新刊紹介:「前衛」2021年4月号

 「前衛」4月号について「興味のある内容」のうち「俺なりに何とか紹介できそうな内容」だけ簡単に触れます。「赤旗記事の紹介」でお茶を濁してる部分が多いです。
http://www.jcp.or.jp/web_book/cat458/cat/
ジェンダー平等・新型コロナ対策:国民の声と国会論戦が政治を動かしている(田村智子*1
(内容紹介)
 ジェンダー平等、コロナ対策での日本共産党の活動が「国会質問」を中心に紹介されています。
【参考:新型コロナ】
コロナで女性苦境 支援を/NHK日曜討論 田村政策委員長が決意/女性の政治参加 総選挙で問われる
コロナ対策極めて不十分 冷たい政府予算案/志位委員長が会見
大規模検査で感染封じ込める戦略を/志位委員長が会見
医療機関支援拡充を/清水氏 崩壊防ぐため必要/衆院財金委
コロナ禍の医療崩壊 女性の困難/生み出した政治の責任重大/参院予算委 田村議員転換迫る
論戦ハイライト/コロナ禍医療 女性の困難 政策の根本転換を/参院予算委 田村議員の質問
宣言延長/塩川氏 五輪中止含め検討を/倉林氏 検査の拡充を前面に/衆参議運委

【参考:ジェンダー平等】
痴漢被害 深刻な苦痛/党都委ジェンダー平等委 調査結果を発表
別姓反対の丸川氏 極めて不適切な人事/小池書記局長が会見
国会議員の男女同数実現は民主主義の当然の姿/小池書記局長が訴え/クオータ制推進院内集会
緊急避妊薬 薬局での販売ぜひ/コロナ禍 女性の苦境浮き彫りに/市民団体が国会内集会 倉林氏が参加
【参考終わり】


◆危機的な医療体制、生活困窮者への抜本的支援を:現場の実態、声に即して(谷川智行*2
(内容紹介)
 これまた田村記事同様、「医療体制の充実、生活困窮者への抜本的支援」を中心にコロナ対策について論じられていますが詳細な紹介は省略します。


特集『森喜朗*3女性差別発言が示すものは何か』
◆息苦しい社会の土壌を変えていく(安田菜津紀*4
(内容紹介)
 森発言を契機にジェンダー平等について考えると言うことで三名の方のコメントがありますがその一つ目ですね。内容は多岐に亘っていますが、次のような指摘がありました。
1)森発言の後、二階幹事長が自民幹部会合に女性参加 二階氏/ただし発言権はなし、竹下元総務会長が朝日新聞『自民・竹下氏、再び「まさに男勝り」、橋本聖子氏めぐり』などという女性差別的言動をして「何故、総務会での発言権が無いのか?」「男勝りとはどういう意味か?」などと女性たちに批判されたことには「森発言批判後にこの言動とは自民党は何も分かってない」「森氏は氷山の一角にすぎない」と痛感した。
2)私の所属(?)する写真業界でも近年、広河隆一氏のセクハラ問題が発覚した。そう言う意味で「森氏の問題は氷山の一角にすぎない」「自分の周囲にも同様の問題が無いか」という問題意識が必要だと痛感している。


◆意思決定の場にどう女性を増やすか(中野晃一*5
(内容紹介)
 残念ながら「どう増やすか」について具体論は提示されずかなり抽象的な結論です。
 それは「何故増えないのか、その原因を分析し、増加を阻む阻害要因をなくす」「裾野を増やす(『いきなり女性教授を増やすことなど無理なのでまず、その前段階の助手、講師、准教授を増やす』、『女性重役を増やす前に女性中間管理職を増やす』『女性国会議員を増やす前にまず女性地方議員を増やす』などといったこと)」ということです。
 例えば小生が思うに「国会議員選挙」では「現職に有利な小選挙区制やいわゆる『べからず選挙』(現職はもちろん男性が多い)」「高額な供託金(女性は経済力の弱い候補が多い)」などが阻害要因としてあげられるでしょう。つまりは「小選挙区の廃止(中選挙区や比例選挙区の採用)」「供託金の廃止」などが「女性議員を増やす一方策」として考えられます。


ジェンダー平等へ日本の政治の根本を変える(畑野君枝*6
(内容紹介)
 畑野氏が共産党スポーツ委員会責任者ということで他の二人に比べて「森発言で露呈されたスポーツ分野での女性差別をどうしていくか」という論調がかなり強いコメントです。
【参考】
“いまこそジェンダー平等社会を”/畑野氏が森発言批判


霞が関を私物化し、政治を私した安倍・菅政権(上):官僚を「政権の奉仕者」へと変質させた内閣人事局批判(小松公生*7
(内容紹介)
 「霞ヶ関私物化」とは

◆安倍疑惑
「森友疑惑(財務省に不当な圧力をかけて国有地をただ同然の価格で森友学園にたたき売り)」「加計疑惑」「桜を見る会疑惑」「安倍友・山口某のレイプもみ消し疑惑(警察に不当な圧力)」「アベノマスク疑惑(ユースビオ疑惑)」「持続化給付金疑惑(電通疑惑)」
◆菅疑惑
東北新社疑惑(東北新社重役である菅の息子が総務官僚を接待)」

ですね。
 正直、書いていて「金脈問題での田中退陣」「リクルート事件での竹下退陣」「佐川疑惑での細川退陣」「故人献金疑惑での鳩山退陣」のように「不祥事退陣に追い込まれてもおかしくなかった疑惑を山ほど抱えた」安倍のゲスさに怒りを覚えると共にあんな男が長期政権だったことに屈辱を禁じ得ません。
 とはいえ今回の小松論文ではそうした疑惑それ自体の批判では無く「内閣人事局制度」が「そうした不祥事を助長したのでは無いか」としてもっぱら内閣人事局制度への批判がされています。
 たとえば

◆森友問題で安倍をかばい続けた佐川財務省理財局長の国税庁長官への出世(ただし世論の批判で佐川は退官に追い込まれるが)
◆「自民党の守護神」と呼ばれ検察幹部として森友捜査で逮捕者が出ないよう、大阪地検特捜部に圧力をかけ続けたとされる黒川弘務の東京高検検事長への出世(黒川を更に検事総長にすることを安倍は画策するが、賭け麻雀問題で黒川が引責辞任
◆レイプもみ消し疑惑の中心人物である中村格警察庁次長(警察庁ナンバー2、次の警察庁長官最有力候補)への出世
◆森友疑惑発覚当時、安倍昭恵付き秘書官だった「経産省官僚」谷査恵子(ノンキャリア)の経産省産業技術環境局国際室筆頭補佐への異例の出世(例えば週刊文春2020年8/27号『森友疑惑のキーパーソン「安倍昭恵夫人付き」谷査恵子氏がイタリアから経産省本省に栄転』参照)

などが安倍らによる「内閣人事局制度の悪用事例」として紹介されます。まあ、「お気に入りの官僚が重用されることそれ自体」は大なり小なり昔から有りますが、安倍の場合、このように「政策実現」への功労賞ではなく「犯罪や不正への荷担」への功労賞ですからね。完全に常軌を逸しています。
 しかし、全くもって

高校生、大学生、警察庁に入庁したばかりの中村格が現在の自分を見たら、ああいうクズにだけはなりたくないと思ったろう - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
 警察官僚のトップになれるなら、ぜひ同じことをしたいとはたぶんですが、考えなかったんじゃないんですかね。その程度には、若き日の中村はまともな人間だったでしょう。いやー、初心忘れるべからずなんていう古典的な格言を、こいつほど体現している人間も珍しいんじゃないんですかね。まったくもってどうしようもない馬鹿でクズです。

ですよねえ(実際に中村は警察のトップが見えてきたわけですが)。こんなクズが警察庁次長(警察庁ナンバー2、次の警察庁長官最有力候補)てのも嘆かわしい限りです。
 ちなみに「不正もみ消しへの加担での論功行賞」パターンほど酷くは無い(一応、「ふるさと納税」という政策問題での対立ですので)でしょうが、菅については以前高世仁などが批判した

菅さん、職務や地位を私的利益のために用いていませんか? - 高世仁の「諸悪莫作」日記
 安倍内閣の大番頭だった菅義偉氏は、その先頭に立って意に添わぬ官僚を脅し排除した。だから菅内閣発足で官僚が恐れおののいているという。
 菅氏は自分の最大の実績として「ふるさと納税」導入を誇っているが、これに異を唱えた総務省の平嶋彰英自治税務局長(当時)は自治大学校長に異動になった。事務次官候補だった平嶋氏が左遷された形だった。

菅義偉は東条英機になる? - 高世仁の「諸悪莫作」日記
 総務省自治税務局長だった平嶋彰英氏が、興味深い指摘をしたインタビュー記事があった。
 平嶋氏は、このブログでも紹介した「忖度しなかった」官僚。菅官房長官肝いりのふるさと納税に異を唱え、(ボーガス注:自治税務局長から『格下のポスト』とされる自治大学校長へ)左遷された人である。

「内閣人事局をブラックボックス化」 問題指摘し左遷 元官僚語る:東京新聞 TOKYO Web
 菅首相が「実績」と誇るふるさと納税の問題点を指摘して左遷されたとされる元総務官僚の平嶋彰英・立教大特任教授(62)に話を聞いた。
◆記者
 かつてふるさと納税を担当する総務省幹部だったが異例の人事で転出した。
◆平嶋氏
 官房長官だった菅さんから2014年に、寄付金の上限額の倍増や手続きの簡素化などを指示され、返礼品競争の過熱や、高所得者への過度な優遇になるという課題を指摘したら、反対したということにされて飛ばされた。
◆記者
 菅首相官房長官の時に左遷を否定した。
◆平嶋氏
 菅さんは国会で『事実無根』と答弁したが、官邸が私の人事を止めたのは事実だと思う。当時の高市早苗総務相が官邸に人事案を上げたら、私だけバツを付けられたということで『ふるさと納税で菅ちゃんと何かあったの』と心配されたことがあった。菅さんが内閣人事局ブラックボックス化してしまった。
◆記者
 菅首相は政策の方向性に反対する官僚には「異動してもらう」と述べた。
◆平嶋氏
 これまで以上に物を言いにくくなり、首相やその周辺の意見で物事が決まるようになる。『おれが言っているからやれ』では、法治国家ではなく、人治だ。政治主導を履き違えている。
◆記者
 ふるさと納税では最近、問題が相次いだ。
◆平嶋氏
 菅さんは当初『お世話になった古里への恩返し』と説明していたが、懸念した通り自治体の返礼品競争で(ボーガス注:ふるさとでも何でもないところへの返礼品目当ての納税が横行し*8)全然違う状況になった。止めておけばよかったと忸怩たる思いだ。高所得者は税控除の優遇が大きく、肉や魚などを食べきれないほど受け取れるという問題は今も残っている。
◆記者
 菅首相に言いたいことは。
◆平嶋氏
 官僚が選挙で選ばれた政治家の決定に従うのは筋ではあるが、忖度させる恐怖政治のようなやり方はもう勘弁してもらいたい。
◆記者
 後輩の官僚に期待したいことは。
◆平嶋氏
 役人としてやるべきことをやって良心に恥じない行動を取ってもらいたい。私はふるさと納税で最終的に言われた通りにやって後悔しており、あまり偉そうなことは言えないが。もし妥協したら、後々歴史で裁かれるでしょうから。

という事件(『逆に菅らに刃向かったことでの左遷』パターン)も「官僚への恐怖支配の例」としてありますね(平嶋氏の件も小松論文で指摘されています)。しかし平嶋氏のような方には畏敬の念を覚えざるを得ませんね。比較するのも「平嶋氏に失礼」ですが中村格とは偉い違いです。


◆「少年法改正」少年の立ち直りを犠牲にする厳罰化(奥村千尋
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

主張/少年法の適用年齢/引き下げる理由は一つもない
 「少年だからといって甘やかさずに、罪を犯した者は厳しく罰するべきだ」と適用年齢の引き下げを主張する意見があります。しかし、これは大きな誤解です。
 少年事件の多くは、過失運転致死傷・道交法違反、万引き、けんかなどによる傷害です。成人の犯罪なら被害金額の多寡や示談の成否などが酌量され、多くは不起訴や罰金刑、執行猶予付きとなります。
 成人ならば服役しない軽微な犯罪でも長期に少年院に収容となるなど、成人より“厳しい”処分となるケースもありえます。
 非行少年は、その多くが成育環境や資質・能力にハンディを抱えています。少年院在院者の7割以上が家族などから虐待や暴力を受けた経験を持つとの調査もあります(法務総合研究所、01年)。こうした少年たちが更生し、社会に適応して自立していくうえでは、刑事訴訟的な判断だけでなく、個々の少年への福祉的・教育的な関わりが必要です。現行少年法のもとでの全件送致主義は、そのための有効な仕組みです。
 「選挙権も民法少年法も“18歳から成人”で統一すればよい」との意見もあります。しかし、年齢制限は本来、それぞれの制度や法の目的、社会環境などによって検討されるべきです。現に飲酒や喫煙は、健康被害や非行防止の観点から「20歳以上」が維持されました。若者の権利拡大と自立の促進に関わる選挙権や民法と、社会から逸脱した若者の処遇を定める少年法は、法の目的が全く違い、同列に論じられません。
 少年法の適用年齢を引き下げる理由は一つもありません。

少年法適用年齢下げ反対/与野党議員参加 弁護士、市民ら集会
 リレートークでは、児童精神科医の木村一優さんが、子どもの非行の背景に虐待などの問題があることを指摘しました。木村さんは「医学的立場ではむしろ、少年法の適用年齢は引き上げられるべきだと考える」と述べました。
「被害者と司法を考える会」の片山徒有(ただあり)さん*9は、「犯罪被害者の立場から被害者をゼロにするためにも、罪を犯した少年が立ち直れるよう環境を整える必要がある」と述べ、「適用年齢引き下げには当然反対」と述べました。

加害少年の実名報道を解禁方針 被害者側が「白紙撤回」要望:中日新聞Web
 法相諮問機関の法制審議会(内田貴会長)が、少年法を改正して十八、十九歳の少年犯罪について実名報道を解禁する方針を示していることに対し、犯罪被害者や遺族の支援を行っている「被害者と司法を考える会」が白紙撤回を求めた。加害少年への厳罰化は被害者側の痛みを軽減せず、犯罪と被害の再生産につながる、と訴えている。 (佐藤直子
 少年法は非行少年の立ち直りのためにある法律。子どもの立ち直りに大人が支援するのは当然で、そこに被害者も加害者もない」。
 先月三十日、東京・霞が関の司法記者クラブで開かれた会見で、「被害者と司法を考える会」代表のインテリアデザイナー片山徒有(ただあり)さん(64)はこう訴えた。

 以前も別記事で取り上げましたが

受刑者と月8回の対話 息子失った父が求める死刑廃止:朝日新聞デジタル
 交通事故で小学生の息子を失ったことをきっかけに犯罪被害者の支援をしてきた男性が、死刑制度の廃止をめざす市民団体の立ち上げに携わっている。遺族として、受刑者らと対話を重ねてきた結果、更生の可能性を信じるようになったからだ。「もう誰の命も奪ってほしくない」。31日の設立集会では、代表の一人として登壇する。
 男性は片山徒有(ただあり)さん(63)。1997年11月、小学2年の次男隼(しゅん)くん(当時8)が登校中、ダンプカーにはねられた。運転手の不起訴処分に疑問を持った片山さんが目撃証言や署名を集めて再捜査を働きかけたところ、検察は誤りを認めて起訴し、業務上過失致死罪で有罪が確定した。事件は犯罪被害者への対応を見直すきっかけにもなった。
 片山さんには当時、恨みや悲しみと同時に、運転手への恐怖があった。直接謝罪に来ることもなく、型どおりの手紙を送ってくるだけで、「モンスターのような人物なのでは」と思った。だが、弁護士の助言で会うと、拍子抜けした。青白い小柄な男性は、事態に困惑している若い父親だった。歩み寄れなかったが、「ごく普通の人」とわかっただけでも力が抜けた。

ひと:片山徒有さん=死刑廃止訴える市民会議の共同代表世話人になった | 毎日新聞2019.9.13
 今年6月に発足した「死刑をなくそう市民会議」の共同代表世話人となった。「生きていれば誰かの役に立つチャンスがあるにもかかわらず、国が命を奪うことには賛成できない」と死刑廃止を訴える。

ということで「お子さんを交通事故(業務上過失致死)によって失いながらも」こうした発言(死刑廃止少年法適用年齢引き下げ反対)が出来る片山氏の冷静さには「梵天丸もかくありたい」と思いますね。妻が殺されたことを契機に「死刑廃止論」の立場を放棄し、廃止論者を誹謗中傷するまでに落ちぶれた岡村勲などとは偉い違いです。

実名報道 解禁に反対/更生は現行法でこそ/少年法改定問題 自由法曹団が要請
 自由法曹団吉田健一団長)は6日、少年法改定問題で、衆院法務委員会の議員らに20歳未満への適用年齢引き下げと原則逆送(検察官送致)範囲の拡大、推知報道(当該事件の本人であることがわかる報道)の解禁に反対するよう要請しました。
 10月29日に出された法制審議会の答申は、少年法の適用年齢引き下げに結論を出さないまま、原則逆送の範囲拡大や推知報道の解禁を盛り込みました。吉田団長は、「この答申にもとづく法案が来年の通常国会に出されるということで、このような改定がされれば、少年の更生に重大な影響を与えかねない。少年事件にかかわってきた弁護士として反対の声をあげなくては」と話します。
 各議員控室を訪問した弁護士らは、答申のように原則逆送の範囲が広がれば、「万引きした少年が逃げるときに相手に軽いけがをさせてしまった」という場合も「強盗」として裁かれる可能性があること、実名報道によって少年の更生が阻まれるおそれなどを説明していきました。
 日本共産党藤野保史衆院議員は、「少年院を見学したが、少年法はうまく機能している。変えるのは問題だと考えています」とこたえました。

若年女性の支援拡充を/少年法改正 山添議員が要求/参院法務委
 困難な状況にある少女を含む18~19歳について、現行少年法は、将来罪を犯すおそれのある「虞犯(ぐはん)」として、少年院での矯正教育など保護処分の対象として、更生の機会を与えています。ところが、法制審の答申は対象としないとしています。
 山添氏は、少年院での矯正教育は、刑罰ではなく個人別の計画に沿った教育的処遇だと指摘。「虞犯」扱い後、少年院の教育を通じて更生した例を紹介し、「18歳、19歳を『虞犯』の対象としないことは、こうしたチャンスを奪いかねない」と指摘。

小池書記局長と山添議員対談(上)/少年法改定案・入管法改定案考える/少年の立ち直りの機会奪う


◆座談会『原発事故10年:被害者救済と原発なくす広範な共同のたたかいを』(河合弘之*10中島孝*11/中嶌哲演*12/中山裕二*13/馬奈木昭雄/森松明希子*14
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
東日本大震災・原発事故10年/現状・課題・支援策は/志位委員長、福島の市民らと懇談/オンライン
東日本大震災・原発事故から10年/“福島切り捨て”に対抗する運動を/志位委員長と福島の市民との懇談(詳報)



核兵器禁止条約の発効と「実効性」(大久保賢*15
(内容紹介)
 「核兵器禁止条約」を実効性が無いと『否定する意見』に
1)「実効性が無い」といわゆる「核五大国(米英仏露中)が言いつのること」それ自体が「実効性の証明」。実効性がないなら「無視してれば良い」はずだ
2)守られてない(というか核五大国が未批准で、核廃絶の意思を示してない)から実効性がないというなら「日本、米国、中国などが死刑を廃止しない限り」死刑廃止条約には実効性が無いのか(まあウヨは実際そう言う理屈で死刑廃止条約の意義を否定しますが)。北朝鮮(NPTを脱退)やインド、パキスタン(そもそもNPT非加盟)が核保有したら「NPTには実効性がない」のか。エジプトやミャンマーの軍事クーデターなど「反民主的、反人権的事件」を理由に「国際人権法(国際人道法)」に実効性が無いと言って良いのか。例えば、仮に「中国のウイグル統治」が一部の中国批判のように「民族差別的な物だ」と仮定して、それを理由に「民族差別を否定する国際法」は実効性を否定されるのか。仮に、一部のロシア批判のように「ロシア公安による政敵への毒ガス使用」が事実ならば「毒ガス使用を禁止した国際法」は実効性を否定されるのか。
 「サービス残業が横行していれば」、残業代支払いを定めた労働法は「実効性がない」のか。
 そう言う話ではないはずだ。「建前として違法」というのは決して軽い話ではない。だから、例えば「北朝鮮やインド、パキスタン核兵器を持ってるからNPTは無意味だね」ではなく「北朝鮮などはNPT体制に従え」と言う批判が出てくる
という指摘がされています。


◆PCR技術と基礎科学:コロナ下で知っておきたいこと(杜島拓)
(内容紹介)
 「杜島拓」でググっても記事がヒットしませんし、記事での経歴紹介は「今年、ある国立大学を定年退職」という「曖昧な物」なので、おそらくペンネームなのでしょう。個人的には実名で書いて欲しいと思いますが。
 内容は「PCR検査の平易な説明(とはいえ小生にとってはあまり平易ではないのですが)」という代物で政治的にデリケートな内容とも思えませんので。
 まあ、「PCR検査不足への批判」はあるにはありますが、それはこの論文のメインの内容ではありませんし、PCR検査不足批判は別に「左翼的」ではない。
 もしかしたら「内容が左翼的で無くても前衛(共産党機関誌)に書いただけでも悪口雑言するような反共ウヨが身内にいる(ので実名を書きたくない)」ということかもしれませんが。
 なお、筆者は参考文献として黒木登志夫*16『新型コロナの科学』(2020年、中公新書)を紹介しています。

参考

SUNDAY LIBRARY:三浦 天紗子・評『新型コロナの科学』黒木登志夫・著 | 毎日新聞
 新型コロナウイルスをめぐる本は数多く出ているが、本書は現時点での集大成と呼べる内容だと思う。全14章からなり、感染症の歴史に触れる序章を含め、新型コロナウイルスの基礎知識的なおさらいから始まる。情報が錯綜(さくそう)している症状や後遺症、致死率など、罹患(りかん)すると何が起きるかについてもわかりやすい。

新型コロナの科学 黒木登志夫著: 日本経済新聞
 巷(ちまた)にコロナ本は山ほどあれど、何はさておきまず読むべき一冊だ。感染症やコロナ・ウイルスの基礎から、日本を含め各国の対応、治療の見通しまで、必要にして十分な情報が、膨大なデータにもとづいて簡潔に述べられている。
 信頼できる専門家のチェックを受けている点も安心のポイントだ。「おわりに」の謝辞に登場する人物名の多いこと! このような、信頼できる情報源を多数持っていることが適切なリスク・コミュニケーションには欠かせない。著者の長年のキャリアが活きている。
 第7章で日本の対応におけるベスト/ワースト10が挙げられている。ワーストはPCR検査の不足が1位で、以下、厚労省、一斉休校、アベノマスク、首相側近の内閣府官僚……と続く。PCRについて私は当初、クラスター対策で時間をかせぎ、その間に検査の態勢を整える戦略なのだと思っていたが、どうもそうではないらしい。私も厚労省の説明にだまされていたか。
 ベスト10の上位は、国民、三密とクラスター対策、医療従事者、保健所職員、介護施設など。みなさんの感覚とも合っているのではないか。日本は諸外国に比べて介護施設での死者数が圧倒的に少ない。施設の頑張りのおかげだが、これには厚労省も貢献しているとのことだ。
 著者は構造的な問題も鋭く分析している。この20年間、感染症や公衆衛生関係の予算と人員は、中央でも地方でもひたすら減らされ続けてきた。保健所数は45%の減少。選択と集中の合い言葉のもと、このような「合理化」が進められてきたのだが、何を選択しどこに集中したら良いか適切に判断できない人たちが旗振り役だったことを本書は示している。
 現在進行形の事象について、修正のききにくい紙の書籍で情報を発信するのは勇気がいることだ。だが、ネットに散在する情報の中から信頼できるものを見極めて集めるのは、とても大変である。持ち運びに便利でひとまとまりになっている新書というメディアだからこそ、すぐに参照、確認できるわけで、このメリットは大きい。
 唯一残念なのは索引がないこと。新書の長所をフルに発揮するためにも、索引は欲しかった。だがそれがなくても、一家に一冊、必携のコロナ対応ハンドブックである。


◆ダム中心から住民参加の「流域治水」推進を(高瀬康正)
(内容紹介)
 各地の「脱ダムの動き」が紹介されています。

参考
【熊本・川辺川ダム】
熊本・川辺川ダム建設/知事 一転して容認/治水口実 山本党県議「民意でない」
川辺川ダム 熊本知事容認/共産党県委が抗議/生活・生業の再建が優先
流域全体見る治水こそ/熊本・川辺川ダム建設容認

【長崎・石木ダム】
人命軽視のダム反対/石木ダム問題 田村貴昭氏が住民懇談
石木ダム造らせない/長崎で集会 「強制収用あんまりだ」
長崎・石木ダム/現場に巨大土のう/工事強行警戒 住民座り込み

コロナで石木ダムの必要性増す? 市長発言の根拠ただす:朝日新聞デジタル2021年3月9日
 長崎県佐世保市川棚町に計画している石木ダムについて、同市の朝長則男市長が3月定例議会新型コロナウイルス感染症を引き合いに「事業の必要性・緊急性が高まっている」と発言した。計画に反対する川棚住民を支援する市民らは8日、「実態は逆。世論誘導的な発言だ」として根拠を示すよう市に申し入れた。市は即日、回答したが、市民らは「本質から外れている」として、再回答を求める意向だ。
 朝長市長は2月26日の施政方針説明で、石木ダムによる新規水源の確保について「昨今の感染症対策で求められる公衆衛生の役割や疲弊した市民生活や地域経済の中での渇水の影響を考えると、事業の必要性・緊急性はますます高まってきている」と発言した。
 しかし、市が議会に提出した資料で、今年度の2月までの11カ月間の給水量実績を、コロナ前の2019年度の各月と比べると、このうち7カ月はむしろ数%減っていた。
 石木ダム建設予定地の住民を支援する「石木川まもり隊」の関係者ら12人は8日朝、市役所前で市長発言に疑問を投げかけるビラをまき、市に市長発言の具体的な根拠や、こんごの給水量の見通しについて公開質問状を出した。
 まもり隊代表の松本美智恵さんは取材に対し、「在宅で家庭での水使用量は増えただろうが、休業や時短営業で事業所の使用量は減ったと思われ、データもそれを裏づけている。水使用が増えたという漠然としたイメージに便乗した世論誘導的発言だ」と指摘した。
 質問の回答期限は19日だったが、市は8日午後に回答を寄せた。質問状は一部の新聞報道に依拠したもので、報道にあった「公衆衛生面で水需要が高まると予測し」といった発言はしていないとする内容だった。
 まもり隊は「市長は『必要性・緊急性が高まっている』と言っており、これは水需要が高まるという意味と解するのがふつう。記事の表現の適否は別として、これでは私たちの疑問の本質に答えていない」と批判。改めて回答を求める考えだ。

【映画『悠久よりの愛〜脱ダム新時代』】
ダム問題の核心をつくドキュメンタリー映画完成 | ちきゅう座

ダム建設の功罪 考えるきっかけに 28日に日比谷図書文化館でドキュメンタリー映画上映会:東京新聞 TOKYO Web2021年1月24日
 ダム建設に揺れる地域にカメラを向け、人びとの声に耳を傾けたドキュメンタリー映画「悠久よりの愛〜脱ダム新時代」の試写会が二十八日、千代田区の日比谷コンベンションホール(日比谷図書文化館地下一階)で開かれる。制作した映画プロデューサーの矢間(やざま)秀次郎さん(80)=小金井市=は「ダム問題の功罪について考えるきっかけにしてほしい」と話す。 
 民主党政権時代に計画がいったん中止されるなど地元が翻弄され、昨年に完成した八ッ場(やんば)ダム(群馬県)のほか、日本で初めて撤去が実現した荒瀬ダム(熊本県)、地元住民が建設に反対し、長崎県が土地の強制収用に踏み切った石木ダム(同県)などを取り上げる。上映時間は百十分。

3月11日(木) 金子ハルオ先生の息子さんが作ったドキュメント映画を見てみたい:五十嵐仁の転成仁語:SSブログ2021.3.11
 昨日、都立大学経済学部時代にゼミでお世話になった金子ハルオ*17先生から電話をいただきました。息子さんがドキュメンタリー映画を作り、それが今日の『しんぶん赤旗』に紹介されていると仰るのです。
 その記事は3月10日付の7面に出ています。
 「ダムに頼らない 治水対策を模索」という見出しで、「映画『悠久よりの愛~脱ダム新時代~』金子サトシ監督に聞く」という表題がついていました。記事のリードは次のように書かれています。

 ダム建設に反対する人々を記録したドキュメンタリー映画「悠久よりの愛~脱ダム新時代~」が完成しました。水害や自然破壊を引き起こし、暮らしを脅かすダム問題の「今」を伝え、治水対策を模索する本作。金子サトシ監督は、地域住民への取材を重ねるなかで構想を深めていったと振り返ります。

 この映画では、宮城県新月ダム、群馬県八ッ場ダム、埼玉県の玉淀ダム、京都府の鴨川ダム、長崎県の石木ダム、熊本県の荒瀬ダムという6ヵ所のダム建設に対する反対運動が取り上げられています。
 ちなみに、ウィキペディアでは「金子ハルオ(かねこ・はるお、1929年2月3日~)は、日本の経済学者、東京都立大学 (1949~2011)・大妻女子大学名誉教授。門下に五十嵐仁*18がいる」と紹介されています。これは光栄で名誉なことですが、正確ではありません。
 私はゼミの指導教授であった塩田庄兵衛*19先生が都立大学を去られて後、金子先生に拾っていただいて卒業する際にも大変お世話になり、金子ゼミの卒業生で精神的には「門下」なのは確かですが、学問的にはそうではありません。もし、「門下生」として名前を出すのであれば、海野八尋*20金沢大学名誉教授や今は亡き長谷川義和さんを挙げるべきでしょう。


◆「『令和の日本型学校教育』の構築*21」とは何をめざしているのか(児美川孝一郎*22
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

「個別最適」と「協働」強調/中教審答申 ICTの日常活用 提言
 中央教育審議会文部科学相の諮問機関、会長=渡辺光一郎経団連副会長)は26日、今後の小中高校などでの教育についての答申を出しました。「令和の日本型学校教育」として、「個別最適な学びと協働的な学び」の実現、情報通信技術(ICT)の「日常的活用」を提言しています。
 今回の中教審答申は、産業界や経済産業省に、人工知能で子どもの学習記録を解析し、個別最適化された教材・プログラムを提供するといった教育を進めようとする動きがある中で出されました。
 答申は、「一人一人の子どもを主語にする学校教育」を目指すとし、個々の特性や学習進度、興味・関心などに応じた「個別最適な学び」を強調。同時に、それが「孤立した学び」に陥らないように、多様な他者と「協働」し他者を尊重する「協働的な学び」が重要で、異なる考えから学ぶことが大切と指摘し、経産省などとは一定の距離を置きました。
 1人1台の端末整備が進むICTの日常的活用を求め、子どもの学習履歴の蓄積・利活用も盛り込みました。同時にICTの活用自体が目的化しないようにするとしました。
 答申はこの他、少人数編成などきめ細かな指導体制の検討、特別支援学校の設置基準の策定を明記。小学校高学年への教科担任制の本格的導入や高校の普通科を多様な学科に改編することを提起しました。

 もちろん赤旗記事も前衛の児美川記事も答申を全否定などせず「少人数編成などきめ細かな指導体制の検討」などは評価していますが、「ICTの導入自体には反対しないがそれが都市と地方の格差助長やICT利権につながらないか」「「個別最適な学び」と「協働的な学び」をどう両立させるか。単に「協働的な学び」がただのお題目に終わり、「個別最適な学び」を口実にした弱者切り捨てのエリート教育推進になってはならない」などの注意は必要だろうとしています。


◆特別支援学校の過大・過密を解消する実効ある設置基準の策定を(佐竹葉子*23
(内容紹介)
 赤旗などの記事紹介で代替。
特別支援学校の設置基準/有識者会議受け検討/畑野氏質問に文科相が回答
特別支援学校に設置基準/中教審分科会 不足教室解消求める
特別支援学校 よりよい設置基準に/山下副委員長が教職員に聞く/滋賀
支援学校に設置基準必要/山下氏に文科相が明言

特別支援学校設置基準 シンポで交流/「今すぐ教室不足解消を」/全教など
 特別支援学校の設置基準をテーマに取材を続けている毎日新聞の田中理知(りち)記者は、切迫した状況であるとし「現状を広く知らせていきたい」と話しました。

社説:支援学校に設置基準 安心できる学びの環境を | 毎日新聞
 基準を作るだけでなく、設置自治体への財政支援を強化し、学校用地の取得や廃校舎の改修による活用を後押しする必要もある。
 国は、障害の有無にかかわらずすべての子どもが共に学ぶ「インクルーシブ教育」の推進を掲げている。だが、普通学校では、専門的な知識を備えた教員が足りないなど受け入れ体制に課題も多い。
 子どもと保護者が普通学校、特別支援学校のどちらに通うかを決める際、気兼ねや不安が先に立つようでは、選択の自由が保障されているとは言いがたい。
 将来を見据え、どの子どもも安心して学べる環境づくりを進めなければならない。

特別支援学校の教室不足対策 「1校2室以上」で転用や分割 毎日新聞全国調査 | 毎日新聞田中理知
 全国の公立特別支援学校で、理科室などの特別教室や会議室を普通教室に転用したり、教室を間仕切りで分けたりして使っているケースが少なくとも2783室あることが毎日新聞の取材で判明した。公立特別支援学校は1087校(2019年度)あり、単純計算で1校あたり2室以上になる。特別支援学校は在籍する児童・生徒数の増加によって教室不足に直面しており、苦肉の策で教室を捻出している実態が浮かんだ。

段ボールで間仕切り 特別支援学校の教室不足深刻 「設置基準の策定は悲願」 | 毎日新聞田中理知
 その教室は「壁」で二つに分割されている。壁といっても、既製の間仕切りにプラスチック板や段ボールをつなぎ合わせたもので教職員の手作りだ。教室不足を補うためだが、それぞれの「教室」は横幅3メートル程度。6人分の机や椅子、教材を置くと、残りは大人が1人通れるほどしかない。壁と天井には50~60センチほどの隙間(すきま)もある。「音に敏感な子もいるんですが……」。庄司伸哉校長は顔を曇らせた。
 こうした問題は全国各地で起きている。学校の整備が、児童・生徒数の増加のペースに追いついていないためだ。
 2019年度の全国の国公私立特別支援学校数は1146校で、この10年で116校増えた(約11%増)。一方、2019年度の児童・生徒数は14万4434人で2万7399人増(約23%増)。障害種別に合わせた専門的な教育を求める保護者が増えたことなどが要因とみられる。顕著なのは全体の9割を占める知的障害の子どもの数だ。視覚障害聴覚障害、肢体不自由などの子どもがほぼ横ばいなのに対し、右肩上がりが続く。
 文部科学省調査では、全国の公立特別支援学校の教室不足数は計3162室(19年5月1日現在)に上り、分割・転用教室などでしのいでいるのが現状だ。

学びのカタチ:教育改革の行方/1 特別支援学校の環境整備 教室幅3メートル、プラで壁 | 毎日新聞田中理知
 教育現場では今、複雑・多様化する社会に対応できる資質・能力の育成や個に応じたきめ細かな指導が求められている。そのためには、どのような教育体制を構築すべきなのか。中央教育審議会中教審)が来年1月にも出す答申に盛り込まれるとみられる主な項目のうち、特別支援学校の環境整備▽小学校での教科担任制導入▽高校普通科改革▽通信制高校の質の保証――について、関係する現場の実情や課題を4回にわたって報告する。


ジェンダー覚書:The personal is political『世界は日本の現状をどうみているか:女性差別撤廃条約第9回日本政府報告審議に向けて』(米沢玲子)
(内容紹介)
 来年に予定されている国連女性差別撤廃条約第9回日本政府報告審議(審査)について論じられています。

【参考:過去の審査及び関係ニュース】

日本政府の努力欠如に批判/国連の女性差別撤廃委員会/委員指摘「直ちに是正を」2016.2.18
 国連の女性差別撤廃委員会は16日、日本政府の条約実施に関する第7、8回報告を審議し、取り組みの遅れを厳しく指摘しました。
 前回の審議でただちに是正すべきと勧告されていた夫婦同姓や女性のみに課せられている再婚禁止期間などの民法の差別的規定の廃止が実行されていないと指摘。
 政府は、「重く受け止めたい」としながらも最高裁憲法判断にふれ、再婚禁止期間の短縮を実現、選択的夫婦別姓制度導入については「国民の意見が分かれており国民及び国会の議論を見守っている」と回答。前回同様委員から、「世論の動向に依拠するのではなく、条約違反として、政府がイニシアチブをとりただちに是正を」ときびしく指摘されました。

 なお、「夫婦別姓はともかく」国連女性差別撤廃委員会が「何度も何度も」要請してきた再婚禁止期間撤廃については

女性100日再婚禁止 撤廃へ/法制審部会試案 「嫡出推定」見直し2021.2.11
 法制審議会(法相の諮問機関)の親子法制部会は9日、父子関係の決定に関する民法の「嫡出推定」を見直す中間報告の試案をまとめ、女性に限った離婚後100日間の再婚禁止期間の撤廃を盛り込みました。法改正になれば、120年続く同法の性差別規定の廃止となります。この問題については、国連女性差別撤廃委員会の是正勧告を受けていました。日本共産党をはじめ野党が改正を求めてきました。
 現行の「嫡出推定」は1898年に制定され、離婚後300日以内に生まれた子を原則、元夫の戸籍に入れます。離婚直後に再婚して出産すると元夫と現夫とで推定期間の重複が発生するとして、女性にのみ100日間の再婚禁止期間を設けています。女性にのみ再婚を禁じるのは憲法に反し、戦前の男尊女卑の「家」制度の名残だと批判されてきました。
 試案は、結婚後200日以降に生まれた子を夫の子とする現行の規定について、同期間内であっても夫の子と推定すると改定。「離婚後300日以内」の規定は、例外として母親が再婚した場合には再婚相手の子にすると改め、再婚禁止期間の条文は「削除する」としました。
 現行法では、「嫡出推定」を覆すには、元夫が父子関係を否定する「嫡出否認の訴え」を起こす必要があります。このため、DVなど元夫の協力が不可能なもとで女性が出生届を出せず、子が「無戸籍者」となって支援を受けられない実態があります。「無戸籍者」は1月現在で901人に上ります。

ということでやっと撤廃の動きが具体化してきました。

主張/女性差別是正勧告/指摘を受け止め本気の改善を2016.3.20
 今回の審議で日本政府は、日本軍「慰安婦」をめぐる問題で異常な姿を示しました。日本政府代表団(団長・杉山晋輔外務審議官*24)は、“強制連行はなかった”“性奴隷という表現は事実に反する”“条約批准以前の問題だ。報告は必要ない”などの主張を居丈高に展開しました。女性差別撤廃委員からの厳しい批判とともに、審議をジュネーブで傍聴した日本のNGOから、「安倍政権下での異常な事態」という声が出されたのは当然です。

【国連女子差別撤廃委】男系継承を「女性差別」と批判し、最終見解案に皇室典範改正を勧告 日本の抗議で削除したが…(1/2ページ) - 産経ニュース2016.3..9
 国連女子差別撤廃委員会が日本に関してまとめた最終見解案に皇位継承権が男系男子の皇族だけにあるのは女性への差別だとして、皇室典範の改正を求める勧告を盛り込んでいたことが8日、分かった。日本側は駐ジュネーブ代表部を通じて強く抗議し、削除を要請。7日に発表された最終見解からは皇室典範に関する記述は消えていた。

【山本優美子のなでしこアクション(3)】男系男子は女性差別ですか? 国連を利用して皇室典範改悪を目論む勢力はまだ蠢いています(1/5ページ) - 産経ニュース2016.7.24
 皇位継承権が男系男子の皇族だけにあるのは女性差別
 そんな勧告が国連女子差別撤廃委員会から出されそうになり日本政府の抗議で削除されたというニュースをみなさん覚えてらっしゃいますか? 私はジュネーブで委員会に参加してその雰囲気が分かるので、今後も国連の委員会が同様の勧告を行うのではないかと不安に思っています。

共産・志位氏が「女性、女系」容認も他野党は難色(1/2ページ) - 産経ニュース2019.6.4
 共産党志位和夫委員長は4日付の機関紙「しんぶん赤旗」のインタビューで女性・女系天皇に賛成すると強調した。“皇室容認”の姿勢を示すことで、野党共闘の推進や無党派層への支持拡大を図る狙い*25がみえる。しかし、今回の皇位継承のあり方に反対するなど「天皇制廃止」から完全に転向したわけではなく*26、他の野党は共闘は難しい*27との考えが支配的だ。
 「日本国民統合の象徴である天皇を男性に限定する合理的理由はどこにもないはずです」
 志位氏はインタビューでこう答え、女性・女系天皇に賛成する立場を明らかにした。
 インタビューで志位氏は、天皇陛下をお招きしての国会開会式や元号について否定的に語っている*28。さらに「天皇とその制度を、(ボーガス注:日本国憲法は)主権者である国民の全面的なコントロールのもとにおくものとなっている」という憲法解釈*29を紹介するなど、他党との根本的な距離*30は縮まりようがない。
 男系継承の伝統を変えることになる女系天皇の実現は、見方によっては皇室廃止と同等の意味を持つことになり、共産党の従来の路線と矛盾しないとの声もある。

 ウヨの『河野談話否定論』「アンチ女性天皇」は全く常軌を逸しています。

 男系継承の伝統を変えることになる女系天皇の実現は、見方によっては皇室廃止と同等の意味を持つことになり、共産党の従来の路線と矛盾しないとの声もある。

てのは全く「はあ?」ですね。本当に冗談では無く「我々、日本共産党天皇制を一日も早くなくしたいので女帝反対です」「女帝導入では無くむしろ天皇制廃止こそが男女平等に資する」「天皇制廃止のためなら我が党は違法、反道徳的でない限りあらゆる対応を取る。女帝導入反対で産経など右派との共闘もあり得る」などと志位氏が言った方が「産経などウヨの反発」で「女帝導入が進むんじゃ無いか」とすら思いますね。
 何で「我々は天皇制廃止の立場だが、女性差別に反対なので天皇候補者が増えても女性天皇に賛成するby志位」と素直に理解が出来ないのか。


【参考:来年の審査】

森氏発言に国連女性差別撤廃委員会から照会 委員の秋月・亜大教授に:東京新聞 TOKYO Web2021年2月6日
 東京五輪パラリンピック大会組織委員会森喜朗会長による女性蔑視とも取れる発言*31について、国連女性差別撤廃委員会が関心を示していることが5日、撤廃委委員を務める亜細亜大の秋月弘子*32教授への取材で分かった。秋月氏が国外の撤廃委委員から、森氏の発言について照会を受けた。
 日本政府は、来年にも撤廃委に女子差別撤廃条約の履行状況について審査を受ける見通し。秋月さんに問い合わせてきたのは日本を審査予定の委員。秋月氏は今回の照会があったことを、外務省にも通知した。
 秋月さんは取材に「世界は森氏の発言を許さないだろう。(ボーガス注:森氏が会長を辞任しなければ*33抗議の意思表明で)参加を辞退する選手が出てくる可能性もある」と懸念。「森氏の発言は、日本の現状をよく表した事例。私たち一人一人も無意識の偏見がないか自問すべきだ」と語った。
 秋月さんによると、撤廃委の中には昨年12月に閣議決定した第5次男女共同参画基本計画の中で「選択的夫婦別氏(別姓)」の文言を削除した点が、ジェンダー平等の後退との指摘もあるという。


◆論点『民間市場に種を明け渡す種苗法改悪』(田村貴昭*34
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
種苗法改定案の参院委可決抗議/農民連など「種は命」
改定種苗法が成立/共・立反対 農業者の権利奪う/参院本会議


◆暮らしの焦点『コロナ禍の視覚障害者 生活の新たな困難』(山城完治*35
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

「対面読書」再開へ改善/東視協と共産党都議団 粘り強く運動 | 日本共産党東京都委員会2020.10,21
 東京都立中央図書館(港区)には視覚障害者が希望する資料を音訳者が対面で読み解く「対面音訳サービス」があります。視覚障害者の読書権を保障する大事なサービスですが、新型コロナウイルスの影響で2月29日から全面中止に。東京視覚障害者協会(東視協)や日本共産党東京都議団の粘り強い運動で全面再開へ、改善が進んでいます。
 東視協は日本共産党の星見てい子都議に相談。交渉設定の過程で図書館側は6月22日の再開を表明しました。
 9月23日、星見都議が交渉。図書館側はPHS簡易型携帯電話)とコードレスフォンの枠と、マイクとスピーカーを使う2枠に広げ、1日3時間まで、夜も午後9時まで利用可能にしましたが、「同室」での対面音訳サービスには至っていません。
 星見都議は話します。
「対面音訳は視覚障害者の生活を支え、命を守るうえで重要なサービスです。コロナ禍でも、今の狭い音訳室に限らず図書館施設全体で場所を探すことなども含め、感染防止対策をとりながら全面再開にむけ検討が必要です」

ホームドアさらに急げ/視覚障害者転落で東視協とあぜ上三和子都議が調査 | 日本共産党東京都委員会2020.12.04
 東京都江東区東京メトロ東西線東陽町駅視覚障害者の男性がホームから転落し、電車にはねられ死亡した事故(11月29日)を受けて、日本共産党の、あぜ上三和子都議は3日、東京視覚障害者協力会(東視協)の人たちと同駅を現地調査しました。
 あぜ上氏は視察後、「東西線は乗降客数が多く、事故の危険性も高い路線。つらい教訓を生かし、さらに前倒ししてホームドアを設置すべきです。それまでの間、保安要員を増やし、視覚障害者などを見かけたら積極的に声をかける体制を取るべきです」と話していました。

山添拓参院議員 障害者死亡の駅調査 | 日本共産党東京都委員会2020.12.29
 日本共産党の山添拓参院議員は27日、東京視覚障害者協会(東視協)のメンバーとともに、視覚障害者がホームから転落し電車にはねられ死亡(11月29日)した東京メトロ東西線東陽町駅江東区)を調査しました。
 山添氏は「ホームに出る階段の各降り口に駅係員を置くなど、駅員や警備員の増配置が必要だと感じた。電車の騒音を考えれば、簡易装置だけでなく肉声による放送で常時、警告することが大切だ」と語りました。

新型コロナ 視覚障害者への影響(2)福祉施設と盲学校 - 記事 | NHK ハートネット
 新型コロナウイルスの影響で休止せざるをえない福祉施設が増えています。東京で約80人の視覚障害者が通っていた「東京視覚障害者生活支援センター」もその一つです。病気や事故のために失明した人が、自立した生活を送ったり、働いたりするための訓練を行っていましたが、緊急事態宣言が発令される前日の4月6日から休止しました。利用者の多くが公共交通機関で通っていて、移動には手すりなどを触ることが欠かせないため、感染のリスクが高いと考えたからです。福祉施設の役割と感染の危険性とを天秤にかけた、苦渋の決断でした。
 いまの福祉制度では、利用者が通った日数に応じて、施設への報酬が支払われる仕組みになっています。そのため休止してしまうと収入がなくなり、経営は非常に厳しくなると施設長の長岡雄一さんは言います。
 こうした状況に対して、弁護士で全盲の大胡田誠さんは、福祉施設が存続するための支援を、行政が早急に検討することが必要だと訴えます。

WEB特集 静寂の街 消えた“耳印” | 新型コロナウイルス | NHKニュース
 市原さんにとって何よりも残念なのは、人が人との接触を恐れるようになってしまったことです。
 周りに声をかけても、素通りされたり、舌打ちされたりしたこともあったそうです。
 「触って確かめる」「触って助けてもらう」ことが当たり前の、視覚障害者の世界。距離をとられ、敬遠されるようになったことに、絶望さえも感じるといいます。

視覚障害者、細る援助 コロナ下「密」の壁: 日本経済新聞
 新型コロナウイルス禍による社会の変化で、視覚障害者が生活しづらくなっている。接触を避ける意識の高まりで、外出時に誘導や介助してもらえる機会が減少。多くの視覚障害者が働く鍼灸(しんきゅう)院の経営も苦しい。身体障害者手帳を持つ視覚障害者は全国で約32万6千人(2018年度)。当事者は「日常生活にも困ってしまう今だからこそ支援を」と訴えている。
「声をかけてくれる人が減った」。
 兵庫県視覚障害者福祉協会の大谷武会長(66)は実感を語る。
 「『新しい生活様式』に対応できない」。
 日本視覚障害者団体連合(日視連)の佐々木宗雅組織部長(71)も悩む。スーパーのレジに並ぶ際、以前は位置を教えてくれる人が多かったが、間隔を空けて並ぶ現在は「列が進んでいるか分からない」。駅のホームで援助を申し出る人も「以前の半分くらい」と話す。
 視覚障害者は飲食店から漂う匂いで場所を把握したり、商品を触って確認したりする場面も多い。現在はマスクで嗅覚が制限され、物に触れないよう求められ、以前の生活との小さな違いが大きなストレスになることもある。佐々木さんは「コロナ禍の今こそ、より積極的に声をかけ、手助けしてほしい」と強調する。
 視覚障害者の約3分の1が鍼灸やマッサージなどに従事する*36といわれる。兵庫県でマッサージ院を営む視覚障害者の男性(77)は「昨年春から来院者が半分以下に減り、現在はゼロの日もある」と嘆く。廃業して生活保護を受けると決めた同業の知人もいる。「一度休業すると来院者が戻らないとの恐怖もある」と赤字覚悟で営業を続ける。 
 飲食店で盲導犬同伴の入店を断られる事態も起きている。日本盲導犬協会は「盲導犬新型コロナウイルスを人にうつすのではないかという誤解が背景にある」とみる。
 同協会は「犬から人への感染事例報告はない」などとする啓発パンフレットを2020年に作成し、ホームページで公開した。

「接触」不可欠なのに… コロナ対策 戸惑う視覚障害者:東京新聞 TOKYO Web
 新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、できるだけ接触を避ける生活様式が広がる中、視覚障害者から戸惑いの声が上がっている。ソーシャルディスタンス(社会的距離)の確保やマスクの着用などで、視覚以外の感覚にも頼りにくくなっているからだ。当事者らは「触らないと分からない人もいることを知って」と理解と支援を求めている。
 全盲で、国立民族学博物館准教授の広瀬浩二郎さん*37(52)は「視覚障害者にとって『濃厚接触』を避ける今の風潮はつらい」と話す。
 人の手を借りて誘導してもらったり、物の場所を確認したり。視覚障害者は日常的に人や物に触れる。
 「感染予防は大事だが、触らないと分からない人がいることも知ってほしい」
 障害者の社会参加を支える一般社団法人「ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ」が四月に行ったアンケートでは、回答した視覚障害者七十一人の六割が「買い物やマスク、健康管理など生活面で不便を感じる」、半数が「人とのコミュニケーションで不安や心配を感じる」と答えた。
 自由回答では、「ガイドヘルパーと散歩に行くのも、感染対策で遠慮した」という声もあった。
 困っている視覚障害者を見掛けたら、どんな支援ができるのか。名古屋市総合リハビリテーションセンターの自立支援部長の田中雅之さん(47)らに聞いた。
 まず、マスクをする、対面では話さないといった日常の感染予防対策をした上で、今いる場所が分からず、立ち往生している人がいたら、「お困りですか?」などと声を掛けるといい。もし、気が付かなかったら軽く肩をたたく。白杖(はくじょう)や腕を引っ張らない。
 店や事業者には、床などにはる目印のテープをはっきりした色にする、案内表示の文字を大きくする、目立つ場所に置くといったことを推奨する。

コロナ禍に視覚障害者も困惑 開けっ放しのドア、開閉音なく分からない…「ほんの数分助けて」:東京新聞 TOKYO Web
 新型コロナウイルス禍で、駅ビルや飲食店の入り口などで立ちすくむ視覚障害者が増えている。普段はドアの開閉音を頼りに位置を認識し、出入りするが、換気で開けっ放しにされているため音が鳴らないのだ。東京都内では代替策として誘導ブロックを敷いた郵便局もあるものの、まだ1カ所。視覚障害者団体は「コロナ禍で接触がためらわれるだろうが、数分でいいので手助けを」と呼び掛けている。


◆スポーツ最前線『東京五輪 今夏の中止はなぜ不可避か 医師らの警告』(和泉民郎)
(内容紹介)
 赤旗などの記事紹介で代替。
赤旗
今夏の東京五輪は中止し、コロナ収束に全力を/代表質問で志位委員長
今夏の東京五輪中止しコロナ対策に集中を/共産党都議団が都に
東京五輪中止も含めた検討を/志位委員長

#五輪をどうする:「そこまでリスクを冒して開催すべきか」 医師が最も懸念すること | 毎日新聞2021.2.6
 東京五輪は開催できるのか。予測が難しいこともあり、専門家の間でも見解は分かれるが、感染症に詳しい、けいゆう病院(横浜市)の菅谷憲夫医師(73)は「もはや無理をして五輪の開催を目指す時期は過ぎた。中止すべきだ」と言い切る。
「貴重な医療資源を優先的に五輪に回していいのだろうかと。感染拡大でPCRなどの検査体制は追いついておらず、この先、ワクチン接種が始まれば、医療従事者はさらに忙しさを増す。医療現場はコロナ対策が全てではなく、高齢者や疾患のある患者への日常的な対応にも迫られている。
 昨秋までなら、医療資源を五輪に集中的に投じれば、物理的には開催は可能だと考えていた。
 正直、ここまで状況が悪化するとは思わなかった。新型コロナを巡る事態は本当にこの先、どうなるか予測するのが難しい。』


文化の話題
◆音楽:こんにゃく座の五十年(小村公次*38
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

Topics:こんにゃく座が創立50周年 「時間」に思いはせるオペラ 「森は生きている」 生の音楽と言葉の力 | 毎日新聞2021.2.8
 「新しい日本語オペラ」を旗印とするオペラシアターこんにゃく座が創立50周年を迎え、記念事業の第1弾として林光*39作曲「森は生きている」を上演する。同団の独参湯(どくじんとう)だが、眞鍋卓嗣の新演出でオーケストラを帯同し、全国4カ所を巡る「めったにない機会」。新型コロナウイルス下だが、「こんな時こそ、生の音楽と言葉の力を伝えたい」と音楽監督の萩京子*40は言う。
(この記事は有料記事です。)

 小生も無知なんで「独参湯」と言うのが意味が分からずググってみます。

独参湯とは - コトバンク
1 漢方で、人参の一種を煎じてつくる気付け薬。
2 《よく効くところから》歌舞伎で、いつ演じてもよく当たる狂言。ふつう「仮名手本忠臣蔵」をいう。

だそうです。
 「話が完全に脱線しますが」独参湯でググったら

Interview:ウエイン・イーグリング 見せ場を増やし定番脱却 新国立劇場バレエ「くるみ割り人形」 | 毎日新聞2017.10,23
 家族連れが詰め掛けるバレエ界の独参湯(どくじんとう)「くるみ割り人形」。

などもヒットしました。


◆演劇:青年劇場*41「鮮やかな朝」(鈴木太郎)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。「慰安婦問題や徴用工問題への安倍、菅政権の逆ギレ」によるホワイト国除外やフッ化水素水輸出禁輸などで日韓関係が悪化する「にもかかわらず」マスコミ*42が必ずしもこうした歴史認識問題や日韓関係問題で、強く政権批判しない今、「慰安婦」を題材とした演劇を行う志は高く評価したい。もちろん「志の高さ」と「芸術としての価値」は別ですが、見てないのでその点は何とも評価できません。

【参考:青年劇場

秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場
 1964年、日本新劇界のパイオニア秋田雨雀(あきたうじゃく)と土方与志(ひじかたよし) が戦後に育んだ俳優、演出家八人(朝倉喜久雄・伊東潤二・瓜生正美*43・小竹伊津子・中津川衛・西沢由郎・森三平太・矢沢邦江)を中心に結成されました。 劇団名にお二人の名前を冠しているのは、秋田雨雀ヒューマニズム土方与志のリアリズム、国際性豊かな舞台創造を受け継ぎ、さらにその遺産を今日の社会にいっそう 開花させたいという創立者たちの決意であり意思表示でもあります。そして、戦後土方与志が未来を担う若者たちに優れた演劇を提供しようと精力を傾けた「青年劇場運動」 によるシェイクスピアの作品によって出発しました。「青年劇場」という劇団名にはこの「青年劇場運動」と、「いつまでも青年のように」という思いが込められています。

 秋田は

秋田雨雀 - Wikipedia
 1921年、日本社会主義同盟に加わり、1924年、日本フェビアン協会*44設立に参加。1927年、ロシア革命の十周年祭に国賓として招かれてソ連を訪問。1929年、プロレタリア科学研究所所長。1940年検挙される。
 1947年、第1回参議院議員通常選挙日本社会党公認で青森地方区から立候補したが落選している。1949年共産党に入党。

ということでバリバリの左翼です。
 土方は

土方与志 - Wikipedia
 祖父・久元(1833年 - 1918年)は土佐藩出身で、維新後は宮内大臣、宮中顧問官、枢密顧問官(枢密院メンバー)などを務めて伯爵を授けられた。

という貴族の家に生まれながら

 日本プロレタリア演劇同盟の代表として、妻・梅子や佐野碩とともにソ連を訪問。ソ連作家同盟第1回大会で日本代表として小林多喜二虐殺や日本の革命運動について報告を行った(1934年8月28日)。その内容はまもなく日本に伝わり、同年9月に爵位を剥奪された。土方は帰国せず、そのままソ連に亡命。
 1937年8月、スターリンによる粛清が本格化したことで、土方は妻・梅子、佐野碩*45とともに国外追放処分を受け、モスクワからパリに亡命移住する。この間、日本国内では1940年8月、劇団員のほとんどが検挙され新築地劇団(土方が創設者の一人)は解散。1941年、土方は逮捕覚悟で帰国。直ちに治安維持法違反で検挙され、5年の実刑を受けた。
 終戦後は、出獄し日本共産党に入党。前進座舞台芸術学院で演劇活動を再開。スタニスラフスキー・システムを、日本の演劇界に導入することにも熱心であった。

ということで左翼演劇界に身を投じた興味深い人物です。土方の妻・土方(旧姓:三島)梅子も「横浜正金銀行(後の東京銀行の前身)頭取、日銀総裁を歴任した実業家・三島彌太郎」の娘だそうで「名門の家に生まれながら左翼運動に参加」と言う点は土方に似ています。

【参考:「鮮やかな朝」、飯沢匡ほか】 
 「朝鮮人慰安婦」の話だそうなので「鮮やかな朝」は明らかに「朝鮮」を意味してるでしょう。そういえば「朝が鮮やかな国・朝鮮」云々という「韓国旅行のキャッチコピー」が昔あった気がします。
 また「鮮やか」といえば

https://twitter.com/rimirinarisa/status/1332171119068016640
 #文が鮮明 な竹田恒泰さん

https://twitter.com/babyisblackifee/status/1350763670083538944
 トランプと安倍を繋いだのが#文が鮮明

https://twitter.com/buhikun/status/1358329790277722116
 #文が鮮明 #冗談はよしこさん*46

https://twitter.com/tomomachi/status/978130774183444480
 ネトウヨさんたちは統一教会世界日報で講演している櫻井よしこさんをなぜ韓国の回し者と攻撃しないのか。

という「文が鮮明」という「分かる人間は分かる皮肉」もありますね。しかし「反共だから」「カネくれるから」てだけで「霊感商法統一教会に媚びるような奴(例:櫻井よしこ)に「愛国」「保守」だの言って欲しくないですね。「よしこらのような統一教会と癒着するクズは、末期ガンでのたうちながら、死ねば良いのに」と心の底から思います。

民団新聞2021.2.10
 従軍慰安婦問題を扱った青年劇場の演劇「鮮やかな朝」が10日から、東京・新宿区の青年劇場スタジオ結での上演ほか、公演のオンライン配信が行われる。
 主人公は、アジア太平洋戦争の末期、韓半島から従軍慰安婦として連行されたノブコ(16)とアイコ(13)。学校の砂場で語り合う2人を通して、心の葛藤が浮き彫りにされる。
 森脇京子*47作の本作は、1993年度文化庁舞台芸術創作奨励特別賞を受賞し、1996年に日本劇団協議会主催の創作劇奨励公演として初演、1998年は韓国、日本、中国の共同演劇祭「BeSeTo演劇祭」で上演された。

元慰安婦の葛藤描いた舞台 21日までオンライン配信 青年劇場 /東京 | 毎日新聞2021.2.18
 戦時中、被害にあった元慰安婦の女性の葛藤を描いた、劇団「青年劇場」による舞台「鮮やかな朝」がオンラインで配信されている。21日まで。
 16歳のとき、朝鮮半島から連行された元慰安婦のノブコが主人公。終戦後、韓国に帰ることができず日本で生きるノブコが、自身の過去を重ねながら現代の女性たちの姿を見つめる…
(この記事は有料記事です)

駐日韓国文化院 Korean Cultural Center2006.7.5
 青年劇場は今年秋、日本が植民地政策の中で韓国・朝鮮に対して行った「創氏改名」の問題を正面から取り上げた梶山季之*48の小説「族譜」を、ジェームス三木氏に脚本・演出をお願いして、舞台化し公演する事に致しました
 青年劇場は長年にわたり、真の日韓文化交流に寄与できる作品づくりを目指し、上演活動を続けてきました。金大中氏の拉致事件を発端に、日本の戦後政治の「闇」の支配を風刺した「クイズ婆さんの敵」(1979年、飯沢匡=作・演出)や、更に豊臣秀吉朝鮮侵略と現実政権を鋭く風刺をした「お茶と刀」(1986年、飯沢匡=作・演出)をはじめ、朝鮮人の「従軍慰安婦」の問題を描いた「鮮やかな朝」(1996年、森脇京子=作 中野千春=演出 瓜生正美=演出補)の上演に至ります。この「鮮やかな朝」は文化庁創作戯曲奨励公演として初演し、後に「BeSeTo演劇祭」(1998年)でも上演致しました。2001年には韓国演劇界の重鎮、林英雄(イム・ヨンウン)先生を演出に招き、3名の韓国の俳優を客演に迎えて、先の大戦での「日本の加害責任への反省の上に立った日韓親善交流」を深めることを目的に「カムサハムニダ」(2001年、飯尾憲士「ソウルの位牌」より、瓜生正美=脚本)を上演致してきました。
 そして、昨年は「日韓友情年2005」にあたり、長年にわたり交流を深めてきた韓国の演劇界との友好関係を基盤に、韓国の芸術文化関係者と共同した記念事業として三浦綾子=原作の舞台化作品「銃口―教師北森竜太の青春」の韓国14都市24ステージの公演を成功させました。
 青年劇場公演「族譜」は、この長年にわたる青年劇場の日韓文化交流の経験の上にたって、さらに日韓両国の交流が文化を通じて豊かになる事を祈念して製作いたします。「心の侵略」「文化の侵略」とも言うべき「創氏改名」にまつわる歴史的事実を告発した梶山季之氏の小説を原作として、自らも韓国に生まれ少年時代を植民地時代の韓国・朝鮮で過ごしたジェームス三木氏が脚本・演出し上演いたします。

やっぱり腹立たしいなあ(CLACLA日記) : 第2CLACLA日記
 『飯沢匡喜劇全集』4<未来社>を読み進め、『円空遁走曲』と『多すぎた札束』の第一幕まで読み終えた。
 『多すぎた札束』は、ロッキード事件田中角栄(なにせ、主人公の名は棚岡格兵衛!)を皮肉りおちょくり鋭く諷刺したサタイアである。

陽気な黙示録を読み進めている(CLACLA日記) : 第2CLACLA日記
 『飯沢匡喜劇全集』4<未来社>も読み進め、『気丈な運転手を求む』を読み終えた。
 『気丈な運転手を求む』は、『多すぎた札束』の続篇にあたり、ロッキード事件に絡んで田中角栄の運転手が自殺したことを題材としている。

森繁久彌翁のインタビューを聴いた(CLACLA日記) : 第2CLACLA日記
 『飯沢匡喜劇全集』5を読み進め、『クイズ婆さんの敵』の第一幕まで読み終えた。
 『クイズ婆さんの敵』は、いわゆる金大中事件(1973年8月、当時韓国野党の代表的政治家金大中が、東京都内のホテルでKCIA要員によって拉致された事件)を搦め手から描いた作品である。

ダイアリー買うのも一苦労(CLACLA日記) : 第2CLACLA日記
 『飯沢匡喜劇全集』5<未来社>を読み進め、『クイズ婆さんの敵』を読み終えた。
 昨日記した金大中事件に加え、(ボーガス注:朴正熙側の韓国ロビー)岸信介への怒りも前面に押し出された作品だった。
 夕飯後、『飯沢匡喜劇全集』5を読み進め、『欲望の庫』の第一幕まで読み終える。
 『欲望の庫』は、KDD事件浜田幸一のラスベガス賭博疑惑を下敷きとした作品である。

業務用スーパー・タカギで買い物をした(CLACLA日記) : 第2CLACLA日記
 夕飯後、『飯沢匡喜劇全集』6を読み進め、『面倒なお客』を読み終えた。
 『面倒なお客』は、前進座河原崎国太郎のために書かれた作品で、731部隊ミドリ十字、薬害(エイズ)の問題などが題材となっている。

三連休最終日、河原町まで出た(CLACLA日記) : 第2CLACLA日記
 夕飯後、『飯沢匡喜劇全集』6を読み始め、『ブーフーウー殺人事件』を読み終えた。
 飯沢匡さんが深く関係したNHKの人気番組『ブーフーウー』を冠しているが、まあそれには大きな意味はない。
 いわゆる推理劇だが、ロッキード事件(おなじみ棚岡格兵衛)がとり入れられているあたり、やはり飯沢さんらしい。

【新書のきゅうしょ】「ロッキード事件」「連合軍占領下」日本の政治風刺分析 飯沢匡著「武器としての笑い」(岩波新書、1977年) (1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト(矢吹博志)
 著者の劇作家、飯沢匡(ただす)を知ったのは、70年代に「徹子の部屋」で黒柳徹子が自らの恩人としてゲストに迎えた時。彼が脚本を手がけたNHKラジオドラマ「ヤン坊ニン坊トン坊」のオーディションで黒柳を主演に選んで以来の縁だそう。
 「多すぎた札束」というロッキード事件を扱う喜劇も書いた著者は、日本には政治風刺の笑いが少ないと嘆く。一方、当時の私は(中略)その種の笑いを主張する飯沢を「うるさいジジイだな」ぐらいにしか思わない典型的なノンポリだった。
 本書にピンとこなかった初読時から数十年経つ。先日の漫才番組では、猫背でマイクに向い政治ギャグを飛ばすウーマンラッシュアワー村本大輔が一番フィットする。面倒臭そうなジジイだと感じた頃から幾星霜、当時の飯沢の年齢に近づいたのに気づく。彼には新興宗教を扱う「塔」、天皇制に触れた「もう一人のヒト」という作品もあるそうだ。古書店で探し読んでみたい。
※小欄では品切れ、絶版も含めた新書名作の“旧書”をご紹介。

 飯沢が左派だと言うことぐらいは知っていましたが何分「飯沢ファンでない」「演劇ファンでない」「ゴリゴリの左派でない」ので飯沢がそんなに政治ネタを演劇化していたとは知りませんでした。ちなみに「左派の飯沢」の父親は警視総監、台湾総督、東京市長、枢密顧問官(枢密院メンバー)などを歴任した戦前の右派政治家・伊沢多喜男 - Wikipediaというのも興味深い話です。
【参考終わり】


◆美術:双方向でつながるアートプログラムやイベントの可能性(朽木一)
(内容紹介)
 コロナの影響で進む「美術館のSNS利用」について論じられています。


メディア時評
◆新聞『ジェンダー平等への認識の遅れ』(千谷四郎)
(内容紹介)

森喜朗元首相を尊大にさせた政治記者たち~「女性蔑視」発言は今に始まったことではない - 高田昌幸|論座 - 朝日新聞社の言論サイト
 森氏*49のこうした発言は今に始まったことではない。
 今回の女性蔑視発言によってクローズアップされたのが、2003年6月26日に飛び出した発言である。当時の報道によると、森氏は鹿児島市で開かれた第19回全日本私立幼稚園連合会*50九州地区会設置者・園長研修大会に出席し、講演会などに臨んだ。森氏の立場はこのとき同PTA連合会会長*51だったが、2001年4月までは首相。一国のリーダーとして日本を引っ張っていく立場だった。
 会合では、少子化や子育てをテーマにしたシンポジウムも開かれている。司会はジャーナリストの田原総一朗氏。当時の報道によると、そのシンポジウムで森氏の問題発言は飛び出した。
 「言いにくいことだけど、少子化のいま議論だからいいますが、子どもをたくさんつくった女性が将来、国がご苦労さまでしたといって面倒を見るっちゅうのが本来の福祉です」
 そして、1000人を超える参加者を前に森氏はこう続けた。
 「ところが、子どもも一人もつくらない女性が、好き勝手とは言っちゃいかんけど、まさに自由を謳歌して楽しんで、年取って、税金で面倒見なさいちゅうのは、本当はおかしい」
 凄まじい女性蔑視である。ところが、筆者が新聞記事データベースの「G-Search」を使って「森喜朗」をキーワード検索したところ、この発言を翌日朝刊までに報じた新聞は1つもなかった。別のデータベース「ELNET」を使っても同様だ。
 このときの森発言が問題視されるのは、5日後の7月1日、社民党の山内恵子衆院議員(当時)らが森氏に抗議文を出してからである。
 発言の5日後まで森発言に全く触れなかった各紙は、山内氏らの抗議活動を伝える形で、この女性蔑視発言を初めて報じた。ただし、確認できた範囲では、ほとんどの記事が目立たたぬ扱いに終わっている。文字数は各紙ともおおむね300字前後。いわゆるベタ記事か、それに近い扱いだ。
 では、森氏の発言が飛び出したシンポジウムそのものも、新聞各紙は報じなかったのか。そんなことはなかった。催しに関する記事自体は掲載されている。ただし、力点が違った。実はこのシンポジウムでは、もう1つの重大な女性蔑視発言が行われていた。発言主は太田誠一*52。報道によると、太田氏は以下のように述べたとされる。もっとも、太田発言を報じた各紙も決して大きな扱いではない。シンポジウム翌日6月27日の産経新聞朝刊から全文を引こう(大阪本社版)。

 イベント企画サークルメンバーの早大生らが女子大生を集団暴行した事件について、自民党太田誠一総務庁長官が二十六日、鹿児島市内のホテルで開かれた少子化問題などをめぐる討論会で、「集団レイプする人はまだ元気があるからいい。まだ正常に近いんじゃないか」と述べた。集団暴行を肯定する発言とも受け取られかねない。
 討論会は、評論家の田原総一朗さんが司会を務め、森喜朗前首相らも参加。太田氏は少子化の原因を議論する中で「(男性に)プロポーズできる勇気がない人が多くなっている」と指摘。
 田原さんが「プロポーズできないから集団レイプする(のか)」と問い掛けたのに対し、「元気があるからいい」と応じ「そんなこと言っちゃ、また怒られるけど」と述べた。
 太田氏は討論会後、記者団に「『レイプは重大な犯罪で従来以上に厳しく罰せられないといけない』という言葉を付け加えようとしたが、時間とタイミングがなかった。残念だ。(一般的に)男性に元気がないということを強調した表現だった」と釈明した。

 森氏による「子どもつくらない女性、税金で面倒はおかしい」発言は、このレイプ容認発言も飛び出す中で行われていたのである。
 結局、かいつまんで言えば、全国メディアの記者は森発言の重大さに気づかず、スルーしたということである。政治の記者やデスクなどにすれば、首相やその経験者とは夜の懇談などを通じて長い付き合いがあり、オフレコの場で数々の放言を聞いてきたはずだ。そうした文脈からすれば、鹿児島での森発言を聞いても、「いつもの調子だな」とか、「聴衆のウケを狙っての発言だなあ」とか、そんな程度の認識しか抱けなかったのだろうと思われる。
 多くの人々は今更ながら愕然とするのではないか。女性蔑視などの問題発言に対する取材者の感度の鈍さや、政治の取材作法、その文化などは、今も変わっていないのではないか、と。
 東京五輪の大会組織委員長としての今回の森発言は、インターネットが浸透し、SNSのユーザーが相当数に達した現在だからこそ、瞬く間に国内外に拡散され、問題が急速に大きくなった。
 しかし、問題の急拡大は、政治記者の姿勢が変わったこととイコールではない。
 実際、今回最初に問題になった2月3日の発言についても、各紙は問題意識を全面に押し出したとは言い難かった。第一報となるはずの翌4日朝刊を見ると、例えば、朝日新聞は第2社会面トップで報じた*53ものの、記事は約420文字と短く、問題を重層的に扱うに至っていない。
 女性蔑視発言が表面化したとしても、「〜差別と受け取られかねない」「問題視されそうだ」といった、奥歯に物が挟まったような表現で“逃げ”を打つ。そうした姿勢は今も変わっていないのだ。

 ちなみに太田暴言を無理にかばおうとして飛び出したのが悪名高い「男は黒豹」発言(福田官房長官(後に首相))です(例えば女性べっ視発言/福田長官は公式釈明を/野党3党女性議員が申し入れ女性べっ視、憲法じゅうりん、侵略美化/相次ぐ暴言、自民の地金/公の場で“確信犯”発言参照)。まあ「男は黒豹」を割り引いても福田氏は「今の自民ではまともな政治家」と思いますが。

森喜朗氏の「女性蔑視発言」マスコミ報道のお粗末さ | メディア万華鏡 | 山田道子 | 毎日新聞「経済プレミア」
 森氏発言に関する報道はどうだったか。毎日新聞2月4日朝刊社会面の初報記事「『女性多い会議、長い』五輪組織委、森会長が私見」は、「女性蔑視とも受け止められる発言で波紋を広げそうだ」と書いた。
 「女性蔑視とも」という逃げ、「波紋を広げそうだ」というお決まりの表現に、問題の重大性をどこまで感じているか伝わってこなかった。

と言うことで当初、例の発言について、森批判の動きが弱かった日本マスコミについて「元首相、五輪組織委員会会長」と言う大物に「怯えた」だけでなく「ジェンダー平等への認識の遅れ」があるのでは無いかと批判しています。いずれにせよ、これらの指摘で分かるように発言当初から森がボコボコに非難されていたかのように言いつのる産経などウヨの物言いはデマでしかありません。


◆テレビ『政府言いなりのNHK』(沢木啓三)
(内容紹介)
 例の「森下俊NHK経営委員長」の「番組不当介入問題」が取り上げられています。

参考
かんぽ報道でNHKに圧力 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
赤旗
森下氏が委員に再任/NHK経営委 共産・立民が反対
ちきゅう座
NHKの自主自律の破壊者に成り下がった森下俊三氏の経営委員辞任を要求する | ちきゅう座澤藤統一郎
改めて要求する。「森下俊三のNHK経営委員辞任」と「議事録の全面公開」を。 | ちきゅう座澤藤統一郎
森下俊三NHK経営委員長の再任に断固反対する。 | ちきゅう座澤藤統一郎
「NHK経営委員会よ。森下俊三よ。公的機関としての自覚はあるのか」 | ちきゅう座澤藤統一郎

*1:参院議員。日本共産党政策委員長(副委員長兼務)

*2:日本共産党東京都委員会新型コロナウイルス対策本部長。共産党衆院東京4区比例東京ブロック予定候補

*3:中曽根内閣文相、自民党政調会長(宮沢総裁時代)、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)などを経て首相

*4:著書『君とまた、あの場所へ:シリア難民の明日』(2016年、新潮社)、『それでも、海へ:陸前高田に生きる』(2016年、ポプラ社)、『写真で伝える仕事』(2017年、日本写真企画)、『故郷の味は海をこえて:「難民」として日本に生きる』(2019年、ポプラ社

*5:上智大学教授。著書『戦後日本の国家保守主義』(2013年、岩波書店)、『右傾化する日本政治』(2015年、岩波新書)、『つながり、変える 私たちの立憲政治』(2016年、大月書店)、『私物化される国家』(2018年、角川新書) など

*6:衆院議員。日本共産党スポーツ委員会責任者(中央委員兼務)

*7:著書『原発にしがみつく人びとの群れ』(2012年、新日本出版社)、『政党助成金に群がる政治家たち』(2015年、新日本出版社

*8:バラエティ番組や雑誌なんかでも「ここの自治体は返礼品がお得!」とかやってますからね。

*9:著書『犯罪被害者支援は何をめざすのか』(2003年、現代人文社)

*10:脱原発弁護団全国連絡会共同代表。著書『原発訴訟が社会を変える』(2015年、集英社新書

*11:「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟原告団

*12:原子力行政を問い直す宗教者の会」世話人

*13:全国公害被害者総行動実行委員会事務局長

*14:著書『母子避難、心の軌跡:家族で訴訟を決意するまで』(2013年、かもがわ出版)、『災害からの命の守り方』(2021年、文芸社

*15:日本反核法律家協会事務局長。著書『「核の時代」と憲法9条』(2019年、日本評論社

*16:1936年生まれ。1996年、東京大学を定年退官し、名誉教授。2001~2008年まで岐阜大学学長(後に岐阜大学名誉教授)。2008年、日本学術振興会学術システム研究センター副所長(2012年からは相談役、2016年からは顧問)。著書『がん遺伝子の発見』(1996年、中公新書)、『健康・老化・寿命』(2007年、中公新書)、『落下傘学長奮闘記:大学法人化の現場から』(2009年、中公新書ラクレ)、『知的文章とプレゼンテーション』(2011年、中公新書)『iPS細胞』(2015年、中公新書)、『研究不正:科学者の捏造、改竄、盗用』(2016年、中公新書)( 黒木登志夫 - Wikipedia 参照)

*17:著書『生産的労働と国民所得』(1966年、日本評論社)、『資本論の学習』(1971年、新日本新書)、『サービス論研究』(1998年、創風社)など

*18:法政大学名誉教授、全国革新懇代表世話人。著書『徹底検証 政治改革神話』(1997年、労働旬報社)、『政党政治労働組合運動』(1998年、御茶の水書房)、『戦後政治の実像』(2003年、小学館)、『この目で見てきた世界のレイバー・アーカイブス:地球一周、労働組合と労働資料館を訪ねる旅』(2005年、法律文化社)、『活憲』(2005年、山吹書店)、『労働再規制』(2008年、ちくま新書)、『労働政策』(2008年、日本経済評論社)、『対決 安倍政権:暴走阻止のために』(2015年、学習の友社)、『活路は共闘にあり:社会運動の力と「勝利の方程式」』(2017年、学習の友社)、『打倒安倍政権:9条改憲阻止のために』(2018年、学習の友社)、『日本を変える:「新しい政治」への展望』(2020年、学習の友社)など。

*19:1921~2009年。 東京都立大学名誉教授、立命館大学名誉教授。著書『レッドパージ』(1984年、新日本新書)、『河上肇』(1991年、新日本新書)、『幸徳秋水』(1993年、新日本新書)、『私たちの自由民権運動』(1997年、新日本出版社)など

*20:著書『代替経済戦略:日米経済関係の過去と未来』(1990年、窓社)、『日本経済はどこへ行く』(1997年、花伝社)など

*21:中教審答申「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~(答申)(中教審第228号) 【令和3年3月30日更新】:文部科学省に出てくる言葉。

*22:法政大学教授。著書『若者とアイデンティティ』(2006年、法政大学出版局)、『権利としてのキャリア教育』(2007年、明石書店)、『キャリア教育のウソ』(2013年、ちくまプリマー新書)、『「親活」の非ススメ』(2013年、徳間書店)、『まず教育論から変えよう:5つの論争にみる、教育語りの落とし穴』(2015年、太郎次郎社エディタス)、『夢があふれる社会に希望はあるか』(2016年、ベスト新書)、『高校教育の新しいかたち』(2019年、泉文堂)など

*23:全日本教職員組合障害児教育部長

*24:役職は当時。後に外務事務次官、駐米大使を歴任

*25:そうした思惑が無いとは言いませんが素直に「男女平等の立場」と見なさない辺りが実に産経らしい。

*26:「今回の皇位継承のあり方に反対」したのは「儀式に政教分離原則違反の疑い」「儀式に金をかけすぎ」「皇位継承を口実に恩赦をするのはおかしい」などといったものであり全て「天皇制廃止」という話ではありません。反対の是非はともかく反共デマも甚だしい(なお、俺は「是」の立場です)。大体「女帝を容認すれば天皇候補者が増加し、少なくとも短期的には天皇制廃止に逆行する」のによくも馬鹿が言えたもんです。

*27:いやいやウヨ連中(国民民主や維新)が共闘しない理由は「九条改憲」「沖縄米軍基地問題」などであって「天皇制」云々などほとんど関係ないでしょう。

*28:これらへの批判は「天皇国家元首とする戦前のやり方を踏襲している」から「反民主的」と批判しているのであって、「是非はともかく」天皇制否定ではない(俺は是の立場ですが)。まあ、元号の場合「不便」と言う理由もありますが。

*29:志位氏の独自理解では無く、通説ですし、そのように理解するのは当然でしょう。それとも産経は「天皇憲法を超越した存在だ」「天皇憲法の制約を無視して政治的権限を行使しても構わない」とでも言うのか。

*30:おいおいですね。「現在の天皇制のあり方は戦前踏襲であり適切でない」という志位批判は俺は全く正当な物だと思いますが。もしそれで「他党(社民では無く立民、国民民主でしょうが)との間に距離が生じる」のであれば単に他党が「天皇崇拝の右翼政党だ」と言うだけの話で他党の方が問題です。

*31:「とも取れる」いらねえだろ、て話です(後で「とも取れる」は多くのメディアの記事からはなくなりますが)。自民党に批判的なリベラルの東京新聞ですら森発言発覚当初はこれです。

*32:著書『国連法序説』(1999年、国際書院)

*33:もちろん森はその後、批判に耐えきれず会長を辞任しました。

*34:衆院議員。日本共産党中央委員

*35:全日本視覚障害者協議会代表理事

*36:「時代劇に出てくる盲人」というと「鍼灸かあんま」が多いわけですが「今もそうなのか」感がありますね。

*37:著書『さわる文化への招待』(2009年、世界思想社)、『さわって楽しむ博物館:ユニバーサル・ミュージアムの可能性』(編著、2012年、青弓社)、『ひとが優しい博物館:ユニバーサル・ミュージアムの新展開』(編著、2016年、青弓社)、『目に見えない世界を歩く』(2017年、平凡社新書)、『それでも僕たちは「濃厚接触」を続ける』(2020年、小さ子社)など

*38:著書『徹底検証・日本の軍歌』(2011年、学習の友社)

*39:1931~2012年。長くオペラシアターこんにゃく座の座付き音楽監督を務めた。映画音楽も多数手がけているが、中でも新藤兼人監督作品は、1959年の『第五福竜丸』から遺作『一枚のハガキ』まで、そのほとんどを担当した。著書『日本オペラの夢』(1990年、岩波新書)、『私の戦後音楽史』(2004年、平凡社ライブラリー)など(林光 - Wikipedia参照)

*40:オペラシアターこんにゃく座代表、音楽監督萩京子 - Wikipedia参照)

*41:正式名称は『秋田雨雀・土方与志記念青年劇場』(秋田雨雀・土方与志記念青年劇場 - Wikipedia参照)

*42:産経、読売などといったウヨメディアには最初から何も期待していませんが。

*43:劇作家、演出家。青年劇場初代代表(瓜生正美 - Wikipedia参照)。

*44:日本フェビアン協会 - Wikipediaによれば安部磯雄(戦前、社会民衆党党首、社会大衆党委員長を、戦後、社会党顧問を歴任。早稲田大学初代野球部長を務め「学生野球の父」と呼ばれた)、菊池寛文藝春秋創設者)がメンバーですので「社民右派」なのでしょう。英国のフェビアン協会も社民右派ですし。

*45:1905~1966年。日本では「インターナショナル」の訳詞の作詞者として知られる。後半生はメキシコを拠点とした演劇活動に費やし、メキシコでは「メキシコ演劇の父」と称される(佐野碩 - Wikipedia参照)。

*46:櫻井よしこ統一教会とズブズブな事への皮肉

*47:代表作として、NHK連続テレビ小説『だんだん』(2008年9月~2009年3月)など(森脇京子 - Wikipedia参照)

*48:1930~1975年。著書『せどり男爵数奇譚』(2000年、ちくま文庫)、『族譜・李朝残影』(2007年、岩波現代文庫)、『地面師』(2018年、光文社文庫・昭和ミステリールネサンス)など(梶山季之 - Wikipedia参照)

*49:中曽根内閣文相、自民党政調会長(宮沢総裁時代)、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)などを経て首相

*50:今回、4億円の使途不明金が発覚した例の団体。

*51:現在の会長は河村建夫官房長官。どうも全日本私立幼稚園PTA連合会会長は自民党代議士の指定席のようです。

*52:小渕内閣総務庁長官、福田内閣農水相など歴任

*53:もちろん朝日に比べ自民党批判意識が弱い、日経、産経、読売がもっと酷いことは言うまでもありません。つうか産経に至っては森辞意表明後も公然とかばってますし。