今日の中国ニュース(2020年11月11日分)(副題:香港議会議員の強制失職ほか)(追記あり)

【変貌するチベット】(上)宗教色後退、都市化進む聖地ラサ 目立つ近代的ホテル 所得も大幅増 - SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト
【変貌するチベット】(下)「脱貧困」奏功も強まる党介入 少数民族優遇で漢族と軋轢 - SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト

【変貌するチベット】(上)宗教色後退、都市化進む聖地ラサ 目立つ近代的ホテル 所得も大幅増 - SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト
・記者は1988年と2003年にラサを訪問、今回は17年ぶりだ。
・ラサの都市部住民の平均可処分所得は19年に3万9700元(約63万2500円)と03年の4.5倍になった。引率した若いチベット族女性は移動中も化粧直しに余念がなく、付けまつげは日本製だった。民族衣装を着るのは正月ぐらいだという。自治区政府のチベット族女性は「チベット族にも近代化を享受する権利があるわ」と話した。
中国共産党は宗教世界に生きていたチベット族を「現世の利益」に目覚めさせた。

【変貌するチベット】(下)「脱貧困」奏功も強まる党介入 少数民族優遇で漢族と軋轢 - SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト
自治区第2の都市シガツェに新しくできた工場はハダカムギを農民から市場価格より高く買い上げてクッキーなどを製造、就業の場も増やした。ここで働く20代女性は「大学で食品安全検査技術を学んだ。工場が開設されたことで地元で就職できた」と話す。月給は5800元(約9万2300円)で大都市と大差ない。

 ということで「近代化して豊かになったからいい」と言う単純なもんでもないですが、一方でこうした近代化はそれなりに評価できると思います。


共産・志位氏が中国指導部の香港弾圧を非難 - 産経ニュース
 もちろん過去にも日本共産党は香港問題で中国政府を批判していますので、予想の範囲内です。とはいえ、最大与党・自民や最大野党・立憲民主ならともかくミニ野党・共産が批判しても中国は無視するのだろうと思うとなんともかんともですが。


中国の判断で香港の民主派議員4人が失職 香港政府発表 | 香港 抗議活動 | NHKニュース
 デモが盛んに行われていた時期と比べ、例の「国家安全維持法制定後」の中国の強硬路線が「すさまじいな」と言うのが正直な感想です。
 これに対してどんな手を打ったらいいのかが「うーん(ため息)」というところですね。民主主義の観点において、現状を容認していいとは思いませんが、「中国が経済大国となった今」、天安門事件後の制裁のような話はあまり現実的でもない。
 こうなると「もはや言っても仕方が無いこと」ではありますが、「犯罪者引き渡し条例案撤回」で矛を収めずに「成功の見通しもない」のに「行政長官の辞任や直接公選制」を求め、あげく一部のデモに至っては暴力化したのは「失敗だった」と思わざるを得ません。
 そうしたことがなくても中国政府はこうした強硬路線に「打って出た」かもしれませんが、そうした「デモの過激化」が中国に「強硬路線への躊躇」を失わせたのは確かでしょう。

 これを受けて、失職した4人と民主派の議員団15人がそろって記者会見し、全員で議員を辞職すると明らかにしました。

 彼らが辞任することで「議会を解散総選挙に持って行ける(そして民主派躍進の見込みがある)」とか「議会を停止状態にし、その結果、中国の強硬路線をある程度制約できる」とかでない限り中国にとっては「やめたければやめればいい」でしかないでしょう。
 実際、NHK

 民主派の議員団全員が議席を失うことで、立法会は民主派の議員団に所属していない2人以外はすべて親中派で占められることになり、チェック機能が大幅に失われることになります。

と書いています。決して「民主派にとってプラスの効果が期待できる」とは書いてない。正直「何でこんな策に打って出たのか?」と疑問に思います。

【追記】
香港民主派議員が全員辞表 中国「茶番、立法会運営に影響出ず」 - 産経ニュース
 ということで予想通り「辞めたければ辞めればいいby中国」です。「辞職をすぐにやめさせないと政治的にまずい」と中国が思わない限り、中国の態度は民主派にとって、よくても「辞めたければ辞めろとフカシ(内心は辞職を思いとどまって欲しいが、引き留めたら甘く見られるので最初は強く出ておこう、それでも問題ない。最悪の場合、本当に辞めてしまっても仕方ない)」で、最悪の場合は「辞めたければ辞めろと本心で思ってる(むしろやめてもらった方がありがたい)」、いずれにせよ引き留めることはしないでしょう。で今回、やはり引き留めなかったわけです。「中国に舐められると共に、支持者を失望させる恐れがあるので」今更、辞職表明を撤回もしがたいでしょうが、はたしてこのまま「撤回せず辞職」でいいのかは疑問です。
【追記終わり】


澤藤統一郎の憲法日記 » 「香港立法議員資格剥奪」と、「学術会議会員任命拒否」と。

 この民主派議員たちの抗議の辞職は、香港社会だけでなく、国際社会に向けての捨て身のアピールなのだ。この香港民主派の抵抗を支持する意思を表明しよう。

 既に指摘しましたがやり方として無謀すぎると思いますね。
 澤藤氏が「菅の任命拒否を考えれば日本人は中国政府を一方的に非難できない(もちろん澤藤発言は中国政府擁護ではありません)」云々と学術会議会員任命拒否に触れてるので思いつきましたが、この民主派議員の対応は学術会議で例えれば「6人の任命拒否が撤回されなければ我々、学術会議会員全員が抗議辞任する」にあたるでしょう。
 まあ、今の学術会議会長を見てると「かなり弱腰」のようで正直俺も不満は感じます。「全員抗議辞任」どころか「菅に適当なところで屈ししないか」という不安さえある。
 とはいえだからといって、俺も「民主派議員を見習って、学術会議会員は全員抗議辞任しろ」とは言いません。菅に「だったら学術会議なんか要らない」と居直られる危険性が否定できないからです。澤藤氏も「民主派議員を見習って、学術会議会員は全員抗議辞任しろ」とは言わないでしょう。
 中国も現時点では「辞めたければ辞めろ」と完全に居直っています。
 にもかかわらず、何故澤藤氏は民主派の抗議辞任について「やり方として無謀」と言う言葉が何一つ出てこないのか。澤藤氏の中国批判はもはや「現実を完全に無視し、中国批判派をただ持ち上げる代物でしかない」のでしょう。
 そんなことで中国に「政治的に勝利できる」と思うならナイーブにもほどがあると思いますが、まあこういう俺のような人間は澤藤氏には「ただの中国シンパ」扱いしかされないのでしょう。


トランプ政権 20日に台湾との新たな経済対話を開催へ | 米中対立 | NHKニュース
 トランプらしい無茶苦茶振りで絶句しますね。本気で「どんな汚い手を使っても大統領を続ける気」なのか、「バイデンに政権委譲することが不可避となるまでは、大統領として、可能な限りやりたい放題やってバイデンの政治的選択肢を狭めたい(さすがに辞任は覚悟している)」のかはともかく、もはや「大統領選に敗北したトランプ」がすべきことは「一日も早い退陣とバイデンへの政権委譲」でありバイデンを無視して、外交行為することではないでしょうに。中国側が反発するのも当然の話です。