岸田襲撃事件についていろいろ(2023年4/18日分)(副題:犯行動機とも再発防止とも関係ない報道に呆れる、ほか)

「短絡的で理解得られず」文芸評論家・浜崎洋介氏 首相襲撃容疑者主張 - 産経ニュース
なぜ訴訟から首相襲撃テロに、犯罪心理学者がみた「飛躍」の原因 - 産経ニュース
 自供報道*1がでたわけでもなければ、容疑者に会ったわけでもないのに、「山上の模倣犯」などと犯行動機を勝手に憶測するなど、まともな学者や評論家のやる行為ではない。ご本人はそうは思ってないらしい(まともなことを言ってると思ってるらしい)のには絶句しますが。所詮、産経にでる学者や評論家などそんな低レベルなのでしょう。


統一教会と国葬で「既存政治家」批判、銃撃事件契機に持論先鋭化か 首相襲撃容疑者 - 産経ニュース

 「被選挙権年齢は立候補の自由の侵害。供託金制度は財産・収入による差別だ」

 小生も「被選挙年齢は引き下げるべき」「供託金は廃止するか大幅に減額すべき」と思ってるのでこの点では木村容疑者と同意見です。
 但し、現時点ではこうした主張と「襲撃とのつながり」は不明です。「そうした主張を理由に襲撃した」と自供したと言う報道は今だない。
 にもかかわらず、こんな記事を書くとは「既成政党(特に自民、立民などの大政党)に有利とされる供託金制度」を産経はそんなに擁護したいのかと呆れます。
 勿論「被選挙年齢や供託金制度」が襲撃の動機だとしてもそれは「そうした主張が間違ってる」と言う話ではなく「テロが間違ってる」と言う話でしかない。


木村容疑者「被選挙権25歳は憲法違反」主張か 昨秋、地元市議の市政報告会で - 産経ニュース
 「そんなことが犯行と何の関係があるのか」ですね。
 「25歳被選挙権年齢を引き下げない岸田自民に、『市議選に出たいのに年齢制限ででられない』と憎悪を覚えた」「けんもほろろな大串氏の回答(後で紹介します)に憎悪→彼が属する自民にも憎悪」として「犯行動機とつながりがある」といえる根拠があるならともかく。
 「被選挙権年齢引き下げ派」に「我々へのネガキャンか」と激怒されても文句は言えないのではないか。
 なお、産経記事には市議の名前が書いてありませんが、報告会に「自民党の大串議員が出席」と書いてあるので自民系の市議でしょう(他党の市議の報告会に出るとも思えませんので)。産経以外の記事なら名前が出てくるかと思ったのですが、ググった限りでは出てきません。市議(但し報告会当時、現在は元)の方が「名前を出すこと」を拒絶しているのか?

 大串氏は「社会の仕組みをしっかり勉強し、25歳になれば選挙に出られるという考え方は、国民のコンセンサスが得られている」などと答えたという。

 「何だかなあ」ですね。例えば「死刑の是非」で「冤罪の危険性」等の廃止派に対して、「自民党がよく持ち出す回答」ですが「国民が支持してる」を持ち出すのは「最悪の回答」でしょう。
 「国民が支持していようがいなかろうが、俺は選挙権が18歳に引き下げられた以上、被選挙権も引き下げるべきだと思う」「そもそも選挙権年齢と被選挙権年齢に差をつける必要があるのか?」「何故自分は25歳未満と言うだけで市議選に出られないのか?」等という質問に対するまともな回答とはとても言えません。
 せめて「あなたのような引き下げ論があることは知っているが社会の仕組みをしっかり勉強し、25歳になれば選挙に出られるという考え方を私個人は支持する」と自分の考えとして言えないのか。

 大串氏は産経新聞の取材に「彼が政治的にどんなことに関心があったのかは、これだけでは何ともいえない」と述べた。

 そりゃ何とも言えないでしょう。そもそも自供がない限り「政治的な理由」で襲撃したのかどうかも分からない。
 山上の場合は「統一協会と癒着する安倍への憎悪」であって政治とは関係ない話でしたし。


「夢はパティシエ」容疑者、中学で人付き合い減り 爆発事件 | 毎日新聞

 小学校では冗談を言って周囲の笑いを取るような明るい性格で、絵画が得意だったという。小学校の卒業文集では将来の夢として「パティシエか発明家」を挙げていた。「食べた人が秘密にしておきたくなるお菓子をいっぱい作りたい」とし、「みんなが喜ぶロボットや新しい車を作りたい」ともつづっていた。

 うんざりしますね。そんなことが今回の犯行と何の関係があるのか。


首相襲撃の容疑者、自宅こもり準備か 同級生証言「いつも一人」…内向的な幼少期 - 産経ニュース
 これまた「内向的であること」と「今回の犯行」と何の関係があるのかと心底呆れます。
 「内向的である→知人が少ない→悩みがあっても相談できない」と言う形で「犯行を助長した可能性」はあるでしょうが、「内向的=犯罪者予備軍」みたいな報道は辞めて欲しい。

*1:マスコミ報道に寄れば現時点では完全黙秘のようです。