今日の中国ニュース(2020年4月18日分)

◆I浜Y子に突っ込む

I浜Y子がツイート
『ウィッテ*1伯回想記*2』74頁に吹く一節が
ニコライ二世の戴冠式に群衆が殺到して死傷者が二千人でた。戴冠式に参列していた李鴻章*3
「この惨事をあなたは陛下に報告するのですか?」
ウイッテ「それは勿論報告します」
李「あなたの国の政治家はまだ経験が足りないようですね。私が直隷省の総督であった頃、管内に流行病がおきて毎日数千人の死者をだした。しかし私はいつも管内は静穏で民衆は生を楽しんでいると報告していた。救済の方法がないものを事々しく報告して君主の頭を悩ましたところで仕方のないことではないか」
ウィッテ「我々の方がやはり進歩しているな」
 125年たっても変わらないものってあるんですね

 むしろI浜先生らしい「125年たっても変わらない」という中国ヘイト発言にこっちが「頭は大丈夫か、この女?」とあきれ果て吹き出すんですが。
 I浜先生の夫や弟子なども、軒並み、このレベルの「クズでバカ」なんでしょうか。
 I浜先生のアンチ中国が「反中国共産党」などという生やさしい物ではなく「中国民族への蔑視(なぜなら李鴻章共産党員ではないので)」らしいと知らされて冗談抜きで恐怖を感じますね。どうすればここまで露骨に中国人への差別意識を公言できるのか。Mukke先生も「ボーガスはチベットを差別してる!」という前にまずは「id:Mukkeの恩師らしいI浜の中国ヘイト発言を批判したらどうなのか」?
 でこんなI浜先生に向かって

◆「関東大震災時の朝鮮人虐殺デマ(1923年)」と「東日本大震災時のデマ(2011年)」
◆「関東大震災時の朝鮮人虐殺(1923年)と「在特会(2006年結成)などのヘイトスピーチ(2006年以降)」

をネタに「イヤー、日本人て90年近く経っても変わらない在日差別の酷い民族なんですねえ!」といったらどういう感想をお持ちになるのか気になるところです。たぶん右翼的感情から「日本人を馬鹿にするな」とマジギレするのではないか。
 あるいは「その種の民衆軽視は、李鴻章だけじゃなくて当時のチベット(当時のダライ・ラマ)も同じじゃないですか?」といったらどういう感想をお持ちになるのか気になるところです。たぶん「チベットへの盲目的愛情」から「チベットを馬鹿にするな」とマジギレするのではないか。
 そもそも「習近平指導部の中国」のどこが「125年経っても変わらない」のか。

【人民網時評】英雄的な武漢市民に敬意を表する!--人民網日本語版--人民日報
武漢市は英雄的な都市としてその名に恥じることなく、武漢市民は英雄的な市民としてその名に恥じることなく、必ずやこのたびの新型ウイルス感染による肺炎との闘いに打ち勝ち、再び歴史にその名を残すだろう!全党・全国の各民族と人民が皆さんに感動し、称賛している!党と人民は武漢市民に感謝する!」。
 習近平*4総書記はこのほど湖北省武漢市で感染対策の現地視察を行い、第一線で奮闘する多くの医療従事者や解放軍指揮官・兵士、各コミュニティのスタッフ、公安幹部・警察、基層幹部、現場で執務を行う幹部、ボランティア、患者、コミュニティ住民らに対し見舞いや慰問を行うとともに、こうした人々に対し、高い敬意を示した。
 感染対策は現在、最も重要な段階にある。武漢市民に敬意を表し、彼らとともにしっかりと立ち、同舟相救い、目の前の困難をともに克服し、ともに闘って感染症に打ち勝たなければならない。

習近平総書記 新型コロナ対策と経済・社会発展を統合的に推進--人民網日本語版--人民日報
 習近平中共中央総書記(国家主席、中央軍事委員会主席)はこのほど浙江省を視察した際「党中央の各決定・方針を全面的に貫徹し、新型コロナウイルスの感染防止・抑制と経済・社会発展の取り組みをしっかりと統合的に計画して推進し、『安定を維持しながら前進』という取り組みの全体基調を堅持し、新発展理念を堅持し、感染防止・抑制と操業・生産再開の各措置をしっかりと実行に移し、今年の経済・社会発展目標の達成に全力を挙げ、新しい時代において中国の特色ある社会主義の制度的優越性を全面的に示す重要な窓とするべく努力する必要がある」と強調した。

中国政府、全国で半旗 新型コロナ犠牲者を追悼 人民日報も題字を赤から黒に - 毎日新聞
 中国政府は4日、新型コロナウイルスの犠牲者を追悼する活動を全国規模で初めて実施した。北京の天安門広場を含む中国各地で半旗が掲げられ、習近平国家主席ら最高指導部メンバーが黙とうをささげた。

新型コロナワクチン 中国が臨床試験の第2段階に進んだと発表 | NHKニュース
 中国政府は中国国内で開発を進めている新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験について、安全性などを確かめる第1段階を終えて、有効性などを確かめる第2段階に進んだことを明らかにしました。

などという報道からは中国政府がコロナ問題を深刻に受け止め、拡大阻止に全力をあげてることは明白なんですが。武漢市の初動の遅れにしても「事態を甘く見ていた」だけで、李鴻章発言とは全然意味が違うでしょう。


欧州で高まる存在感 中国“マスク外交” | 国際報道2020 [特集] | NHK BS1

 バルカン諸国などヨーロッパの国々に医療物資やマスクを届ける支援活動を活発に行っているのが中国だ。EUの混乱とは裏腹に、“マスク外交”で中国がその存在感を強めている。
 ヨーロッパ各国で、新型コロナウイルスの感染拡大が広がった当初、バルカン半島にあるセルビアでも感染者が急増し、深刻な状況に陥った。しかし、EUの盟主であるドイツやフランスは、自国を守ることに必死で、マスクの輸出を制限する動きを見せていた。これに対し、セルビアのブチッチ*5大統領は、「ヨーロッパの連帯など存在しない。おとぎ話だった」と激しく非難。途方に暮れる中、支援の手を差し伸べたのが中国だった。
 先月(3月)、首都ベオグラードの空港に、医療チームやマスクなどの医療物資を載せた中国のチャーター便が到着した。ブチッチ大統領は、みずから空港まで出迎え、「困ったときに助け合うのが真の友人だ。中国からの支援を忘れることはないだろう」と深い感謝の念を伝えた。

 ということで産経やトランプ政権の中国への悪口とは異なり、世界各国は「武漢市の初期対応のまずさ」については批判しながらも、一方で「最近の中国の取り組み」については「それ(武漢市の初期対応のまずさ)はそれ、これ(最近の中国の取り組み)はこれ」で一定の評価をしているわけです。この状況下でトランプ政権が「俺は悪くない、全て中国が悪い。だからWHO拠出金なんか一円も出さない」なんてバカを言えば米国の評価が下がるだけです。


【産経抄】4月18日 - 産経ニュース

 子曰(のたまわ)く、過ちては改むるにはばかることなかれ。

 この書き出しからは「ああ、安倍の30万円給付撤回、10万円給付論へのシフトの話か?」と思いきや、中国への悪口雑言だから心底呆れます。

 中国・武漢*6当局は17日、新型コロナウイルス感染による死者と感染者数を訂正し、これまでの発表より死者は1290人、感染者は325人多かったと明かした。同市での死者数は計3869人、感染者は計5万333人となった。
▼とはいえ、中国当局の出す数字は、誰もが眉唾ものだと分かっている。今回の訂正も、果たして実態を表しているかは判然としない。南京事件の犠牲者は35万人などと、荒唐無稽なことを平然と主張する国のデータを真に受けられる道理がない。

 おいおいですね。「南京事件の死者が35万人かどうか」はともかく二十万都市で三十万虐殺?が指摘するように、「当時の南京人口は35万人以上いた(きちんとした統計がないので推計ですが)」ので「荒唐無稽どころか充分あり得る数字」です。
 むしろ「犠牲者などいなかった」と強弁する産経の方が荒唐無稽です。
 大体、「蒋介石秘録」に見る南京大虐殺 - 誰かの妄想・はてなブログ版中国は知らなかったか?などが指摘するように、「蒋介石秘録(1970年代に産経で連載)」では「南京事件に憤慨する蒋介石の日記」を紹介し、南京事件の存在自体は認めていたし、その犠牲者数も

中国は知らなかったか?
 こうした戦闘員・非戦闘員、老幼男女を問わない大量虐殺は二カ月に及んだ。犠牲者は三十万人とも四十万人ともいわれ、いまだにその実数がつかみえないほどである。

と書いていたのが産経なのに、よくもまあこんなふざけたことが書けたもんです。大体「南京事件当時の中国は共産党政権ではなく蒋介石政権」で「南京事件を理由に松井石根南京事件当時の現地軍司令官)に死刑判決が下った東京裁判は中国の一存でどうにかなるもんではない」のに産経は何を馬鹿なことを言っているのか。

 「WHOが中国の不透明性を指摘していれば、感染拡大を封じ込め、死者も少なく抑え込むことができた」。
 トランプ米大統領は14日の記者会見で強調し、WHOへの拠出金停止を明言した。米国の死者数が3万人を超えることを思えば無理もない。

 「無理もない」どころかトランプの主張は徹頭徹尾、無茶苦茶です。
 まず第一に「アメリカの死者数」はもはやイタリアをも超えて世界最高水準です。これを「米国は何一つ悪くない、全て中国が悪い」などというのは詭弁にもほどがあります。明らかに米国の防疫、医療制度には欠陥がある。「全て中国が悪い」なんて、そんな馬鹿なことを言ってるのは世界広しといえどもトランプ政権ぐらいのもんです。よく米国国民も「責任転嫁するな!」と激怒しないもんです。まあ、民主党支持者は「ふざけんな!」と激怒してるにしても共和党支持者はこうしたトランプの暴言を容認してるのでしょうね。
 第二に「WHOへの拠出金」は税金みたいなもんです。「払いたくないから払わない」が許されるもんではない。大体、世界中の国が「WHOその他の国連機関」に対して「俺は活動を評価してないから拠出金なんか払わない」と言いだしたら国連機関が動かなくなるでしょうが。そんなんが許されるのなら俺も「安倍政権が続く限り税金なんか一円も払いたくない」ですよ。
 つうかあまりにもふざけたことを米国が抜かしてると「あんな国が常任理事国でいいのか!」「安保理への米国の出席を当分認めないなど、何か懲罰を科した方がいいんじゃないか?」という米国批判が高まりかねないんですが。

「日本人より国連の方が信用できる」。
 十数年前、ある大物政治家が力説するのを聞いた。

 「はあ?」ですね。誰(WHO)がいつ(WHEN)、何(WHAT)について、どんな意味合いでそう言ったのか、分からなければ評価のしようもありません。大物政治家とは誰なのか?。元首相、元大臣、自民党三役と言った与党幹部なのか、はたまた野党の幹部(党首、幹事長など)なのか。
 十数年前とはいつなのか?。11年前(2009年)も19年前(2001年)も「10数年前」なのでこれでは意味が分かりません。
 きちんと書かない辺り、産経による捏造の疑いすらあるでしょう。
 つまり「代用監獄については日本政府より国連の批判の方が信用できる」「慰安婦問題については日本政府の主張より国連クマラスワミ報告の方が信用できる*7」などという話を産経が「日本人より国連の方が信用できる」と歪曲している疑いです。

*1:1849~1915年。帝政ロシア末期の政治家。ロシア帝国運輸相、蔵相、首相など歴任。伯爵。日露戦争の講和交渉にはロシア側代表として、日本側代表の小村寿太郎外相と交渉を行った(ウィキペディア『セルゲイ・ウィッテ』参照)。

*2:1972年、原書房

*3:1823~1901年。清朝末期の政治家。江蘇巡撫(江蘇省の巡撫)、湖広総督(湖広省の総督。湖広省は現在の湖北省及び湖南省)、直隷総督(直隷省・河南省山東省の総督。直隷省は現在の河北省、江蘇省及び安徽省)、北洋通商大臣(外交通商を担当)、両広総督(広東省、広西省の総督)など歴任。日清戦争の講和交渉には清朝側代表として、交渉を行った(ウィキペディア李鴻章』参照)。

*4:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*5:防相、首相などを経て大統領

*6:湖北省省都

*7:これらの主張の是非はひとまず置きます(俺個人は国連の方が正しいと思いますが)。言いたいことは、「ホニャララという問題については、日本政府より国連の主張の方が正しいと思う」というのは産経が非難するような「国連が常に正しい」と言う話ではないということです。