今日のロシアニュース(2023年4月3日分)(副題:ウクライナの報道の自由は守られるのか、ほか)

【速報中】「クリミア半島解放、軍事と外交両方で」 ウクライナ高官 [ウクライナ情勢]:朝日新聞デジタル
 「外交」が具体的に何を意味するのかはともかく「軍事力だけで奪還する」とはいえないことが興味深い。


プーチン逮捕状の深刻な副作用 “閉ざされたシナリオ”と死ぬまで離さないもの(1/2)〈AERA〉 | AERA dot. (アエラドット)

 ICCの逮捕状には深刻な副作用も避けられない。それは、プーチン氏が来年予定されている大統領選に立候補せずに引退するというシナリオが、ほぼ閉ざされたということだ。

 むしろ大統領継続をするとしたら、理由はそういうことよりも「戦争に片がついてないこと」でしょう。
 「戦争に片がつかない」現状のまま引退しては「戦争に片をつけずに逃げた」というマイナスイメージで、プーチン政権の打撃になりかねない。
 とはいえ、プーチンも「できる限り大統領の地位に居続けたい」でしょうが、「戦争に片がついた場合」は勿論「戦争の片がつかない状態」のままでも「大統領に留任し続けるより、後釜に引き継いだ方がいい」と判断すれば、引退することには躊躇はないでしょう。
 「メドベージェフ(プーチン政権で第一副首相、首相などを歴任し、現在、プーチンが議長を務める国家安全保障会議で副議長)」など「信用できる腹心」を後継大統領にできるのなら何の問題もないわけです。


戦時下に新法…ウクライナのメディア規制 ゼレンスキー大統領の汚職を掴んだら…報道はどうするのか【報道1930】 | TBS NEWS DIG
 ウクライナ万歳報道が多い日本では珍しい報道かと思います。

 ウクライナで、3月31日新しい法律が施行される。
 メディアに関する法律だ。
 その中に「自由の制限は、国家安全保障、領土保全または公の秩序*1の利益のためにのみ出来る」とある。メディアに配慮されているように見える表現だが、これらの条件に抵触すれば、自由を制限出来るという見方もできる。ウクライナ報道の自由は守られるのか
 番組では、ウクライナの独立系インターネットメディアの編集長にインタビューした。
『ウクラインスカ・プラウダ』セウヒリ・ムサイエワ編集長
ウクライナ社会はウクライナ軍の損失を知りません。2014年(クリミアでの)戦争が始まった時は、ウクライナ軍の損失も公開していましたが、今はやり方が変わって、自国の損失ではなくロシアの損失を公開するようになりました。
 今ウクライナで起きているような(侵略からの防衛)戦争の中で、そういった規制も理解できます。私たちが規制されているのは軍隊の移動、兵器の移動に関する情報を公開しないこと、立ち入り禁止区域に入らないこと、再攻撃の可能性があるのでミサイル着弾直後の写真や動画を公開しないこと、燃えている工場や発電所を背景に中継しないことです。これらは合理的ルールとして理解できる内容です。民間人、現地人、記者たちの命にとって危険だからです」

 他の部分はともかく少なくとも赤字部分は「理解していい規制」ではないでしょう。「開戦直後は公開していたが今は公開してない」とは明らかに「ウクライナの戦意高揚を阻害するから」と言う理由でしょう。
 「軍事機密が公開されるとロシアとの戦争に支障を来す」という理由ではない。
 青字部分も「何処まで本当なのか」ですね。これまた再攻撃の可能性があるのでを口実にしてるだけで「ウクライナの戦意高揚を阻害するから」と言う理由ではないのか。

ウクライナプラウダ』 セウヒリ・ムサイエワ編集長
「“自主規制”という現象があります。支援や社会の団結に影響を与えかねないために戦時下で汚職について報道してはいけないと思っている記者もいます。
 私はこの意見に大反対です。戦時下においても汚職のような事実を社会から隠してはいけないと確信しています。ロシアのミニバージョンを作ってはいけないのです。」
(中略)
 ムサイエワ編集長に最後に聞いた。
「もしもゼレンスキー大統領の汚職について情報を掴んでしまったらどうするか」
『ウクラインスカ・プラウダ』 セウヒリ・ムサイエワ編集長
「当然私たちはそれについて伝えます。大統領を含め政府高官の汚職について、伝えない理由はありません」

 そりゃ公然と外国マスコミ(TBS)相手に「ロシアとの戦争勝利のためにはゼレンスキーやその側近に汚職や不正が見つかっても見逃す」とはいえないでしょう。
 実際に彼女なり「他のウクライナの記者なり」がゼレンスキーや側近の汚職、不正を報道できるかは何とも言えません。

*1:「国家安全保障、領土保全」はともかく「公の秩序」とはかなり「曖昧な概念」でしょう。