今日のロシアニュース(2022年5月5日分)

ロシア・ウクライナ戦争と台湾海峡危機|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
1)「ウクライナ戦争」と「中台関係」は「中国はロシアと違い、侵攻意思など示していない(むしろ独立宣言しない限り侵攻しないと明言し、今のところそれを厳守)」という意味で「全く別問題」である
2)「中国が近い将来に侵攻するかのように決めつけて中国批判する米国」は本気なら事実誤認が甚だしいし、虚言なら「悪質な誹謗」だ
3)このような米国の態度は「独立宣言しても米国が応援してくれるのではないか?(蔡英文政権)」といった誤解や「米国は台湾独立を支援する気ではないか?(中国側)」という疑念を生み、むしろ中台関係を緊張させる
と批判する浅井先生です。
 俺も全く同感ですね。「独立宣言しない限り侵攻しない」を今のところ「厳守する」中国に対して不当な言いがかりにもほどがあります。但し、浅井先生が「NATOの東方拡大」を理由にロシアに対する態度が「残念ながら」未だに甘いことについては改めて簡単に批判しておきます。
 俺も「NATOの東方拡大」には批判的ですが、とはいえそれはプーチンの軍事侵攻や、ましてや「ブチャ虐殺事件」などの問題点を正当化する物ではない。蔡英文がいかに挑発的態度を取っても「断交ドミノ」など「政治的牽制」はしても「軍事力行使で死者など出さない」中国と同様の対応をすることはプーチン政権にもできたはずです。
 プーチン政権に甘い態度を取ることは「中国が台湾侵攻しても、浅井は容認するのでは?」の疑念を招きかねません。また「プーチン政権のような野蛮な軍事力行使などしない中国」に対しても「ある意味失礼」でしょう。


ウクライナ高官、プーチン大統領の死がロシアの侵攻終わらせる唯一の方法と地元メディアに発言 - 社会 : 日刊スポーツ
 暗殺希望の放言としか理解できないので非難されてしかるべきです。「ウクライナはかわいそう」で甘い態度を取るなどとんでもないことです。


自民・高市氏「招かれても行かんわい!」 ロシア入国禁止で - 産経ニュース
 (プーチン批判派の活動は恐らく大幅に抑圧されてるので)現実的に可能かどうかはともかく「プーチン批判派の集会に出席し、連帯を表明*1」もできなくなるのに「(プーチン政権に?)招かれても行かない」とは高市らしいバカさです。「入国=その国の政権に対する支持表明」とでも思ってるのか?
 それと、ここはむしろ「私がそんなに怖いのですか!。ロシア政府が招待するならいくらでも入国します!。ただし批判すべきは批判するので覚悟して欲しい」とでも言った方が「政治家らしい物言い」ではないのか。高市は仮にも「国会議員」であって、チンピラではないわけですからね。


【産経抄】5月5日 - 産経ニュース

 ユダヤ人大虐殺(ホロコースト)を命じたナチス・ドイツヒトラーには、ユダヤ人の血が流れていた。確かに昔からあった説である。もっとも多くの歴史家は、はっきり否定している。
▼ロシアのラブロフ外相が今頃になって怪しげな説を持ち出した。ロシアはウクライナへの侵略を「非ナチ化」のためと正当化してきた。ところがウクライナのゼレンスキー大統領はユダヤ系である。今月1日、イタリアメディアのインタビューで矛盾を指摘されて口にした。

 ラブロフ発言を擁護する気はないのですが「ナチ=ユダヤ差別」ではなく「ナチ=極右排外主義」「ナチ=人種差別、民族差別」などと理解するならば「ゼレンスキーがユダヤ系であること」と「ゼレンスキーがナチであること(あるいはゼレンスキーを支持するイスラエルがナチであること)」は理屈上、何ら矛盾しません。
 勿論、これは「ゼレンスキーや、彼を支持するイスラエルがナチである」と言ってるわけではありません。
 「例は何でもいい」のですが、例えば「イスラエルパレスチナ統治」「中国のウイグル統治」を「その統治は民族差別的で、まるでナチのユダヤ人迫害のようだ」といった場合、「民族差別などしてない」などと反論するならともかく「我々ユダヤ人がナチの訳がない。ユダヤ差別したのがナチだ」「我々中国共産党がナチの訳がない。ナチは極右。我々は極右が敵視する左翼政党だ」というのは何ら反論になっていません。 
 従ってラブロフも「ここでいうナチとは民族差別のことだ。ゼレンスキーは明らかにウクライナ在住のロシア系住民を差別している。我々は同胞であるロシア系住民をゼレンスキーの迫害から救うために立ち上がった!」「我々はゼレンスキーのロシア住民差別に加担する連中(バイデン政権など)を絶対に許さない*2」とでも言えばいいのに「こんな阿呆なこと」を言うとは「訳が分かりません」。プーチンの主張は明らかにそういう物でしょうに。

*1:まあ、そういう考えは高市にはないのでしょうが。

*2:そういう主張が「正しい」と思ってるという話ではなく「ヒトラーユダヤ系」などという怪しい話よりは「まだましだ」という話です。