珍右翼・高世仁に突っ込む(2023年2/26日分)

ロシアのウクライナ侵略から1年 - 高世仁のジャーナルな日々

 ロシアが引くしか終結の道はない

 正確には「あるべき戦争終結の道は」ですね。勿論「俺がそうした道を望んでいないこと(またそうした道は現実的にありえないと判断してること)」はお断りしておきますが、「とにかく戦争が終わればいい」とするならば、「欧米がウクライナ支援を辞め、ウクライナもロシアに抗戦しない」と言う「終結の道」もありえます。

 ロシアのGDPはこの1年で2.1%しか落ちていない*1という。
ロシアGDP、22年は2.1%減 侵攻直後の予想より改善 | ロイター

 「制裁破り、逃れ」によって「制裁が十分効果を発揮しておらず」、制裁が十分効果を発揮した場合に比べれば「下落幅が小さい」んでしょうか。果たしてどう見るべきなのか。

 ロシア国民の圧倒的多数が今もプーチンと彼が始めた軍事作戦を支持している。

 戦前日本においても「米軍の空襲」によって敗戦を実感するまでは「戦争支持」が高かったことは拙記事新刊紹介:「歴史評論」2023年2月号(副題:真珠湾攻撃勝利に歓喜した当時の日本人多数派、ほか) - bogus-simotukareのブログで指摘しました。
 「米国のベトナム戦争」「旧ソ連のアフガン侵攻」にせよ「敗色濃厚」にならないと批判意識はなかなか高まりません。
  新刊紹介:「歴史評論」2023年2月号(副題:真珠湾攻撃勝利に歓喜した当時の日本人多数派、ほか) - bogus-simotukareのブログコメント欄でも

Bill_McCrearyさん
 これでは、ベトナム戦争に米国人が賛成したとか、ウクライナ侵攻をロシア人の主流が支持しているというのも、ある意味当然でしょうね。

のコメントを頂きました。

 万が一、ウクライナが軍事的に敗北してロシアの占領下におかれたとしても、最終的にロシアはこの地を”平定“できず、アフガニスタンの米軍のように、ロシア軍は撤退するだろうが、この場合、ウクライナの犠牲は恐ろしいものになる。アフガニスタンは米軍が侵略してから撤退まで20年もかかった。

アフガニスタン紛争 (1978年-1989年) - Wikipediaということでソ連のアフガン侵攻は約11年間(1978~1989年)でした。
 1989年のソ連軍の撤退、1991年のソ連崩壊(これによりソ連軍撤退後も続いたアフガンへの軍事支援がなくなったとされる)後、反政府派の攻勢を耐えられず、1992年にムハンマド・ナジーブッラー - Wikipedia政権が崩壊します。
 しかし反政府派は仲間割れし内戦は継続します。この内戦の中で「従来の反政府派とは異なる流れ」のタリバンが台頭し、1996年、タリバンアフガニスタン・イスラム首長国 - Wikipediaを「建国」(2001年の米軍侵攻による崩壊まで続く)。内戦は1996年のタリバンの「政権樹立」を契機に「反政府派の内部抗争」から「タリバンVS北部同盟(従来の反政府派)」へ構図が変わります。
 「アフガン侵攻20年」ですが
1)2001年10月7日にブッシュ子米国大統領がアフガンに侵攻
2)2001年11月13日に米国の支援を受けた北部同盟が首都カブールを陥落。12月22日にはカルザイアフガニスタン暫定行政機構の議長(後にアフガン大統領)に就任(その後、カルザイが2014年9月29日まで大統領を務める)
3)但しタリバンが崩壊したわけではなく、内戦は継続
4)2020年2月29日、米国トランプ政権とタリバン間で和平合意が締結され、2021年5月までに米軍が完全撤退することで合意
5)ポストトランプのバイデン政権は「5月までの完全撤退」を延期表明したモノの、撤退自体はトランプ政権の方針を継承。2021年4月14日、バイデンは9月11日までの米軍完全撤退を発表。4月以降、徐々に米軍が撤退
6)米軍の撤退を契機にタリバンが軍事的攻勢。8月15日に首都カブールがタリバンによって陥落。米軍の完全撤退前にタリバンが政権を奪還(なお、米軍は8月末で完全撤退)。
と言う流れです(アフガニスタン紛争 (2001年-2021年) - Wikipedia参照)。
 「米軍撤退→軍事的攻勢→政権崩壊」は「ベトナム戦争でのサイゴン(現ホーチミン市)陥落」を連想させます。
 ベトナム戦争
1)フランスがジュネーヴ協定(インドシナ休戦協定)を北ベトナムと締結しベトナムから撤退すると、米国の支援で1955年にゴ・ディン・ジエム政権が南ベトナムに誕生。米国の支援で南北ベトナムの戦争は継続
2)1964年のトンキン湾事件を契機に今まで南ベトナムへの軍事支援止まりだった米国が北ベトナムへ米軍部隊を投入
3)1973年1月27日にパリ和平協定締結。1973年3月29日までに米軍の南ベトナム完全撤退で北ベトナムと米国が合意。この協定でアメリカのキッシンジャー*2北ベトナムのレ・ドク・トに、1973年のノーベル平和賞が授与された(ただし、レ・ドク・トは「ベトナムにまだ平和が訪れていない」と述べて受賞を辞退)。
4)1975年4月30日に北ベトナム南ベトナムの首都サイゴンを陥落し戦争終結
と言う流れです(パリ協定 (ベトナム和平) - Wikipedia参照)。「1955年の軍事介入」からカウントすると「アフガン戦争同様、約20年」です。
 それにしても「20年もかかった。」と言う高世は「2002年9月の小泉訪朝」から既に「21年以上が経過していること」をどう思っているのか? 

 ロシア国民がそのに乗せられたのは「テレビとそこで働いているジャーナリストのせいだと言われている。国民をだましているという点では彼らは犯罪者だが、それがすべてでは決してない。人々がプロパガンダを受け入れなければ、プロパガンダは彼らに影響を与えることはできない
「テレビは『国民が聞きたいと思っていること』を伝えている。私は“ロシア国民自身の罪”だと思う」。

 拉致問題に限りませんが、「拉致問題」で「即時一括全員帰国以外不可」という「家族会、救う会の非現実的な主張」を垂れ流す日本のテレビも「同じ過ちを犯してる」といっていいでしょう。
 勿論「救う会、家族会の太鼓持ち」を「少なくともジンネットが倒産するまでは続けてきた高世」もそうした過ちを犯した一人です。
 なお、日本においても赤字部分は該当します。テレビが何を流そうとも国民が救う会、家族会の主張に「ノー」と言えば良かったという面はあります。
 いい加減「段階的帰国容認」と言う現実的道を目指すべきです。そもそも拉致被害者全員が生きてる保障はない上に、救う会、家族会のいう「全員」は「特定失踪者を含む」と言うとんでもない代物です。

 メディアと国民が相互に劣化しあう負のスパイラルは、わが日本でも始まっているのでは、とわが身を振りかえった。

 拉致問題に限りませんが、「拉致問題」こそがそうした「負のスパイラル」の典型ではないか。
 高世も

これじゃあ「ジャーナリスト」でなくて「反北朝鮮活動家」だ - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2012.2.27
そういうことであるなら、小泉元首相、田中均氏、蓮池透氏らに陳謝する用意くらいはあるんだろうな - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2020.12.21
北朝鮮が崩壊する前に自分の会社を倒産させた無様で無残な話 - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2021.4.28
けっきょく「横田めぐみ拉致問題における安明進証言」などというものにのっかったのが、高世仁が会社をこかした淵源(の少なくとも1つ)ではないか - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2021.5.25
巣食う会とか家族会系の連中とかかわった北朝鮮関係の言論人は、その後ろくな状況でないと思う(関川夏央や高世仁、恵谷治、李英和ほか) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2021.7.14
高世仁の幼稚なデマ自慢を平然と垂れ流すNHKの馬鹿さとクズぶりに本気であきれ返る - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2022.1.11
家族会と巣食う会の見解と違う報道ができずに高世仁の北朝鮮報道は自滅した(関川夏央もたぶん同じ) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2022.6.3
田中均元外務省アジア大洋州局長が、日朝首脳会談直前に米国高官に会談についての事前通告をしたことを認めた(高世仁とか家族会ほかの面々は、どんだけ馬鹿なのかと思う) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2022.9.12
高世仁の仕事仲間(?)だった野村旗守が、北朝鮮問題から撤退したあたりが、つまりは連中の北朝鮮分析がろくでもないものである証左だ(関川夏央や李英和らもご同様) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2023.1.19

という「自分の劣化(いや劣化ではなくもとから酷いのか?)」を棚上げして良くもふざけたことが言えたもんです。偉そうなことを抜かすなら「過去の自らの汚点」を反省したらどうなのか。

*1:当初「2.1%て小さいか?」と思ったんですがしばらく考えて「侵攻前が100%でそこから2.1%落ちて97.9%てことか、なら小さいな」と気づきました。うかつな俺は当初「GDPの伸び率(これなら2.1%下落は大きいと思う)」と勘違いしてました。

*2:ニクソン、フォード政権で国家安全保障担当大統領補佐官国務長官を歴任