今日の産経ニュース&朝鮮・韓国ニュースほか(2019年11月15日分)

「四島返還」ぶれずに訴え 木村汎氏を悼む 本紙論説顧問 斎藤勉 - 産経ニュース

 戦後最初の国家主権・国益喪失事件である北方領土問題に対し、旧ソ連時代から歴史的正義である「四島返還」という立場を貫き、些(いささ)かもぶれることなく訴え続けてきた信念の人だった。
 領土問題が本筋からそれていくことにも厳しい批判を加えてきた。

 一応、建前では木村は「政治活動家ではなく学者」なのですが。「四島返還という信念」なんてほめられ方をされて果たして木村当人にとって喜べるのかどうか。

 返還運動の重心、羅針盤ともいうべき大家を失い、対露外交の一層の漂流が危惧される。

 「返還運動の重心、羅針盤ともいうべき大家」とは、まあリップサービスですね。しかし安倍のロシア外交を「一層の漂流が危惧される」とはずいぶん悪口するもんです。


横田めぐみさん 拉致から42年 母親の早紀江さんが心境語る | NHKニュース

・蓮池さんはNHKのインタビューに応じ、当時のめぐみさんの様子や思い出を明かしました。
・蓮池さんは「日本への思いが非常に強い中で北朝鮮が言うように、みずから命を絶つということは考えられません。北朝鮮では、かぎつけるメディアもなければ暴露する人もいないし、被害者を隠して生存、維持させることは簡単です。情緒的、感情的な問題ではなく、家族たちは、科学的根拠に基づいた生存を信じていますし、それに基づいて救出したいと言っているわけです」と話しました。

 「はあ?」ですね。15歳の少女が誘拐され精神に異常をきたした。これは和田春樹氏*1、石井一氏*2なども指摘する通り「自殺したとしても不思議ではない」でしょう。少なくとも「自殺はあり得ない」とみなす根拠はどこにもありません。そもそも「めぐみさん拉致を認め」、「娘ウンギョンさんの存在を認め」、にもかかわらず「何のために隠す」のか。
 本気で言ってるなら蓮池薫氏は馬鹿だし、何らかの政治的思惑による虚言なら別の意味でバカです。はっきり言ってここでの彼の発言は「情緒的、感情的な、非科学的な放言」です。
 大体、横田奥さんなど家族会のどこが「家族たちは、科学的根拠に基づいた生存を信じています」なのか。蓮池薫氏はもう少しまともな人間かと思っていたんですけどねえ(呆)。大体、ろくな根拠もないのに「生きてると信じる」といったところで何もどうにもなりません。

「被害者がどういう状況に置かれているのか分かりませんが、北朝鮮は、日本に返すという考えのもとで1人ずつばらばらに管理しているかもしれません。一緒にいたら全員返さざるをえないので、横のつながりが何年もないようにしておいて、一部の被害者を出してはうまく幕を下ろしたいと考えているかもしれないので、それを阻止しなければいけないということです」

 「一部の被害者」云々って言ってることがまるで島田洋一や荒木和博で「大丈夫なのか、この人」ですね。
 まあそれはともかく「被害者がどういう状況に置かれているのか分かりません」という状況においては外交交渉以外に、取り戻す策はないし、外交交渉をやる場合に何のお土産(経済支援など)も出さないわけにはいかないでしょう。


桜を見る会 安倍首相の説明詳報(1)「費用は参加者の自己負担」 - 産経ニュース
桜を見る会 立民・安住氏が首相説明を批判「不意打ちの言い訳会見だ」 - 産経ニュース
 安住氏(野田内閣で財務相)も批判するように後ろ暗いところがないなら「安倍にろくに批判質問も出来ない」腰抜けマスコミ相手ではなく、まず、国会で野党相手に説明しろという話です。


北大教授「機密資料を収集」と中国外務省 保釈を発表 - 産経ニュース
 ひとまずは解放を素直に喜んでおきます。


「 萩生田氏の心優しい本質を見よ 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト
 「身の丈」などという暴言は批判されて当然であり「萩生田さんは優しい人だ」なんてのは何の言い訳にもなりません。 
 これは「黒人は破産してもアッケラカのカー(渡辺*3自民党政調会長)」「原爆投下は仕方がない(久間*4防衛相)」「産む機械(柳沢*5厚労相)」など他の暴言も同じ話です。「渡辺ミッチーさんは優しい人だ」なんてのは暴言の言い訳に全くならない。


【主張】めぐみさん拉致 42年の悲しみに終止符を - 産経ニュース

 経済的、軍事的圧力を極限に高めることである。

 なぜそうすると拉致が解決するのか。産経がまともに説明できたことは一度もありません。


【主張】「桜を見る会」中止 反省しあるべき姿見直せ - 産経ニュース
 産経すら「反省」を口にしていますが、反省するならまず「何が問題だったのか」を検証する必要があります。
 「野党やマスコミが批判するから反省します、やり方は変えます」「検証作業?。そんなことはどうでもいいじゃないですか」ではまともな反省とは言えません。


世田谷一家殺害 現場住宅の取り壊しを遺族に打診 警視庁「老朽化で倒壊の危険」 - 産経ニュース
遺族葛藤「4人の御霊どう思うか」 世田谷一家殺害事件の現場住宅を取り壊し協議 - 産経ニュース
 老朽化しなければこんなことは言われないわけで「老朽化させてしまった」以上、もはや遺族が「残したい」などというのはわがままでしかないでしょう。

世田谷一家殺害 現場住宅の取り壊しを遺族に打診 警視庁「老朽化で倒壊の危険」 - 産経ニュース
■世田谷一家殺害事件
 平成12年12月30日深夜、東京都世田谷区上祖師谷の会社員、宮沢みきおさん(44)方で発生。みきおさんと妻の泰子さん(41)、長女のにいなちゃん(8)、長男の礼君(6)=年齢はいずれも当時=が包丁で刺されるなどして殺害された。7年の八王子スーパー強盗殺人事件、8年の柴又女子大生殺人放火事件と並び警視庁管内の「平成の三大未解決事件」とされ、三大事件の中では唯一、現場建物が残っている。

 この三大事件とやらはもはやよほどの僥倖がない限り犯人逮捕は残念ながら無理でしょう。


欧州からみた即位礼正殿の儀 ポーランドの日本研究者「皇室の伝統守るべき」(1/2ページ) - 産経ニュース
 「伝統守れ」とはいつもの「政教分離原則など知ったことではない」という暴論です。
 単に「ワルシャワ大のエヴァ・ルトコフスカ教授」とやらが
1)日本の政教分離問題について無知か
2)日本の政教分離問題について知りながら、「政教分離など無視しろ」と放言してるか
というだけの話です。まあ、産経だと教授の発言を歪曲している疑いも否定できませんが。

*1:東京大学名誉教授。著書『歴史としての社会主義』(1992年、岩波新書)、『金日成満州抗日戦争』(1992年、平凡社)、『歴史としての野坂参三』(1996年、平凡社)、『北朝鮮:遊撃隊国家の現在』(1998年、岩波書店)、『朝鮮戦争全史』(2002年、岩波書店)、『朝鮮有事を望むのか:不審船・拉致疑惑・有事立法を考える』(2002年、彩流社)、『同時代批評(2002年9月〜2005年1月):日朝関係と拉致問題』(2005年、彩流社)、『テロルと改革:アレクサンドル二世暗殺前後』(2005年、山川出版社)、『ある戦後精神の形成:1938〜1965』(2006年、岩波書店)、『これだけは知っておきたい日本と朝鮮の一〇〇年史』(2010年、平凡社新書)、『北朝鮮現代史』(2012年、岩波新書)、『領土問題をどう解決するか』(2012年、平凡社新書)、『「平和国家」の誕生:戦後日本の原点と変容』(2015年、岩波書店)、『慰安婦問題の解決のために』(2015年、平凡社新書)、『アジア女性基金慰安婦問題:回想と検証』(2016年、明石書店)、『米朝戦争をふせぐ:平和国家日本の責任』(2017年、 青灯社)、『レーニン:二十世紀共産主義運動の父』(2017年、山川出版社世界史リブレット人)、『ロシア革命』、『スターリン批判・1953〜56年:一人の独裁者の死が、いかに20世紀世界を揺り動かしたか』(以上、2018年、作品社)、『安倍首相は拉致問題を解決できない』(2018年、青灯社)、『韓国併合 110年後の真実:条約による併合という欺瞞』(2019年、岩波ブックレット)など

*2:羽田内閣で自治相・国家公安委員長

*3:福田内閣厚生相、大平内閣農水相、鈴木内閣蔵相、中曽根内閣通産相自民党政調会長(中曽根、竹下総裁時代)、宮沢内閣副総理・外相など歴任

*4:橋本内閣防衛庁長官自民党総務会長(小泉総裁時代)、第一次安倍内閣防衛相など歴任

*5:小渕内閣国土庁長官森内閣金融担当相、第一次安倍内閣厚労相など歴任