今日の中国ニュース(2021年4月16日分)

中国ワクチン、発症回避67% チリ保健省が調査:時事ドットコム
 と言うことでチリの発表を信じるならば、「ファイザーアストラゼネカ、ロシアのワクチン」よりは有効性が落ちるようだが「有効性それ自体は充分ある(何もしないよりはずっとまし)」と言えるでしょう。もちろん「チリの調査結果」だけでは有効性について十分な判断はできないでしょうが、こうしたデータもなしに「中国ワクチン」に否定的な態度を取るのは合理的とは言えません。


ウイグル問題と日本企業

カゴメ、新疆産トマト使わず ウイグル人権問題に配慮: 日本経済新聞2021.4.13
 カゴメが中国の新疆ウイグル自治区で生産されたトマト加工品を製品に使うのを2021年中にやめることが13日、分かった。
 中国はトマトの生産が盛んで、カゴメ新疆ウイグル自治区からペースト状の加工品を日本に輸入して、ソース類の原料にしていた。同自治区からの輸入は20年中に停止した。輸入済みの原料については21年中に使用を終える。今後は同自治区から調達しない。
 ほかの国からの輸入で補い、生産に影響は出ない。ウイグル問題に絡み、取引停止などの措置に踏み切るのは日本の大手企業で初めてとみられる。
 国際連合食糧農業機関(FAO)によると、19年の中国本土のトマト生産量は、世界1位の6276万トン。全世界の生産量の約35%を占める。特に新疆ウイグル自治区は夏の日差しが強く、昼夜の温度差があることから、良質なトマト原料を生産できるとされる。
 スウェーデンのアパレル大手、へネス・アンド・マウリッツ(H&M)は20年9月、現地に工場を持つ中国企業との取引を停止すると表明した。
 カゴメは日本で製造した野菜ジュースなどを輸出しているが、中国本土での売上高はグループ全体の0.4%にとどまる。トマトの代替調達ができ、収益の中国依存度が低い点で、カゴメは取引停止を判断しやすい状況だったといえる。

無印良品、新疆綿の取引継続 社長は質問に答えず: 日本経済新聞2021.4.14
 生活雑貨店「無印良品」を運営する良品計画は14日、中国・新疆ウイグル自治区の人権侵害を巡る問題で、プレスリリースで「新疆綿」を使った衣料品の販売を続けることを公表した。
 オンラインで開いた決算記者会見で、財務担当の杉山孝太執行役員は「国際機関が発行するガイダンスにのっとり独立した監査機関に調査を依頼し、サプライチェーンに重大な問題点はなかった」とリリースを読み上げる形で販売継続は妥当であることを強調した。
 そのうえで「生産者が明確に特定できる綿花しか使っていないが、万が一法令や社内規則に違反した場合、取引を停止する」とした。
 ファーストリテイリング柳井正会長兼社長が4月8日の決算記者会見で、ウイグル問題に関しては何度もノーコメントを強調。
 ウイグル問題への発言が中国の世論の反発を強める恐れがあり、各社は対応に苦慮している。スウェーデンの衣料品大手へネス・アンド・マウリッツ(H&M)は3月下旬に大手通販サイトで商品が検索できなくなった。20年9月にウイグル自治区に工場を持つ中国企業との取引停止を公表したことが影響したようだ。米ナイキや独アディダスなどもネット上で非難を浴びる。
 カゴメ新疆ウイグル自治区で生産されたトマト加工品を製品に使うのを21年中にやめるが、中国本土での売上高はグループ全体の0・4%にすぎない。
 良品計画にとって中国は成長の柱で売上高の2割を占める。21年8月期の営業利益は中国を中心に東アジアで前期比55%増の266億円と、好調な国内事業とほぼ同じ利益水準を見込む。ファストリも売上高で台湾と香港を含む中華圏の割合は2割強を占める。対応を誤ると成長戦略に影響を及ぼす恐れもあり、板挟みとなっている。
 ロイター通信によると、中国の綿花生産量のうち8割以上がウイグル産。中国で事業を進める企業にとって代替調達先を探すのは容易ではないことも判断を難しくしている。

 ノーコメントで紹介だけしておきます。


【アジア見聞録】フィリピン、中国漁船停泊で閣僚の怒り爆発 親中ドゥテルテ大統領苦境に(1/3ページ) - 産経ニュース
 ドゥテルテの場合「親中国」というより「現実主義の策士」と見るべきでしょう(ドゥテルテの策への評価はひとまずおきます)。
 フィリピンと中国の関係は国力で考えれば、大河ドラマ真田丸」での「小大名にすぎない真田氏」と「大大名である上杉氏、徳川氏、北条氏」の関係のようなもんです。
 独力ではとても大大名と対決できない真田が「上杉、徳川、北条」と「つかず離れずの態度」でうまく利用しようとしたように、「独力ではとても大国と対決できない」フィリピン(ドゥテルテ政権)の態度も「米国、中国、日本」などと「つかず離れずの態度」で利用しようとしているだけです。
 当然ながら「真田が上杉、徳川、北条との決定的対立を避けた」ように、ドゥテルテは「産経が希望するレベルでの反中国」なんかしません。真田同様に「どっちつかずの態度を取って中国からできる限り譲歩を引き出す」というのが彼の立場です。