今日のロシアニュース(2022年9月29日分)

ウクライナが爆殺関与か 露思想家の娘、米当局判断 - 産経ニュース
 【1】ドゥーキン親子とプーチン政権にある種の「意見のずれ」があったこと、【2】プーチン政権には過去にこの種の自作自演疑惑があること、【3】ウクライナが犯行を否定したことから「ウクライナの犯行を偽装したロシア犯行説」も噂されていたところ、こうした発表をした「ウクライナ支援国家」米国を「それなりに評価したい」。まさか米国に「虚偽発表」をしてウクライナを貶める動機はないでしょう。
 米国も支援してるとはいえ「ウクライナ(ゼレンスキー)の暴走は目に余る」と言うところでしょうか。
 【1】当初から「ウクライナの犯行と知っていた」のに隠していたが「隠しきれない(あるいは隠すことがゼレンスキーの暴走を助長する)」と考えて暴露したのか、【2】当初から疑念を感じていたが、証拠がなく、しかし最近になって動かぬ証拠が出て発表を決意したのか、気になるところです(【2】なら発表が今になったのは仕方ないですが【1】なら隠蔽について米国は非難を免れないでしょう)。
 米国が「ウクライナ軍事支援」について「ウクライナの言いなりに大盤振る舞いまではしてない」のも「こうした点を問題視してるから」かもしれない。
 これについては

イーロン・マスク氏の「ウクライナは勝てない」発言に対する日本世論の反応から見えてくるもの: 白頭の革命精神な日記
 最近飛び込んできたニュースにおいても注目したいものがあります。アレクサンドル・ドゥーギン氏の子女であるダリヤ・ドゥーギナ氏暗殺事件についてアメリカ当局が「ウクライナの犯行」であると断定したとリークした件、そしてこのことが、従米国家ニッポンの国策報道番組であるNHKニュース7」で早速報じられた(10月6日放送)件です。
 CIAはもちろん職務としてダリヤ・ドゥーギナ氏暗殺事件を調査するでしょうが、その調査結果を必ず公にしなければならないわけではありません。何らかの意図があってリークされ公になったものと考えるべきです。
 ウクライナと米欧諸国との温度差を感じざるを得ません。

と言う指摘に俺も共感します。
 それにしても「ロシア犯行説」を放言し、ロシアのウクライナ非難を「責任転嫁」「言いがかり」扱いしていた連中(その多くは親米派)は謝罪などしないのでしょうね。そして米国のこうした評価を根拠レスで「ロシアの犯行を誤認識」呼ばわりしたり、「ウクライナの犯行でも末端の暴走呼ばわり*1してゼレンスキーをかばおうとしたり」するのでしょう。
 そして石垣のり子参院議員の「ロシアを一方的に非難することこそ誠実な態度」とする正論と、想田和弘の「ゼレンスキーを礼賛しないとまるで国賊のようにぶっ叩く風潮」を捏造する妄論との目も眩むような落差 - kojitakenの日記などと「ゼレンスキー礼賛しかしなかったバカ」id:kojitakenはこのニュースをどう評価するのか。【1】「きれいな暗殺」として正当化するのか、【2】「暗殺は違法行為」とゼレンスキーを批判するのか、【3】はたまた都合が悪いので黙りか(恐らく【3】でしょうが)。「暗殺関与疑惑が浮上した」ゼレンスキーとは所詮「ウクライナ山本太郎」にすぎないのではないか(勿論ゼレンスキーも山本も褒めていません)。山本を批判するid:kojitakenが「ウクライナ山本太郎」ゼレンスキーを批判しないことは滑稽で醜悪と言うべきでしょう。


ウクライナ、NATO加盟申請へ 露の併合で表明 - 産経ニュース
 4州併合が「NATO加盟の正当化理由になる」とは俺は全く思わないので「誤った判断」と思います。NATOに入れば、軍事支援が当然に増えるわけではないでしょうし、むしろロシアに「NATOから脱退しない限り、軍は撤退しない」と継戦の正当化理由を与えてるだけではないか。
 というか「NATOに入りたくて仕方がなかったゼレンスキー」が4州併合を「天佑(ハルノートに対する陸軍タカ派の発言)」と考えての加入表明であり、結局「ウクライナNATO入りを考えてる」というプーチンの指摘自体は正しかったのでしょう。
 そこでプーチンが「ロシアにとっての脅威」を理由に「ウクライナNATO加入阻止(勿論軍事侵攻しない)」に全力を挙げればまだ「国内、国際的支持」はあったかもしれないところ、侵攻動機が【1】ゼレンスキーは信用ならない、侵攻で打倒して傀儡を作るのがNATO加盟阻止には手っ取り早いなのか、はたまた【2】NATOに加入しようがすまいが傀儡政権を作りたいなのか、はともかくウクライナの軍事力や「NATOウクライナ軍事支援」「米国主導による経済制裁」を甘く見て侵攻したことはプーチンの大きな失策でしょう。


ウクライナ問題を利用した「台湾独立」の企ては失敗する運命にある--人民網日本語版--人民日報

 中国は27日、国連安保理で、ウクライナ東部の住民投票問題を受けて、ウクライナの領土的一体性は尊重されるべきだと表明した

 「ロシアと中国の関係」を同盟扱いする論者は故意に無視しますが、チベットウイグル、台湾の独立論に否定的な中国にとっていかに「ロシアと昔からのしがらみがある」とはいえ、ウクライナ政府の意思を無視して「ロシアがルガンスク共和国、ドネツク共和国の独立を承認(ウクライナ侵攻直前)」や「ウクライナの一部がロシア編入(現在)」を黙認できるわけがない(それを容認すれば理屈上は、米国の支援によるチベットウイグル、台湾の独立も認めざるを得ない)、と言うことに注意する必要があります。


プーチン大統領、30日にも併合宣言 「住民投票」4地域、ロシア編入要請 - 産経ニュース
 戦争が苦戦する中「4地域を編入することでロシア国民に手っ取り早く成果をアピールする」ということなのでしょう。
 プーチンに限りませんが「成果があるのか?」と言う批判は政権崩壊につながる恐れがありますので。
 いずれにせよ4州併合は「【1】ロシア支配地域のウクライナによる一部奪還へのカウンターと言う面」は勿論あります。
 「奪還による打撃」は「軍事的打撃」はともかく「政治的打撃」はロシアにとってやはり相当大きかったとみるべきでしょう。
 恐らく「戦争がもっとロシアにとって優位ならば」こんなに急いで編入する必要はなかったでしょう。
 この点を「NATO諸国や日本マスコミ」といった「反ロシア、ウクライナに好意的な勢力」は「ロシアが自らの苦戦を認めている」として特筆大書しがちです。
 しかし一方で【2】遠い将来はともかく現時点においてウクライナには、ロシアによる4州編入を阻止する手立てはなかったし、近い将来に4州を奪還する保障もない点にも注意すべきでしょう。【2】については「反ロシア、ウクライナに好意的な勢力」は【1】とは逆に軽視しがちですが。

*1:一方でこの種の連中が日本人拉致での「末端の暴走」という北朝鮮の言い訳を支持するとも思えません。