今日の中国ニュース(2021年11月8日分)

ダライ・ラマ「中国本土と台湾は非常にデリケート」…訪台しない意向示す : 国際 : ニュース : 読売新聞オンライン

 亡命先のインドから、日本外国特派員協会のオンライン形式の記者会見に臨んだ。
 「現在、中国本土と台湾の関係は非常にデリケートだ。地域の政治的な問題には関与したくない」と述べるにとどめ、台湾を訪問する意向がないことを明らかにした。
 「中国の新しい世代の指導部において物事は変わると感じている」と、世代交代による政治環境の変化に期待感を示した。

 そりゃ今の「中台対立状況」で訪台なんかしたら「報復としてダライとの交渉には当面応じる気はないから(中国)」でしょうからね。
 ダライが「何らかの交渉」を中国と希望するならあり得ない話です。しかし「新指導部には期待している」云々が「何らかの根拠があるのか(中国と水面下交渉しており、今後それがダライと中国高官の会談などの形で表面化する可能性がある、だから訪台もしない)」「単なる願望なのか(中国から完全無視される可能性も否定できない)」気になるところです。


【正論】弱者台湾が強者中国に勝つ戦略 東京国際大学特命教授・村井友秀 - 産経ニュース
 「勝つ」が何を意味するかにもよりますが「国連復帰(中国の国連追放)」「多くの国々との国交回復(その結果としての多くの国々の中国との国交断絶)」を意味するのならばそれは「あり得ない話」です。

 現在の台湾は(ボーガス注:中国と比べれば経済的には)小さくて弱い存在であり、中国は大きくて強い国である。小さくて弱い方が大きくて強い国に勝つためには、蔣介石の戦略と毛沢東の戦略が共に必要になる。すなわち世界の介入と台湾人民の長期遊撃戦の覚悟である。

 「世界の介入」はまあいい。「長期戦」ならともかく、「長期遊撃戦」とのは全く意味不明です。文字通りの「遊撃戦(ゲリラ戦)」ならそんなことが「広い中国」ならともかく「狭い台湾」でできるわけがない(それ以前に中国は軍事侵攻しないでしょうが)。
 仮に「遊撃戦」が「何かのたとえ」だとしても「何のたとえ」なのかさっぱりわからない。

 持久戦で強者を倒す

 「はあ?」ですね。
 「持久戦」を仕掛けてるのは明らかに「中国」でしょう。
 「中国の経済力を強化する一方で、その経済力をバックに、欧米諸国が台湾の独立支持をすることを封じ込める」
 とにかく中国的には「台湾が独立宣言しなければいい」「現状のままでいい」「正式な統一は当面しなくていい(当然、今すぐ武力侵攻なんかしない)」わけです。


ウイグル族 訪れぬ平安…日本暮らしでも「中国の影」 : 国際 : ニュース : 読売新聞オンライン

 30歳代のウイグル族男性は西日本の地方都市*1で暮らしている。
 月に1度、新疆ウイグル自治区にいる両親とテレビ電話で話す。
 「元気でやっているよ」「学校も卒業して、すべて順調だ」。
 すべてうそだ。実際は、数年前に日本の学校を退学している。運送業のバイトで生活費を稼ぐだけの毎日だ。
 退学は、両親が授業料などの仕送りができなくなったためだ。自治区当局は「民族独立派」が海外と連絡を取ることに神経をとがらせているとされ、国外送金も問題視されかねない。

 「中国は酷い」と言いたい読売のようですが俺的には「何だかなあ」ですね。「国外送金ができないのが中国政府の差別的な取り扱いのせい」ならそれは勿論問題です。
 しかし一般的に言って「学生が仕送りを受けられなくなること(多くの場合、親の生活苦でしょうが)」は日本人学生においても、昨今珍しいことではないでしょう。これは「中国の行為は問題では無いか」というだけでなく、「どうして学費が払えないという理由で退学になってしまうのか、学校や国で何とかならないのか」つう話でもあるでしょうに。


【主張】「歴史決議」採択 個人崇拝強化への道具か - 産経ニュース

 習氏が来年後半の党大会を経て、総書記として異例の3期目に入るのが確実となった。

 勿論「任期制限を外した」以上、その可能性はありますが、「断言する根拠」は何もないでしょう。現時点では「こうした決議などによって自分が退任した後も、後継者が自分が敷いた路線から外れるのを予防した上」で「今まで通り2期10年で退任」も十分ありうると思います。「自分の影響力」を退任後も保持できる保証があるなら「無理に留任しない」のではないか。


歴史決議と高官人事が焦点に 中国、6中全会始まる: 日本経済新聞
 どんな決議が出るのか、そしてどんな人事がされるのかに注目が集まってるわけです。
 しかし、日本の一部マスコミが「毛沢東、鄧小平と並ぶ権威を目指す」「3期目を目指す」というのにはいつもながら「うんざり」です。
 いかにこうした決議が「毛沢東、鄧小平に次いで三度目」とはいえ習氏も「さすがに毛、鄧と同じ権威になりたい(なれる)」とは思ってないでしょう。勿論決議は「習政権の権威付け」ではあるのでしょうが。
 「三期目」云々も「2期10年の任期制限」を外したことだけで日本マスコミが勝手に放言してるだけの話です。
 「任期制限の撤廃」の是非はともかく、それによって習氏が狙うものが
1)単に「政権末期のレイムダック」を避けるために過ぎず、基本的には2期10年で辞める(ただし退任することで影響力が失われる危険性が高いなら3期15年)なのか
2)3期15年は最低でもやりたいのか
3)さすがに終身制ではないが「可能な限りやりたい」のかは現時点では全く解りません。
 もちろん習氏が「3期15年以上やりたい」としても「周囲との力関係がある」ので当然にやれるわけでもない。

*1:随分とぼかした書き方ですが、県名レベルですら書いてほしくないとウイグル人男性に言われたのか。