「尖閣竹島北方領土での態度が弱腰だ」と言う非難か。
 なお、ウィキペディア小笠原諸島」にも書いてありますが江戸幕府時代から日本は「小笠原の領有」を主張しています。そうした積み重ねがあるわけで「明治丸」云々で全てが決したわけではないでしょう。

 神武天皇の「海道東征」の御船出の地、宮崎県日向市の美々津の民家の郵便受けには、乗ったとされる船の絵が描かれている。

 せめて「神話だが」とか断ってほしいもんです。

*1:まあ護憲派の俺の願望込みですが、さすがにそれはないんじゃないか。

*2:個人サイト駒澤大学法学部政治学科 山崎望研究室・ゼミ 公式サイト

*3:まあ、それでも「安倍よりはマシ」と思いますが「消費税増税しない」「沖縄基地は県外移設を目指す」と公約しながら政権獲得後、すぐに反故にするようなまねをすれば、支持が民主党(国民民主、立民といった民主党の後継政党を含む)に集まらないのは当たり前の話です。

*4:わざわざ「心ある」と付けてるのには吹き出しました。つまり「由来を知らない読者もいる」「そんな読者は皇室崇拝心のない、心ない読者だ」つうのが産経の認識のようです。