黒坂真に突っ込む(2020年1月20日分)

◆黒坂ツイートにコメント

黒坂真リツイート
 1970年代の事を今の日本共産党指導部が謝罪するなら、新日和見主義者と呼ばれた当時の民青同盟幹部への過酷な査問を謝罪すべきです。
志位和夫
‏ 大会の最終日、綱領改定にかかわる全党討論で出された意見を踏まえ、1970年代に「赤旗」に掲載された論文などで、同性愛について性的退廃の一形態とのべたことについて、「当時の党の認識が反映したものであり、間違いであったことを大会の意思として表明したい」と報告いたしました。

 いつもながら黒坂には呆れますね。いわゆる新日和見主義事件*1について「我々は間違ってない」と共産党に抗議した当時の関係者(例えば有名どころでは同時代社創業者で『査問』(ちくま文庫)という著書のある川上徹氏*2)も「俺たちはお前らウヨの共産叩きのネタじゃねえぞ!」「お前ら別に俺たちに同情してるわけでも何でもねえだろ?」「今現在、同性愛差別しないだけお前らウヨより共産党の方がずっと立派だ」「苛酷な査問、てお前らウヨも敵対する相手に反日だ、自虐だと酷い誹謗を行ってるだろうが!」と黒坂に対して憤激に堪えないのではないか。
 つうか「1970年代のこと」どころか「明治時代のこと(明治新政府アイヌ同化政策)」「1920年代のこと(関東大震災での朝鮮人虐殺)」「1930年代のこと(南京事件慰安婦)」さえ「アイヌ先住民族か疑問」「朝鮮人虐殺などなかった」「南京事件などなかった」「慰安婦は公娼」などと強弁し、まともに謝罪、反省などができない「腐れカス右翼の一人・黒坂」がよくもこんなことがいえたもんです。まあ、いずれにせよ黒坂も「今回の謝罪それ自体」には因縁がつけられず、こういうこじつけ非難に走るわけです。

【参考:志位氏の謝罪】

日本共産党第28回大会/綱領一部改定案の討論についての志位委員長の結語
 トランスジェンダーであることをカミングアウト――自ら明らかにし、地方議員として奮闘している同志の発言は、胸を打つものでした。この同志は、40年前にゲイと思われる青年に偏見をもった対応をしたことを反省を込めて語った80代の党員の話とともに、レズビアンの党員から、「支部会議で否定されるような発言があり、説明されても理解してもらえない」と涙声で訴えられたという話を語り、次のようにのべました。
 「今回、綱領一部改定案で、『性的指向性自認を理由とする差別をなくす』としっかりと示されたからには、これまで、日本共産党は、個人の尊厳や、また、人権を守るために、綱領をよりどころにして不屈のたたかいを続けてきたわけですから、こうした残念な事例についても、必ず克服できると信じております」
 全党の同志のみなさん。お互いに学び、自己改革を行い、この同志の信頼に、全党がこたえようではありませんか。(拍手)
 この点にかかわって、全党討論のなかで出された一つの意見にこたえておきたいと思います。それは、1970年代、「赤旗」に掲載された論文などで、同性愛を性的退廃の一形態だと否定的にのべたことについて、きちんと間違いと認めてほしいというものです。これは当時の党の認識が反映したものにほかならないものだと思います。これらは間違いであったことを、この大会の意思として明確に表明しておきたいと思います。(大きな拍手)

【参考終わり】

【追記】
 コメ欄でも指摘がありますが、日本人の同性愛認識が過去においていかに差別的だったかと言うことについて、テレビ番組の差別的企画「保毛尾田保毛男」を紹介しておきます。その意味では共産党ばかりが非難される話でもない。2000年代後半には「非難されフジテレビ社長が謝罪する保毛尾田保毛男」も1990年代には平気で放送されていたわけです。
 多くの日本人はその差別性に気づかないほど鈍感でむしろ笑っていた。デブタレント(例:石塚英彦)やハゲタレント(例:トレンディエンジェル)が「ハゲやデブ」で笑いをとるのと同様の扱いをされていたわけです。
 もちろん「石塚やトレンディエンジェルは当事者による自虐ネタだが、とんねるずはそうではない」「デブやハゲを笑いものにするのも広い意味では差別だが、LGBT差別とは深刻さが違う」と言う意味で大きな違いがありますが。

「保毛尾田保毛男」批判に、フジ・宮内社長が謝罪 | ハフポスト
・フジテレビ宮内正喜社長が9月29日、定例会見を行い、28日夜に放送された「とんねるずのみなさんのおかげでした」30周年スペシャルで石橋貴明が扮するするキャラクター「保毛尾田保毛男」に視聴者から批判が次いだことに「大変遺憾なこと。謝罪をしないといけない」と謝罪した。
・抗議を受けたフジテレビの宮内社長は、記者会見で「これは30週年スペシャルで、30年間で作り出してきた色々なキャラクターで展開をしたわけですが、(ボーガス注:保毛尾田が大して批判されなかった1990年代とは異なり、今は)もしその時代が違っていて、不快な面をお持ちになった方がいたことは、テレビ局としては大変遺憾なこと。謝罪をしないといけない」と述べ、陳謝した。

保毛尾田ネタ炎上、鎮火しても残る「違和感」 | テレビ | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
・先日、フジテレビ「とんねるずのみなさんのおかげでした」30周年記念のスペシャル番組で石橋貴明氏扮する「保毛尾田保毛男(ほもおだほもお)」が登場。これが物議を醸し、最終的にフジテレビの宮内正喜社長が謝罪するに至った。
・改めて経緯を振り返ってみる。番組中のコーナーで、約30年前に人気だったとされる、とんねるずのキャラクター「保毛尾田保毛男」と「ノリ子」が登場した。
 顔の下半分を青くぬり、頰をピンクに色付けしている保毛尾田らに対し、共に出演したビートたけしが「お前ら違う国*3に行ったら死刑だぞ」や「小学校の時、こういうオヤジが公園で待っていて、みんなで一緒に逃げた」と揶揄する。ノリ子(木梨憲武)が保毛尾田に対して「ホモなの?」と聞くと、保毛尾田が「ホモでなくて、あくまでもうわさなの」と返す……というのが一連の流れだった。
 これに対して、Twitterを中心に批判が噴出。
・その日のうちにLGBTの関連団体が「『ホモ』という単語は男性同性愛者に対する蔑称であるとともに、その存在⾃体を嘲笑の対象として表現することは、今なお⽇本社会に残る性的少数者への差別や偏⾒を助⻑する」とフジテレビに対して抗議し、夕方にはフジテレビ社長が「もしその時代が違っていて、不快な面をお持ちになった方がいたことは、テレビ局としては大変遺憾なこと」と謝罪するに至った。
 「ホモ」は差別的な言葉だという認識は徐々に広がりつつあると思うが、男性同性愛者という存在自体や、その属性を笑いのネタとして扱うことは、同性愛者が「気持ち悪い」「嘲笑してもよい対象」だということを肯定してしまう。実際、当時このキャラクターの登場によって、学校で「保毛尾田保毛男」とあだ名をつけられ、いじめられたという人もいた。多くの当事者にとっては、自分は異常な存在なんだと思ってしまう要因の1つにもなってしまったのだ。
 たとえ今回の放送にその意図*4がなかったとしても、こういった差別や偏見を助長してしまうおそれがあった。また、日本民間放送連盟放送基準の第11章77には「性的少数者を扱う場合は、その人権に十分配慮する」と書いてあるが、そこに抵触するおそれもあった。
・本来は、放送する前に制作関係者の中で誰かが気づいて止めてくれていたら、そうする仕組みがあったら、と思うが、とはいえ、今回こうして広く議論になり、最終的にフジテレビの社長が謝罪するに至ったことには一定の成果があったのではないか。
・ほかの事例で、たとえば2014年に筑波大学の学園祭で開催予定だった「芸バー」という企画に対し、抗議が集まり中止になったということがある。公共の放送であるテレビ番組と、学生の学園祭を比較するものではないかもしれないが、例として挙げてみる。
 この企画では、女装した学生たちが露骨な下ネタなどで同性愛やトランスジェンダーを揶揄するもので、SNSを中心に批判が噴出。その後炎上し、中止に至った。しかし、(中略)大学側が対話の機会をつくることもなく、企画はただ中止になって終わってしまった。
 この芸バーの件も、今回の保毛尾田保毛男の件も、中止や謝罪して終わりというだけではまた同じ問題を繰り返す、もしくは、「腫れ物扱い」といった別の問題を引き起こす可能性がある。こうした問題の後、必要となってくるのは「対話をすること」、そして「よりよい表現物を増やす(もしくはそれができるように議論し、働きかけ続けること)」ではないか。
・今回の件が「フジテレビが謝罪してよかった」で終わり、風化していくのではなく、丁寧な対話や、よりよい表現が増える1つのステップになることを願う。

【追記終わり】

黒坂真リツイート
 増子典男さん。日本共産党は政権に参加できたら、集団的自衛権の行使はできないようにするが周辺事態法による自衛隊の米軍後方支援は認める

 そんなことは「今回の党大会決定」において、一言も共産党は主張してないと思います。したがって黒坂の主張は端的に言って「共産党に対する誹謗デマ」です。ただし一方で「集団的自衛権(安倍政権下で成立した戦争法)の発動は認めない」という点では「共産を含む野党各党の合意」があっても、それ以上の点について、合意が曖昧なことは事実かと思います。
 したがって「閣外協力などの形で政権参加を目指すことを表明した共産党が周辺事態法の発動を、他の野党に引きずられて認めたりしないか(自社さ連立での社会党が、自民に引きずられて「自衛隊、安保合憲論」「(反対していたはずの)長良川河口堰容認論*5」などで支持者の反発を買ったように)」という不安、危惧の念は一共産支持者としてあえて言えば「全くないわけではない」。
 まあ、現実問題として「周辺事態法の発動」はない*6でしょうが、「周辺事態法の発動もしない」という点で合意が出来れば、より望ましいとは思います。
 そして「周辺事態法の廃止」で合意が出来れば更に望ましいとは思います。
 ただし「そうした合意が出来ない」からと言って野党共闘しないというわけにもいかないでしょう。
 しかし黒坂もあるときは「日本共産党は今も『敵の出方論』を捨ててない(過去にとらわれて変わってない)」といってみたり、今回のように「政権参加のために立民などに調子を合わせて周辺事態法発動を容認して右傾化した」といってみたり、およそ論理一貫性のない男です。
 仮にも学者なら論理の一貫性は重要でしょうにねえ。「共産党が非難できれば論理矛盾は気にしない」という黒坂はおよそまともではない。
 まあ、いずれにせよこんなことをいう黒坂は「とにかく共産に因縁が付けたい、そして野党共闘をぶち壊したい」のでしょうね。

*1:この件については無知なのでなんとも評価できません。一般論として言えば「川上氏らの批判が事実ならば共産党に非があり謝罪すべきだと思う」が「既存の主要政党の中で俺が最も評価できるのが共産党」なので、仮に「川上氏らの批判が正当だとしても」この程度の事では党支持はやめないというのが俺のスタンスです(要するに現実主義)。こうした俺のスタンスを「共産に甘い」と感じる方が居たとしてもそれは甘受します。いずれにせよ「興味ない(いや正直な話、俺はそれほどあの件に興味はないのですが)」などといって「ダライラマペマ・ギャルポ批判から逃げるid:Mukke」「三浦小太郎批判から逃げるid:noharra」のような醜態はさらしたくないので俺的にコメントしてみました。

*2:川上氏は故人ですが、おそらく彼が一番著名だと思うのでここで名を上げました。

*3:同性愛が死刑該当犯罪になってるイランやサウジなどのことか?

*4:もちろん差別助長の意図

*5:長良川河口堰を容認した村山内閣建設相は社会党出身の野坂浩賢氏(後に村山改造内閣官房長官)です。

*6:そもそも自民党政権下において今まで発動がなかったわけですから。今後、安保環境が極端に悪化することは現実問題としてないでしょう。