今日の産経ニュース(2020年7月19日分)

菅長官、コロナ特措法改正に意欲 休業要請と補償をセットに - 産経ニュース
 実際どんなものができるかわかりませんが、共産党などの主張「補償なしでの休業要請はおかしい」を安倍政権も無視できなくなった物としてひとまずは喜びたい。


【昭和天皇の87年】「何としても沖縄に…」 大量の吐血、列島に衝撃走る - 産経ニュース

 昭和62年4月21日、86歳の誕生日を前に行われた宮内記者会との会見で、昭和天皇は言った。
 「念願の沖縄訪問が実現することになれば、戦没者の霊を慰め、永年県民が味わった苦労をねぎらいたいと思っています。これからも県民が力を合わせて困難を乗り越え、県の発展と県民の幸福のために努めてくれるように励ましたいと思います」
 同年10月に沖縄で開催される国民体育大会(海邦国体)に、昭和天皇は臨席することになっていた。
だが、その8日後、身体に異変が起きる。
 4月29日《内閣総理大臣等をお招きになり、天皇誕生日宴会の儀を行われる。(中略)宴会の儀は滞りなく進行するも、終盤に至り御気分がすぐれなくなり、嘔吐(おうと)される》(昭和天皇実録59巻149頁)

 結局、「沖縄を捨て石にした」昭和天皇は最晩年でなければ沖縄訪問を決意できず、その決意も末期ガンによる健康悪化&死去(昭和64年(1989年)1月7日死去)のために実現されませんでした。
 また、仮に沖縄を訪問したところでどれほど評価されたことやら。
 大体「ねぎらう」「励ます」とは何様のつもりなのか。「上から目線も大概にしろ」でしょう。昭和天皇がすべきことは「捨て石にした事へのわび」でしょうに。


永瀬叡王が初勝利 将棋の叡王戦第3、4局 - 産経ニュース

 将棋の永瀬拓矢叡王(27)に豊島将之二冠(30)が挑戦

 「羽生七冠」という「驚異の記録」が過去に出た上、最近も「藤井君が最年少タイトル獲得記録更新」なので仮に「豊島三冠」になってもそんなに騒がれないんだろうなと言う気がします。


【産経抄】7月19日 - 産経ニュース

加藤九段をして「天才」と言わしめた藤井聡太棋聖
(中略)
 第2局で攻め駒の銀を守りに打ち据えた一手は、AIが6億通りの選択肢を探り、やっと見つけた手という。新棋聖が「AI超え」と賛美されるゆえんである。
◆トップには竜王・名人位を持つ豊島将之二冠がいる。(ボーガス注:藤井氏に敗れて)棋聖位を失った渡辺明王将も他日を期していよう。

 ちなみに、ウィキペディアによれば他のタイトル保持者は

永瀬拓矢叡王、王座の二冠
木村一基:王位

で、タイトル数だけで考えるならば「一時は七冠を達成した羽生」ほどの「将棋素人も名前を知ってる世間的に話題になるほどの抜きん出た人間」が今はいないと言えるのでしょう。正直、将棋ファンでない限り彼らの名前は藤井君以外は知らないでしょう。
 現在、木村王位と藤井棋聖がタイトル戦を戦っていますので藤井棋聖が勝てば「藤井二冠(王位、棋聖)」となるわけですが果たしてどうなるか。
 一時は七冠を達成した怪物・羽生も今は無冠です。さすがに年齢の衰えがやってきたのでしょう。


【主張】ベラルーシ大統領 独裁の蔓延拡大を止めよ - 産経ニュース

 約30年前の東西冷戦終結ソ連崩壊で、世界は自由と民主主義の理念を共有できる時代に入ると期待された。ここにきて目立つのは、独裁や権威主義が幅をきかせている重苦しい現実である。

 つまりはいったん構築された政治構造はそう簡単には崩壊しないと言うことですね。
 これは何も旧ソ連や東欧に限らない。古今東西良くある現象です。
 日本でも戦後、

【あいうえお順:A級戦犯 - Wikipedia参照】
◆井野碩哉
 戦前、第二次近衛*1、東条*2内閣農林相。戦後、不起訴処分とはなったが戦犯容疑者だったため公職追放されるが、後に冷戦の激化によるいわゆる逆コースで公職追放解除。池田*3内閣法相。
大達茂雄
 戦前、小磯*4内閣内務相。戦後、不起訴処分とはなったが戦犯容疑者だったため公職追放されるが、後に冷戦の激化によるいわゆる逆コースで公職追放解除。吉田*5内閣文相。文相在任中、教員の政治活動を規制するいわゆる教育二法 - Wikipediaを成立させた極右政治家として知られる。
緒方竹虎
 戦前、小磯内閣情報局総裁。戦後、不起訴処分とはなったが戦犯容疑者だったため公職追放されるが、後に冷戦の激化によるいわゆる逆コースで公職追放解除。東久邇宮*6内閣書記官長(情報局総裁兼務)、吉田内閣官房長官、副総理、自由党総裁等歴任
賀屋興宣
 戦前、第一次近衛、東条内閣蔵相。戦後、終身刑判決を受けるが後に冷戦の激化によるいわゆる逆コースで仮釈放され公職追放も解除。自民党政調会長(池田総裁時代)、池田内閣法相など歴任
重光葵
 戦前、東条、小磯内閣外相。戦後、禁固7年の判決を受け服役。出所後は公職追放されるが、後に冷戦の激化によるいわゆる逆コースで公職追放解除。改進党総裁、日本民主党副総裁(総裁は鳩山一郎*7)、鳩山内閣外相など歴任
岸信介
 戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、不起訴処分とはなったが戦犯容疑者だったため公職追放されるが、後に冷戦の激化によるいわゆる逆コースで公職追放解除。日本民主党幹事長(総裁は鳩山一郎)、自民党幹事長(総裁は鳩山一郎)、石橋*8内閣外相などを経て首相

などと戦後も「戦前からの政治権力者」が残り続けたわけです(冷戦激化による逆コース(米国の占領政策の変更)と、それによる公職追放の解除という要素が大きいですが)。特に岸は首相退任後も「実弟佐藤栄作*9元首相」「子分・福田赳夫*10元首相」「女婿・安倍晋太郎*11元外相」らにより政治的影響力を行使し続けます(その結果が今の「岸の孫」安倍晋三*12の首相就任でもある)。
 そういったこともあって日本は戦前を充分清算できず「靖国問題」「慰安婦問題」などが現在も問題になっているわけです。

 独裁体制の総本山である中国が、民主主義の国・地域を併呑(へいどん)しようとしている現実である

 おいおいですね。いつから中国が独裁体制の総本山になったのか。「韓国・朴チョンヒ」「チリ・ピノチェト」のような反共右翼独裁がわかりやすいですが、そういう独裁は明らかに中国とは関係ない。むしろ米国CIAなど反共組織が支援していた。そしてそうした「反共右翼独裁」については産経も滅茶苦茶甘いわけです。ベラルーシの独裁だって「経済的利益重視で中国はベラルーシの現状を特に批判してない」とはいえ、中国は関係ない話です。
 「民主主義の国・地域*13を併呑」とは何のことなのか。新疆ウイグルチベット内モンゴルを中国は侵略したと言いたいのか(ただしこれらの地域は『ダライラマ支配チベット』が一番わかりやすいですが『併呑』当時、民主主義の国、地域とは言えなかったでしょうが)。
 はたまた「一国二制度を事実上潰したとされる香港の例の法律可決」か。はたまた台湾問題か、南シナ海の領土紛争*14か、尖閣問題か。
 いずれにせよそれらは「併呑」ではないでしょう。全て中華民国時代から「中国領だ」と主張されてきた地域ばかりだからです。
 むしろ産経が美化する「アジア解放戦争」太平洋戦争の方が、「東南アジアを併呑しようとする行為」だったし、あるいは戦前日本の台湾、韓国植民地統治も「併呑」だったわけです。


【主張】在日米軍とコロナ 信頼壊す行為は許されぬ - 産経ニュース
 本文も酷いですが、タイトルからして産経らしい酷さです。米軍のコロナでのふるまいが問題なのは「感染拡大を助長し、日本のコロナ感染予防が尻抜けになるから」というのが最大の理由であって「米軍への反感から日米安保や日米友好を阻害する」なんてのは副次的な話でしか無いでしょうに。

*1:貴族院議長、首相を歴任。戦後、戦犯指定を苦にして自決。

*2:関東憲兵隊司令官、関東軍参謀長、陸軍次官、陸軍航空総監、第二次、第三次近衛内閣陸軍大臣、首相を歴任。戦後、死刑判決。後に靖国に合祀

*3:大蔵次官から政界入り。吉田内閣蔵相、通産相、石橋内閣蔵相、岸内閣蔵相、通産相などを経て首相

*4:陸軍省軍務局長、陸軍次官、関東軍参謀長、朝鮮軍司令官、平沼、米内内閣拓務相、朝鮮総督、首相を歴任。戦後、終身刑判決で服役中に病死。後に靖国に合祀

*5:戦前、天津総領事、奉天総領事、駐スウェーデン公使、外務次官、駐伊大使、駐英大使などを歴任。戦後、東久邇宮、幣原内閣外相を経て首相

*6:戦前、第二師団長、第四師団長、陸軍航空本部長、第二軍司令官、防衛総司令官などを歴任

*7:戦前、田中内閣書記官長、犬養、斎藤内閣文相など歴任。戦後は日本自由党総裁、日本民主党総裁、自民党総裁、首相を歴任

*8:吉田内閣蔵相、鳩山内閣通産相等を経て首相

*9:運輸次官から政界入り。吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、自民党総務会長(岸総裁時代)、池田内閣通産相科学技術庁長官などを経て首相

*10:大蔵省主計局長から政界入り。岸内閣農林相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣蔵相、外相、田中内閣行政管理庁長官、蔵相、三木内閣副総理・経済企画庁長官などを経て首相

*11:三木内閣農林相、福田内閣官房長官自民党政調会長(大平総裁時代)、鈴木内閣通産相、中曽根内閣外相、自民党幹事長(竹下総裁時代)などを歴任

*12:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*13:香港を国とは言えないのでこう書くのでしょう。

*14:ただしフィリピンはともかく一党独裁ベトナムは『民主主義の国』とはいえないでしょうが。