今日の産経ニュース(2019年11月1日分)

ビーガン北朝鮮担当特別代表を国務副長官に指名 - 産経ニュース
 救う会が「ボルトン(更迭された前大統領補佐官(国家安保担当))に比べ北朝鮮に軟弱だ」と悪口していたビーガン氏が国務副長官(国務長官がトップなので、国務省ナンバー2)に昇進しました。完全にメンツ丸つぶれの救う会です。


英語民間試験延期 公明・斉藤氏「混乱の責任は政府、大いに反省を」 - 産経ニュース
 野党ではなく与党なのにこの他人事のような斎藤*1公明党幹事長の無責任発言は何なのか。
 「与党の手柄は公明の手柄、失態は自民の失態」なのか。心底呆れます。なお、「延期」であり「白紙撤回」でないことには警戒が必要でしょう。


【産経抄】11月1日 - 産経ニュース

 小欄はむしろ、萩生田氏の発言をあっぱれと評価している。というのも、来年度から大学入学共通テストで使われる、英語の民間試験の問題点を見事に浮き彫りにしてくれたからだ。
▼共通テストでは、英検など7種類の民間試験が利用される。高3で受けた2回までの成績が、大学に提供される仕組みである。ただし、1回5千~2万円程度かかる試験を受ける回数に制限はない。つまり裕福な家庭の受験生は、練習のために何度でも試験にチャレンジできる。
▼萩生田氏の発言は、テレビの報道番組でこの点について司会の質問に答えるなかで飛び出した。
「自分の身の丈に合わせて、2回きちんと選んで勝負してがんばってもらえれば」。
 大学入試の大原則である、「公平性」をあっさり否定したわけだ。
▼「身の丈」を辞書で引くと、身の高さ、身長としか出ていない。親の所得や財産の意味でも使えることを、萩生田氏から教わった。政治家にとっては、地盤、看板、カバンに当たるだろうか。地盤は組織、看板は知名度、カバンは資金である。(ボーガス注:『岸信介*2元首相、安倍晋太郎*3元幹事長の息子である安倍*4首相』、『鳩山和夫衆院議長のひ孫、鳩山一郎*5元首相の孫、鳩山威一郎*6元外相の息子である鳩山由紀夫*7元首相、鳩山邦夫*8総務相の兄弟』『河野一郎*9元農林相の孫、河野洋平*10元外相の息子である河野太郎*11外相』『小泉又次郎*12逓信相のひ孫、小泉純也*13元防衛相の孫、小泉純一郎*14元首相の息子である小泉進次郎*15代議士*16』、『代々、名前の世襲までしている山村新治郎氏(第10代目*17)、(第11代目*18)(ともに故人)』など)親や親族から3つを受け継いだ2世3世議員は、選挙を有利に戦える、といわれている。
▼たまたま菅原、河井両氏は2世議員ではなかった。「週刊文春」で公職選挙法違反の疑惑が報じられた2人は、ひょっとして不公平を感じていたのだろうか。だとすれば、2人にこそふさわしい言葉といえる。選挙は、「自分の身の丈に合わせてがんばってもらえれば」。

 産経とは思えないほど珍しく安倍自民に対し皮肉たっぷりの批判コラムです。
 なお、江田五月*19も形式的には二世政治家(社会党書記長、社民連代表を歴任した江田三郎の息子)ではありますが彼の場合「父・江田三郎の死後、ミニ政党社民連を引き継いでおり相当の苦労をしている」ので一般的な二世議員とはかなり違うでしょう。

【追記】
 この件、ひとまず延期になりましたね。おそらく、菅原経産相、河井法相の辞任で野党の批判をあびてる中、この件で「制度に問題はない」で突っぱねると萩生田文科相の進退問題に発展しかねないという恐怖が政権にあったのでしょう。「大臣が立て続けに三人辞任は避けたい」と。かつ、この制度について言えば「過去の安倍内閣文科相」や「文科官僚」はともかく、安倍や萩生田にとって内心、それほどのこだわりもないのでしょう。


【政界徒然草】憲法改正、かつての草案にこだわる石破氏 “人質”とられてなお(1/3ページ) - 産経ニュース
 この記事で分かるように石破*20改憲派であり、「護憲派にとって」は「モリカケ疑惑」「戦前美化の歴史修正主義」でないだけ「安倍よりはずっとマシ」ですが「自民党リベラルの加藤紘一*21河野洋平氏」のようには高評価できる人間ではありませんがそれはさておき。
 ここで石破が言ってることは「最近自民が決めた改憲方針(いわゆる改憲4項目)と、野党時代の方針(自民党改憲草案)と矛盾があるように見える。その点はどう整理されてるのか」というそれ自体は全く正当な指摘です(石破が「単に安倍の足を引っ張りたい」のか「過去の方針を支持し、新方針に反対」なのか、はたまた単に「矛盾を放置しておくのは良くないと言うだけの話」なのかどういう思惑で主張したかに関係なく)。
 産経にせよ、安倍ら自民党・政府執行部にせよ「確かに矛盾があるようだ、今後整理したい」とか「矛盾などない。しかし矛盾があるように見える不備はあるようだ。今後、その点をどうするか考えていきたい」とか石破に応答すれば済む話です。
 ところが「あえて曖昧にごまかしてるのだから余計なことは言うな(つまりは野党時代の方針のほうがより右翼的で国民受けも悪いと言うことを産経も自覚している)」「可能なら野党時代の方針を持ち出そう(国民や野党の反発で不可能なら持ち出さない)とか、野党時代の方針を正式撤回したら、ウヨ支持層の反発を招くから撤回は当面しないとかいろいろ事情があるんだ」「石破のせいで野党まで『過去の方針と現在の方針に、政府、自民党は矛盾がありはしないか、その点はどういう整理になってるのか』と言いだしたじゃないか」「安倍首相の改憲の邪魔をするな!」というんだから「おいおい」ですね。
 それ「矛盾があるけど整理すると、ウヨ支持層(あるいは逆に国民)の反発を買ったり、野党の追及を受けたりして、話がややこしくなってかえって面倒だからごまかしてるんだ」と言ってるわけで、むしろ「整理すべき」と言う石破の発言の正当性を証明しています。
 

*1:福田、麻生内閣環境相公明党政調会長などを経て幹事長

*2:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*3:三木内閣農林相、福田内閣官房長官自民党政調会長(大平総裁時代)、鈴木内閣通産相、中曽根内閣外相、自民党幹事長(竹下総裁時代)など歴任

*4:自民党幹事長(甲泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*5:戦前、田中内閣書記官長、犬養、斎藤内閣文相を歴任。戦後、首相。

*6:大蔵事務次官から政界入り。福田内閣で外相

*7:新党さきがけ代表幹事、細川内閣官房副長官民主党幹事長などを経て首相

*8:宮沢内閣文相、羽田内閣労働相、第一次安倍、福田内閣法相、麻生内閣総務相など歴任

*9:鳩山内閣農林相、岸内閣経済企画庁長官、自民党総務会長(岸総裁時代)、池田内閣農林相、建設相など歴任

*10:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長を歴任

*11:第三次安倍内閣国家公安委員長、第四次安倍内閣外相などを経て現在第四次安倍内閣防衛相

*12:浜口、第二次若槻内閣で逓信

*13:池田、佐藤内閣で防衛庁長官

*14:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*15:現在、第四次安倍内閣環境相

*16:今の政界では2世議員はもはや珍しくないですが、3世以上はやはり少ないかと思います。

*17:池田内閣で行政管理庁長官

*18:中曽根内閣農水相、宇野内閣運輸相など歴任

*19:社民連代表、細川内閣科学技術庁長官、参院議長、菅内閣法相など歴任

*20:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*21:中曽根内閣防衛庁長官、宮沢内閣官房長官自民党政調会長(河野総裁時代)、幹事長(橋本総裁時代)など歴任