今日の産経ニュースほか(2020年11月5日分)

【主張】「学術会議」論戦 軍事研究妨害へ切り込め - 産経ニュース
 おいおいですね。菅ですら建前ではそんなことを言ってないのに全く何を馬鹿なことを言ってるのか。
 そもそも「切り込め」も何も「軍事研究批判」という学術会議の見解の是非はともかく「行政から独立した存在の学術会議」について「主張が気にくわないから介入する」などという行為が許されるわけもないでしょう。
 中露、北朝鮮相手には「民主主義」だの「学問の自由」だのほざく産経ですが本心はそんなところにはなくただの「反共や反ロシア」にすぎないことを完全に露呈しています。

構成の問題は在籍する大学・研究機関や男女比、年齢だけでなく、研究者の間で「本籍」と呼ばれることがある出身大学が、東京大や京都大などに偏っている点も是正したらどうか。

 やれやれですね。で、その是正と「6人の任命拒否」と何の関係があるのか。菅ですらその関係性をまともに説明できません。


蓮舫氏、森裕子氏…菅首相、学術会議めぐる挑発に崩れず 参院予算委 - 産経ニュース
 批判を「挑発」と表現する辺り、産経らしいクズさです。


「 設立当初から「赤い巨塔」の学術会議 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト
 馬鹿馬鹿しいデマで話になりませんね。もちろん「設立当初も今も」学術会議は「自民党には批判的だった」かもしれませんが別に左翼組織ではないわけです。もちろん左翼だから任命拒否していいなどと言う馬鹿な話もありません。そもそも任命拒否された人間は「自民党に批判的」であっても必ずしも左翼ではありませんが。
 そもそも今の自民党に批判的だからと言って、例えば立憲民主党半藤一利氏を「左翼組織」「左翼人士」と思う人間はいないでしょう。彼らは立派(?)な保守派です。
 しかしよしこも「日テレキャスター時代」とは違い随分と劣化したもんです。


アメリカ大統領選挙2020|NHK NEWS WEB
 「過半数が270人」で11/5の午前7時半現在ではNHKサイトの速報は「バイデン253人、トランプ214人」でバイデンが大幅にリードしています(追記:
バイデン氏が選挙人264人獲得、トランプ氏は214人 米大統領選 写真13枚 国際ニュース:AFPBB Newsでは「バイデン264人、トランプ214人」で更にバイデンがリードを広げています)。最後の大逆転の可能性が「全くないわけではない」ではないものの、バイデン当選の可能性がかなり高そうです。問題はむしろトランプが敗北を認めず、「郵便投票は全て無効票とすべき」と強弁し「法廷闘争」で居座った*1り、「トランプ支持者の極右」がバイデンを暗殺しようとしたりするという「禁じ手」の危険性に移ってきた気がします。
 いずれにせよ、バイデンは当選すればこの選挙戦によって表面化した「トランプ支持層(白人右翼)と批判派(非白人右翼、つまりリベラル白人や黒人、ヒスパニックなどの非白人)」との対立、分断を「できる限り宥和の方向に持って行こう」とおそらくするでしょう。
 なお、上院、下院選挙の獲得議席数も競っており、民主党が「下院で過半数をキープし」、また「上院で過半数に躍進できる」かは微妙ですが、こちらも何とか「どちらも過半数獲得」で共和党に打撃を与えて欲しい。


【米大統領選】ミシガン、ウィスコンシンはバイデン氏 トランプ陣営は集計の一時停止求め提訴 - 産経ニュース
 前回、トランプに敗北した激戦州ミシガン州ウィスコンシン州を取り返せて実に嬉しいですね。バイデンも勝利に着実に近づいてるようです。

・獲得した大統領選挙人はバイデン氏が253人、共和党トランプ大統領は213人。
・大勢が判明していない州はペンシルベニア(20人)、南部ノースカロライナ(15人)、ジョージア(16人)、西部アリゾナ(11人)、ネバダ(6人)、アラスカ(3人)。

 つまりこの時点でも「ペンシルベニア(20人)、南部ノースカロライナ(15人)、ジョージア(16人)」のどれか一つ落とした時点でトランプは終わるわけで、勝利の道は険しい。「もはやバイデンの勝利は動かなそう」で何よりです。


【主張】接戦の米大統領選 民主主義の範を示す時だ - 産経ニュース
 バイデンが勝利し、トランプの「負の遺産」を清算すること、それこそが「民主主義の模範」を示す上で大事なことでしょう。
 トランプは「もはや俺の勝利だ、郵便投票の開票など不要だ」と根拠レスで勝利宣言し、郵便投票開票を妨害しようとするなどその言動は「民主主義の模範」どころか「民主主義の弊害」でしかありません。

 両陣営には「負けを認めない」とする支持者が少なからずおり、投票日を前に各地で、抗議デモや暴動への警戒から警備が強化され、商店が臨時休業するなどした。万が一にも暴力に訴えることなどあってはならない。
 敗者がまず、負けを認め、勝者を祝福するのが、米大統領選のよき伝統であり、それが今回も貫かれることを望みたい。敗北宣言は選挙戦を通じ深まった両陣営の溝を埋め、米国民が団結するために不可欠だからだ。

 支持者にそう言う人間がいるのは仕方が無いでしょう。だからこそ、産経もここで書いていますし、TBSラジオ森本毅郎スタンバイ!」でコメンテーターの伊藤芳明氏も指摘していましたが米国には「狂信的支持者による不測の事態を避ける」ための「敗北宣言の表明演説(敗北演説)」という政治文化が長くあります。もちろん法的にはそんなことをする必要はどこにも無いのですが、不文律としてほとんど皆がやってるそうです。
 ブッシュ子と裁判闘争をした「民主党のゴア候補(クリントン政権副大統領)」も敗訴が確定した時点では潔く演説をやった。問題は伊藤氏なども指摘するように「バイデンは敗北すれば(よほどの僅差で再集計の必要性がある場合以外は裁判闘争などせずに)潔く敗北演説をするだろうが、トランプが仮に敗北したとしてもそんなことをやるとは思えない」と言う点ですね。
 それどころか屁理屈こねて居座ろうとするのではないか、その結果「分断の宥和」どころか「助長をするのではないか」と疑われてる。

 今回は、コロナ禍への対応をめぐり両陣営が激しく相手を攻撃し、黒人差別をめぐる抗議行動が広がり、亀裂はひときわ深い。結果判明の遅れで、事態を一層悪化させてはならない。トランプ、バイデン両氏はこのことを肝に銘じてもらいたい。

 トランプびいきの産経らしい物言いです。基本的にバイデンは「(よほどの僅差で再集計の必要性がある場合以外は)潔く敗北演説をする」でしょう。さすがにトランプ相手にべた褒めも出来ないでしょうが、「米国をよくすることを望む」程度の社交辞令も言うでしょう。
 また、バイデンは勝っても「亀裂を助長するようなこと」はおそらくしない。むしろ問題はそうした配慮がまるで感じられないトランプの方です。

【参考:敗北演説】

【産経抄】11月5日 - 産経ニュース
 「どうか皆さん、アイゼンハワー将軍が自らに託された大きな仕事を成し遂げるのに必要な支持を与えていただきたい。私は彼を支持することを誓います」。
 作家の井上一馬さんが編んだ『後世に伝える言葉』から引いた。
▼1952年の大統領選で敗れた民主党のアドレー・スティーブンソンが、共和党ドワイト・アイゼンハワーの勝利を祝した演説である。敗者が潔く敗北宣言することで戦いを終わらせる。米国がこうして民主主義のお手本を世界に示してきた。
▼もっとも今回の選挙ばかりは、美しい伝統が守られるのかどうか、雲行きがあやしくなってきた。

敗北宣言はいつ? 負けを認めて生まれた「名演説」 : アメリカ大統領選挙2020 : 国際 : ニュース : 読売新聞オンライン
 敗北宣言は平和的な政権樹立の第一歩と言える。1896年に敗れたウィリアム・ブライアン*2(民主)がウィリアム・マッキンリー*3(共和)へ祝電を送ったことから始まったとされる。
 数々の名演説も生んだ。1952年の選挙で敗れたアドレー・スティーブンソン*4(民主)はテレビ演説で、ドワイト・アイゼンハワー*5(共和)の勝利を美しくたたえた。

【参考終わり】

*1:ここで例の「選挙前」にトランプ政権が強行したギンズバーグ死去後の後継判事任命での保守派判事任命の意味(トランプ派で最高裁を固めて有利な判決を狙う)が出てくるし、それを恐れたからこそ、民主党政権が任命したリベラル派のギンズバーグは死ぬまで最高裁判事を辞めませんでした(米国は当人が自主的に辞めない限り、最高裁判事は原則として人気が無く終身制)。

*2:ウィルソン政権で国務長官ウィリアム・ジェニングス・ブライアン - Wikipedia参照)

*3:下院議員(オハイオ州選出)、オハイオ州知事を経て大統領(ウィリアム・マッキンリー - Wikipedia参照)

*4:イリノイ州知事、国連大使ケネディ、ジョンソン政権)など歴任(アドレー・スティーブンソン - Wikipedia参照)

*5:アメリカ陸軍参謀総長NATO軍最高司令官などを経て大統領(ドワイト・D・アイゼンハワー - Wikipedia参照)