高世仁に突っ込む(2020年9/18日分)

菅さん、職務や地位を私的利益のために用いていませんか? - 高世仁の「諸悪莫作」日記

 安倍内閣の一つの負の遺産は、まともな官僚たちをつぶしていったことだ。
 菅氏は自分の最大の実績として「ふるさと納税」導入を誇っているが、これに異を唱えた総務省の平嶋彰英自治税務局長(当時)は自治大学校長に異動になった。事務次官候補だった平嶋氏が左遷された形だった。
 平嶋氏が「報道特集」の取材に応じて以下のように語っている。
(中略)
 平嶋氏の左遷人事のあと、省内では「官邸に何言ってもダメ」という雰囲気ができたという。
 退任したあとまで誹謗をやめないしつこさも。元文科事務次官前川喜平氏が、加計学園問題に絡んで「総理の意向」と記した文書を「本物」と認めると、「(ボーガス注:天下り斡旋問題で次官を引責辞任した際に)地位に恋々としがみついていた」と異様な個人攻撃まで菅氏は行った。

 TBS「報道特集」の菅批判は大いに称えたいと思います。何故か、その報道特集拉致問題では「特定失踪者」など、荒木ら巣くう会の言い分しか垂れ流さないことや「TBSワイドショーは政権べったりで酷いこと」は実に不愉快ですが。
 さて、ここだけ読めば一応「高世の物言い」は「正論ではある」でしょうが「良くも高世もこんなことが言えたもんだ」「お前が言うな!」と心底呆れます。
 退官は小泉内閣時代なので、「安倍内閣が潰した」わけではないですが、「安倍(小泉内閣官房副長官自民党幹事長(小泉総裁時代)、官房長官)が潰したまともな官僚」としては田中均・アジア大洋州局長がいます。
 アジア大洋州局長(2001年以前はアジア局長)とは「かなりの重要ポスト」で「事務次官になる可能性が充分ある」。
 実際、アジア大洋州局長(前身のアジア局長を含む)経験者の「事務次官」は

【田中氏以前のアジア局長(アジア大洋州局長の前身)で後に事務次官(田中氏の先輩)】
須之部量三 - Wikipedia
 外務省アジア局長、駐オランダ大使、駐インドネシア大使、駐韓国大使などを経て、1981年に外務事務次官に就任。
川島裕 - Wikipedia
 駐韓公使、外務省アジア局長、総合外交政策局長、駐イスラエル大使を経て、外務事務次官。しかし次官在任中に発覚した外交機密費私的流用事件や鈴木宗男疑惑によって事実上引責辞任。次官辞任後は宮内庁式部官長、侍従長を務めた。
【田中氏以後のアジア大洋州局長で後に事務次官(田中氏の後輩)】
薮中三十二 - Wikipedia
 シカゴ総領事、外務省アジア大洋州局長、外務審議官等を経て、外務事務次官
佐々江賢一郎 - Wikipedia
 外務省経済局長、外務省アジア大洋州局長、外務審議官、外務事務次官、駐米大使などを歴任
齋木昭隆 - Wikipedia
 外務省アジア大洋州局長、駐インド大使、外務審議官を経て外務事務次官
杉山晋輔 - Wikipedia
 外務省アジア大洋州局長、外務審議官、外務事務次官、駐米大使などを歴任

がいます。実際、田中氏の「拉致被害者帰国」「日朝平壌宣言」という業績は「事務次官に出世するに値する業績」でしょう。
 ところが、そんな人間が「建前は自主退官」だが、どうみても「救う会、家族会、拉致議連」や「彼らと呼応する安倍」の「田中を左遷しろ」という圧力に屈した小泉政権の「肩たたき」によって渋々早期退官に追い込まれる。平嶋氏は「左遷された」とはいえ退官したわけではなく、「キャリア級ポスト」だからまだいい。
 「事務次官に出世するに値する業績」を上げながら不当にも、「退官に追い込まれて、外務官僚としての道をたたれた田中氏」「事情が事情なのでいわゆる天下り先も政府からは勿論用意されなかったであろう田中氏(当然、田中氏が築き上げた人脈で、自分の力だけで退官後の地位を築いてきたのでしょう)」がどれほど無念だったことか。彼が在野の外交評論家として、退官後『日本外交の挑戦』(2015年、角川新書)、『見えない戦争』(2019年、中公新書ラクレ)といった著書を刊行するなどそれなりに活躍していることは「せめてもの救い」ですが。
 高世の

 平嶋氏の左遷人事のあと、省内では「官邸に何言ってもダメ」という雰囲気ができたという。

をもじれば、「田中粛清」を見ていた外務官僚は

 刀剣友の会事件での被害(田中氏の元に脅迫状)及び田中氏の左遷人事のあと、省内では「救う会、家族会言いなりの官邸に何言ってもダメ」「小泉訪朝の功労者・田中氏ですら粛清される」「救う会や家族会の言いなりでしか拉致問題では動けない」という雰囲気ができたという。

でしょうねえ。
 しかも田中氏の場合は「刀剣友の会事件」と言う犯罪被害に遭い、その犯人が「救う会地方幹部」と後に判明したにもかかわらず、救う会からは「我々の組織から犯罪者が出て申し訳ない」という「田中氏への謝罪」は「今もなし」です。それどころか、事件発生当時、「テロに遭っても自業自得」という趣旨の田中誹謗を救う会や家族会はしていたのだから心底呆れます。
 田中氏を左遷し、北朝鮮への経済制裁を始めたことで「日朝交渉」は完全に挫折し、拉致は今に至るも解決どころか「小泉訪朝(2002年)から18年経った今」も膠着状態です。それについて家族会や救う会を持ち上げることしかしなかった高世は今「田中氏の早期退職はまずかった」「あれは明らかに救う会や家族会の田中非難に屈した政府の肩たたきだろう」「そう批判できなかった当時の自分を悔いている」「私は救う会や家族会の太鼓持ち、提灯持ちでしか無かった」という反省の弁は無いのか。

 退任したあとまで誹謗をやめないしつこさ

とまで「加計告発への報復(菅官房長官のリークがネタ元としか思えない読売の前川バー通い報道など)」で菅を非難するなら、「外務省を退官した田中氏」を、田中氏が「現在も日朝交渉路線支持者」であることもあって、未だに北朝鮮シンパであるかのように誹謗する家族会や救う会を「田中氏への誹謗は辞めなさい」「それで拉致が解決するんですか?」「むしろ小泉訪朝の立役者として蓮池夫妻、地村夫妻、曽我さんの帰国をもたらした彼に感謝したらどうなのか?」「制裁をいつまでも続けていいんですか?。むしろ田中氏の言うように、日朝交渉を進め、拉致被害者帰国をもたらすために制裁解除に踏み切るべきじゃないんですか?」などと少しでも批判したらどうなのか。そう言う思いは高世には何もないのか?
 ないんでしょうねえ。予想の範囲内ですが「家族会、救う会茶坊主」高世も呆れた馬鹿者です。
 その後、外務省が安倍によって「北朝鮮経済制裁」どころか、韓国相手の「ホワイト国除外」「フッ化水素水輸出規制」(これらは経産省も絡んできますが)といった無法までやらされてるのは今更言うまでも無いでしょう。「田中粛清」がそうした「安倍の無茶苦茶な外交」の出発点だったわけです。
 また「田中粛清」などという無法が通ったことがその後の「モリカケ」「桜を見る会」「アベノマスク」といった無法を「助長した疑い」もある。
 高世には

 菅批判すれば良識派ぶれると思ってるのか?。勘違いしてんじゃねえよ、バカ。菅の『平嶋氏左遷人事』より酷い『田中均退官』に事実上、加担した手前がふざけんな!。まず、手前は田中氏に謝罪しろ!。
 『官僚に無茶苦茶やらせてる』つうならその典型は、「総務省ふるさと納税」よりも「外務省がらみのホワイト国除外&フッ化水素水輸出規制」だろ!。なんでお前はそれ批判しねえんだよ!。救う会嫌韓国ウヨ連中(西岡会長、島田副会長、荒木特定失踪者問題調査会代表など)がそれを容認してるからか!

という怒りを禁じ得ませんね。恐らく高世に「田中氏退官」や「救う会、家族会の田中誹謗」について「どう思うか」直接聞けば「自主退官だ」と強弁するなどして「適当に話をはぐらかすか」、都合が悪いので黙りか、どっちにしろ「救う会や家族会を持ち上げて、彼らの田中誹謗に事実上、加担した高世の過去」についての反省の弁など絶対に出ては来ないのでしょう。高世については、その「腐った人間性」を心底俺は軽蔑しています。
 「ジンネットが倒産して良かった」と心の底から思います(と言うと高世はマジギレでしょうが)。