珍右翼・高世仁に突っ込む(2022年4/20日分)(追記あり)

【最初に追記】
 自分に都合の悪いことを他人などのせいにしているあたりが、高世仁が会社の経営に失敗した遠因でもあったのだろう(福島香織の独立の失敗もあまりにひどい) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)で拙記事をご紹介頂きました。いつもありがとうございます。
【追記終わり】
ウクライナとベトナム - 高世仁の「諸悪莫作」日記

 ウクライナの戦いを考えるとき、いつもベトナム戦争を想起する。

 この辺りは価値観の問題でしかないのですが、俺が想起するのは「戦前日本の中国侵略」ですね。
 「ロシア人同胞の命が」「ウクライナはロシアにとって重要な土地」というのは「日本人の命が」「満蒙は日本の生命線」を想起させる。
 他にも「傀儡国家建設(満州国ドネツク共和国)」「民間人虐殺(南京とブチャ)」「米国主導の経済制裁や軍事支援」などが「戦前日本の中国侵略」を想起させる。
 なお、コメント欄で「大国・米国VS小国ベトナム」「大国ロシアVS小国ウクライナ」と見なせば共通点はあるが、ベトナム戦争の「南北ベトナムの内戦」という要素はウクライナ戦争にはないという指摘がありますが確かにそうですね。
 別記事今日のロシアニュース(2022年4月20日分) - bogus-simotukareのブログで紹介したプーチンの演説は「ウクライナとロシアは同一民族」というとんでもない認識ではありますが。

 大学卒業後は、ベトナム法の専門家になろうと大学院に進んだが、アカデミズムに就職口がないことが分かると(そんなこと最初から分かってたはずだが(笑))ベトナム戦争報道で知られた日本電波ニュース社に入社した。

 そうした「左翼だった高世」が右翼「巣くう会」の太鼓持ちとなり、にもかかわらず昔の左翼時代をこのように未だに自慢することには哀れみを覚えますがそれはさておき。
 高世が有能でやる気があれば、ベトナム法研究者、あるいはベトナム研究者になっていたでしょうから、結局「才能かやる気(あるいは両方とも)がなかった」という話です。
 「ベトナム法」でググれば

ベトナム法:刊行年順】
◆片倉穣(かたくら・みのる)*1ベトナム近代法の基礎的研究:『国朝刑律』とその周辺』(1987年、風間書房
◆稲子恒夫*2、鮎京正訓(あいきょう・まさのり)*3ベトナム法の研究』(1989年、日本評論社
◆鮎京正訓『ベトナム憲法史』(1993年、日本評論社
◆香川孝三*4ベトナムの労働・法と文化』(2006年、信山社
◆斉藤善久*5ベトナムの労働法と労働組合』(2007年、明石書店

などがヒットしますし。ちなみに鮎京氏が1950年生まれ、高世が1953年生まれで近い年齢です。

 メディアによってアメリカは負けたと言われるほどで、小さな国が情報戦を制し、世界の世論を味方につけたのだった。
 いま、ウクライナは、ベトナムの辿った道を歩んでいるように見える。国際世論は圧倒的にウクライナ支持であり、ロシアの残虐非道に憤っている。

 と書く高世は「ジンネットが倒産し、マスコミもほとんど拉致を報じなくなった惨状」をどう思ってるのやら。
 勿論それは家族会、救う会、「家族会、救う会太鼓持ち」高世らが「情報戦」に敗北したと言うことです。
 勿論、それは「北朝鮮が情報戦に勝利した」という話ではない。
 「新型コロナ」「ウクライナ戦争」などと「毎日新しいニュースが報じられる中」、拉致問題は「新型コロナなど新しいニュースにニュースバリューで負けた」という話です。
 それにしても高世も「荒木和博の特定失踪者デマ」という「フェイクニュース」を容認しながらよくもまあ「ロシアのフェイクニュース」を偉そうに批判できたもんです。


地球に海と陸がある奇跡 - 高世仁の「諸悪莫作」日記

 おととい17日のテレ朝*6サンデーモーニング」に、サヘル・ローズさん*7がコメンテーターで出ていた。
(中略)
 ウクライナの戦争へのコメントを求められ、
「私たちがこうやって毎日生きていることが奇跡なんです。戦争を他人事として考えないようにしたい」と語っていた。

 「日本は今は平和だが、1931~1945年は戦争(日中戦争、太平洋戦争)で人間が多数死んでいた。私の故郷イラン*8も今は平和だが、1980年代は戦争で(以下略)。戦争を他人事として考えないようにしたい」というサヘル氏の主張は理解できます。
 理解できないのは

 海と陸地の両方を備えた地球がいまあるのは、絶妙な水の量が地表にとどまったおかげ、つまり「奇跡」だった。私たちがこうして毎日生きているのは、そのおかげなのである。
 以上を踏まえたうえで、サヘル・ローズさんの「毎日生きているのは奇跡」という言葉を味わうと、感動が深まり、戦争を否定する心がいっそう強くなるように感じる。

つう高世ですね。「地球に生命が誕生したのは奇跡→反戦の思いが高まる」ねえ(苦笑)。

*1:KAKEN — 研究者をさがす | 片倉 穣 (50085180)によれば金沢大学教授、大阪府立大学教授を歴任。著書『日本人のアジア観』(1998年、明石書店

*2:1927~2011年。名古屋大学名誉教授(社会主義法)。著書『ソビエト国家組織の歴史』(1964年、日本評論社)、『ソビエト法入門』(1965年、法律文化社)、『革命後の法律家レーニン』 (1974年、日本評論社)、『現代中国の法と政治』(1975年、日中出版)『ロシア革命』(1981年、教育社歴史新書)、『ペレストロイカは進む : スターリン時代の遺産とのたたかい』(1988年、青木書店)、『ロシアの20世紀』(編著、2007年、東洋書房)など(稲子恒夫 - Wikipedia参照)

*3:名古屋大学名誉教授。愛知県公立大学法人理事長。著書『法整備支援とは何か』(2011年、名古屋大学出版会)、『日本とアジアをつなぐ:法整備支援のすすめ』(2017年、旬報社

*4:1944年生まれ。神戸大学名誉教授(アジア法)。著書『インドの労使関係と法』(1986年、成文堂)、『マレーシア労使関係法論』(1995年、信山社)、『政尾藤吉伝:法整備支援国際協力の先駆者』(2002年、信山社)、『グローバル化の中のアジアの児童労働』(2010年、明石書店

*5:1970年生まれ。神戸大学准教授

*6:原文のまま。おそらくTBSの誤記

*7:著書『戦場から女優へ』(2009年、文藝春秋)、『支える、支えられる、支え合う』(編著、2021年、岩波書店)、『言葉の花束』(2022年、講談社

*8:サヘル氏はイラン出身。1985年生まれでイラン・イラク戦争によって家族を失い孤児になっている(サヘル・ローズ - Wikipedia参照)