田中実さんと金田竜光さんについて(1月4日のショートメッセージ): 荒木和博BLOG
令和3年1月4日月曜日のショートメッセージ(Vol.277)。共同通信などで生存情報が流れた田中実さんと金田竜光さんについてお話ししました。
7分程度の動画です。
拉致2人「生存」を政府高官封印 2014年時点、安倍晋三首相了承 | 社会 | 福井のニュース | 福井新聞ONLINE2019年12月27日
拉致問題を巡り北朝鮮が2014年、日本が被害者に認定している田中実さん=失踪当時(28)=ら2人の「生存情報」を非公式に日本政府に伝えた際、政府高官が「(2人の情報だけでは内容が少なく)国民の理解を得るのは難しい」として非公表にすると決めていたことが12月26日、分かった。安倍晋三首相も了承していた。複数の日本政府関係者が明らかにした。もう1人は「拉致の可能性が排除できない」とされている金田龍光さん=同(26)。
日本では身寄りがほとんどなく「平壌に妻子がいて帰国の意思はない」とも伝えられ、他の被害者についての新たな情報は寄せられなかった。被害者全員の帰国を求める日本政府にとって「到底納得できる話ではなく、国民の理解も得られない」(高官)と判断した。
菅義偉官房長官は共同通信の取材に「今後の対応に支障を来す恐れがあることから、具体的内容について答えることは差し控える」とコメントした。
2人の生存情報を日本政府が入手して5年余り。日朝交渉に進展がない中、拉致問題解決を「最重要課題」と位置付ける安倍政権が非公表を続けている判断が適切なのかどうか問われる。
拉致問題は、なぜ進まないのか | 特集記事 | NHK政治マガジン2020年7月1日
複数の政府関係者は、北朝鮮から調査結果の内容が非公式に伝えられていたが、日本政府が到底受け入れられるものではなかったという情報があると説明した。
政府関係者によると、北朝鮮が、生存している拉致被害者として、水面下で日本側に示したのは2人。
いずれも神戸市出身で、1978年から行方不明となっている田中実さんと、1979年から行方不明となっている金田龍光さんだ。
ある政府関係者は当時の状況をこう振り返る。
「仮に2人が日本に来ると言っても、帰国の意思がなければ、2週間だけ親善訪問のような形になってしまう。ほかの拉致被害者の家族からは、『自分たちの家族はどうなっているんだ』と言われ、『これでもう手じまいです』となったら、世論の激しい批判が予想された。だから、『これはダメだな』と」
結局、安倍総理大臣らは、横田めぐみさんなどすべての拉致被害者の即時帰国に全力を尽くすという政府の立場では、2人だけの情報では不十分で、国民も納得しないとして調査報告書は受け取れないと判断したとみられる。
こうした情報について、政府は、国会答弁などで、「今後の対応に支障を来すおそれがあることから、答えは差し控える」などと、明言を避けている。
ということで「共同通信などで生存情報が流れた田中実さんと金田竜光さん」についていえば「今のままではどうにもならない」ですね。
安倍、菅政権はそうした事実を全く認めてない。
共同通信などもいったんはそうした報道をした物の、「安倍や菅に怯えてるのか」、今は完全に下火です。もはや続報する気も無いらしい。
「安倍応援団」救う会、家族会も「何故かこの件にこだわる荒木」と違い、「共同通信などの報道が事実なら安倍さんは事実を隠蔽したことになる!→そんなことはありえない→無視しよう」で完全に無視しています。
ということもあって野党も追及しづらいため、結果として追及しない。
この件をネタに「安倍政権は事実を隠蔽してるのでは無いか!、こんなことで拉致問題は良いのか」とこの動画でいう荒木ですら「安倍や菅を糞味噌に罵倒する」わけではなく完全に腰が引けています。
荒木も本気でこの件を問題にしたいのなら、「もっときちんと批判すべき」でしょうが「安倍さんが嘘つきだというのか!*1」という「安倍応援団」救う会、家族会の批判を恐れて腰が引けるわけです。
まあ、いずれにせよ、共同通信などの報道が事実なら「安倍や菅に拉致を解決する気が無い」のは確かでしょう。まあ、共同通信などの報道に関係なく安倍や菅に拉致を解決する気があるとは思えませんが。
それにしても「田中実さんと金田竜光さんだけでも帰国できれば御の字」、「全員一括即時帰国などにこだわるな、段階的帰国で何が悪いのか」「全員即時一括帰国などと言う非常識な方針を救う会や家族会がとるから、拉致被害者(田中実さんと金田竜光さん)が帰国できないどころか生存情報すら政府に公式に求めてもらえない。そんなことでいいのか」「『共同通信報道が事実でないなら何故抗議しないのか、抗議しないと言うことは事実ではないのか』と安倍、菅政権を家族会、救う会は何故、問い詰めないのか。安倍、菅政権以外なら問い詰めてるのでは無いのか。家族会、救う会は安倍、菅応援団なのか?」などと荒木がこの動画で救う会、家族会批判を言えばまだ「マシ」なのですが、1)拉致を解決する気など無いアンチ北朝鮮で、2)救う会や家族会を敵に回すことなど怖くてとても出来ない荒木はそんなことを勿論言いません。単に「共同通信などの報道が事実なら安倍、菅政権が信用できない」「共同通信などの報道が事実ならこんな情報を小出しにしてくる北朝鮮は拉致被害者家族の分断を狙ってる*2」だの安倍や菅、北朝鮮に悪口するだけです(とはいえ腰が引けてるとは言え「このレベルの安倍、菅批判」すらほとんどしないのが救う会や家族会であり「荒木の安倍、菅批判」は「救う会関係者」としては実に異例です)。
結局、共同通信などの報道が事実だとして、安倍や菅が「田中実さんと金田竜光さん」を見すてたのは
1)生存情報があるのに帰国させないなどという不人情なことはしづらい
2)しかし彼らを帰国させたところで「小泉訪朝での5人帰国」に救う会や家族会が「たった5人か」「これで幕引きか」「国交正常化を進めるのか」「何故全員即時帰国では無いのか」と悪口したように「たった2人か」「これで(以下略)」などの悪口が予想されそれを嫌った
3)だから彼らの生存情報自体を認めず無視したということ
でしょう。
共同通信などの報道が事実ならば、もはや「即時一括全員帰国」という「非現実的な家族会、救う会の方針」は「誰一人として帰国できない」「それどころか生存情報すら政府に公式に認めてもらえない」という最悪の事態を招いています。