珍右翼・高世仁に突っ込む(2023年2/22日分)

中村哲医師が見たアフガンの女性たち - 高世仁のジャーナルな日々

 中村哲さんは「タリバンの時代が(ボーガス注:治安が比較的安定していたので?)一番仕事がはかどった」と言い、女性への抑圧にはほとんど触れない。中村さんはアフガニスタンの女性問題をどう捉えていたのか。

 医療支援活動をしていた中村氏は「医療支援に弊害が出ない限り」アフガンの女性問題(男女平等や女性の人権擁護、社会進出など)について興味は無かったと言うことでしょう。彼は「アフガンの女性問題に取り組む」ためにアフガンに行ったわけではない。
 当然ながら中村氏の「女性問題認識」はそうした限界がある。高世のように手放しで評価できる代物ではそもそもない。
 まあ、そもそも中村氏に「アフガンに限らず」一般的な意味で「女性問題」にどれほど関心があったのかも疑問ですが。そもそも「女性問題に関心が薄い人」なのかもしれない。

 カブール*1のような大都会を除き、多数の女性たちが自ら権利を求めて叫ぶことは少なかったと思う。
(中略)
 いつ実現するか分からぬ「権利」よりは、目前の生存の方が重要であったのだろう。

 高世が引用する中村氏の文章ですが、この文章から俺は以下の記事を連想しました。

ロシアに近づく国も “プーチンの戦争”で勃発 天然ガスの争奪戦 | NHK2023.2.23
 パキスタンの首都、イスラマバード
 12月中旬。朝晩の冷え込みが厳しくなるなか、一段とつらい冬を迎えていました。ガス不足が深刻になっているのです。都市ガスの供給が半日近く止まる地域も出ています。
 民間の調査会社のデータによれば、パキスタンで発電やいわゆる「都市ガス」として使われているLNG液化天然ガスの去年1年間(2022)の輸入量は、おととしと比べておよそ16%減少しました。
(中略)
 ことし1月、首都イスラマバードにある高級ホテルの一室。
 固い握手を交わすパキスタンのサディク経済相とロシアのシュリギノフ・エネルギー相の姿がありました。
 記者団に対し2人は、石油や天然ガスパキスタンへの輸入に向けて調整を進めることで合意したことを明らかにしました。
 ウクライナへの軍事侵攻によって欧米から制裁を受けるロシア。しかし、地元の記者の1人は、パキスタンの多くの市民は、貴重なエネルギーの輸入先としてロシアに期待し、歓迎すらしているといいます。もちろん侵攻に反対する人もいますが、いまはきょうとあすを生きるためのガスが必要なのです。

 パキスタン国民の生活を考えれば、「パキスタン政府のロシアへの接近」を一方的に批判できないでしょう。
 とはいえ高世も、さすがに「パキスタンにとってLNG価格を安定させ国民の苦境を救うことが大事、ウクライナ問題などどうでもいい」として「パキスタンのロシアへの接近」を諸手を挙げて賛成はしないでしょう。
 確かに「経済や庶民の生活を無視して人権云々と言っても無力(高世や中村氏の主張)」ではあるでしょうがそれは「アフガンの女性差別(あるいはロシアのウクライナ侵攻)はどうでもいい」と言う話とは違う。「経済や庶民の生活」も「人権問題」もどちらも大事だという話です。
 パキスタンの件について言えば「NATO諸国(米英仏独など)がLNG不足やLNG価格高騰に苦しむパキスタンに経済支援できないのか」と言う話でしょう。
 大体その高世の理屈なら「中国の人権問題(特に中国国民多数派である漢民族は関係ない少数民族問題)」も「経済成長」及び「それによる中国国民多数の政府支持」を理由に免罪できてしまう(勿論、アンチ中国の高世はそうした免罪をしないでしょうが)。
 それにしても、まさにこれは経済のほうが政治よりよっぽど現実(実状)に正直だ - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)の一例ですね。


元大使が語るアフガニスタンの「反近代」3 - 高世仁のジャーナルな日々

 先週土曜日、近所で中村哲医師の映画『荒野に希望の灯をともす』の上映会があり、アフタートークでお話した。

 未だに高世をジャーナリスト扱いする奇特な御仁がいるようです。

 今月7日、友人のイタリア人ジャーナリスト、ピオ・デミリアさんが病気で亡くなった。享年68。

 彼と同じ1954年生まれとしては例えば志位和夫共産党委員長がいますね。はっきり言って早死にでしょう。