高世仁に突っ込む(2021年2/27日分)

総務省接待問題の幕引きを許すな - 高世仁の「諸悪莫作」日記
 「菅批判」についてもちろん「大筋」では特に異論は無いですが俺は「救う会幇間太鼓持ち」高世が大嫌いなので、特にコメントはしません。
 「性格が狭量」と言われようとも「大嫌いな」高世の記事については基本的、原則的に「高世に悪口雑言するとき」のみコメントを長く書くのが俺のポリシーです。


総務省接待問題の幕引きを許すな2 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
 総務省接待問題の幕引きを許すな - 高世仁の「諸悪莫作」日記の続きですね。

 現内閣広報官の山田真貴子氏だが、2013年、安倍内閣で初の女性初の首相秘書官に就任。

 「女性初の首相秘書官」云々といえば、今回の接待疑惑を契機に

育鵬社発行の教科書に山田氏 「初の女性首相秘書官」として:東京新聞 TOKYO Web
 菅義偉首相の長男、正剛氏が勤める放送事業会社側から7万円を超える会食接待を受けた山田真貴子内閣広報官が、育鵬社の中学公民教科書で「憲政史上初の女性首相秘書官」として写真付きで紹介されていることが25日、分かった。
 山田氏が載ったのは、法の下の平等を定めた憲法14条に関連して、男女平等などについて学ぶページ。2013年に当時の安倍晋三首相の秘書官に就任した際、安倍氏から辞令を受ける写真が掲載された。
 文部科学省によると、育鵬社の中学公民のシェアは5・8%。今年4月から使用される新学習指導要領対応の新しい教科書に山田氏は載っていない。

現内閣広報官・山田真貴子氏に関する新たな情報 | ちきゅう座
 山田氏に関する新たな情報です。
 育鵬社版中学公民教科書の現行版『新編 新しいみんなの公民』(2016~2020年度用、今年3月まで使用)の憲法学習の章、「第2節 基本的人権の尊重」「2 法の下の平等」のページに「憲政史上初の女性首相秘書官(2013年)」という仰々しい見出し付きで「安倍晋三首相から辞令を受ける山田真貴子氏」という説明付きの写真が掲載されていることが判明しました(同書64p)。
 育鵬社版のこの写真と添えられた説明文は、明らかに山田氏を褒めたたえているものです。
 教科書編纂者の中から、ここまで政治権力へのすり寄りを実行するケースが現れたことを如実に示している事例です。
 それでも、同書が2015年3月に検定に合格して、2016年4月以来5年間、同書は全国で毎年約6万7千冊が使用され続けてきました。その間、この写真と説明部分が大きく問題にされることもなく、使用最終年の年度末であるこの3月で、学校現場からは消え、物議を醸すこともなく忘れさられるはずでした。
 それが、山田氏本人の不当行為によって、同氏賛美を演じた人々にその災いが一斉に及ぶことになったのですから、何とも皮肉です。
 当面指摘される問題点は、

 (ボーガス注:存命の人物を教科書で取り上げた場合、後に不祥事が発覚*1するなどの)こうした事態が生じる可能性を考慮して、教科書検定では「生存している人物を特定できる形での掲載をなるべく避ける」旨の指導・申し合わせが、従来はされていた。
 その原則が最近は軽視あるいは無視されてきている。そうした検定の不公正の高まりの中で生じた不祥事であること

 上記①は、「つくる会」を安倍晋三議員(前首相)など自民党タカ派文教族が露骨に支援し、 自民党の各地方組織を通じて、自治体の首長や地方議会から教育委員会に同会教科書の採択を働きかけるように指示をだすなど密接な関係にあることが知られている中で生じた変化であること

 そうした安倍晋三議員を中心とする政治勢力の影響力が頂点に達していた第2次安倍政権下の2014年度検定で、上記の説明付きの写真が掲載されているのを、是正させないまま検定合格としていることから、育鵬社版筆者たち((ボーガス注:日本教育再生機構理事長で、安倍政権下の審議会「教育再生実行会議」委員の)八木秀次氏など)と検定担当者たちが、政権に迎合するという点で一致した結果であると推認されること。

 当時の文科大臣は下村博文議員で、第1次安倍政権の官房副長官の時代から「検定は官邸から指示する」旨公言していたことで知られている。現・自民党政調会長の下村氏の責任も問われる案件であること。

 本件の写真掲載の場合、写真の説明に山田氏個人のフルネームを記述すべき合理的理由は見当たらず、(中略)検定における遵法精神の欠落が疑われること

 さらに、①のような「生存者については~」という指導とは別に明文化された規定の「検定基準」「各教科共通の条件」に「特定の企業、個人、団体の扱い」として「図書の内容に、特定の営利企業、商品などの宣伝や非難になるおそれのあるところがないこと」、「図書の内容に、特定の個人、団体などについて、その活動に対する政治的又は宗教的な援助や助長となるおそれのあるところはなく、また、その権利や利益を侵害する恐れのあるところはないこと」とあるのに、本件写真とその解説記述は明らかに反していること

 ①~⑥は、検定が客観的、公正、公平に実施されているとは言えないことを証明するものであり、こうした事態をより深刻にさせた安倍政権以降の検定行政及び政権運営の責任が問われる問題でもあること

 育鵬社文科省の責任とは別に、同教科書を採択した教育委員会は、結果として不適切な教材での学習を管内公立中学校に強制した責任についての対応が求められる案件であること。

という「実にふざけた話」が表面化していますね。「冤罪事件で話題にもなった」女性事務次官の村木氏ならまだしも、「女性首相秘書官(当時)」山田氏レベルで「女性の社会進出の一例」として取り上げるのは明らかに不自然です。明らかに育鵬社による安倍、菅へのこびへつらいです。「教育をおもちゃにするのも大概にしろ」と怒りを禁じ得ません。

 当時官房長官だった菅氏は山田氏について周囲に「総務省初の女性次官にしてやる」と語っていたという。
 その後、総務省で官房長や総務審議官などいずれも女性初のポストを歴任してきた。
 女性官僚の出世頭といえる。

 「菅に媚びへつらう人間性」はともかく才能自体はある人物なのでしょう。
 なお「女性、事務次官」でググったら以下の「2人の方」がヒットしたので紹介しておきます(例の冤罪事件の影響で、ヒットする記事のほとんどは村木氏の関係です。松原氏についても「村木氏の前に、初の女性労働事務次官」という紹介のされ方です)。他に女性事務次官がいるかどうかは分かりません。

松原亘子 - Wikipedia
 1941年生まれ。1959年、東京都立日比谷高等学校を、1964年、東京大学教養学部を卒業し、労働省入省。当時、上級職で採用された女性は少なく、同期採用の女性上級職は厚生省の横尾和子*2ら数えるほどであった。
 入省後、労働省婦人局長、労働基準局長、労政局長を経て、1997年に女性初の労働事務次官に就任したが、これは同期入省の七瀬時雄次官の後を受けて事務次官に就任した珍しい事例となる。「次官の同期は去る」という霞ヶ関のルールを覆し、次官に就任した理由は、男女雇用機会均等法育児休業法、介護休業法(現在の育児介護休業法)などの策定に中心的に関わった松原を就任させなければ、以後、「女性次官は現れてこないだろう」と言われる逸材であったからとされている。
 退官後の2002年には、駐イタリア大使(アルバニア大使、サンマリノ大使兼務)を務めた。この人事は、外務省が「外務省機密費横領問題(松尾克俊・外務省要人外国訪問支援室長(当時)が業務上横領で懲戒免職、起訴され有罪判決。川島外務事務次官(当時)が引責辞任などの処分)」「ムネオハウス問題」など不祥事で世論から批判を浴びる中、G8国(米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア)の大使ポストの1つを外務官僚以外から出すようにと、政権与党から外務省に要求があったことによるといわれる[要出典]。その後も、日本障害者雇用促進協会(現:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構)会長、日本中小企業福祉事業財団会長、三井物産電通社外取締役などを歴任。
 「亘子」は「のぶこ」と読むが、ニックネームは「亘子」をそのまま音読みした「たんこ」。

村木厚子 - Wikipedia
 1955年生まれ。1974年に 土佐高等学校を、1978年に 高知大学文理学部経済学科を卒業し、労働省に入省。厚生労働省雇用均等・児童家庭局長、社会・援護局長などを経て、2013年に松原亘子事務次官(労働事務次官)から16年ぶり2人目となる女性の事務次官(厚労事務次官)に就任。
 退官後も伊藤忠商事社外取締役、学校法人大妻学院理事、障害者雇用企業支援協会顧問、三菱UFJ信託芸術文化財評議員、学校法人土佐中学校・高等学校理事、津田塾大学総合政策学部客員教授SOMPOホールディングス監査役などを歴任。
◆エピソード
 『名探偵コナン』のファンで、アニメ版は夫に録画してもらい10年以上視聴している。後に冤罪証明の決め手となった事実は、コナンになりきって捜査報告書を読んだことから発見できたとジョークを飛ばしている。
◆テレビドラマ
 TBS「私は屈しない〜特捜検察と戦った女性官僚と家族の465日・お母さん負けないからね!」(2011年1月31日)
 村木をモデルとして創作されたオリジナルドラマ。原案は文藝春秋2010年10月号に掲載された江川紹子のルポ「私は泣かない、屈さない〜厚生労働省女性キャリア幽囚163日」。田中美佐子が主演。
◆著書
『あきらめない:働くあなたに贈る真実のメッセージ』 (2012年、日経BP社)
『私は負けない :「郵便不正事件」はこうして作られた』(2013年、中央公論新社
『日本型組織の病を考える』 (2018年、角川新書)
『公務員という仕事』 (2020年、ちくまプリマー新書

*1:まあ、話は違いますが「存命の人物のイメージが後にがた落ち」と言う意味では「ロヒンギャ弾圧などやってない」と居直ったことで国際的非難を浴びたアウンサンスーチーノーベル平和賞受賞者)、オウム麻原に1億円もらったことで、オウムへのおべっかを放言し、オウム犯罪を助長したダライラマ14世(ノーベル平和賞受賞者)などもそうした一例です。ダライについては、以前、拙記事「オウム問題から逃げ続けた人間」?。ああ、「麻原から1億円もらった」ダライラマのことですね、Mukkeさん(毒) - bogus-simotukareのブログで批判しました。

*2:社会保険庁長官(初の女性長官)、アイルランド大使、最高裁判所判事(日本で二人目の女性最高裁判事。なお、初の女性最高裁判事労働省出身(元労働省婦人少年局長)の高橋久子)など歴任(横尾和子 - Wikipedia