「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年7/7分:荒木和博の巻)

朝鮮半島をめぐる「六次方程式」(R3.7.8): 荒木和博BLOG

 令和3年7月8日木曜日のショートメッセージ(Vol.461)。南北朝鮮に日米中露、朝鮮半島をめぐる国際関係は「六次方程式」です。この複雑な状況を認識しながらどうしていくか、という話です。

 6分30秒程度の動画です。本文だけで見る気が失せますね。実際見る価値は全くありません。正直、くだらない無内容なことしか言ってない(後で多少簡単に触れます)。
 まあ、確かに一般論として「いわゆる、米国、南北朝鮮(韓国、北朝鮮)、中国、ロシアの6カ国協議参加国(関係諸国)」との関係をどう利用して解決していくかというのは大事な話です。
 例えば「小泉訪朝の成功」は

米国のキューバへの対応から、日本の北朝鮮への対応を考えてみる - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
>林東源は、小泉からのメッセージも金正日に伝える。「拉致問題に進展があれば、国民を説得して関係改善を進める意思がある」との趣旨だったという。
 林は「日本人拉致は『過去に過激な盲動分子がやったことだ』という程度に認め、遺憾の意を表し、早期の帰還措置を取るのがよい」という「金大中の考え」を伝えて説得したとも回顧録で主張している。

という「韓国政府を利用した外交工作」がありました。
 しかし

◆拉致を解決するには「経済制裁すればいい」と言い続け、「中国、韓国、ロシア」を「領土問題や歴史認識問題」などで敵視する
◆「特定失踪者は北朝鮮拉致」「山本美保さん遺体発見の発表は山梨県警の捏造」などとデマを垂れ流す

という「荒木のようなデマ野郎、反共・反中国、嫌韓国の極右野郎」がこんなことを言っても説得力は皆無です。
 小泉訪朝を実現した田中均氏ならまだしも。実際、荒木は「六次方程式」云々と自分から言いながら「特定失踪者問題調査会や予備役ブルーリボンの会(どちらも荒木が代表の極右団体)は外交権限がない(方程式を解ける立場にない)」「とにかく我々ができることをするしかない」として自分から持ち出した「六次方程式」話を何と「まともに議論しない」から呆れます。
 「お前、だったら最初から六次方程式とか言うな」て話です。
 しかもその「できること」が「制裁解除反対」「平壌への常駐事務所設置反対」だのですからねえ。心底呆れます。


◆荒木のツイート

荒木和博がリツイート
◆レブラくん(RBRA)予備役ブルーリボンの会
 北朝鮮による拉致の可能性がある特定失踪者の話をすると「疑いでしょ?」という人がいる。中国によるウイグル等への人権侵害に対して「確証がない」という人がいる。

 「国内で40人も発見されてる上」にその中には足立区女性教師殺人事件 - Wikipedia(特定失踪者が国内で他殺体で発見されたあげく、犯人は北朝鮮と何一つ関係なかった)なんて事件まであるのにふざけるのも大概にしろ、ウイグル問題と全然違うだろ、という話です。
 特定失踪者など

中川一郎*1他殺説(犯人として鈴木宗男*2ソ連KGBなど)
 通説は自殺説
日航機墜落(1985年)自衛隊or米軍陰謀論
 1971年の全日空機雫石衝突事故 - Wikipedia、1983年の大韓航空機撃墜事件 - Wikipedia、1988年のなだしお事件 - Wikipediaなど実際に軍が過って民間人を犠牲にした事故から連想された陰謀論。1985年の墜落事故(通説は圧力隔壁破壊説)は1971年の「雫石事故」のような自衛隊or米軍の接触事故、あるいは1983年の大韓機撃墜のような自衛隊or米軍のミサイルによる撃墜だ、などと主張。
 こうした陰謀論については
陰謀論本】
◆青山透子『日航123便墜落の新事実:目撃証言から真相に迫る』(2020年、河出文庫*3)、『日航123便墜落疑惑のはじまり』(2021年、河出文庫)
【批判本】
◆杉江弘『JAL123便墜落事故 自衛隊&米軍陰謀説の真相』(2017年、宝島社)
などがある。

などと同レベルの与太でしかありません。荒木のような詭弁で「特定失踪者が北朝鮮拉致」といえるのなら「中川一郎の死はKGBによる他殺。KGBには暗殺の前科が山ほどある」「中川は鈴木宗男に殺された。その証拠に鈴木は中川死後に選挙に打って出た」「1985年の日航機事故は自衛隊の不祥事。1971年の雫石事故のような接触事故に違いない*4」ともいえるでしょう。まあ、そんな陰謀論は「言っても相手にされません」が恐れ入るのは、荒木の場合「だけ」は「拉致被害者家族会の支持」で一定の政治力を保有していることでしょう。とはいえその政治力も「拉致の風化」で大分衰退しました。
 しかし「話が脱線しますが」

◆1971年の雫石事故
◆1983年の中川一郎自殺、大韓機撃墜
◆1985年の日航機墜落
◆1988年のなだしお事故

すべて「30年以上昔」ですからね。「最近の若者はどれ一つとして実感ないんだろうな」と思うと何か「時の流れ」にしみじみします。いや「1970年代生まれ」の俺も、他はともかく、「雫石事故」については「実感はない」のですが。

*1:福田内閣農水相、鈴木内閣科学技術庁長官など歴任

*2:橋本内閣北海道・沖縄開発庁長官、小渕内閣官房副長官など歴任

*3:河出書房新社の名誉のために断っておけば「まともな本」も一方ではあります。

*4:正直、荒木の『山本美保さんDNA鑑定捏造説』という『警察への誹謗』は『日航機墜落陰謀説』での『自衛隊や米軍への誹謗』と同レベルの代物です。