今日の朝鮮・韓国ニュース(2020年4月30日分)

リベラル21 コロナ禍超えて「日韓」共生へ交流拡大こそ小田川*1元朝日新聞ソウル支局長)

 注目したいのは、韓国の「政治一番地」と呼ばれるソウル・鍾路で出馬した李洛淵*2(イ・ナギョン)前首相=写真=が、保守系野党「未来統合党」の黄教安*3(ファン・ギョアン)代表を破り、次期大統領レースの先頭走者となったことだ。
 韓日議員連盟の幹事長、筆頭副会長を歴任した。今回の総選挙で同議連会長を務めてきた姜昌一(カン・チャンイル)氏や文喜相*4(ムン・ヒサン)国会議長が引退したため、対日パイプの主軸を担うことになった。日韓議連河村建夫*5幹事長とは親しく、両国の摩擦が続く中でも相互信頼は崩れていない。昨年10月の令和天皇「即位礼正殿の儀」に韓国代表として参列した際、経団連首脳らとも懇談し、ユーモアを交えたやりとりで日韓サプライチェーンの修復に向けた雰囲気づくりに努めた。
 日本ではほとんど知られていないエピソードがある。2005年、官房長官に就任直前だった安倍首相がソウルを訪問し韓国議員たちと懇談した席で、李さんは韓国人元ハンセン病患者への補償を求めた。韓国では植民地時代に建てられたハンセン病施設に入所していた韓国人患者400人以上が、2001年に成立したハンセン病補償法で補償対象外となったため、日本政府を相手に提訴。東京地裁は同時に提訴した台湾人元患者への補償を認めたが、韓国人元患者の訴えは退けた。このため李さんは、外国人元患者の救済が不公平なのは「合理的でない」と(ボーガス注:安倍氏と面会した際に)直訴。2006年、安倍官房長官の下で同法が改正されて韓国人への補償が実現した。

 「河村氏と親しい」「日本経団連首脳と会談」「韓国の元ハンセン病患者救済について安倍に直訴」云々について太字強調は俺がしました。
 例の『安倍さんのおかげでウイグル政治犯が解放されました*6(日本ではほとんど知られていないエピソード?)』のナイーブ(?)な「M谷N子*7明治大学准教授」と違って、「安倍に直訴(?)したことでハンセン病補償法が改正された」とは全く思ってないでしょうが、小田川氏にこう語ったという李洛淵(イ・ナギョン)前首相が安倍や自民党に「それなりに気を遣ってること」は明白です。全然反日ではない。しかし、まあ、今の「嫌韓国」安倍自民はそう言う温情が通用する相手ではないでしょうからね。
 安倍は「馬鹿でくずだから」、この話を「安倍へのリップサービス」として韓国側から振られても『何の話か?』というぼけた態度をとって『あの男は人間性の欠落したくずの上にその場の空気を読んで話を合わせる能力もないバカなのか?』と呆れられるのが落ちでしょう。


「 韓国総選挙、文氏大勝利で進む反日 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト
 よしこらしいですが、「嫌韓国・安倍」が首相である限り、韓国与党が負けようがよしこのいう「親日=安倍のいいなり」なんて事態はあり得ない。
 一方、「安倍が辞めれば全てがバラ色」ではないですが、安倍が辞めれば事態は改善するでしょう。問題は韓国側ではなく安倍など担ぐ日本側にあります。
 しかも「モリカケ」「桜を見る会」「布マスク疑惑」と疑惑まみれの安倍など一日も下野させて当然でしょう。
 石破元幹事長でアレ、石原元幹事長でアレ、岸田政調会長でアレ、枝野立民党代表でアレ、誰でアレ、ポスト安倍として名前が挙がる有力政治家のほとんどは安倍よりはマシでしょう。

 文大統領と与党の独裁も可能になった。

 安倍が「選挙で勝った」として無茶苦茶することは「野党が選挙で勝てばいい」で片付けるくせに「大量議席による文政権の独裁を危惧する」とはそのデタラメさにはいつもながら呆れます。

 文政権が着手すると思われる具体的法案はこの政権が反日革命政権であることを示している。まず4本の反日新法だ。➀親日的発言者を処罰する、➁親日派の財産を没収する、➂親日派の叙勲を剥奪する、➃国立墓地内の親日派の墓を掘りかえし移動させる、である。

 よしこのいう「親日派」とは具体的に誰なのか、反日新法とは「既に具体的法案が公表された」のか、よしこら「反文在寅ウヨ」が「そうした法案が出されるに違いない」と噂しているにすぎないのかなど具体的なことがさっぱり分からないので話半分に聞いておきます。

 文氏の宗教に対する反感も強い。現在進行中のキリスト教徒への弾圧について洪氏が語る。
「韓国の総人口の4分の1がキリスト教徒です。これまで保守派は多くの反文在寅デモを主催し、政治闘争をしてきましたが、その中心軸がキリスト教の教会勢力でした。だから文政権にとって一番厄介なのがキリスト教徒なのです」
 文政権は教会勢力の有力な指導者だった全光焄(チョンガンフン)牧師を理由にならない理由で選挙前に拘束した。全牧師は現在も獄中にあり、体調不良が懸念されている。全牧師を失った教会は政治的影響力を一気に奪われた感がある。如何に影響力が強かったとはいえ、総人口の4分の1,100万人以上のキリスト教徒が存在しながら、一人の指導者を奪われただけで、なぜ教会は勢いをなくしたのか。
 「そこが文在寅左派勢力の巧妙なところです。彼らは武漢ウイルスを利用して、全牧師は頭のおかしい変な奴だというイメージを作って孤立させました」と西岡氏。
 韓国では、新興宗教団体、新天地の集団感染が大問題となった。キリスト教系の新興宗教団体であったことから韓国社会に教会への警戒感が生まれた。そうした中、全牧師は野外での礼拝で「神様が病気を治してくれる」と語った。牧師なら当然言うであろうこの一言*8が繰り返し報じられ、当局はそれを利用した。また先述のように当局は、政治的理由で全牧師を逮捕した。それを見た他の教会は全牧師と距離を置き始め、教会勢力のまとまりが失われたという。

 やれやれですね。いくら何でも「キリスト教への弾圧」などするわけもないでしょう。
 そもそも「キリスト教会全てがアンチ文在寅」なんてことはあるわけもない。
 「理由にならない理由で選挙前に拘束」と書きながら、拘束理由を具体的によしこが書かないことも怪しいことこの上ない。
 なお全光焄でググったら

家族や近所のために団体行事を減らし、「距離を置く」ことを実践しよう : 東亜日報
 密閉された空間に多くの信者が集まって、賛美と祈りを捧げる礼拝や宗教集会は、その性質上、新型コロナウィルスのようなウイルス感染が拡大しやすい環境である。政府が昨日、宗教界に「屋内外の宗教集会を自粛してほしい」という緊急呼びかけを発表したのもこのためだ。朴良雨(パク・ヤンウ)文化体育部長官が出て、「新型コロナウィルスの感染拡大と長期化の山場は、この週末や来週になるだろう」としながら、しばらく宗教集会を控えてほしいと訴えた。
 すでに曹渓宗(チョゲジョン)などの仏教界とカトリック界は、当分の間、すべての法会とミサを中止することにし、多くのプロテスタント教会もオンライン礼拝を導入するなど、感染拡大を防ぐための努力に参加している。代表的大型教会である汝矣島(ヨイド)純福音教会も、1日と8日の礼拝をオンラインで代替することを昨日決定した。しかし、信者数が数万人を数える一部の大型教会が主日礼拝の方針を固守しており、懸念が高まっている。全光焄(チョン・グァンフン)韓国キリスト教総連合会(韓基総)牧師が率いる「文在寅ムン・ジェイン)下野汎国民闘争本部」も、日曜日の1日、ソウル光化門(クァンファムン)で連合礼拝形式の大規模な集会を強行するという。

と言う記事がヒットしました。西岡の「武漢ウイルス」云々などの発言とあわせ考えるに「政府の自粛要請を無視しようとしたが故に拘束されたのではないか」という推測が成り立ちます。それは「是非はともかく」弾圧と言える話ではないでしょう。

*1:著書『38度線・非武装地帯をあるく』(2008年、高文研)

*2:全羅南道知事、首相など歴任

*3:釜山高検検事長、法相、首相、自由韓国党代表、未来統合党代表を歴任。今回の国会議員選挙敗戦で未来統合党代表を辞任

*4:盧武鉉政権大統領秘書室長、政務特別補佐官、ヨルリン・ウリ党議長、国会議長など歴任

*5:小泉内閣文科相麻生内閣官房長官自民党選対委員長(第二次安倍総裁時代)など歴任

*6:これについては例えば新刊紹介:「前衛」2月号(追記あり) - bogus-simotukareのブログ参照

*7:著書『亡命者が語る政治弾圧:中国を追われたウイグル人』(2007年、文春新書)など

*8:まともな牧師はそんな無責任な放言はしないでしょうよ。