今日の産経ニュースほか(2021年12/19、20日分)

【長州正論】櫻井よしこ氏詳報「日本は自立性高めよ」 - 産経ニュース

 歴史問題にせよ、憲法改正にせよ、私たちの誇りを否定してきたのが宏池会ではないか。

◆大平外相による日中国交正常化
◆鈴木首相の『(自衛隊専守防衛なのだから)日米安保は軍事同盟ではない』発言(今は当然のように軍事同盟と表現されますがこの当時は違いました)
◆宮沢内閣での天皇訪中、河野談話

をネタに「宏池会(大平氏*1、鈴木氏*2、宮沢氏*3河野氏*4)」に悪口する桜井です。とはいえ岸田*5について言えば、「安倍べったり」であり宏池会の伝統からは明らかに外れていますが。
 しかし、宏池会と言えば「池田、大平、鈴木、宮沢」と4人の首相を生み出した名門派閥ですからねえ(正直、安倍の子分と化した岸田は宏池会と言いたくない)。それを桜井のように否定するというのは「自民党否定に近い物がある」。「自称・自民党支持」桜井の非常識さには呆れます。
 ついでに言えばここで桜井が批判してるのは「宏池会」だけですが「いわゆる田中、竹下派系列(田中*6、竹下*7、橋本*8、小渕*9)」だって桜井ほどの極右ではない。安倍レベルの極右首相など歴代でも「岸*10と中曽根*11」くらいでしょう。
 その岸ですら一時は「日中関係を重視すべき」とする「自民党ハト派」に配慮して「親中国派の藤山愛一郎*12」を岸内閣外相にしていましたし、中曽根も「中国、韓国の批判に配慮し」1)靖国参拝は一回で辞め、2)「韓国併合正当化発言」の藤尾*13文相を更迭しました。安倍*14も在任中は結局「李克強*15首相の北海道訪問」に同行した。桜井の立場では「手放しで評価できる右翼の自民党首相」など実は一人もいません。


印露首脳が電話会談 軍事技術協力の合意確認 - 産経ニュース
 バイデン政権が「民主主義サミット」に招いた「民主国」インドが、「招かなかったロシア(米国基準では独裁国家?)」と友好関係発展にいそしむ(なお、インドはロシアべったりではなく、米国とも友好関係がある)のだから、あのサミットは結局「有名無実」ですね。米国もインドに「俺のメンツを潰すのか」とは抗議しないのでしょう。


歌手・俳優の神田沙也加さん死去 35歳 | NHKニュース
 ビルからの転落死だそうです。事故か自殺かは未だ不明*16とのことですが、「まだ35才」と言う若さであり、ひとまずご冥福をお祈りします。


北新地ビル火災 61歳男を容疑者と特定、大阪府警が氏名発表 - 産経ニュース
1)意識不明の重体であり、事情聴取が当然できていない
2)通院患者らしく、犯人であっても心神喪失が成立する可能性がある(従来、心神喪失の場合、氏名は報じないことが多い)
を考えれば「今、警察は容疑者の名前を発表すべきなのか」「マスコミは今、報道すべきなのか」「容疑者の容態が安定して事情聴取ができるようになってからでも良いのではないか」という疑問は感じます。


【古典個展】皇室への国民の敬意 大阪大名誉教授・加地伸行 - 産経ニュース
1)個々の国民が皇室に敬意を持とうがそれは個人の勝手だが、戦前と違い皇室に敬意を持たない自由もある
2)「皇室支持」の国民の多くにとって「皇室への敬意」とは産経のような「戦前美化」「国家神道美化」ではないこと
は指摘しておきます。

 日本国民の皇室への敬意は、強制ではなくて自然な感情となっている。このような例は、世界のどこにもない。諸首長は絶えず、権力闘争をしているだけで国民の敬意などはまずない。だから、たとい権力を握っても、権威がないので、無理やり作ろうとする。最近では中国の習近平国家主席がそれである。

 おいおいですね。戦前の「ご真影」「不敬罪」を無かったことにする気なのか。
 「強制ではなく自然な感情」なら「ご真影」「不敬罪」など必要ない。

 日本では、首相は権力(人事、予算等)を握っているだけ。権威は皇室。だから首相があれこれ代わっても、驚くべし、国家は微動だにしない。

 おいおいですね。
 日本において「首相が替わっても国家は微動だにしない」のはまず第一に「細川、羽田内閣」「民主党内閣(鳩山、菅、野田内閣)」を除いて「与党が長く自民党だったから」であり、第二に「官僚組織がしっかりしているから」にすぎません。天皇など全く関係ない。
 というかこれではまるで「日本に比べて政権交代が多く、また国王も存在しない米国やフランス、ドイツ」などが「国政混乱状態」のようですがそんな事実がどこにあるのか。
 また「天皇が権威」だったのは「貴族や武士が実権を天皇から奪った時代(奈良時代から江戸時代まで?)」と「天皇が象徴になった戦後以降」であり「貴族や武士が実権を奪えなかった時代(奈良時代より前?)」や「明治、大正、昭和(天皇国家元首)」は「国王として権力も握っていました」。
 また、「貴族や武士が実権を天皇から奪った時代(奈良時代から江戸時代まで?)」も建前は「天皇が国王」でした。
 だからこそ「承久の乱後鳥羽上皇の挙兵)」「後醍醐天皇建武新政鎌倉幕府打倒)」「大政奉還天皇から委任された政治権限を幕府が返還する)」になる。
 「建前でも権力ではない」のなら「承久の乱」などはやる大義名分がない。

*1:池田内閣官房長官、外相、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、蔵相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相

*2:池田内閣郵政相、官房長官、佐藤内閣厚生相、福田内閣農林相、自民党総務会長(佐藤、田中、大平総裁時代)等を経て首相

*3:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*4:新自由クラブ代表、中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官自民党総裁、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長を歴任

*5:第一次安倍・福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)を経て首相

*6:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)などを経て首相

*7:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)等を経て首相

*8:大平内閣厚生相、中曽根内閣運輸相、自民党幹事長(宇野総裁時代)、海部内閣蔵相、自民党政調会長(河野総裁時代)、村山内閣通産相等を経て首相。首相退任後も森内閣で行革等担当相

*9:竹下内閣官房長官自民党副総裁(河野総裁時代)、橋本内閣外相などを経て首相

*10:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、日本民主党幹事長、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*11:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官などを経て首相

*12:岸内閣外相、自民党総務会長(池田総裁時代)、池田、佐藤内閣経済企画庁長官など歴任

*13:鈴木内閣労働相、自民党政調会長(中曽根総裁時代)、中曽根内閣文相など歴任

*14:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*15:中国共産主義青年団中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*16:とはいえ、「ファンの飛び降り自殺を助長しかねないのでSNS拡散は辞めて」と言う記事神田沙也加さん死去、専門家「SNS拡散避けて」 - 産経ニュースでわかるように「自殺が疑われてること」は確かです。なお、神田沙也加さん死去、専門家「SNS拡散避けて」 - 産経ニュース1分あるいは10秒でも我慢できれば、防げる自殺も多いはず(神田沙也加の死について) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)でも分かるように、今回、マスコミは「ホテルが自殺の聖地化しかねない」などの批判に配慮し、ホテル名を大々的に報じてはいません。