今日の産経ニュース(2023年4/19~22日分)

【産経抄】4月22日 - 産経ニュース

 リベラル市民を名乗る法政大の島田雅彦*1教授がインターネット番組で、安倍晋三元首相銃撃について「暗殺が成功して良かったな」と語るのを見て、暗澹たる気持ちとなった。

 として「リベラル叩き」を始める産経の方こそ「暗澹たる存在」でしょう。当然ながら「自称リベラル」島田氏は「リベラル派代表」ではないからです。リベラル派でこうした放言を容認する人間はまずいないでしょう*2。「その釈明」をどう評価するにせよ、島田氏も各方面の批判に、その後「不適切な発言だった」と謝罪しています。


〈独自〉選挙運動の買収約束容疑、大阪の土木工事会社代表ら逮捕 - 産経ニュース
 「統一地方選後半戦に影響を与えた」との非難を恐れる故か、何処の政党(勿論無所属の可能性もありますが)は書いてありません。土建会社ということで「保守派(自民、維新*3など)」だろうとは想像できますが。しかし、こういう場合「選挙後の摘発」が多いところ、「後半戦前に摘発に踏み切った理由」は何でしょうか?


コロナ流行第9波は「8波より大規模」の可能性 コロナ専門家有志が見解 - 産経ニュース
 果たして5/8に5類移行していいのか、そもそも移行できるのか危惧を感じます。
 なお、重要なのは「厚労省の専門家組織の有志」という点です。「厚労省の専門家組織」メンバーの中には「5類移行」を不安に思ってる人間もいるし、それについて「余計なことをするな」と非難するほどの度胸も岸田首相、加藤厚労相、厚労官僚には無いと言うことでしょう。岸田政権も「経済の要請」で5類移行に踏み出した物の「5類移行がまずい事態を招くこと」を多少は恐れているのでしょう。


NHK、ジャニーズ性加害報道を「きちんと発信している」 メディア総局長が説明 - 産経ニュース
 ジャニー生前にはろくに報じなかったくせに「(死後だが)報じている」とは「おいおい」ですが、ジャニーの死によって状況が改善していると言うことでしょう。「生前に追及して欲しかった」とは思いますが。


【産経抄】4月19日 - 産経ニュース

 岸田文雄首相の母校、早稲田大学創立者として知られる大隈重信*4が右脚を失ったのは、明治22(1889)年10月である。当時外相だった大隈は、閣議を終えて馬車で外務省に戻る途中爆弾を投げつけられた。
▼犯人の来島恒喜(くるしま・つねき)(29)は短刀で喉をついてその場で自殺する。大隈は(ボーガス注:黒田内閣外相として)徳川幕府が結んだ不平等条約の改正に取り組んでいた。その内容が屈辱的だと、不満を募らせた末の犯行だった。

 「爆発物を政治家に投げつけ」で想像がつくでしょうが、先日の岸田襲撃が本題です。
 なお、大隈が襲撃された1889年前後は他にも

◆1882年:板垣退助*5襲撃
◆1889年:森有礼文相暗殺
◆1901年:星亨*6暗殺

と暗殺事件(未遂含む)があり、物騒な時代でした。

 木村容疑者とみられる男が昨年9月、兵庫県川西市の市政報告会に出席していた。
「市議選に出たいが、被選挙権が25歳からなので出られない」。
 参加した衆院議員にこう訴えていた。参院選をめぐって国を相手取り、訴訟も起こしていた。
▼ただ選挙制度に不満があるから首相を襲うというのは、理屈が通らない。

 勿論「その可能性」はありますが、現時点では「被選挙権年齢引き下げ主張」が「岸田襲撃の犯行動機」かどうかは不明です。
 当人がそう自供したという報道もない(報道に寄れば完全黙秘らしい)。にもかかわらずこんな記事を書く産経にはいつもながら呆れます。
 そんなに被選挙権年齢引き下げ運動を貶めたいのか。はたまた安倍暗殺後の「安倍と統一協会の癒着」のような「岸田の汚点(岸田襲撃については岸田にも落ち度がある)」の浮上を恐れて「今の時点で犯行動機を勝手に確定させたい」のか。

*1:作家。1984年、『夢遊王国のための音楽』で野間文芸新人賞を、1992年、『彼岸先生』で泉鏡花文学賞を、2006年、『退廃姉妹』で伊藤整文学賞を、2008年、『カオスの娘』で芸術選奨文部科学大臣賞を、2016年、『虚人の星』で毎日出版文化賞を、2020年、『君が異端だった頃』で読売文学賞 を受賞。

*2:とはいえ「暗殺が失敗した場合」に山上の「統一協会への怒り」を受け入れ「統一協会撲滅」に動くだけの度量が日本社会にあっただろうか?、と思うと複雑な思いは禁じ得ません。

*3:普通に考えれば「行政からの発注」を期待しての与党・維新支持の可能性が一番高いでしょうが

*4:大蔵卿、第一次伊藤、黒田、第二次松方内閣外相、首相など歴任

*5:第二次伊藤、第二次松方、第一次大隈内閣内務相など歴任

*6:衆院議長、第四次伊藤内閣逓信相、東京市会議長など歴任