今日の中国ニュース(2019年9月20日分)

キリバスが台湾と断交 蔡総統「中国の悪辣な圧力」 - 産経ニュース
 蔡英文政権誕生後の断交が「エルサルバドルサントメ・プリンシペソロモン諸島ドミニカ共和国パナマブルキナファソ(6か国)」ときて今度は「キリバス(7か国目)」だそうです(このうち、エルサルバドルドミニカ共和国パナマの3か国が「ラテンアメリカ中南米)」、サントメ・プリンシペブルキナファソの2か国が「アフリカ」、ソロモン諸島キリバスの2か国が「オセアニア」)。
 この結果、台湾と国交があるのは

【アフリカ】1か国
エスワティニ(旧名・スワジランド
オセアニア】4か国
・ ツバル 、パラオマーシャル諸島ナウル
【ヨーロッパ】1か国
バチカン
ラテンアメリカ中南米)】9か国
グアテマラ、セントクリストファー・ネービス、セントビンセントおよびグレナディーン諸島ニカラグア 、ハイチ、パラグアイベリーズホンジュラスセントルシア

の15か国だけになりました(もちろん今後も断交が続くかもしれない)。
 何とも蔡の無能さにはあきれます。
 なお、「ほかの問題はともかく」少なくとも「国交樹立&その裏返しとしての断絶」は「悪辣云々」という話じゃないでしょう。可能なら台湾の方だって同じことをしてるでしょうし。してないのは単に「能力的に無理だから」にすぎません。


リベラル21 中国の知識人は何を考えているか

 今年1月、元北京大学教授*1鄭也夫が「中国共産党は歴史の舞台から退場を」という趣旨の主張を公開したというニュースがあった(信濃毎日新聞2019・1・9)。習近平*2政権の思想統制のなか、リベラル派の投獄覚悟、捨身の訴えは1年に1,2回はある。まさに中国知識人の精神力の強さを感じさせるものだが、こうした散発的な抵抗はいったいどのくらい社会的影響力をもつのだろうか。

 ちなみに「鄭也夫」でググったら

中国の名門大学で後を絶たない習近平氏への批判 処分続く異常事態 - ライブドアニュース
 北京大の鄭也夫名誉教授が「共産党の政策が人民の利益と合致していたことはほとんどなかった。今後、指導者が唯一、歴史に名を残せるのは、歴史の舞台から静かに消えることだ」という論文を発表。暗に習氏に即時辞任を求めていた。

という記事がヒットしました。
 「阿部治平&リベラル21」も半年前のずいぶん古いニュース引っ張り出したもんですが、普通に考えて影響力はないでしょうね。ないからこそ「散発的」になるわけです。
 で、「中国に甘い」という誤解を恐れず言えば俺はそういうのは「無意味だ」と思いますね。
 「社会に影響を与えない運動」「現実性のない運動」で何の意味があるのか。もちろん安易に「現実性」を口にするとそれは「ただの現実追認になりかねません」が、だからといって「言いたいことを言う」で自分だけ気持ちよくなっても意味がないでしょう。
 例えば日本共産党社民党、市民団体の「旧民主党系諸政党」との野党共闘なんかはそういうことです。
 「民主党政権時代に沖縄県外移設公約、『消費税増税はしない』公約をほごにした旧民主党系の連中」、具体的には

■立民
立憲民主党 役員一覧 - 立憲民主党
鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相だった枝野代表
鳩山内閣外務副大臣菅内閣官房副長官だった福山幹事長
菅内閣総務大臣政務官だった逢坂政調会長
・鳩山、菅内閣厚労相だった長妻代表代行・選対委員長
菅内閣行政刷新担当相だった蓮舫副代表・参院幹事長
・野田内閣財務相だった安住国対委員長*3
鳩山内閣少子化担当相を更迭された福島社民党代表が政権離脱したのに、社民党を離党し、鳩山内閣国交副大臣を続けた辻元*4幹事長代行・団体交流委員長
菅内閣経産相だった海江田最高顧問
鳩山内閣副総理・財務相、首相だった菅最高顧問
・野田内閣文科相だった中川常任顧問

■国民民主党
国民民主党 役員一覧 - 国民民主党
鳩山内閣官房長官、野田内閣文科相だった平野幹事長
菅内閣厚労副大臣だった大塚代表代行・参院議員会長
・野田内閣経済財政担当相だった古川代表代行
・鳩山、菅内閣総務相だった原口国対委員長

社会保障を立て直す国民会議(野田元首相グループ)
鳩山内閣財務副大臣菅内閣財務相、首相だった野田代表
菅内閣少子化等担当相(民主党政調会長兼務)、野田内閣外相だった玄葉幹事長

なんて連中が今頃「沖縄基地反対運動支持」「消費税10%増税反対」を主張したところで俺は正直信用などしていません(「希望の党騒動」で小池*5都知事を担いだ国民民主にはさすがに厳しいリベラル派の中にも立民については「前原*6のような改憲右派がいる国民民主よりまし」として甘い人間が多いのは俺には我慢がなりません)。
 「だったら民主党政権時代そういえ」「なら過去の公約違反をどう総括し反省してるのか、いってみろ」「お前らがそういうでたらめでいい加減だから、安倍政権が続いてるって面が明らかにあるだろうが!」と正直怒りしかない。
 正直「さすがに安倍政権がひどすぎるので」野党共闘が成立した面がありますが、これが例えば「谷垣*7首相」で「大平*8首相」「宮沢*9首相」「橋本*10首相」といった過去の首相レベルにまともなら「果たして野党共闘が成立したかどうか」は「政権時代の民主党のでたらめさ」「それに反発して社民党が政権離脱し、共産党民主党批判を次第に強めたこと」を考えればかなり疑問でしょう。これは俺だけでなく少なくない「共産党社民党関係者」「市民団体関係者」が内心思ってることでしょう。
 とはいえ、共産党などが「旧民主党の連中は過去をまともに反省してから出直して来いよ。今更沖縄基地県外移設支持とかなめてるのか!」「とりあえず社民党の政権離脱を招いた鳩山政権時代の福島少子化等担当相(当時、社民党党首)を更迭を正式に謝罪しろ!(おそらく正式には謝罪してないでしょう)」とけんか腰でも「森友加計の腐敗政治家」「ホワイト国除外という無法をして恥じない嫌韓国極右」「ロシア外交が典型的だが思い付きやでたらめが多い」「戦後最低最悪の首相」安倍を利するだけです。そこは「あいつら全く信用できない」と不快感を感じても野党共闘せざるを得ないでしょう。政治的現実性とはそういうことです。
 そういう言う意味で言えば高世仁

「暴力」を肯定する香港の若者たち - 高世仁の「諸悪莫作」日記
 リーダーがいないと今後、政府と交渉して落としどころ(あまり好きな言葉ではないが)をさぐるといったことができない。5つの要求の中の民主的選挙の実現などとてもすぐに北京指導部が認めるわけがないと思う
 気になるのは、警察との衝突を経てデモ隊側が火炎瓶を投げるなど暴力がエスカレートしていることだ。運動側の言い分は、「沒有暴徒 只有暴政」(暴徒はいない暴政あるのみ)、警察の暴力こそが問題だという。

と危惧の念を表明していますが、香港デモなんかも俺は手放しでは評価できません。
 落としどころを考えないで「俺たちの主張は正しいんだから香港当局や中国政府がすべて全部飲めばいい」で済む話ではないでしょう。
 暴力行為だって「先に殴ったのは警察だ*11」で済む話ではない。これでは「デモ隊の中に顔を隠してる人間がいる」のも「平和的運動でも、言いがかりをつけられて報復(逮捕投獄や退学処分(学生の場合)、解雇処分(会社員の場合))を受ける恐れがあるから仕方がない」なんて言ったところでもはや説得力はないでしょう。
 既に中国はそう批判してると思いますが「顔を隠してるのは火炎瓶投げなど暴力行為、犯罪行為をやってもばれないようにするためだ。デモ隊は卑怯者だ」と批判されても文句は言えないでしょう。当然「そんな運動には参加したくない」と参加者も減る恐れがある。国際社会も支持しづらくなる。
 ただしいつものことですが、そういう認識は阿部治平とリベラル21にはないようです。

*1:中国の名門大学で後を絶たない習近平氏への批判 処分続く異常事態 - ライブドアニュースによれば名誉教授だそうです。普通「名誉教授」は「元教授」とは書かないでしょう。「政府批判が理由で教授を首になった?」と誤解させたいのかと疑いたくなります。

*2:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*3:今も辻元氏が国対委員長だと誤解していましたが、改めて調べてみたら、最近変わったようですね。辻元氏の「党内ランクが落ちた」ということでしょうか。

*4:福島氏とたもとを分かった彼女の行動は「福島氏のほうが正しい!」「そこまでして国交副大臣を続けたいか?」と今でも俺には許せません。また立民大阪府連幹部として「参院選大阪選挙区での立民候補擁立」を強行し「共産現職(当時)」辰巳氏の落選を招いたうえ、立民候補も落選させた(しかも辰巳氏より少ない得票の上、「辰巳+立民候補」の票は最下位当選の公明党候補の票を上回ってるので単純計算なら立民が候補を擁立しなければ辰巳氏が当選していた)彼女については正直「辻元、手前ふざけんな!」という怒りと失望しかありません。

*5:小泉内閣環境相、第一次安倍内閣防衛相、自民党総務会長(谷垣総裁時代)を経て都知事

*6:鳩山内閣国交相菅内閣外相、民主党政調会長(野田代表時代)、野田内閣国家戦略担当相、民進党代表など歴任

*7:小泉内閣国家公安委員長財務相自民党政調会長(福田総裁時代)、福田内閣国交相、第二次安倍内閣法相、自民党幹事長(第二次安倍総裁時代)など歴任

*8:池田内閣官房長官、外相、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相

*9:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も、小渕、森内閣で蔵相

*10:大平内閣厚生相、中曽根内閣運輸相、海部内閣蔵相、自民党政調会長(河野総裁時代)、村山内閣通産相などを経て首相。首相退任後も森内閣で行革等担当相

*11:実際どうか知りませんが。