今日の中国ニュース(2021年11月30日分)(副題:澤藤統一郎の「非常識な反中国」に呆れる、ほか)

澤藤統一郎の憲法日記 » あらためて中国の人権状況を嘆く

 半世紀も前のこと*1。長く共産中国を敵視していたアメリカや日本が中国との国交を回復し、「一つの中国」を認めた。そのとき、私はわがことのように嬉しかった。「一つの中国」論は、当然に台湾を切り捨てるものであったが、そのことに何の心の痛みも感じなかった。高慢にも、これが歴史の必然と思っただけ。
 中国共産党は、中国人民の中から生まれ、中国人民の利益に徹した政権運営を行う。それは、とりもなおさず世界の人民の共通の利益に通じるものに違いない。当時、私はそう思い込んでいた。今となっては、不明を恥じいるばかりである。

 「隣国・中国といつまでも対立関係は良くない」「(田中訪中の1972年当時)共産国だけでなく、西側諸国(英仏独伊)も中国と国交がある(なお、米国もニクソン訪中で国交樹立の方向だったが、田中訪中時点では正式な国交樹立はしてない)。国連加盟国も中国になった」「巨大な中国市場はビジネス的に重要だ」→「日中国交正常化すべき」ならともかくこういう澤藤の感覚は全く理解できませんね。
 なお、1972年当時は台湾も今とは違い蒋介石独裁で、独裁という点では中国と変わりません。
 なお、「一つの中国」は「中華人民共和国」だけでなく「台湾の立場」でもあるので、「中国、台湾どちらと国交を結ぼう」とも現状では「一つの中国」の立場にしかなりません。「田中訪中」以前は「台湾を正統政府とする一つの中国」論で「当然に中国を切り捨てていた」わけです。

 誰もが台湾を応援したくなるのが理の当然ではないか。

 おいおいですね。「中国の人権問題批判」とは「台湾の応援」とは違うでしょうに。ましてや今の蔡英文政権は「中台融和に努めた馬英九前総統」と違い「反中国」の立場を強めてるからなおさらです(呆)。
 例えば「自民党批判」「イスラエル批判」が必ずしも「既成野党支持」「パレスチナ自治政府支持」を意味しないのと同じです。
 なお、澤藤の言う「応援」が何を意味するか不明ですが、勿論、世界各国の多くは「台湾ではなく中国と国交を持っています」。まさかとは思いますが、澤藤は「台湾との国交樹立、中国の断交」を主張する気なのか。


政権交代を機に公明党が独占する国土交通大臣ポストを見直せ - 酒井信彦の日本ナショナリズム
 「菅から岸田」のような「自民党内での首相交代ケース」を普通「政権交代」とは言いませんがそれはさておき。
 何のことかと言えば「国交相ポスト=海保庁の担当」で「親中国の公明党」では「尖閣ガー」だそうです。実に馬鹿馬鹿しい。
 何も「国交相ポストが公明」だから「海保での中国漁船取り締まり」を自重してるわけではないでしょうに。
 なお、確かに「国交相ポストはほぼ公明の指定席(特に第二次安倍内閣以降は例外なくすべて公明)」ですが、

国土交通大臣 - Wikipedia参照
石原伸晃*2小泉内閣
谷垣禎一*3福田内閣
中山成彬*4麻生内閣
金子一義*5麻生内閣

という例外も「第二次安倍内閣以前」にはありますし、その際に酒井が期待するような「対中国強硬路線」がとられたわけでもありません。


英MI6長官「中国、世界で大規模なスパイ活動」: 日本経済新聞*6

 中国が必要に応じて武力などで強制的に台湾統一を果たそうとしているとの見解も示し

 呆れて二の句が継げません。台湾が「現状維持にとどまり」独立宣言しない限り*7「そんな冒険はするわけもない」ので馬鹿馬鹿しい。英国がここまであほな「反中国の右翼国家」に落ちぶれるとは。


ホンジュラス大統領選 親中派が勝利 - 産経ニュース
 「親中国」ということで勝利したわけでもないようですが、台湾にとって、最悪の場合は「中国との国交樹立(台湾との断交)」、良くても「台湾から距離を置くこと」は間違いないのでしょう。


台湾の大手企業会長「独立反対」表明 中国への意思表示か | 台湾 | NHKニュース
 確かにこうしたことを公言するのは「中国ビジネスへの配慮」でしょうが、「公言しない場合」でもまともな実業家なら「独立反対(統一という意味ではなく現状維持)」でしょう。中台関係が悪化したら、ビジネスにどんな悪影響が出るかわからないからです。
 よほどの「台湾独立派」でない限り「ビジネスを犠牲にしてまで台湾独立論支持なんか表明しない」。

*1:「国交樹立を前提としたニクソン訪中」「田中訪中&日中国交正常化」は「1972年」で「ほぼ半世紀(50年)前」ですが、米中の正式な国交樹立は1979年(カーター政権)です。

*2:小泉内閣国交相自民党政調会長(第一次安倍総裁時代)、幹事長(谷垣総裁時代)、第二次安倍内閣環境相、第三次安倍内閣経済財政担当相など歴任

*3:小泉内閣国家公安委員長財務相自民党政調会長(福田総裁時代)、福田内閣国交相自民党総裁、第二次安倍内閣法相、自民党幹事長(第二次安倍総裁時代)など歴任

*4:小泉内閣文科相麻生内閣国交相など歴任。「成田闘争ごね得」暴言などで麻生内閣国交相引責辞任

*5:小泉内閣行革等担当相、麻生内閣国交相など歴任

*6:「で、それが何か?」ですね。具体的な「中国の脅威」が示されるのならともかく「抽象的な話」では「どこの国もスパイ活動位してるでしょ?」で終わる話です。

*7:勿論「必要に応じて」に「台湾が独立宣言した場合」を含めれば一応「正しい主張」ではありますが、1)前後の文脈から見てそういう話ではおそらく無いし、2)台湾が「独立宣言した場合、武力発動も辞さない」というのは中国が以前から公言してることなので「何を今更」の話です。