今日の産経ニュース(2022年12/6、7分)

【正論】東工大女子枠の真の狙いとは? エッセイスト 動物行動学研究家・竹内久美子 - 産経ニュース
 東工大女子枠の是非については俺が無能なため論じません。但し「東工大の学生入試ではなく、東大の教員採用ではある」ものの

高市内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年11月22日 - 内閣府
(問)
 東京大学が先日、今年度から6年間で300人の女性教授、准教授を採用する計画を発表したのですけれども、これについて大臣はどのようにお考えで、また科学技術政策にどのような影響があるとお考えでしょうか。
(答)
(前略)日本の研究力、競争力を強化する上で非常に素晴らしい取組だと思っております。

という「女子枠に好意的な高市発言」だけでも「東工大女子枠=左翼」という産経や竹内の批判がデマだと分かります。
 それとも産経らは高市を「左翼に媚びてる」とでも批判するのか?(勿論そんなことはしないでしょう)。あるいは「東工大女子枠とは違う」と強弁するのか?(こちらはありそうです)
 最後に常軌を逸した竹内のデマに突っ込んでおきます。

 東工大のホームページをのぞいてみると(中略)多様性と包摂性、公平性…と、最近よく聞く言葉、はっきり言って左翼用語がこれでもかと展開されていく。東京五輪2020のテーマは「ダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包摂性)」だった。性別、年齢、国籍など*1に関わりなく多様な人材を受け入れ、その能力を発揮させるというものだ。
 こういう言葉は一見もっともらしいし、人畜無害に聞こえるが、実際には資本主義社会を内側から弱体化させることによって革命を目指す、文化マルクス主義の理論の中に見られるものだ。多様性の名の下に、社会の少数派(LGBTなど)を利用し、ポリコレを武器に彼らを異常に擁護する。そうして多数派との間に対立を引き起こし*2社会を不安定にして最終的には革命を目指す…。

 赤字部分には吹き出すと共に呆れました。これらのどこが左翼用語なのか(そもそも東工大を左翼呼ばわりするのも無茶苦茶ですが)。つまり「多様性(ダイバーシティ)に欠け、排外的*3で、不公平(つまりは安倍のモリカケ疑惑のように特定の個人、団体のみ優遇する)」なのが産経や竹内にとっての「右翼」なのか。だとしたら右翼とは随分とろくでもない代物です。そしてその逆が左翼(特定の個人、団体を優遇せず、平等な態度)なら「左翼の方が右翼よりずっと立派」です。
 それとも産経や竹内においては「多様性」等について特異な珍理解がされているのか?。
 また「ダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包摂性)」が竹内の言うように左翼用語なら「それをテーマとした東京五輪2020」は左翼イベントと言うことになりますが、実際には左翼の日本共産党東京五輪に批判的であり、自民党(菅政権)や小池都知事東京五輪を推進したわけです。
 これを「ダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包摂性)」は左翼用語という前提はそのままで何とか整合性をつけるには

1)実は日本共産党は左翼ではなく、自民党(菅政権)や小池都知事の方が左翼なのだ
2)「ダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包摂性)」は左翼用語で、東京五輪2020もそれらをテーマとしたが、それでも東京五輪2020は左翼イベントではないのだ(何故?、という疑問が当然出てきますが)

のどちらかしかないでしょうが、そんな無茶苦茶な理解をするより「そもそも、それらは左翼用語ではないのだ」と考える方が自然です。
 いずれにせよ真面目な右翼は産経や竹内に怒っていいでしょう。いずれにせよこんな寝言が「動物行動学(竹内の自称に過ぎませんが)」と何の関係があるのか。真面目な「動物行動学研究者」は産経や竹内に怒っていいでしょう。


民主ウォーノック氏勝利宣言 米上院選、共和候補は敗北認める - 産経ニュース
 「50対50(この場合でも民主、共和同数の場合は副大統領の1票が入るので民主有利ですが)」よりも「民主51対共和49」の方がわずかでもトランプの打撃になるので素直に喜びたい。


【政界徒然草】そよ風のように吹いた解散風 発信源は… - 産経ニュース
 「菅おろし→岸田新総裁で解散」のような「岸田おろし→新総裁で解散」でない限りまず解散はないでしょう。


正義をふりかざす日本人 藤原正彦 - 産経ニュース
 岸田政権の閣僚辞任(統一協会問題での山際経済財政担当相辞任、暴言での葉梨法相辞任、金銭疑惑での寺田総務相辞任)、さらに続く政務三役等の疑惑、不祥事追及(岸田首相本人の宛名のない領収書疑惑、松本総務相のパーティー券疑惑、杉田総務大臣政務官の差別暴言、薗浦代議士の4000万円という巨額の政治収支報告書無記載等)を「そんなことより大事なことガー、政策論争ガー」といつもの自民擁護です。
 「佐川ヤミ献金疑惑の細川首相」「故人献金疑惑の鳩山首相」「秘書給与詐取疑惑の辻元社民党衆院議員」「西松疑惑の小沢民主党幹事長」(役職は全て当時)など「非自民の政治家の疑惑、不祥事」なら悪口するくせに良くも言ったもんです。しかしこんなバカが子どもとは新田次郎*4も本当にかわいそうです。


会員選考に第三者関与 政府が日本学術会議の見直し方針発表 - 産経ニュース
 「第三者=自民の任命」でしょう。学術会議を「政府の御用機関化」しようとする無法な政治介入も大概にしたらどうなのか。


自民・萩生田氏「増税は間違ったメッセージ」防衛費 - 産経ニュース
 「選挙(直近だと茨城県議選)に悪影響」としか言わず「国民生活に悪影響」と建前ですら言えないところが萩生田らしいクズさです。


国民民主、被害者救済法案の採決賛成へ 玉木代表が明らかに - 産経ニュース
 自民党に媚びることが習い性になってる玉木らしい態度です。しかし自民党は「維新の賛成」で「野党の一部も賛成した」ポーズができる以上、玉木に感謝の念など示さないでしょう。
 そもそも過去にも自民は「玉木の要望するガソリン税減税」を完全に無視しており、玉木など屁とも思ってないでしょう。
 一方で政府法案に批判的な人間は玉木を批判する。
 結局「誰からも冷たい態度を取られ支持率が低迷する」と言う事態は変わらない。「是々非々ポーズ」を取ろうとする玉木ですが、そうしたポーズは維新に「お株を奪われて」います(今回の救済法案でも立民、維新と自公が協議したものの、玉木国民民主は蚊帳の外)。
 もはや国民民主も上がり目はないのではないか。


共産「暴力革命方針」堅持 政府答弁書に小池氏反論 - 産経ニュース
 こんな答弁書を決定したところで積極的に賛同するのは非常識極右だけ、自民党支持層ですらせいぜい「利権のために黙認するだけ」、穏健保守(良識派)に至ってはむしろ批判すると言うことが理解できない今の自民党には心底呆れます。
 そもそも共産がそんなにやばい組織なら「大阪維新に対抗するため」とはいえ都構想住民投票などで共産党と共闘したことは一体どう評価されるのか。
 しかし鈴木宗男も自民を離党に追い込まれたときは「民主党にすり寄り」、その結果「消極的とはいえ」共産党を含む野党共闘を容認していたくせに娘が自民に入党するや、掌返しで反共攻撃とは全く下劣な男です。未だにプーチンを擁護するクズなので予想の範囲内ですが。

*1:民族のダイバーシティについては例えばアフリカ系日本人のプロスポーツ選手の先駆け(の1人)だった - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)で紹介されてるハーフの日本人選手を参照

*2:多数派が少数派(LGBTなど)を差別したら容認しろ、少数派を擁護するのは社会を不安定化する共産革命の企みだ(竹内)とは呆れて二の句が継げませんね。今後産経や竹内は「多数派(漢民族)が少数派(チベットウイグル)を差別している」と中国非難するのは辞めたらどうか。中国から「(産経、竹内ら日本ウヨは)多数派(漢民族)と少数民族チベットウイグルなど)の間に対立を引き起こし社会を不安定にして最終的には、中国共産党打倒の内乱を目指す」と皮肉を言われても文句は言えないでしょう。というかマジでそういう思惑で産経がチベットなどを政治利用してるから日本共産党LGBT擁護に変な邪推をするのではないか(そもそも志位氏の例の謝罪でわかるように1970年代は日本共産党LGBTへの認識は差別的であり、共産主義ならLGBT擁護とはとても言えませんが)。まあ、日本以上にLGBT擁護が進んでる欧米が「社民左派政権(ドイツのシュルツ社民党政権など)」ならともかくとても「共産国とは言えないこと」を考えても「LGBT擁護→共産革命」とは呆れたデマです。「電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも共産党のせいか?」と悪口したくなります。

*3:包摂(広く多くのものを包む)の対義語は排外かと思います。

*4:本名は藤原寛人。1956年(昭和31年)『強力伝』で直木賞、1974年『武田信玄』等で吉川英治文学賞受賞