今日の産経ニュース(2021年12/18日分)

世田谷事件の解決願う討論会「DNA捜査の活用を」 - 産経ニュース
 「昔の時効である15年(なお、今は廃止)」はもう過ぎています。「遺族の気持ち」を考えると「言いづらいこと」ですが、ぶっちゃけ、「よほどの僥倖が無い限り」もう解決しないと思います(そしてそんな僥倖はおそらく無い)。俺だけでなく、正直「皆が本音ではそう思ってる」でしょう。こんな集会を開いても馬鹿馬鹿しいだけです。
 それにしても「ある意味人気商売」である政治家としては「仕方が無い」のかもしれませんがこんな集会に保坂*1世田谷区長が出席したことにはげんなりします。
 「自分は捜査の専門家ではなく、呼ばれても何も話せる有意義なことはない」「遺族への同情の念はあるがそんなことを私が語って何か意味があるのか?。そういう遺族への慰めがこの集会の目的なのか?」「事件が起こった世田谷の区長だからって呼ぶのはおかしいと思う」として出席辞退すべきだったと思いますね。「捜査の専門家でも何でも無い」彼を呼ぶ方もバカだと思いますが。


【産経抄】12月18日 - 産経ニュース

 16日の衆院憲法審査会の自由討議では自民党日本維新の会、国民民主党改憲勢力が足並みをそろえて、改憲に背を向ける立憲民主党は孤立した。
 自主憲法制定を訴える「憲法改正の歌」(昭和31年)を作詞した中曽根康弘元首相ですら、在任中は改憲論を封印した。それが攻守が逆転しているのだから、隔世の感がある。

 衆院選での「維新の躍進」で放言する産経です。
 もちろん「油断はいささかも禁物」ですが、維新は別に「改憲論を理由に躍進した」わけではない。
 衆院選後の岸田の所信表明演説も「改憲」に一応触れた物の、分量としては「新しい資本主義」の方が多かったし、「改憲」についても「議論を進めたい」とするだけで「九条改憲」を明言することはできませんでした。
 勿論そんなことはよく分かった上で「改憲ムードを煽ろうとして、産経は故意に放言してる」わけですが、こうしたことをすること自体、産経が「九条改正に現実性があるか」と言う意味では内心では「隔世の感がある」とは思ってないことは確かでしょう。
 なお、中曽根が改憲論を封印したこととしては1)今と違い自民党内にも「宮沢喜一氏(中曽根内閣で蔵相)」など有力な護憲派政治家が存在した、2)最大野党・社会党が護憲の立場、3)今と違い、公明党も護憲の立場(下手に改憲を主張すると他の問題で公明の協力が得られない危険性がある)、4)中曽根にとっては改憲よりも「国鉄電電公社、専売公社民営化」等「実際に、中曽根が実行したこと」の方が優先度が高かった、5)中国との経済関係(靖国参拝について中国の批判もあり結局中止)と言ったことがあります。
 ちなみに話が脱線しますが、「例は何でもいい」ですが、「隔世の感」と言えば、例えばLGBT問題なんかは、いい意味で「隔世の感」を感じますね。
 志位委員長が「1970年代の党の認識には問題があった」と謝罪し、「結局挫折した」とはいえ一時は、自民党からLGBT法案(ぶっちゃけ大した代物ではありませんが)が出る可能性があった。「欧米に比べたらまだ酷い」とはいえ、昔に比べれば、LGBTの状況がかなり向上したわけです。まあ、一方で「自民党護憲派が事実上壊滅状態(宮沢喜一加藤紘一河野洋平など自民党護憲派の流れにあるはずの岸田が改憲を公言)」であることには「げんなり」しますが、歴史とは「前進一途」でも「後退一途」でもないわけです。

泉健太新代表も、追及一辺倒ではなく提案重視の方針を打ち出している。今までとは一味違う有意義な議論をしていきたい」。
 立民の白真勲氏は16日の参院予算委で呼びかけた。

 「追及一辺倒」ということ自体が事実に反する主張であり、白にも産経にも心底呆れます。
 そもそも「モリカケ、桜」などの疑惑は追及して当たり前です。
 自民党や産経も「細川首相の佐川ヤミ献金疑惑」「鳩山首相故人献金疑惑」などを「追及していた」癖に何を言っているのか。

約20年前、岡崎久彦・元駐タイ大使は述懐した。
日中国交正常化前後は、日本中が中国の言うことは絶対として、一言でも反対したら『右翼』と非難された。」

 そんな事実はそもそもどこにもないでしょう。そもそも岡崎の言う「中国の言うこと」とは具体的に何なのか?。
 よくもデマがほざけたもんです。

 中国の人権弾圧を非難する国会決議案の採択は、今国会もまた見送りの方向となった。岸田文雄政権は、時代を根本的に見誤ってはいないか。

 「重要な貿易相手国・中国」に配慮するのは当たり前の話でしょう。そもそも「維新の躍進」と「対中外交」と何の関係があるのか。維新に投票した人間は軒並み「反中国」と根拠レスで放言する気なのか。

*1:著書『いじめの光景』(1994年、集英社文庫)、『年金を問う』(2004年、岩波ブックレット)、『闘う区長』(2012年、集英社新書)、『相模原事件とヘイトクライム』(2016年、岩波ブックレット)、『〈暮らしやすさ〉の都市戦略:ポートランドと世田谷をつなぐ』(2018年、岩波書店