澤藤統一郎の「非常識な反中国」に呆れる(2021年12/14分)

澤藤統一郎の憲法日記 » 中国共産党の民主主義論は、神権天皇を寿ぐ無内容な美文によく似ている。
 あまり使わないと思いますが今回「澤藤統一郎」と言うカテゴリーを作ってみました。なお、以前から

澤藤統一郎の「常軌を逸したアンチ中国」を嗤う(2020年7/15日分)(副題:法輪功は間違いなく邪教ですよ!、澤藤さん)(追記あり) - bogus-simotukareのブログ
今日の中国ニュース(2021年11月30日分)(副題:澤藤統一郎の「非常識な反中国」に呆れる、ほか) - bogus-simotukareのブログ

など「澤藤批判」はしています。澤藤が「中国憎悪のため」か、「法輪功を美化してるとしか思えない記事」を書いたことには今でも心底呆れています。
 一方で

澤藤統一郎ブログ『公開質問状 :「桜を見る会」再調査にどれだけの覚悟があるか』(副題:河野太郎を批判し野田聖子を評価する)(追記あり) - bogus-simotukareのブログ

など、澤藤を好意的に取り上げたこともあります。

 アメリカのバイデン政権が、「価値観を共有する」友好国を招いて「民主主義サミット」を開催し、これに中・露など「価値観を共有せざる」諸国が反発している。

 沖縄米軍基地問題などで米国批判する澤藤なら「中国擁護をする気は無いが米国に、民主主義の守護者面する資格があるのか!」「明らかに中国など、米国が仮想敵扱いする国を叩くことが目的であり手放しで評価できない!」と書くかと思いきや最後まで中国非難オンリーだから心底呆れます。澤藤は「他の記事で米国批判してる」というのかもしれませんが、そういう話でもないでしょう。そんなに「中国擁護をする気は無いが米国に、民主主義の守護者面する資格があるのか!」と書くのが(中国シンパ扱いされるのではないかと思って)嫌なのか?
 なお、澤藤とは違い

 「複数政党制国家」トルコで「選挙で選ばれている」エルドアン*1大統領を「ギュレン派など政府批判派を迫害している」という理由で招待しなかった一方で、「ヒンズー原理主義に基づきイスラム教徒を迫害している」と国内外から非難されるインドのモディ*2首相、「フィリピンのジャーナリスト」がノーベル平和賞をもらったことでわかるように、国内外から「独裁的」と非難されるフィリピンのドゥテルテ*3大統領は招待するなど、米国の招待基準に説得力が無い

などと批判する岡田充氏*4の記事海峡両岸論 第133号 2021.12.16発行 - 分断と対立煽る冷戦思考の舞台 「帝国の落日」際立たせた民主サミット - | ちきゅう座を紹介しておきます。

 「中国にも民主主義はある。但し、それは英米流のものではない」
 「中国の近代化では、西洋の民主主義モデルをそのまま模倣するのではなく中国式民主主義を創造した」
 「中国は独自に質の高い民主主義を実践してきた」。

 新刊紹介:「経済」2021年9月号(特集:中国と日本)(副題:浅井基文ブログ記事(中国関係)をこの機会に「多数」紹介する)(追記あり) - bogus-simotukareのブログ阿部治平の『月刊「経済」9月号・中国特集』批評へのコメント(副題:阿部治平とリベラル21のバカさに心底呆れる) - bogus-simotukareのブログなど、別記事でも触れましたが、つまりは「全人代」「政治協商会議」ですね。
 もちろん「中国共産党の下野を前提にしてない(西欧型の複数政党制ではない)」「政治協商会議の諸政党はいわゆる衛星政党にすぎない」という限界はあります。中国が「自画自賛する*5」ほどかは疑問であり、過大評価は禁物ですが、「それなりの意義はある」のではないか。少なくとも「建国の父であるカリスマ」毛沢東の時代ほど「有名無実」でもないでしょう。
 澤藤が「全人代」「政治協商会議」について全く触れないのには「何だかなあ」ですね。
 澤藤に新刊紹介:「経済」2021年9月号(特集:中国と日本)(副題:浅井基文ブログ記事(中国関係)をこの機会に「多数」紹介する)(追記あり) - bogus-simotukareのブログ阿部治平の『月刊「経済」9月号・中国特集』批評へのコメント(副題:阿部治平とリベラル21のバカさに心底呆れる) - bogus-simotukareのブログで紹介した「久保亨・信州大学特任教授」「浅井基文氏」の文(澤藤ほど『中国型民主主義』に否定的ではなく全人代や協商会議にそれなりの価値を認めている)を読ませたら「中国シンパ呼ばわりで悪口雑言」なんだろうな、とは思います。

 万世一系中国共産党の無謬性に置き換え、天皇習近平*6に、臣民を人民に読み替えれば、実はたいして変わらない。
(中略)
 そう言えば、八紘一宇の思想は一帯一路に似ているではないか。

 前者「万世一系」云々はまあいい。「是非はともかく」一つの価値観ではあり、「デマとまではいえない」と個人的には思います。
 しかし後者「八紘一宇」云々は明らかに問題です。デマと言っていいのではないか。「軍隊による侵略(八紘一宇)」と「経済進出(一帯一路)」と同一視できる話ではない。
 そもそも「一帯一路」は中国が現地住民に一方的に押しつけてるわけではない。例えば「例は何でもいい」ですが、「民主主義国家」イタリアが中国と正式に「一帯一路についての合意文書」を結んだこと*7は澤藤にとってどう理解されるのか?
 澤藤に限りませんが、日本の「自称リベラル、左派」の一部が「常軌を逸した反中国」であることには心底呆れます。

*1:イスタンブル市長、首相を経て大統領

*2:グジャラート州首相を経てインド首相

*3:ダバオ市長を経て大統領

*4:共同通信香港支局長、モスクワ支局長、台北支局長等を経て、現在、共同通信客員論説委員。著書『中国と台湾』(2003年、講談社現代新書)など(岡田充 - Wikipedia参照)

*5:本心と言うよりは多分に「(米国の)売り言葉に買い言葉」でしょうが。

*6:天皇に対応させるなら「総書記」や「国家主席」でしょう。そもそも「建国の父」「カリスマ」毛沢東はともかく(習近平氏に限らず)それ以外の人間は(「改革開放の父」鄧小平ですら)それほどのカリスマ性は無いでしょう。

*7:ちなみに北朝鮮と最初に国交を樹立した「G7の国」もイタリアです。「英国、ドイツ、フランス」ほどの大国でないが故にイタリアはこういうことで「動きやすい」のかもしれない。