「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年4/20日分:荒木和博の巻)

昨日4月19日付の産経新聞社会面。鳥取県製作の拉致問題啓発ビデオの記事とともに「しおかぜ」クラウドファンディングを大きく取り上げてくれました: 荒木和博BLOG
 別記事でも書きましたがどうしても必要な放送ならやるべき事は「荒木らへのクラファン」ではなく「国に放送してもらうこと」でしょう。しかしそうは荒木も産経も言わないのは「これが救う会にとって重要な利権だから」でしょう。


専守防衛?(R4.4.20): 荒木和博BLOG

 何度かお話ししていますが日本の国防の基本である「専守防衛」とは、要はウクライナのようになることではないでしょうか。日本の国防の基本である「専守防衛」とは、要は(ボーガス注:ロシアに軍事侵攻された)ウクライナのようになることではないでしょうか。

 7分50秒の動画です。タイトルと説明文だけで見る気が失せます。
 第一にこんなことは荒木が建前とする「拉致被害者の救出」と全く関係がない。改憲ウヨの荒木が憲法九条に悪口してるだけです。
 第二に荒木が何度かお話ししていますがと書くように荒木は過去にも
専守防衛: 荒木和博BLOG2008.6.12
「専守防衛」の虚構に決別を 荒木和博(拓殖大学海外事情研究所教授) « 国基研ろんだん 国基研ろんだん « 公益財団法人 国家基本問題研究所2019.7.16
専守防衛と「ノーザン・リミット・ライン」【調査会NEWS3528】(R3.11.18): 荒木和博BLOG2021.11.18(これについては「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年11/18日分:荒木和博の巻) - bogus-simotukareのブログで批判しました)
などで全く同じ事を言っています。何度、同じ事を書けば気が済むのか。
 第三にウクライナはそもそも「日本のような専守防衛の立場ではない」でしょう。
 勿論「専守防衛ではないが、外国の軍事侵攻で酷い目に遭った」なんて例は他にいくらでもある。
 山本五十六*1連合艦隊司令長官真珠湾を攻撃された米国や、マレーの虎山下奉文*2・第25軍司令官』にマレー半島(当時、英国の植民地で、英国軍が駐留)を攻撃された英国は「専守防衛だった」のか?。
 米国や英国は『専守防衛』だから、戦前日本によって『バターン死の行進*3』(米国)、『泰緬鉄道での英国軍捕虜強制労働』(英国)などの酷い目にあわされたのか。
 勿論「植民地獲得戦争」でフィリピンという植民地を保有していた米国、インド、マレーシアなどの植民地を保有していた英国は『専守防衛』のわけがない。
 専守防衛だから、戦前日本は「東京大空襲」「沖縄戦」「原爆投下」などの悲劇を経験したのか?。専守防衛だから、スターリンソ連北方領土を奪われたのか?。
 勿論、「満州事変(満州国建国)」「真珠湾攻撃」「マレー半島攻撃」の「戦前日本」が『専守防衛』のわけがない。
 むしろ

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年11/18日分:荒木和博の巻) - bogus-simotukareのブログ
専守防衛と「ノーザン・リミット・ライン」【調査会NEWS3528】(R3.11.18): 荒木和博BLOG
 戦前日本が「専守防衛」なら米国は「日本に先制攻撃する意思はなかった」のだから太平洋戦争(対米戦争)は起こらず、「東京大空襲」「沖縄戦」「原爆投下」などの悲劇はなかった。

という話です。
 アメリカに政権転覆されたイラクフセイン政権は「専守防衛だった」のか?
 勿論、クウェートに侵攻したフセインイラクが『専守防衛』のわけがない。
 ウクライナのように酷い目に遭うかどうかは1)相手国(ウクライナの場合はロシア)の軍事力が圧倒的かどうか(とはいえ米国の支援によってウクライナは善戦していますが)、2)相手国が国際法を守るまともな軍隊かどうか、という話です。
 一方、荒木の悪口に反し、専守防衛の日本は軍事侵攻など受けていません。
 その理由の一つは勿論「世界有数の軍隊・自衛隊」です(自衛隊の現状は専守防衛とは言えないのではないかという問題はひとまず置きます)。「専守防衛だと酷い目に遭う」なんて事実はどこにもない。
 そもそも荒木は専守防衛を否定して何がしたいのか。
 「自衛隊による北朝鮮からの拉致被害者救出」か。しかし米国だってワームビア君救出は外交交渉でした。居場所が分からない以上、専守防衛であろうとなかろうと自衛隊による救出など無理です。
 それとも軍事侵攻による北朝鮮政権転覆か?。竹島北方領土自衛隊による奪還か?
 それにしても荒木が『憲法九条のような物がウクライナ憲法にあったらロシアの侵攻はもっと酷い物になったろうが、一方でロシア憲法にあればプーチンの侵攻はなかったかもしれない(俺の要約であり一言一句同じ訳ではない、以下も同じ)』といいだしたのには「?」ですね。まあ、赤字部分は確かに俺も「その通りだと思います」し、志位委員長も同じ事を言っていますが、『青字のような前振り付き』とはいえ、憲法九条に否定的なウヨの荒木が何故、赤字のようことを言うのか?
 それにしても、荒木が「日本は戦前、大国の英米を相手に戦争してきた(勿論、太平洋戦争のこと)。そんな日本が北朝鮮ごときに舐められていいのか」といいだしたのには絶句ですね。戦前日本美化としか理解できない暴言をよくも放言できるもんです。

*1:海軍航空本部技術部長、海軍航空本部長、海軍次官連合艦隊司令長官など歴任。連合艦隊司令長官在任中に戦死(山本五十六 - Wikipedia参照)

*2:歩兵第3連隊長、陸軍省軍事課長、陸軍省軍事調査部長、歩兵第40旅団長(朝鮮龍山)、支那駐屯混成旅団長、北支那方面軍参謀長、第4師団長、陸軍航空総監(航空本部長兼務)、関東防衛軍司令官(満州)、 第25軍司令官(マレーシア)、第14方面軍司令官(フィリピン)など歴任。戦後、戦犯裁判で死刑判決(山下奉文 - Wikipedia参照)

*3:戦後、本間雅晴・第14軍司令官(フィリピン)に死刑判決(バターン死の行進 - Wikipedia本間雅晴 - Wikipedia参照)