珍右翼・高世仁に突っ込む(2022年6/10日分)(副題:今日も高世に悪口する)

なぜ政府は2人の拉致被害者を見捨てるのか?(10) - 高世仁のジャーナルな日々
 拙記事珍右翼・高世仁に突っ込む(2022年6/6日分)(副題:今日も高世に悪口する) - bogus-simotukareのブログで批判した高世記事なぜ政府は2人の拉致被害者を見捨てるのか?(9) - 高世仁のジャーナルな日々の続きです。
 ふと思ったのですが高世の主張は「救う会、家族会の即時一括全員帰国主張」のせいで「政府は2人の拉致被害者(一部マスコミから「北朝鮮が日本政府に対し生存発表した」と報道された田中実さん、金田龍光さんのこと:ただし日本政府は報道について否定)を見捨てる」という物なので

なぜ救う会、家族会は2人の拉致被害者を見捨てるのか?

がむしろ適切なタイトルでしょう。

 北朝鮮による「拉致被害者家族会」(家族会)の飯塚耕一郎事務局長と、「特定失踪者家族会」の竹下珠路事務局長が参考人に招かれた。

 「飯塚の発言は、非常識で、聞くに堪えない酷い物」ですが、「北朝鮮拉致の当事者」拉致家族会を呼ぶのには問題はない。しかし特定家族会を呼ぶのは問題大ありです。
 日本国内で既に40人以上発見されてる特定失踪者は明らかに北朝鮮拉致ではない。
 拉致家族会を批判する高世ですが「インチキ拉致」という意味では特定家族会の方がずっと罪が重い。何故か高世は今のところ「特定失踪者の認定がデタラメであること」については何の批判もしていません。

 飯塚さんが、全ての拉致被害者の即時一括帰国以外は受け入れられないと語るのを見るのはつらかった。痛々しかった*1
 「家族会」という互助会*2が、ここまで具体的な政策的注文をつけ、要人に要請まですることに疑問を持つ人は私だけではない。

 高世には「はあ?」ですね。
 拉致家族会が具体的な政治的要望をすること「それ自体」には何の問題はない。「拉致家族会には批判的な俺」ですが俺は「そういうことを批判してるわけではない」。
 問題は
【1】その要望が拉致解決に資するどころか逆行してると思われること
【2】その要望(即時一括全員帰国やバーター取引の否定)に懐疑的、批判的な人間(蓮池透氏、和田春樹氏など)を「北朝鮮シンパ」「北朝鮮相手に腰抜け」などと悪口雑言するなど、態度が無法、横暴なこと
【3】その要望が「家族会内部での真摯な討議」で決定されたわけではなく、「救う会の言いなりに動く、飯塚ら家族会幹部の個人的言動」であるように思われること
です。
 【1】~【3】の問題がなければ拉致家族会が具体的な要望をすること「それ自体」には何の問題はない。

 横田滋さんは、運動を引き回す「救う会」のあり方にも批判的だったが、もっとも強い怒りを持っていたのは、うわべは「家族会」に寄り添うように見せかけて、何も具体的な動きを見せない政治家、とくに政府に対してだった。

 それが事実だとしても、俺はむしろ「そうした不満を蓮池透氏のようには公開の場では語れなかった」「高世など親しい人間に愚痴ることしかできなかった」滋の「優柔不断さ」「腰抜けぶり」に激しい怒りを感じますが。滋がそうした優柔不断な態度だったのが「妻子が救う会言いなりだったから」なのか、それとも仮に妻子が「救う会に批判的でも」優柔不断だったのかはともかく。
 滋が「救う会とは縁を切る」とはっきり言えば、論理的には「救う会には何もできません」。
 救う会は建前上は当事者ではなく「支援者にすぎないから」です。支持者は建前上は「当事者の意思を無視できない」。
 正直、滋を見ていて思うのは「あんなに優柔不断で腑抜けな人間でも日銀マンは務まるのか?」ですね(というと日銀関係者は激怒かもしれませんが)。
 今はもしかしたら違うのかもしれませんが滋の時代は日銀マンとは「お公家集団」だったのでしょう。
 「ヤクザの不正受給が時にある生活保護の現場」などと違って「滋のような日銀マンを恫喝して利権をあさろうとする」なんて奴は幸いにもいなかったのでしょう(もし、そんな奴がいたら簡単に屈したのが滋ではないか?)。
 銀行マンと言ったところで「半沢直樹」のような「修羅場を見ること(ヤクザなどが不正融資を強要しようとしたり、債務を踏み倒そうとしたりすること)」はほとんどなかったのでしょう。

 特別委員会では、「全員の即時一括帰国」の方針が、拉致問題の進展に有害な役割を果たすことをも示した*3
 有田芳生委員の質問
「例えば、北朝鮮が「8人死亡*4」の中でお一人*5が生存しているという伝達を仮にしてきた場合、それでも「全被害者の即時一括帰国」というのを求めていかれるんでしょうか」
 飯塚参考人の答え。
「はい、その認識で結構です」

 躊躇なくこんなことが言えるというのが酷い。
 「その一人があんたの母である田口八重子でも同じ事が言えるのか」と飯塚には聞きたくなります。本心はともかく「はい」と即答なのでしょうが。
 いずれにせよ高世の「転向」にはやはり「有田氏の影響」が大きいのでしょう。

高世仁リツイート
有田芳生
(ボーガス注:有田の著書)『北朝鮮 拉致問題 極秘文書から見える真実』(集英社新書)は17日に発売。日本政府のどこに問題があったのか。私の分析と高世仁さんの解説が明らかにしています。

つうことで有田本には高世は解説を書いてるそうです。
 なお、高世が批判する飯塚発言については救う会全国協議会『参議院拉致問題特別委員会で飯塚耕一郎事務局長が発言』も紹介しておきます。
 俺的には一番呆れる飯塚発言は「即時一括全員帰国」よりも「平壌への常駐事務所設置に反対」ですね。
 外交交渉するのならむしろ設置すべきでしょうに。
 他にも飯塚発言に突っ込んでおきます。

救う会全国協議会『参議院拉致問題特別委員会で飯塚耕一郎事務局長が発言』
 1990年代の日本から北朝鮮への米支援、1990年台後半から2000年後半にかけての韓国の太陽政策などの歴史をみればあきらかでしょう。過去、北朝鮮への一方的な譲歩や緩和行動や政策により、提供側の事態が好転した例はありません。

 「1990年代のコメ支援」が「2002年の小泉訪朝(5人の拉致被害者帰国)」につながったと理解しない飯塚には心底呆れます。
 太陽政策にしても米国のキューバへの対応から、日本の北朝鮮への対応を考えてみる - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)が紹介する

 林東源*6は、小泉からのメッセージも金正日に伝える。
 「拉致問題に進展があれば、国民を説得して関係改善*7を進める意思がある」との趣旨だったという。
 林は「日本人拉致は『過去に過激な盲動分子がやったことだ』という程度に認め、遺憾の意を表し、早期の帰還措置を取るのがよい」という「金大中の考え」を伝えて説得したとも回顧録で主張している。

という話が事実ならば「太陽政策のおかげで北朝鮮は日本人拉致を認めた」のではないのか。
 むしろ「2002年から20年に及ぶ対北朝鮮経済制裁」の方がよほど「拉致被害者帰国」という意味では「何の成果もなかった」でしょうに。

 北朝鮮は、新型コロナ禍による貿易停滞、飼料やエネルギー不足*8により貧困状態が続いていると聞きます。また、ここ数ヶ月は新型コロナウィルスの感染拡大が続いていると報道されています。このような状況下の中で我々家族の生命がどれだけ脅かされているか、心配や不安でなりません。

 本気で飯塚がそう思うのなら北朝鮮への「コロナワクチンや食糧などの人道支援」をどうして主張しないのか。これが人道支援にとどまらない「本格的な経済交流」なら反対も理解できますが、訳が分かりません。

*1:自らが過去にそうした飯塚ら家族会の態度を容認したことを棚に上げて良くもこんなことが言えたもんです。

*2:そもそも拉致家族会に限らず、多くの家族会(薬害被害者家族会であれ、公害被害者家族会であれ、犯罪被害者遺族家族会であれ、何であれ)は単なる「互助会」ではなく政治的主張をする事が多いし、そのこと「自体」には何の問題もありません。

*3:有田氏の質問がなくてもこんなことは以前からわかりきったことではあります。

*4:具体的には有本恵子、石岡亨、田口八重子、原敕晁、松木薫、横田めぐみ、市川修一・増元るみ子のカップ

*5:なお、飯塚ら家族会は「救う会に同調」して「特定失踪者も北朝鮮拉致の疑いがある」としているので実は「8人全員の生存発表」を仮に北朝鮮がしたところでおそらく「全被害者(特定失踪者を含む)の即時一括帰国」を求めるでしょう。

*6:金大中政権で国家情報院長、統一相など歴任

*7:勿論、日朝国交正常化のこと

*8:こう書いたからと言って飯塚が「飼料やエネルギー(ガソリンなど?)の支援」を主張するわけではないのだから訳が分かりません