スーツを着ないのは無礼だなどとヤジられたりもしていた
「スーツ非着用が無礼かどうか」は「価値観の問題」だとしても事情が何であれ、「スーツ非着用」をトランプ側が認めて、会った以上、
アメリカ トランプ政権の高官「ゼレンスキー大統領は無礼」 | NHK | トランプ大統領
ウォルツ*1大統領補佐官はCNNテレビに出演し、「首を振り、腕を組むなど信じられないほど無礼だった」と振り返りました。
という「ゼレンスキーの態度や発言が無礼*2」ならまだしも、会ってから「服装が無礼だ」と言い出すのは明らかに筋が通らず、不適切です。
是非はともかく「スーツ着用しない限り会わない」として実際に会わなかったのならともかく。
また、高世も批判していますが
と言う問題もあります。つまりは「トランプの対露外交に否定的なゼレンスキー」への恨みから因縁をつけてるだけではないのか?
これについては以下の報道を紹介しておきます。
マスク氏の装いはOK? ホワイトハウス高官、返答窮す―米:時事ドットコム
首脳会談でゼレンスキー大統領がスーツを着なかったことにトランプ大統領が不快感を示した一方、実業家イーロン・マスク氏はTシャツや野球帽というラフな格好でも不問とされ、「二重基準」が指摘されている。
彼*4は「ロシアはかなり前からウクライナのNATO加盟は認められないと強く主張してきた。NATO加盟問題が戦争が始まった理由だと思っている」と語る。
単なる「事実の指摘にすぎない(ロシア正当化ではない)」のならトランプの言う通りで、プーチン政権の主観では恐らくその通りでしょう。
しかし勿論「ロシアの侵攻は、違法な侵略で正当化できない」のは当然です。
なお、「ロシアがNATO加盟を認めない以上、ウクライナのNATO加盟は認めない(トランプ)」に留まるのならば是非はともかく「それも一つの考えだ」と俺個人は思います。
NATO加盟は「それ以外の結論はあり得ない」という「当然の帰結」ではないし、バイデン政権(2021~2025年まで:なおロシアのウクライナ侵攻は2022年2月)も「理由が何かはともかく」NATO加盟に賛同しませんでした。
恐らく「今がハリス政権」でも「将来はともかく」現時点でのNATO加盟には賛成しなかったでしょう。
トランプの場合は「NATO加盟反対」に留まらず「どう見ても態度がロシア寄り」であることが問題の訳です。
フィンランドとスウェーデンが(ボーガス注:ロシアのウクライナ侵攻後、ロシアの脅威を理由に)新たにNATOに加盟したが、プーチンは大きな反応を示していない。
「旧ソ連のウクライナ」と「そうではないフィンランド、スウェーデン」では性格はかなり違うため「ウクライナのNATO加盟は許さないが、スウェーデン、フィンランドなら渋々許す(ロシア)」は十分あり得ます。
ウクライナのNATO加盟は(ボーガス注:プーチンがウクライナに侵攻した)2022年段階ではまったく実現の見通しがなかった。
果たしてそう言えるかどうか?。NATO加盟機運が盛り上がっていたとは言えないでしょうが、ウクライナがNATO加盟希望を表明しており、「NATO加盟の可能性」は「それなりにあった」でしょう。
プーチンは、ウクライナがロシアから独立した民族、国家になること*5が許せないのだ。ロシアから離れてEUの方に接近するウクライナは罰せられないといけないと考えたのだ。
ウクライナのシビハ外相は「この戦争の根本原因はプーチンによるウクライナの存在権否定とウクライナ破壊の願望だ。それが戦争を始め、残虐行為を犯し、力で国境を変えようとする理由だ」と明快に述べている。
このあたりは拙著『ウクライナはなぜ戦い続けるのか』(旬報社)で解説してある。
高世は何故か「ロシアはウクライナのNATO、EU加盟に反対してるのではなく、ウクライナのロシア離れに反対してる」という奇妙なことを言っていますが、ロシアにとっては恐らく「ロシア離れの一部=NATO、EU加盟(恐らくNATO、EU加盟に留まらないが)」なので主張が非常に変です。