今日の産経ニュース(2023年6/17日分)

弁護士が手錠掛けられ強制退廷 40年ぶりの「制裁」が問う法廷内録音の是非 - 産経ニュース

裁判官「録音してますか」
弁護士「答えません」
裁判官「(机の上に置いたICレコーダーの)電源を切って、しまうよう命令します」
弁護士「その根拠は」
裁判官「答える必要ありません。従わないならば退廷を命じますよ」
《弁護士は従わず、裁判官が退廷を命じる》
弁護士「(録音を禁じる)説明もないのに退廷なんて。絶対出ない」
《弁護士が警備員に抵抗したため、裁判官は拘束命令を発した。弁護士は手錠をかけられ、別の部屋に連れ出された》
 強制退廷させられた中道弁護士には、同日、制裁裁判が待っていた。
 過料3万円に処された中道弁護士は、決定を不服として抗告。しかし、大阪高裁は今月9日、「裁判所の措置に納得いかなかったとしても、法的手続きによらず、実力行使で抵抗することなど許されるはずがない」と退けた。中道弁護士は最高裁に特別抗告している。

 法廷証言について弁護士の録音を認めない現状を不当と考えると共に、「正当な方法ではもはや現状を変えられない」「悪名は無名に勝る(もはやどんな手段を使ってでも騒がれないとどうにもならない)」との悲壮な決意による「録音強行」「退廷拒否」「抗告」でしょう。産経には珍しく弁護士側に肯定的です。


【産経抄】6月17日 - 産経ニュース

 LGBTなど性的少数者への理解増進法が16日、多数の懸念を残したまま成立した。

 「後で紹介します」が、確かに「共産党の田村氏*1、山添氏*2などから」懸念は指摘されていますが、産経の言う懸念とは「共産のようなまともな物」ではなくそれとは真逆の「デマに基づく物(自称トランス女性の男性変質者が女風呂や女性トイレに突撃する)」です。
 一方、田村氏、山添氏らが懸念を表明してるのは「そうしたデマを法が助長し、LGBT、特にトランスジェンダーの人権が侵害されること(というか法そのものが、そうしたLGBT、特にトランスジェンダーへのデマを前提としているとしか思えないこと)」です。いずれにせよ田村氏らが懸念するような事態(法がLGBTの人権侵害を助長)が起きないか今後の監視が必要です。
 場合によっては法改正も必要でしょう。

◆エマニュエル米駐日大使の内政干渉といえるごり押し
林芳正*3外相は16日、エマニュエル氏の言動に関し「コメントは差し控えたい*4」と述べたが、事なかれ主義的姿勢では相互理解に向かわない*5

 「今回のLGBT法」のように、「LGBT差別」産経らウヨに都合の悪いときは「米国の不当な内政干渉、ごり押し」呼ばわり。

防衛費を2%に 米国防長官が日本など同盟諸国に要求 対中露念頭 - 産経ニュース2020.9.18
 エスパー米国防長官は16日、米政策研究機関「ランド研究所」で講演し、(中略)日本を含む同盟諸国に対し「防衛費を国内総生産(GDP)比で少なくとも2%に増額するよう要請する」と表明した。

のような「軍拡要求」のように「軍拡派」産経らウヨに都合のいいときは「トランプ政権のエスパー国防長官(当時、後にトランプと対立し解任される)」を「内政干渉」と批判せず「日米友好のために軍拡要望に応じるべき」なのだから、産経らウヨのデタラメさには心底呆れます。
 とはいえこのようにエマヌエル氏に悪口しても「米国大使館に抗議文書を持参し、エマヌエル氏に手渡す」「手渡した場でエマヌエル氏を『内政干渉、属国扱いは辞めよ』と激しく非難」「米国政府にエマヌエル氏の大使更迭を求める」「日本政府に対抗措置(抗議の意思表明)として駐米大使の一時帰国(召還)*6を要請」などはしない*7のだから全く腰が引けています(そういう無茶なことをして日米関係に障害を持ち込まれても困りますが、産経らウヨもここまで悪口するならそれくらいしたらどうなのか?)。

参考

LGBT法4党案可決/田村智子氏批判「これが少数者守る法か」
 共産党の田村智子議員は反対討論で、最大の問題は、維新、国民の案をベースに「全ての国民が安心して生活することができることとなるよう留意する」との条文が持ち込まれたことだと主張。「マイノリティー(少数者)にマジョリティー(多数派)の安心を脅かすことのないよう『わきまえろ』と求める。これがマイノリティーの人権擁護の法律か」と批判しました。
 また、学校での教育・啓発は「家庭及び地域住民その他の関係者の協力を得つつ」行うとする条文も、『多数派が許容する範囲』で性的少数者の人権を認めることになりかねないと指摘。同条文を根拠に(ボーガス注:過激性教育云々とウヨ議員が性教育実践に不当な因縁をつけたような*8)「学校の実践をやり玉に挙げるようなことはあってはならない」と主張しました。

LGBT法4党案/田村智子議員の反対討論要旨/参院内閣委員会
 最大の問題は、第12条が、維新・国民案をベースに持ち込まれたことです。「全ての国民が安心して生活できるよう留意する」。
 法律の目的を百八十度転換し、マイノリティーにマジョリティーの安心を脅かすことのないようにと求める、これがマイノリティー人権擁護の法律なのでしょうか。
 「学校での教育、啓発は家庭・地域住民の協力を得つつ行う」との条文も、多数派が許容する範囲で認めるということになりかねません。
 「差別は許されない」が「(ボーガス注:『正当な差別』の存在を前提しているような)不当な差別はあってはならない」と書き換えられ、国に義務づけた調査研究が学術研究に置き換えられ、「民間団体などの自発的な活動の促進」も削除するなど、法案はずたずたに後退させられました。

山添拓
 LGBT「理解増進」法が可決された。自公+維新国民の「修正」案が「全ての国民が安心して生活することができることとなるよう留意する」としたのは、少数者に多数者の「安心」を理解せよと求めるもので、本来必要な法とは真逆の発想。当事者が懸念する法案をなぜ押し通すのか。

島田洋一
 LGBT利権法案が今日参院を通過して法制化される。
 このままでは活動家や変質者、反社天国*9になる。
 児童*10や女性を守るため、法に規定された「指針」を早急に作らねばならない。

 島田の言う「指針」とやらが「懸念」されてるわけで今後の監視が必要です。

*1:参院議員。日本共産党政策委員長(副委員長兼務)

*2:参院議員。日本共産党政策副委員長(常任幹部会委員兼務)

*3:福田内閣防衛相、麻生内閣経済財政担当相、第二次、第三次安倍内閣農水相、第四次安倍内閣文科相等を経て岸田内閣外相

*4:米国批判はできないが、エマヌエル氏に賛意を示し「安倍派や産経などウヨ勢力を敵にしたくない」という岸田政権の立場が露呈しています。

*5:おいおいですね。外相自ら産経のように「エマヌエルは内政干渉は辞めろ」「属国扱いするな」と言った日米関係が確実に悪化しますし、それを容認するのは産経のようなLGBT差別右翼だけです(日本共産党が米国に批判的とは言え、それはあくまでも日米安保問題や核保有問題、『イスラエルへの甘い態度』等であってLGBT問題ではない)。

*6:抗議意思表明としての大使召還の例としては例えば中国、駐リトアニア大使を召還へ 台湾「大使館」に反発 - 日本経済新聞(2021.8.10)、 仏、駐米・駐豪の2大使召還 豪の潜水艦計画変更に抗議 - 日本経済新聞(2021.9.18)、仏政府、米豪から大使召還 潜水艦契約破棄めぐり「背中刺された」 :朝日新聞デジタル(2021.9.19)、 カナダ外務省が中国大使を召喚、偵察気球飛行巡り - 日本経済新聞(2023.2.4)、 台湾 ホンジュラス駐在大使召還へ 中国との国交樹立交渉に不満 | NHK | 台湾(2023.3.23)

*7:勿論そんな要請をしても日本政府も米国政府も応じませんが

*8:これについては例えばこんなクズ野郎が「都議会拉致議連会長」なのだから、拉致問題が世間から嫌がられるのも理の当然だ(古賀俊昭の死に寄せて) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)参照

*9:活動家はともかく変質者、反社天国というのは悪質なデマにすぎません。こんなデマを飛ばす島田ら「LGBT差別右翼」こそ「変質者」「反社」の名にふさわしいでしょう。

*10:「児童を守る」とは「トランスジェンダー児童」の存在を完全に無視している暴言です。