「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年9/4日分:荒木和博の巻)

◆荒木ツイート

荒木和博 on Twitter: "令和4年9月4日日曜日「荒木和博のショートメッセージ」第873号。駅の名前(読み方)が変わる前です。 https://t.co/rXazT73Xr1 @YouTubeより" / Twitter*1
私的鉄道雑談(昭和の終わりか平成の初め頃津軽線三厩駅から) - YouTube

 5分19秒の動画です。勿論拉致問題は全く関係ない。


シビリアン・コントロール【調査会NEWS3649】(R4.9.3): 荒木和博BLOG
 タイトルだけで読む気が失せます。
 第一に「荒木(特定失踪者問題調査会代表、予備役ブルーリボンの会代表)が建前上の活動目的」とする拉致被害者帰国は「小泉訪朝」のような外交交渉以外に現実的解決策はない。その場合、「防衛省自衛隊は関係ない」ので「文民統制シビリアンコントロール)」なんて話は出てこない。
 第二に荒木が放言する「自衛隊拉致被害者救出」は現実的ではない。拉致被害者の居場所が分からないのにどこに自衛隊を投入するのか*2。世界最強の軍事大国・米国も「北朝鮮に身柄拘束されたワームビア君救出」は彼の居場所が分からないので外交交渉でした。米軍特殊部隊による救出ではない。
 第三に「自衛隊拉致被害者救出」と言う話をする場合でも「何が文民統制?」です。
 自衛隊が「防衛大臣:勿論文民(現役の防衛官僚ではない)」を無視して勝手に「自衛隊拉致被害者救出」方針で動いてるのならともかく、「防衛大臣」の指示で動いてるのなら文民統制なんて話は出てこない。
 ということを本文を読む前に思ったので上記のように書きましたが本文を読んでさらに脱力しました。
 なぜなら「自衛隊拉致被害者救出」なら、「現実性皆無の暴論」とはいえ「一応拉致問題に関係がある」のですが荒木がしてる話は「韓国軍のレーダー照射問題→韓国の文民統制(勿論荒木なので文在寅前大統領に悪口雑言)」云々だからです。
 何一つ拉致問題が関係ない。これを「拉致問題解決を建前上の活動目的とする団体」特定失踪者問題調査会のメルマガ記事として送信したと言うから脱力します。
 配信する荒木も、こんな記事配信に疑問を持たないらしい特定失踪者問題調査会関係者もアホです。
 なお、話が脱線しますが「文民統制」概念が日本で登場するのは戦後です。
 戦前はむしろ「統帥権独立」「軍部大臣現役武官制軍部大臣現役武官制 - Wikipediaによれば1900~1913年、1936~1945年。現役武官制でない時代(1913~1936年)も、軍人にしか大臣資格がない軍部大臣武官制であり、全くの非軍人大臣はいない)」で「文民統制とは全く逆」でした。
 そもそも戦前は「議院内閣制*3」でもなかった。一時「議院内閣制」に近い運用(憲政の常道:諸説あるが憲政の常道 - Wikipediaによれば1924年加藤高明*4内閣から1931年の犬養*5内閣まで)がされましたが、戦後の日本が憲法第67条で議院内閣制を明確に定めたのに対して、運用に過ぎないので犬養死後の「斎藤*6内閣」以降は、「非議員(官僚:多くの場合、軍人)の首相」が続き「憲政の常道」は行われなくなります。
 なお、戦後の日本が憲法第66条第2項で「文民統制」を定めたことは9条と矛盾してる(9条で軍の保有を否定している以上文民統制制度は必要ないのでは?)ように見えますが、これは「将来、明文改憲で9条が廃止され軍が復活した場合、あるいは明文改憲がされない場合でも、いわゆる芦田修正論を根拠に軍が復活した場合に、文民統制規程がないことで戦前のような軍の暴走が起きること」を恐れた中国(当時は蒋介石政権)やソ連の要求で66条第2項が入ったというのが確か通説です。当時の日本はそれほど信用がなかったわけです。なお、解釈改憲による「自衛隊」と言う形で軍は復活した物の戦前と違い、専守防衛の縛りがあること、現時点では9条について明文改憲がされなかったこと、政府見解は芦田修正論でないことを指摘しておきます。

*1:三厩駅 - Wikipediaによれば1991年に「みうまや」から「みんまや」に読みが変わっている。

*2:居場所が分かってる「イラン米国大使館人質事件」が「外交交渉による解決」だったことを考えれば、居場所が分かっていても軍事作戦など簡単にできるものではありませんが

*3:議院内閣制だから「民主主義の観点から国民が選んだ議員で構成する内閣の下に軍は置かれるべき」で文民統制になるわけです。

*4:第四次伊藤、第一次西園寺、第三次桂、第二次大隈内閣外相などを経て首相

*5:第一次大隈内閣文相、第二次山本、加藤高明内閣逓信相などを経て首相。首相在任中に515事件で暗殺

*6:第一次西園寺、第二次桂、第二次西園寺、第三次桂、第一次山本内閣海軍大臣朝鮮総督、首相、内大臣を歴任。内大臣在任中に226事件で暗殺